車を利用する時の選択肢として、近年普及している「カーシェアリング」。
昔は、マイカーを持つことが社会的なステータスでしたが、マイカーの所有率は近年低下傾向にあります。
シェアリングエコノミーの発展によって「理想的な車の所有形態」について、考え始めた方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、「カーシェア・マイカー・レンタカーのうち、どれが一番安いの?」という疑問に応えるべく、カーシェア・マイカー・レンタカーを費用の面から徹底的に比較します。
この記事でわかること!
- カーシェア・マイカー・レンタカーの違い
- マイカーとカーシェアリングはどちらがお得か
- レンタカーとカーシェアリングはどちらがお得か
そもそもカーシェアリングとは
カーシェアリングとは、複数人で特定の車を共同使用するサービスです。
自動車を管理・提供している会社(タイムズカープラス、オリックスカーシェア、カレコ・カーシェアリングクラブなど)の会員になることで、コインパーキングやマンションの駐車場に設置されたカーシェアリング用の車を自由に使用できます。
利用方法は簡単です。スマホやPCで車を予約したのちに、会員用のICカードを車にかざしてドアの解錠・施錠をします。多くの場合、すべての手続きがスマホ1台で済む点は魅力です。
車は15分単位で利用でき、24時間いつでも乗車可能です。ガソリン代・保険料・車検やメンテナンスが不要で、短い時間の利用であればレンタカーより割安となっています。
一方で予約が埋まっていて借りられない場合や、前の利用者のマナーによっては、状態の悪い車(社内が汚い・ガソリン残量が少ない等)にあたる場合もあります。車の乗り捨ても認められていません。
カーシェア・マイカー(自家用車)・レンタカー比較表
それでは、カーシェア・マイカー・レンタカーは何が違うのでしょうか。
11個の観点からの比較を表で表してみました。
項目 | カーシェアリング | レンタカー | マイカー |
初期費用 | 入会金 | 特になし | 自動車取得税+自動車重量税+自賠責保険+登録費用+車庫証明費用+納車費用など |
月額費用 | 月額基本料 | 特になし | 車両代(自動車ローン)+自動車保険料+駐車場代+ガソリン代など |
利用時間 | 24時間いつでも | 営業所の開店時間 (多くは朝8時~夜10時まで) | 自由 |
支払い | 利用(時間料金+距離料金)に応じて月ごとに後払い | 利用費用(時間料金)+付帯費用(自動車保険料+ガソリン代+オプション料金)を前払い | 随時支払い |
自動車保険料 | 任意加入 | 任意加入 | 任意加入 |
ガソリン代 | 無料 (専用の給油カードで給油。満タンで返さなくても良い。) | 走行に応じて支払い | 走行に応じて支払い |
車種選択 | あまり自由に選べない | かなり自由 | 自由 |
装備 | 以下が料金に含まれる ・カーナビ ・ETC車載器 ・ジュニアシート | ・カーナビ ・ETC車載器 ・ジュニアシート(有料) | オプション |
タバコ | 原則禁煙 | 禁煙者・喫煙可能車あり | 自由 |
貸出場所 | 無人のカーステーション | 有人の営業所 | ― |
予約方法 | PCや携帯から | PC・携帯・電話で予約後、店頭で書類記入 | ― |
上記は、一般的なカーシェアリング・レンタカー・マイカーの比較表になります。
もっと詳しく知りたい方は、提供会社によって、細かい料金は異なりますので、カーシェアリングやレンタカー会社のホームページをご覧ください。
一般的には、自動車の利用時間が短ければ、カーシェアリングが得になるとされています。
では、カーシェアリング・マイカー・レンタカーでどれを選ぶべきかの分岐点はどこなのでしょうか。
以下、カーシェアとマイカー、カーシェアとレンタカーの比較をそれぞれご紹介します。
カーシェアとマイカーはどっちがお得?利用時間別コスト比較
まず、カーシェアとマイカーのコストを比較します。
普段の生活における使用頻度によって、カーシェアのほうが得になる場合とマイカーのほうが得になる場合があります。
カーシェアリングはタイムズカープラスの料金をもとに、マイカーの料金は150万円の新車を買ったときの今後5年間の自動車関連の支出総額をもとにまとめました。
月あたりでかかる費用で比較したものが、以下になります。
利用時間例 | カーシェアリング | マイカー |
月8時間の利用 (月4回・1日2時間の利用) | 6,592円 |
トータル6万円 |
月12時間の利用 (月4回・1日3時間の利用) | 9,888円 | |
月18時間の利用 (月6回・1日3時間の利用、月2回・1日9時間の利用など) | 14,832円 | |
月24時間の利用 (月12回・1日2時間の利用、月8回・1日3時間の利用など) | 19,776円 | |
月36時間の利用 (月4回・1日9時間の利用) | 25,968円 | |
月36時間の利用 (月12回・1日3時間の利用) | 29,664円 | |
月48時間の利用 (月8回・1日6時間の利用) | 32,160円 | |
月48時間の利用 (月24回・1日2時間の利用、月16回・1日3時間など) | 39,552円 | |
月60時間の利用 (月20回・1日3時間の利用) | 49,440円 | |
月72時間の利用 (月24回・1日2時間の利用) | 59,328円 | |
月84時間の利用 (月12回・1日7時間の利用) | 58,128円 | |
月84時間の利用 (月21回・1日4時間の利用) | 69,216円 |
カーシェアは、1回の利用時間が12時間以内であれば距離料金(ガソリン代)がかかりません。
毎回の車の利用が6時間以内の方でしたら、月の乗車時間が72時間以下であればカーシェアのほうが低コストです。
また毎回の車の利用が1日6時間以上12時間未満の方であれば、月の乗車時間が84時間以下でカーシェアの方が低コストになります。
ただしカーシェアリングも万能ではありません。1回の利用が12時間を超えると、距離料金(みなしガソリン代)がかかってしまいますのでそちらには注意してください。
POINT!
- カーシェアが向いている人
週末だけ車を使いたい方、
毎日車を使うけど、利用時間は短い方
- マイカーが向いている人
毎日長時間車を利用する方
カーシェアとレンタカーはどっちがお得?利用シチュエーション別コスト比較
普段の生活における使用頻度によって、カーシェアのほうが得になる場合とマイカーのほうが得になる場合があります。
カーシェアリングはタイムズカープラスの料金をもとに、レンタカーはトヨタレンタカーのハイブリッド車(HV1クラス)の料金をもとに計算しました。
レンタカーの燃費を15キロ、ガソリン代を1ℓ138円(2019年3月現在の価格)で計算しました。
利用例 | カーシェアリング | レンタカー |
日中に2時間利用 (移動距離25㎞) | 2,984円 (利用料金1,648円+距離料金0円+安心保障サービス309円+月額基本料1,030円) | 7,790円 (利用料金6,480円+ガソリン代230円+面積保障制度1,080円) |
日中に4時間利用 (移動距離50㎞) | 4,632円 (利用料金3,296円+距離料金0円+安心保障サービス309円+月額基本料1,030円) | 8,020円 (利用料金6,480円+ガソリン代460円+面積保障制度1,080円) |
日中に6時間利用 (移動距離75㎞) | 5,356円 (利用料金4,020円+距離料金0円+安心保障サービス309円+月額基本料1,030円) | 8,250円 (利用料金6,480円+ガソリン代690円+面積保障制度1,080円) |
日中に10時間利用 (移動距離120㎞) | 8,655円 (利用料金7,316円+距離料金0円+安心保障サービス309円+月額基本料1,030円) | 9,740円 (利用料金7,560円+ガソリン代1,100円+面積保障制度1,080円)) |
日中に12時間利用 (移動距離150㎞) | 10,303円 (利用料金8,964円+距離料金0円+安心保障サービス309円+月額基本料1,030円) | 10,020円 (利用料金7,560円+ガソリン代1,380円+面積保障制度1,080円) |
日中に14時間利用 (移動距離180㎞) | 12,557円 (利用料金8,338円+距離料金2,880円+安心保障サービス309円+月額基本料1,030円) | 11,916円 (利用料金9,180円+ガソリン代1,656円+面積保障制度1,080円) |
日中に24時間利用 (移動距離300㎞) | 14,369円 (利用料金8,230円+距離料金4,800円+安心保障サービス309円+月額基本料1,030円) | 13,020円 (利用料金9,180円+ガソリン代2,760円+面積保障制度1,080円) |
日中に48時間利用 (移動距離600㎞) | 24,939円 (利用料金14,000円+距離料金9,600円+安心保障サービス309円+月額基本料1,030円) | 23,340円 (利用料金16,740円+ガソリン代5,520円+面積保障制度1,080円) |
夜間に6時間(18:00~24:00または24:00~翌9:00までの間の6時間)利用 (移動距離50㎞) | 4,199円 (利用料金2,060円+距離料金800円+安心保障サービス309円+月額基本料1,030円) | 8,250円 (利用料金6,480円+ガソリン代690円+面積保障制度1,080円) |
1回12時間以内の短時間利用であれば、カーシェアリングのほうがお得です。
1回12時間を超える利用になると、レンタカーのほうが低コストになってきます。
車の利用頻度に合わせて最適な選択しましょう
車を利用するときに、カーシェア・マイカー・レンタカーで迷った場合、まずはご自身が車を利用する頻度を整理することが大切です。
「1か月あたりに車を使用する回数」によって、お得になる車の使い方が決定します。また、自家用車の場合、車のメンテナンスや修繕費なども適宜必要になってきます。年間のトータルコストも踏まえて選択をするようにしてください。
本記事を参考にご自身に合わせた賢い車の使い方をして、自動車関連の出費節約に繋げていただけると幸いです。
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