5G(次世代通信システム)関連のおすすめ銘柄をご紹介します。
2018年10月、総務省が「第5世代移動通信システムに関する公開ヒアリング」を開催しました。そこでNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクは2019年に5Gプレサービス、楽天も2020年に5Gサービスを提供することを発表しています。
5Gが経済に与える影響は非常に大きいとして、大手通信キャリア以外にも5G事業に関わる企業に注目が集まっており、株式投資家としても5G関連銘柄を抑えておくことは必須です!
本記事ではその5Gがもたらす経済効果や5G関連の注目株をご紹介します。
2019年は5G元年!経済規模はどれ位?国内キャリアの取り組みは?
5G(第5世代移動通信システム)の経済効果はどれほど凄い?
総務省の「電波政策2020懇談会」の参考資料によると、国内全体で約50兆円の経済効果があると予想されています。
経済効果が最も大きい分野は交通分野で、全体の4割を占める21兆円の経済効果が見込まれます。
その他には、製造業・オフィス関連で13兆4000億円の効果、医療分野では5兆5000億円程度の効果があると発表されています。
エンターテインメントなどの他の分野も足し合わせると5Gの経済効果は50兆円にもなります。
NTTドコモの吉澤社長は日経コンピュータのインタビューで自社とパートナー企業の増収分を合わせて「10兆円まではなかなか自信はないが、数兆円規模の効果は出るだろう」と話しています。
1企業グループの収益だけでも10兆円の増収も期待できるなど5Gの経済効果は凄まじいようですね。
近年ではグローバル化が活発となり、グローバル化とともに世界中で通信技術が導入され、5G導入も世界規模のものとなります。世界規模で5Gはどれくらいの経済効果をもたらすのでしょうか?
英調査会社IHSマークイットによると「5Gの経済効果は2035年までに最大で12兆3000億ドルに上る。2020〜2035年に世界のGDPを3兆ドル押し上げ、2035年には5G関連のバリューチェーンで2200万人の雇用が創出されているだろう」との試算を公表しました。
5Gが世界にもたらす経済効果12兆3000億円は日本円でなんと約1230兆円です!
日本のGDPが約500兆円なので、5Gの経済効果は日本のGDPの2倍以上です。わかりやすくいうと、5Gの誕生は日本があと2国誕生する位のインパクトをもたらします。それだけ5Gの誕生と経済効果はとてつもないものなのです!
国内キャリアの取り組みは?
ここでは5G事業を牽引する国内大手キャリア各社の取り組みをご紹介します。
- KDDIの5Gへの取り組み
KDDIはJR東日本と提携して世界初の5G×鉄道の連携テストを行いました。
この実験は5Gの高速・大容量・無線区間低遅延、複数端末接続などを社会で活用する実験として世界初の実証実験でした。
- ドコモの5Gへのの対応
2020年を目標に通信速度を現在のLTEシステムの100倍、容量を1000倍にする飛躍的な性能の向上を目指し、様々なサービスをサポートすることを目標としています。
ドコモサイトのホワイトペーパーによると、日本だけでなく世界主要ベンダと実験協力をしていて、メーカー13社との個別実験を行ったり、その他ベンダとも協力体制で実験開発を行っています。
- ソフトバンクの5Gへの取り組み
ソフトバンクは5GやIoTを活用した新たなサービス、ソリューション、プロダクトの提供を目指す企業向けに5G実験機器でお技術検証ができるトライアル環境を提供しています。
具体的にはロボットの遠隔操作やリアルタイム動線追跡、トラックの隊列走行実証実験といった自動運転の開発を行っています。
- 楽天の5Gへの取り組み
楽天は毎年基地局数を増やしているほか、360度動画配信やドローンを利用した顔認識技術や配送ロボットの遠隔操作実験などを行っています。
楽天は東北楽天ゴールデンイーグルスというプロ野球チームを持っていることから、360度映像配信などのサービスの活用手段が多くありそうですね。
5G関連のおすすめ銘柄!通信関連の注目企業を厳選紹介
5Gの導入に伴い、5Gサービスに参入するKDDI<9433>、NTTドコモ<9437>、ソフトバンク<9434>、楽天<4755>が注目されることは間違いありません。
今回はそれらのキャリア企業以外で5Gに関連する銘柄をご紹介します!
アンリツ<6754>
- 株価:2070円 (2019年3月27日現在)
- 上場市場:東証一部
- 事業内容:通信系計測器有力企業。携帯電話や基地局に強い。
5G関連銘柄として代表的な会社です。
早くから5G関連への投資を進めていて、5Gの恩恵を大きく受けることができそうです。
5G・IoTでは無線通信と有線通信がありますが、アンリツは有線無線通信両方を得意としています。
アルチザネットワーク<6778>
- 株価:1198円(2019年3月27日現在)
- 上場市場:東証2部
- 事業内容:通信機器の開発業者で、携帯電話の基地局や交換機向けが中心。
アルチザネットワークはLTEテスターで高マーケットシェアを誇っています。
LTEテスターの市場はニッチなことから、5G変更に伴うLTEテスターの需要囲い込みが期待できます。
また、着実にIoTを LTEで実現するために新技術にも対応しています。
ネクストジェン<3842>
- 株価:1718円(2019年3月27日現在)
- 上場市場:ジャスダック
- 事業内容:次世代通信網(NGN)の制御システム開発会社。SIP(通信制御プロトコル)のパイオニア的存在。
ネクストジェンは次世代通信制御システムやメンテナンスなど通信業者向けソリューションを展開しています。
5Gの制御システムを主力としていることから、5G関連株として、注目されています。
理経<8226>
- 株価:250円(2019年3月27日現在)
- 上場市場:東証2部
- 事業内容:IT機器を輸入販売する技術商社。新技術の目利きと衛星通信技術に強み。
現在の無線技術はMIMOという技術で高速化するのが主流です。
このMIMOは5Gにも対応している製品で、今後多くの通信機器メーカーからの受注があると予想されます。
理経はこのMIMOの販売も手がけていて、最近ではスペインの会社とサービス及びメンテナンス契約を結ぶなど、5Gの導入に合わせてMIMO関連のサービスなども積極的に販売しているようです。
サイバーコム<3852>
- 株価:2170円(2019年3月27日現在)
- 上場市場:東証一部
- 事業内容:富士ソフトの子会社。通信分野を中心としたソフトウェア開発が主力。
国内外ともに通信キャリア向けシステムに実績があり、今回の5Gへの変更でも売り上げアップなどが期待できます。
ネットワンシステムズ<7518>
- 株価:2706円(2019年3月27日現在)
- 上場市場:東証一部
- 事業内容:クラウド、セキュリティ、IoTに強く、大手向け売り上げが大きい。
5G投入に伴い、LANなどの規格変更需要が予想されます。
ネットワンシステムズはLAN機器も扱っていて、受注増加が期待できます。
ネットワンシステムズと並んで、LAN機器を手がける伊藤忠テクノソリューションズ<4739>にも注目です。
ネットワンシステムズはハードウェアを扱っていましたが、基地局ソフトウェアを提供する会社にISB<9702>などがあります。
コムシスホールディングス<1721>
- 株価:2990円(2019年3月27日現在)
- 上場市場:東証一部
- 事業内容:電気通信工事で最大手。ネットワーク構築に強み。
5G導入に伴い、基地局工事が行われます。
コムシスホールディングスはこの基地局工事を手がけていて、20年3月から本格的に収益に反省する見通しのようです。豊富な手持ち工事があり、この売り上げが業績成長につながるようです。
通信基地局施工関連銘柄として、コムシスホールディングスの他に協和エクシオ<1951>やシーキューブ<1936>などが挙げられます。
古河電気工業<5801>
- 株価:2818円(2019年3月27日現在)
- 上場市場:東証一部
- 事業内容:電線御三家の一角。世界有数の光ファイバーを軸としています。
5Gの導入に伴い、データセンターの増設も必須です。
これにより、半導体需要が増えるだけでなく、通信基地局とデータセンターを連結する光ファイバー需要の増加も見込まれます。電線大手の古河電気工業にとっても商機となります。
同電線メーカーとしては他にフジクラ<5803>があります。
アイレックス<6944>
- 株価:3050円(2019年3月27日現在)
- 上場市場:ジャスダック
- 事業内容:通信系コア技術に強いシステム開発会社。
通信コア技術で優位性があり、5G関連銘柄として注目されています。
ラック<3857>
- 株価:1499円(2019年3月27日現在)
- 上場市場:ジャスダック
- 事業内容:情報セキュリティ技術に強い。14年にKDDIと資本提携。
5Gにサイバーセキュリティは欠かせません。情報セキュリティに強いラックに対する需要も増加すると予想されます。
その他情報セキュリティ関連として、オプティム<3694>が挙げらます。その他、イード<6038>やイードと協業するとの思惑があり、データセンター運用を手がけるブロードバンドタワー<3777>があります。
横河電機<6841>
- 株価:2263円(2019年3月27日現在)
- 上場市場:東証一部
- 事業内容:工業計器首位。制御システムに重点。
横河電機は制御システムを重点的に計器を扱っている企業です。
5Gの導入に伴い、シーケンサプログラマブルコントローラ(PLC)というものの需要が増えると考えられます。
PLCは機器のスイッチやセンサーをON・OFFするコントローラのことです。5G、IOTに繋がれた機器もこのコントローラが必要となります。
横河電機はこのPLCの大手でこの機器の売り上げアップが期待されます。他にPLCを扱っている企業として三菱電機<6503>、オムロン<6645>、富士電機<6504>、キーエンス<6861>などが挙げられます。
以上、今回は5G関連銘柄11社をご紹介しました。5Gは新元号などと共に2019年に最も注目されている経済分野でもあります。気になった銘柄があれば、ぜひ直近の業績や株主優待などもチェックしてみてください。
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