企業での働き方は、みなさんが通常イメージされるような正社員だけではありません。
実は、契約社員や派遣社員などの正社員以外の働き方が日本にはあるのです。
なかなか両者の区別がついている人はいらっしゃらないかと思いますが、派遣社員と契約社員では働き方や任される仕事、メリットなどがやや異なります。
ご自身がどのような働き方をしたいかによって、どちらの働き方を選ぶかは大きく変わっていきますので、これから紹介する両者の特徴や強みなどを参照の上、働き方を決めるきっかけにしてみてください!
そもそも派遣社員と契約社員は何が違う?雇用形態や仕事内容は?
派遣社員と契約社員の違いは、「雇用契約の結び方」「指示や命令の従い方」「仕事内容」の3つで大きく変わってきます。
非正規雇用形態ということでしばしば一括りにされがちですが、ここでしっかりと両者の違いを押さえておきましょう!
雇用契約上の派遣社員と契約社員の違い
まず一つ目の違いは、雇用契約(労働契約)を誰と結んでいるのか、という違いです。
契約社員は、一般的には勤務先の企業と雇用契約を直接結ぶことになります。
一方で、派遣社員の場合には派遣会社と雇用契約を結び、派遣先の企業は派遣会社と派遣契約を締結します。
よって、派遣先の企業と派遣される労働者の間には先ほどのような直接的な契約はなく、間接的なものとなります。
両者とも雇用契約期間の終了とともに雇用期間は終了するので、正規雇用の従業員のように終身雇用で安定的に会社に居られるというわけではありません。
派遣社員と契約社員の指示系統の違い
雇用形態上だけでなく、指示の出どころという点でも、概念的には派遣社員と契約社員はやや異なります。
日常的に働いていてあまり実感することはないかもしれませんが、派遣社員の場合には派遣先の会社の指示に従い、契約社員の方は直接雇用されている会社の指示に従います。
とはいえ、実際には普段仕事をしている勤務先の指示に従うというものですので、それほど気にすることはなさそうです。
派遣社員と契約社員の働き方・仕事内容の違い
派遣社員と契約社員とで大きな違いが出るのが、実際の働き方や仕事内容です。
派遣社員の場合には、比較的限られた範囲の業務に絞って担当をすることが多くあります。
契約内容にもよりますが、あるプロジェクトを進めるにあたって、ピンポイントで不足している業務を担当できる人を派遣してもらうというケースが多いようです。
一方、契約社員の方の場合には正社員とかなり近い働き方をすることとなることが多いです。
派遣社員の方はかなり絞られた業務を担当することとなっていましたが、契約社員の場合にはより幅広く業務に携わることになります。
また、正社員と派遣社員・契約社員とで大きく異なるのが「転勤」の存在です。
正社員の場合には、時に支店へ支社への転勤をすることになりますが、契約社員や派遣社員の場合には特定のエリア内でのみの勤務に限定していることがほとんどです。
そのため、一般的には正社員よりも給与は低い傾向がありますが、高度な専門性を持っている場合などに限っては、正社員以上の待遇を受けることができる場合もあります。
派遣社員と契約社員はどっちがオススメ!?メリット・デメリットで比較!
ここまでは派遣社員と契約社員の違いについて触れていきました。
では、派遣社員と契約社員にはそれぞれどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
派遣社員と契約社員のどちらとして働こうか迷っている人がいらっしゃる場合には、ぜひこれから紹介するメリット・デメリットを中心に考えてみてください!
派遣社員のメリット・デメリット
まず、派遣社員として働くメリットを紹介していきます。
一つ目が、「契約終了後に再び派遣会社が仕事を紹介してくれる」という点です。
契約社員の場合には、契約終了後に再び1から職探しをしなければなりませんが、派遣社員であれば契約満了後に新たな勤務先をスムーズに探すことができます。
また、エージェントが自分にあった募集を探してくれるので、企業とのミスマッチも少なくなりやすいです。
二つ目は、面倒な交渉ごとは派遣会社が仲介し、時給や待遇に関する交渉を進めてくれるという点です。
時給のアップなどの言いにくいことも、派遣会社を通じてだと言いやすいので、間に派遣会社が入ってくれるのはかなりコロロ強いです。
では、派遣社員として働くデメリットはどのようなところでしょうか?
まずはじめにあげられるのは、ほとんど福利厚生がないというところです
具体的には、移動にかかってしまった交通費などは自分で負担することになっているというところです。
また、次の派遣先を紹介してもらえるとはいえ、やはり雇用が不安定となってしまうのも一つのネックですね。
特に、業績不振などが生じて人員を整理する場合には、正社員ではなくほぼ確実に派遣社員から切られてしまう可能性が高いです。
以前、ニュースなどでも大きく取り上げられていた「ハケン斬り」などからもわかるように、正社員に比べると憂き目に遭いやすいのは確かです。
契約社員のメリット・デメリット
では、派遣社員に比べると契約社員にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
契約社員の最大のメリットは、「正社員として雇用される可能性があること」です。
契約社員の場合には、労働者自身が会社と直接契約をしているので、パフォーマンスや姿勢などを評価され、正社員として採用されるケースも多々あります。
企業としても、突然新しい人を採用するよりも、一度契約社員として様子を見てからの方が安心ですし、信頼性も高いので、正社員登用へ前向きな企業も多くあります。
また、派遣社員よりも幅広い業務に携わることができるので、マネジメント経験がつきやすい大きな役割を担うことも多くあるかもしれません。
その勤務先に正社員として入社せずとも、他社でも生きるようなスキルや経験をより積むことができるのは、契約社員の大きなアドバンテージです。
契約社員の最大のデメリットは、「契約終了後に仕事探しをしなければならないこと」です。
会社は契約終了の30日前に契約満了となることを告知する必要がありますが、いざ30日間で再就職先を決めようというのはかなりハードではあります。
会社に認められて正社員に登用された場合にはかなりスムーズなキャリアアップを図ることはできますが、そうでなかった場合の再就職先がスムーズに見つかるかは不明確というのが不安要素ですね。
契約社員と派遣社員!オススメは結局どっちなの!?
ここまで見てきて、契約社員と派遣社員のメリットやデメリットは何となくわかってきたかと思います。
では、どんな人が契約社員に向いていて、どんな人が派遣社員に向いているのでしょうか!?
将来的には正社員・キャリアアップを目指すなら契約社員!
契約社員の強みは、やはり正社員のような大切な業務に触れることができるというところです。
また、将来的には正社員になることのできる可能性があるという意味でも、将来のキャリアアップなどを見据えると契約社員の方がオススメです。
ゆっくり自分のペースで働きたいなら派遣社員!
派遣社員の方であれば、比較的ワークライフバランスを大切にしながら、自分のペースで働くことができます。
基本的には残業や休日出勤もないので、ストレスも感じにくい環境と言えるでしょう。
また、特に女性などは契約更新のタイミングで仕事を自然に辞めやすいことから、気楽に働くことのできる働き方とも言えますね。
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