競艇の税金はかかる?確定申告は必要?払わないとバレる?

税金

1年365日、ほぼ毎日レースが開催される競艇(ボートレース)。

毎日どこかの場で万舟(100円の購入額に対して、配当金が1万円以上ついた勝舟投票券)が出ることから、高額配当を受け取る機会も珍しくありません。

そのため、「もし万舟当てて高額払戻金を手にしたら、税金ってかかるの?」と心配している方もいるのではないでしょうか?

結論から言うと、残念ながら競艇の払戻金には所得税、住民税が発生します。

競艇の控除率(テラ銭)は25%なので、勝った金額からさらに税金が抜かれるのは辛いですよね、、

今回は、そんな公営ギャンブルである競艇の税金について、払い戻し金がいくらから所得税と住民税が発生するのか、合計でどのくらい税金を払わなければいけないかなど、税金の計算方法について詳しく紹介します。

競艇とは?分かりやすく簡単に説明(競艇ファンは飛ばして下さい)

競艇(ボートレース)は、競馬、競輪、オートレースと並ぶ日本国内で認められた公営競技(公営ギャンブル、公営賭博とも言われます)の一つです。

出走する6艇の中から、1位を予想する単勝から、1位〜3位までを予想する三連単まで賭け方は複数用意されています。

競艇場は、国内に24場、意外ですが韓国に1場、計25場あります。

競艇が根強い人気を博している一つの理由は、1年365日、ほぼ毎日複数の場でレースが開催されていることです。

1会場あたり1日12レース、約20分間隔でレースが行われています。朝10時30分から、ナイターレースを含めれば夜8時30分まで、どこかしらの競艇場でレースが行われています。

競艇場に行かなくても場外発売所で舟券を購入したり、インターネット投票ができるテレボードを使って自宅からスマホで競艇を楽しむことができます。

最近では、パチンコ・パチスロの人気ライターである、ういちさんや、松本バッチさん、くりさんなどがボートレースの番組をYouTubeで始めたことで、若者の競艇人気が広がりつつあります。

競艇の高額配当TOP10を紹介!歴代最高の高額払戻し金はいくら?

オッズ100倍越えの配当を万舟(まんしゅう)と呼び、競艇では高額払戻し金の一つの基準となっています。

それでは、競艇の払戻し金の最高額はいくらでしょうか?

払戻し金のトップ10を紹介します。

順位払戻し金日時勝式
1¥682,760徳 山2011/05/223連単
2¥650,610三 国2016/03/213連単
3¥595,550徳 山2019/01/163連単
4¥579,900芦 屋2016/05/242連単
5¥554,930丸 亀2020/03/143連単
6¥537,990若 松2003/12/103連単
7¥514,810蒲 郡2013/10/053連単
8¥511,500大 村2014/07/123連単
9¥506,500福 岡2008/04/253連単
10¥498,640唐 津2015/10/033連単

1位は、なんと100円→68万2,760円(オッズ6827.6倍)!

10位でも、100円→49万8,640円(オッズ4986.4倍)ですので、夢がありますね。

競艇をやる方は、万舟を一つの目標に置く人も多いと思いますが、では実際にこういった高額配当を受け取った際に、どういった名目で税金が発生するのか、いくらくらい税金にももっていかれるのかをご説明していきます。

競艇の払い戻し金は「一時所得」または「雑所得」に該当

高額配当の舟券を的中させたら、気をつけなければいけない税金。

競艇で得た払戻金は「一時所得」または「雑所得」として、所得税が課せられます。

税金的には、「一時所得」よりも「雑所得」と認められた方が、納める税金は安くなる可能性がありますが、雑所得と認められるには、高いハードルがあります。

一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。
この所得には、次のようなものがあります。

・競馬や競輪の払戻金

国税庁HPより抜粋

国税庁のHPには、競馬や競輪の払戻金について「一時所得」とすると記載があります。

競馬、競輪と同じ公営競技である競艇の払戻金についても、同じく一時所得扱いとなります。

ただし、例外的に雑所得と認められる場合があります。

雑所得とは、他の9種類の所得のいずれにも当たらない所得をいい、公的年金等、非営業用貸金の利子、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金などが該当します。

国税庁HPより抜粋

上記で記載されている「他の9種類の所得」というのは、利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得・退職所得・山林所得・譲渡所得のことです。

例えば、副業収入やお小遣い稼ぎ、友人や親族への貸付利子、公的年金、仮想通貨の儲けなどが該当します。

一時所得に該当するのか、雑所得に該当するのかの違いを大きく分けると、競艇を趣味としてやっている場合「一時所得」、ビジネスとしててやっている場合「雑所得」となります。

国税庁が、同じ公営競技である競馬の払戻金について、一時所得に該当する場合と、雑所得に該当する場合について具体的に言及したものがあるので紹介します。

競馬の馬券の払戻金の所得区分については、馬券購入の期間、回数、頻度その他の態様、利益発生の規模、期間その他の状況等の事情を総合考慮して区分されます。
具体的には、馬券を自動的に購入するソフトウエアを使用して定めた独自の条件設定と計算式に基づき、又は予想の確度の高低と予想が的中した際の配当率の大小の組合せにより定めた購入パターンに従って、偶然性の影響を減殺するために、年間を通じてほぼ全てのレースで馬券を購入するなど、年間を通じての収支で利益が得られるように工夫しながら多数の馬券を購入し続けることにより、年間を通じての収支で多額の利益を上げ、これらの事実により、回収率が馬券の当該購入行為の期間総体として100%を超えるように馬券を購入し続けてきたことが客観的に明らかな場合は、雑所得に該当すると考えます。
なお、上記に該当しないいわゆる一般の競馬愛好家の方につきましては、従来どおり一時所得に該当し、外れ馬券の購入費用は必要経費として控除できませんのでご注意ください。

国税庁のHPより抜粋

上記の説明を見る限り、年間のほぼ全レースを、予想的中ツールを使って購入している場合に限り、

雑所得として認めるようです。

つまり、一部の例外の方を除いて、ほとんどの人が「一時所得」として、税金を納めることになります。

税金的には、雑所得として認められた方がお得ですが、雑所得として認められるのは、かなり狭き門です。

一時所得と雑所得の税金の計算方法について

それでは、一時所得と雑所得の税金の計算方法について説明していきます。

これからご説明する税金の計算方法を知って驚く方が多いと思いますが、じつは年間で負け越していても、税金が発生する可能性は十分にあります。

一時所得の場合

ほとんどの方が「一時所得」として納税することになります。

一時所得である競艇の払戻金の合計50万円以上になった場合、税金を支払う必要が発生します。

以下の式で「一時所得」が求められます。

一時所得金
(1年間の舟券の払戻金合計ー1年間の当たり舟券の購入合計額ー50万円)÷2

この50万円は特別控除額と呼ばれ、一年間の払戻金の合計額当たり舟券の購入金額の差額が50万円までであれば、税金が発生しないことになります。

ここで注目して欲しいのが、差し引く金額に「ハズレ舟券の購入金額」が含まれていない点です。

例えば、1レースで合計10通りを100円ずつ購入し、オッズ10倍が当選した場合、

購入金額は1,000円で、払い戻しが1,000円のため、実際の収支はプラマイ0円です。

ところが、一時所得の計算に当てはめた場合、一年間の払戻金の合計額は1,000円、当たり舟券の購入金額は100円となり、差額900円の所得が発生したことになります。

この所得が累計50万円超えた部分から、税金の対象となります。

つまり、年間の実際の収支は関係なく、仮に年間で大きく負け越していても、払戻し合計金額から、その当たり舟券の購入額を差し引いた差額合計が50万円を超えてしまうと、税金を支払う必要が発生してしまうのです。

納得できないと思いますが、残念ながらこれが税金の計算となります。

例えば、1年間の払戻合計額が200万円、舟券の合計購入金額も同じ200万円(内訳:1年間の当たり舟券の購入合計額が30万円、ハズレ舟券の購入合計額が170万円)だった場合、

一時所得金
(1年間の舟券の払戻額200万円ー1年間の当たり舟券の購入合計額30万円ー特別控除額50万円)÷2=60万円

あなたは60万円の所得を得た計算になります。

そして、この60万円の一時所得に、あなたの給与所得など他の所得を合算して、所得額に応じた税率で所得税を割り出します。所得税と住民税の税率早見表を下に添付します。

▼所得税の計算早見表

課税される所得金額税率控除額
0円〜195万円以下5%
195万円超〜330万円以下10%9.75万円
330万円超〜695万円以下20%42.75万円
695万円超〜900万円以下23%63.60万円
900万円超〜1,800万円以下33%153.60万円
1,800万円超〜4,000万円以下40%279.60万円
4,000万円超45%479.60万円

▼所得税の計算早見表雑所得の場合

課税される所得金額税率
一律10%

例えば、もしあなたの給与所得が400万円場合。

実際の競艇収支はプラスマイナス0円だったとしても、上記の計算式により、競艇の一時所得が60万円になったとすると、一時所得分に発生する税金は、

一時所得金にかかる税金
(一時所得60万円×(所得税20%+住民税10%)=18万円

となり、18万円の納税をする必要があります。

ちょっと納得できないですが、もしこれを確定申告の時に、申告して収めなかった場合は、法律上は「脱税」扱いとなります

雑所得の場合

上で説明した通り、ほとんどの方は一時所得に該当するため、雑所得に該当する方はごく一部です。

雑所得の最大のメリットは、一時所得では認められない「ハズレ舟券の購入費」も経費として認められる点です。

つまり、実際の収支とほぼイコールになり、トータル収支がプラスなら納税対象、マイナスなら納税の必要はないため、納得感もあるかと思います。

ただし、繰り返しになりますが、この納得感ある税率に該当するのは、ごく一部の方だけです。

歴代最高額当選の人、実際に手元に残るお金はいくら?

競艇の過去最高配当は、2011年5月22日、ボートレース徳山の2Rの三連単¥682,760です。

もしこれに1,000円かけていたら、配当は¥6,827,600です。

この場合、いくら税金がかかり、いくら手元に残るのでしょうか?

当選者の給与所得が分からないため、平均年収の440万円で計算してみましょう。

ほとんどの方は「一時所得」に該当するため、この方も「一時所得」として計算してみます。

年収440万円の給与所得は、おおよそ298万円です。これに競艇による一時所得を足します。

一時所得金
(1年間の舟券の払戻額682万7600円ー1年間の当たり舟券の購入合計額1,000円ー特別控除額50万円)÷2=316万3300円

合計課税所得=298万円+316万3300円=614万3300円

614万3300円の所得税+住民税
(課税所得614万3300円×(所得税20%+住民税10%)-控除額42万7,500円=141万5490円

この納税額141万5490円から、もしこの方が当選しておらず、給与所得のみだった場合の納税額を差し引いて、舟券が当選したことによる納税額を算出します。

給与所得のみの所得税+住民税
(課税所得298万円×(所得税10%+住民税10%)-控除額9万7,500円=49万8,500円

これにより、舟券当選による納税増額分は

舟券当選による納税増額分
(141万5490円-49万8,500円=91万6,990円

91万6,990円となります。

614万3300円の当選額を得ると、年収440万円の方だと、91万6,990円の納税義務が発生します。

もし競艇の一時所得者を確定申告しないとバレる?時効は?

今回ご紹介した通り、競艇にかかる税金は必ずしも高額当選をした場合に限りません。

年間のトータル収支がマイナスでも、配当合計が50万円を超えている場合は、一時所得者として納税対象の可能性があります。

競艇場やボートピアの場外発売場でいつも舟券を現金購入をしている方は、購入を繰り返すうちに本人も配当合計が分からなくなってしまうこともあり、税務署としても実態の補足が難しいのが現状です。

しかし、普段テレボートを利用して舟券購入をしている方は、口座履歴が残っていると思いますので、それをもとに、もし納税対象なのであれば。確定申告でしっかり納税をしていきましょう。

口座履歴に残っている以上、税務署から確認が入れば、申告していないことはすぐにバレます。

その場合、本来支払う税金に加えて、延滞税や加算税などの附帯税が発生して、自ら申告するよりも高い税金が発生してしまう可能性があります。

なお競馬や競艇などの税金の時効は7年です。

もし過去に納税義務が発生をしているのであれば、7年前までのものについては現時点でも納税義務は発生したままです。

確定申告の修正申告ができますので、心当たりがあり、かつご自身で履歴を遡れるのであれば、修正申告することをおすすめします。

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