創立間もないベンチャー企業、中小企業経営者の最大の悩みといえば銀行から融資を受けられないことではないでしょうか。
そんな悩める社長の大きな味方となるのが今回紹介する日本政策金融公庫の「中小企業経営力強化資金」という制度です。
この制度を簡単に説明すると創業7年未満の企業を対象に無担保・無保証、しかも低金利で最大2000万円の借入が可能というかなりお得なものになっています。
「中小企業経営力強化資金」を利用するメリット
世の中の社長にとって非常に有益な制度である「中小企業経営力強化資金」のメリットをまとめました。
1.無担保・無保証
通常金融機関での借り入れに必要な担保や保証人が不要です(!)
経営者ならご存知だと思いますが、民間の金融機関が創業したばかりの会社にこのような条件を提示することはまずありません。
2.低金利かつ固定金利
一般的に担保や保証人を付けない場合、金利はどうしても高くなりがちです。
しかし、本制度では利潤を追求しない公的な金融機関ならではの低金利でお金を借りることができます。
金利はそのときどきの市場動向によって変動しますが、本制度を利用した無担保・無保証融資の場合金利は約2%前後です。
現在の正確な適用金利を知りたい場合は日本政策金融公庫に問い合わせてみてください。
3.売上無しでも利用可能
起業したばかりで、現時点で売り上げがない創業者の方でも申請できます。
事業計画の出来次第では創業してすぐの借入が可能です。
実際に売り上げが上がっていなくても2000万の融資を受けた事例があります。
4.最大2000万まで借入可能
無担保無保証で2000万まで借入を行うことができます。創業間もない会社への融資としては破格の金額です。
5.自己資金要件がない
同じ日本政策金融公庫でよく利用される融資制度で「新創業融資制度」がありますが、それには用意すべき自己資金が定められています。
一方で「中小企業経営力強化資金」制度にはそうした要件がなく、自己資金が不足していても、必要な資金を調達が可能です。
「中小企業経営力強化資金」制度を使って融資を受けるには
非常にメリットの多い本制度ですが、注意してほしいのは制度を利用するために次の3つの規定に従う必要があります。
- 認定支援機関のサポート
- 事業計画書の策定
- 融資実行後の経過報告
以上を踏まえた上で「中小企業経営力強化資金」を申請し、融資を受けるための手順を紹介します。
1.認定支援機関の専門家への連絡
制度の申請に当たって国が指定した認定支援機関と呼ばれる税理士事務所に所属する専門家の指導及び助言を受けることが必須になっています。
企業が自分で申請することはできないので注意が必要です。
まずは税理士事務所に問い合わせてみましょう。
2.事業計画書、借入申込書の作成と申請
税理士と相談しながら事業計画書と借入申込書の作成を行います。
その際申請に必要な資料の準備もします。
特に事業計画書の出来によって融資額が左右されるので、制度の利用経験が豊富な税理士に相談した方がより良い結果が期待できると思われます。
3.公庫による審査
審査には融資担当者による面談や開業予定地の現地調査などが含まれます。
4.融資決定
融資が確定後、公庫と借入契約を結びます。
スケジュールとしては申請を出してから早ければ3週間、遅くとも一か月半で口座に着金されます。
5.半年ごとの経過報告
融資実行後も半年ごとの経過報告(認定支援機関へ)と、1年ごとの経過報告(日本政策金融公庫へ)が必要です。
所定の書式に従って記入します。
融資が受けられない場合
「中小企業経営力強化資金」は幅広い分野の企業を対象としていますが、以下に当てはまっている場合融資を受けることができないので注意が必要です。
1.フランチャイズに参画する形での事業展開
新事業分野の開拓等を行う企業を支援するための制度であるため、フランチャイズ店の開業資金のために融資を受けることはできません。
2.過去に借入やクレジットカードでブラックリストに載ったことがある
金融機関のブラックリストに登録されている場合融資は下りません。
注意点としてブラックリストは5年以上過ぎればリストから外れるので、5年以上前にブラックリストに載ったということであれば融資を受けることができます。
3.社会保険や税金を滞納している
社会保険や税金を滞納している場合も融資は下りません。
この場合未納分を納めれば大丈夫なので、申請する前には必ず社会保険や税金の未納がないか確認してください。
まとめ
創業間もない会社に運転資金や設備資金を融資してくれる金融機関はそれほど多くありません。
過去の実績がないためです。
その中でも日本政策金融公庫の「中小企業経営力強化資金」制度は無担保・無保証、低金利で利用でき、起業したばかりの企業にとってこれより条件の良い制度はなかなかありません。
もし対象となっている企業で融資をお考えであれば、是非本制度の利用をお勧めします。
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