退職金の確定申告は必要?不要?還付金が貰える条件は?

勤め上げた会社を退職する場合、一般的には退職金を受け取ります。

その際、退職金の確定申告は必要なのでしょうか?

 

退職金を受け取った際の確定申告は不要だと思っていらっしゃる方が多く、実際に確定申告が不要な場合も少なくありません。

 

しかし、場合によっては、確定申告をすることで還付金を受け取ることができる可能性もあります。

 

退職金の確定申告がするべきか迷っている方、退職金の確定申告によって、還付金を受け取れるか知りたい方に対して、本記事では以下の疑問などをわかりやすく解説しています。

 

POINT

  • 退職金の確定申告が必要か不要かどうやって判断すれば良い?
  • 還付金を受け取れる可能性があるのはどんな場合?

 

退職金の仕組みを十分に理解して、損をしないようにしましょう。

退職金の確定申告は、原則不要

本の上で話す人々

退職金は、会社と所定の手続きをしておけば、基本的には源泉徴収で課税関係が完結するため、原則として確定申告の必要はありません。

 

その際、「退職所得の受給に関する申告書」の提出をしていることが条件です。

 

これにより、住民税や所得税が源泉徴収された上で退職金が支給されるため、確定申告が不要になります。

 

しかし、一部の条件を満たす人は、確定申告をすることで還付金を受け取ることができる可能性があります。こちらは後述します。

 

 

 

そもそも、退職金にかかる税金っていくら位?

ドルの札束

まずは退職金にかかる税金から見てみましょう。

 

そもそも退職所得とは、その年の退職金の収入金額から、その人の勤続年数に応じて計算した「退職所得控除額」を差し引いた残りの2分の1の金額のことです。

 

「退職所得控除額」は以下で決まります。勤続年数によって変わります。

 

勤続年数20年以下 勤続年数×40万円(80万円に満たない場合は80万円)
勤続年数20年超 (勤続年数ー20年)×70万円+800万円(1年に満たない端数があるときは、1年に切り上げ)

《勤続年数29年8ヶ月で退社したAさんの場合》

1年未満は切り上げするので、勤続年数は30年。

退職所得控除額は、「(30年ー20年)×70万円+800万円=1500万円となります。

そのため、Aさんは、退職金が1500万円以下だったら、税金はかからないということになります。

 

 

 

確定申告で還付金を受け取れる仕組みを解説!

お金と時計

確定申告によって、還付金を受け取ることができるのは、退職した年の収入が少ないため、所得控除が給与所得から引ききれなかった人です。

 

そのため、控除額を退職所得から引くことができ、還付金を受け取ることができます。

 

では、その仕組みをわかりやすく解説してみます。

例えば、月収50万円の人が2月末に退職し、退職金を受け取った場合を考えます。また、年内には再就職しなかったと仮定します。

 

この場合、年収は、月収50万円×2ヶ月で100万円ですが、所得控除が120万円だとすると20万円分のマイナスがうまれます。

 

100万円(給与所得)ー120万円(所得控除)=-20万円

 

この20万円分を退職所得から控除することが可能です。

 

例えば、200万円の退職金をもらっていた場合には、200万円に所得税が課税され、源泉徴収されているはずですが、確定申告をすることで、課税対象額が180万円になります。

 

200万円(退職所得)ー20万円=180万円(課税対象額)

つまり、控除額が大きくなることで、課税対象額が小さくなるので、支払う税金が減る仕組みです。

 

確定申告前に支払っていた分から、実際に支払った税額を引いたものが、還付金として戻ってきます。

 

 

 

確定申告によって還付金が受けられる3つのケース

矢印

基本的に、還付金を受けとることができる人は、退職金以外の所得が少ない人です。

 

代表的な例として以下の3つがあるので、当てはまる方は注意してください。

①「退職所得の受給に関する申告書」を提出していないケース

稀なケースではありますが、「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出していない場合には、退職金の収入金額から、一律20.42%の所得税及び復興特別所得税が源泉徴収されています。

 

この場合、税率が高すぎるため、税金を過剰に支払っている可能性が高く、確定申告をすることで還付金を受け取ることができるでしょう。

②退職した同年内に再就職していないケース

このケースは、上記の還付金受け取りの仕組みの解説で用いたケースと同じものです。

 

年の途中で退職した場合に、収入が少なく、源泉徴収された税額が多すぎるケースが起こり得ます。

 

退職年の所得が少ない場合、社会保険料控除や生命保険料控除、配偶者控除、扶養控除、基礎控除等の所得控除を全て控除できていないこともあります。

 

忘れずに退職所得の確定申告をして、源泉徴収税の還付金を受け取りましょう。

再就職したが収入が大きく減少したケース

このケースの方も還付金を受け取ることができる可能性は高いでしょう。

 

還付金が発生する仕組みは同じです。

 

給与収入よりも控除額の方が大きい場合、その分を退職所得から引くことができ、還付金を受け取ることができます。

退職金の確定申告は5年間は遡って申請可

退職金の確定申告の還付の届出は5年間遡ることが可能です。

もし5年以内に退職金をもらっていたら、ぜひ一度確認してみてください。

 

おわりに

アイデア

今回は退職金の確定申告について説明してきました。

 

退職金など税金周りのことは非常に複雑で、自分で手続きをするのは難しいと思います。不安な場合には、一度税務署に相談してみましょう。

 

過剰に税金を支払っているのは勿体ないので、ぜひ本記事を参考にして一度、ご自身が還付金を受け取れるかどうか、確認してみてください。