春の人気行事といったら思い浮かべるのは「お花見」ではないでしょうか?
日本人はお花見が大好きです。実はお花見は平安時代から存在し、当時は貴族の間で人気が高かったそうです。
その後は鎌倉、室町時代には武士階級にまでお花見の文化が普及し、そして、江戸時代には広く庶民の間でお花見が流行しました。
現在は、日本人だけでなく、世界各国の観光客から注目される日本の観光の目玉のひとつとなってきています。日本政府観光局によると今年度の外国人の花見の利用者例年を超える過去最高を記録しました。
こんなにも、様々な方から愛されるお花見の経済効果はどれくらいなのでしょうか?
本記事ではお花見の経済効果につい記載しております。お花見がもたらす経済効果がお気になる方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事は関西大学の宮本勝浩名誉教授が発表したものを参照に作成しております。
お花見の経済効果を関西大学の教授が算出!その金額とは?
気になるお花見の経済効果は、なんと約6517億円!
宮本名誉教授のレポートでは、桜は日本の南から北まで3月下旬から5月上旬までの長期にわたって咲くため、この2ヶ月間を対象にお花見の経済波及効果を計算しました。その計算によると経済効果は、6517億4013万円という事が判明。
同レポートによると、お花見における日本人の総支出額は約2406億円(人口の6割がお花見に行くと仮定×1人当たりの支出額4,000円)で、さらに訪問外国人の総支出額は約611億円(この時期の訪日客8割がお花見に関係すると仮定×1人当たりの1日の支出額1万6914円)と試算されています。
観光客の支出の総額は合計3017億円になり、これに波及効果を加えると6517億4013万円になるという事でした。
サクラノミクスの経済効果はどれだけ凄い?
経済効果の高さから「サクラノミクス」と言われていますが、お花見がもたらす経済効果はどれくらい凄いのでしょうか?
宮本教授によると期間が1、2カ月程度と限定されて、お花見のように何もないところに経済効果が発生するのは非常に稀だといい、この経済効果に匹敵するのは正月くらいだと言っています。
様々な事象の経済効果と比較するとお花見の凄さがわかるといいます。
お花見の経済効果は、上野の赤ちゃんパンダ「シャンシャン」の年間経済効果(267億4736万円)の約24倍、東京スカイツリーの年間効果(835億3485万円)の約8倍に当たり、建設関連の費用を除けば、オリンピック開催級の規模だという事が分かっています。
同レポートによると、オリンピック開催の効果は2~3兆円で、その約7割は建設費用の経済効果が占めるといわれてます。その為、客による経済効果だけを考えればオリンピックよりもお花見の方が多いかもしれないといわれています。
また今後のお花見の経済効果についても当分は増え続けるという予想がされています。
その理由は、お花見は高齢者でも利用できる上、訪日外国人にも花見が評価されているので、今後は需要がさらに増えて、今までお花見の文化を知らなかった外国人観光客も増えるという事が予想されているからです。
企業もお花見時期は関連商品を続々リリース
お花見シーズンと言えば魅力的な期間限定商品がたくさんあります。
中でも有名なのは「サクラサク」というキャッチフレーズとともに、桜が描かれているキットカットではないでしょうか?
実は、キットカット以外にも花見の人気を利用し、様々な企業が花見関連商品を発売しています。
アサヒグループホールディングスもその一つです。アサヒグループホールディングスでは、日本で最も売れているビール「アサヒスーパードライ」も、発売当初から約30年間親しまれてきた黒と銀を基調としたデザインを春限定で一新し、ピンク色に統一した桜のデザイン缶を発売しています。
これには普段なかなか取り込めていない若者や女性層が「お花見に行く際に買ってほしい」という意図があるといいます。
実際に、この試みを開始した初年の15年は目標30万箱の倍以上となる62万箱を売り上げ、16年も目標40万箱に対して60万箱を販売した事から、お花見の経済効果の高さは分かります。他にも様々な企業が、サクラ味のお菓子や、魅力的な限定商品を販売するなど激しい競争が行われています。
今年のお花見はどういう限定商品が販売されるのか楽しみです。今後もより多くの方に日本の伝統文化は楽しんでいただけると良いですね。
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