学童保育の料金は平均いくら?公立・民間でどれだけ違う?

気づき

保育園を卒園し、子供の小学校入学を迎えるにあたって、子供の預け先を迷われている保護者の方は多いのではないでしょうか?

共働き世帯の増加やひとり親家庭の増加により、学童保育の利用をお考えの方も多いと思います。

今回は「学童保育ってどれくらいかかるの?」「入所申し込みの審査方法は?」「希望しても入れない人はどれくらいいるの?」など学童保育への疑問を一気にお答えします。

待機児童の現状など小さな子供をお持ちのご両親に役に立つ情報ばかりです。

学童保育ってどんな施設?

学童保育とは保護者が働いていて、子供の面倒が見れないという家庭の子供を預かってくれる施設のことです。学童クラブ・放課後児童クラブとも呼ばれています。

学童保育では、子供たちは宿題をしたり、遊んだりできます。最近では英語やダンス、書道など習い事のようなプログラムを用意した民間の学童クラブも増えてきています。またハイキングやキャンプといった季節ごとにイベントが開催する施設も多いです。

また、施設によってはおやつが提供されます。おやつが出ない場合は、持ち込みが許可されているところもあるようです。

学童指導員と呼ばれるスタッフが面倒を見てくれて、子供たちが安心して過ごせるようになっています。

平成29年現在、学童クラブは全国に2万4573施設あり、児童登録数は117万1162人に上ります。東京都社会福祉協議会の発表によると、東京都には学童クラブが1737か所あり、内、公営の学童保育は全体の62.4%を占めています。

現在、少子高齢化に伴い出生数は減少傾向にありますが、学童保育を利用する人は年々増加しています。地域によっては、学童施設が不足している場所もあり、保育所の待機児童問題と同様に学童保育の待機児童も大きな問題になっています。

学童保育の平均利用料はいくら?

月額4,000円〜6,000円の施設が最多!月額基本料金の割合は?

基本利用料の月額施設数
2000円未満537(2.6%)
2,000円~4,000円未満4,034(18.8%)
4,000円~6,000円未満5,832 (28.1%)
6,000~8,000円未満4,688 (22.6%)
8,000~10,000円未満2,676 (12.9%)
10,000~12,000円未満1,566 (7.6%)
12,000~14,000円未満514 (2.5%)
14,000~16,000円未満334 (1.6%)
16,000円以上555 (2.7%)

平成29年度、厚生労働省が調査した20,736施設のうち、最も割合が高かったのは4,000円~6,000円未満の施設でした。

お手頃な価格で利用できる施設が多くある一方、月額料金10,000円を超える施設も14.4%あります。このように月額料金に差が出てくるのはどういった理由があるのでしょうか?

利用料は公立か民間か、運営元はどこかによって変わる

学童保育の利用料は民間学童か公営の学童かによって大きく異なります。また、民間の学童でも、運営元がNPO法人であったり、株式会社であったり、地域の保護者である場合もあるので、民間学童の中でも料金には差があります。

ここでは民間の一例として東急グループが運営するキッズベースキャンプの利用料金をご紹介します。キッズスペースの基本利用時間は13:00~19:00です。

キッズベースキャンプ(東急グループ)プレミアムメンバーの月会費

月会費
対象学年週5日コース週4日コース週3日コース
通常月1年42,760円38,480円31,450円
2~6年38,570円34,710円28,280円
8月全学年54,940円50,400円42,340円

新規入会の場合、入会金3000円、入会セット6000円がかかります。

また、おやつ代などの必要経費を含む維持管理費が毎月かかります。民間の学童サービスは送迎やイベント、食事の提供などのサービスが充実していますが、その分基本料金とは別のオプション費用がかかる場合があります。利用料は公的な学童よりも高いといえます。

母子(父子)家庭への減免・免除制度はある?

厚生労働省の調査によると、平成29年現在、学童保育のサービスを行う施設の80%以上が利用料の減免を行っていることが分かりました。

主に生活保護受給世帯ひとり親(母子家庭・父子家庭)世帯に対して、減免を行っている施設が多いようです。

ここで参考として、東京都町田市の減免制度をご紹介したいと思います。

町田市では2018年4月から学童保育クラブの育成料が改定され、新たな減免区分が設けられました。

減免なしの場合は月額料金9000円となり、同二人目以降の子供も同様にサービスを利用する場合、二人目以降は3000円になります。

減免の対象一人目育成料月額二人目以降の育成料月額

(二人目以降が同時に利用する場合)

在籍日数が月15日以下のとき
生活保護世帯又は中国残留邦人等への支援給付を受けている世帯及び市区町村民税非課税世帯0円0円
0円
均等割のみ課税世帯及び所得割課税48,600円未満3,000円1,500円
1,500円
所得割課税48,600円以上60,000円未満6,000円3,000円
3,000円
所得割課税60,000円以上162,000円未満7,000円3,000円
3,000円
所得割課税162,000円以上313,000円未満8,000円3,000円
3,000円

町田市では所得割課税による減免のほか、サービスを利用する日数や、2人同時に学童に通わせると2人目が割安になります。

このように自治体によってさまざまな減免制度がありますので、お住いの地域の制度をチェックしてみてください。

学童保育(放課後児童クラブ)の児童数、待機児童数や受け入れ時間はどれ位?

学年別の登録児童数

厚生労働省発表の学年別登録児童数の状況は、以下の通りです。

学年登録児童数(割合)
1年生34.7万人(32.0%)
2年生33.1万人(28.2%)
3年生25.6万人(21.8%)
4年生12.6万人(10.8%)
5年生5.6万人(4.8%)
6年生2.7万人(2.3%)
その他0.06万人(0.1%)

小学1年生~3年生が登録児童全体の約82%を占めています。学年が上がるにつれて利用者は減っていくことが分かります。

平成29年度学童サービスに登録する児童数は、過去最高となっています。出生数は減少傾向にありますが、学童保育を利用する児童は平成10年以降一貫して増加傾向にあります。

学童の待機児童数が過去最高

学年待機児童数(割合)
1年生2976人(17.3%)
2年生2252人(13.1%)
3年生4237人(24.7%)
4年生4928人(28.7%)
5年生2077人(12.1%)
6年生700人(4.1%)

ここからわかるように、小学校3、4年生の待機児童が最も多くなっています。学童保育の施設数は、平成19年と比べて約1.5倍まで増えていますが、まだまだ需要に対して施設数が追いついていない状況です。

今年度希望しても利用することができなかった児童は過去最多の17,170人になってしまいました。都道府県別にみると、東京都の3,812人が最多で、埼玉県が続いて1,665人、千葉県が1,455人となっています。

受け入れ終了時刻(平日)

共働きのパパ・ママにとって、気になるのが学童保育の終了時刻だと思います。

学童保育の終了時刻は、18時30分から19時までが最も多く全体の47.7%、ついで17時〜18時、18時〜18時30分までの施設が同じ割合で22.4%と続きます。

18時30分過ぎまで開所している学童施設は、全体の54.9%を占めています。近年は夜まで預かってくれるところが増加している傾向にあります。

しかし、家の近くに遅くまで開所している学童クラブがないという人も少なくありません。そのため、学童保育のお迎えの時間が保育園より早く、退勤する時間を早めなければならなくなったママも多くいるようです。

小学校入学を機に、共働き世帯の3人に1人が働き方を変えるか悩んだ経験があるといわれています。これは、「小1の壁」と呼ばれています。

なお、延長を申請することで、21:00以降も預かりサービスを行っている民間の施設もあります。

先ほどご紹介したキッズベースキャンプでは、通常の預かりは19時までですがそのあと22時まで延長することが可能です。残業で帰りが遅くなってしまっても、預かってくれるところがあるのは安心ですね。

受け入れ終了時刻(夏休み等の長期休暇)

それでは、夏休みなどの長期休暇中の終了時刻はどうなっているのでしょうか。

町田市と民間の学童クラブ キッズベースキャンプを一例としてご紹介します。

  • 町田市・・・18:00~19:00
  • キッズベースキャンプ・・・19:00(延長が22:00まで可能)

夏休みなどの長期休暇でも町田市は18:00~19:00まで開所しているということでした。長期休暇中もこどもの預け先が必要となりますから、そんな時でも学童クラブは力になってくれそうです。

また、民間の学童クラブは長期休暇でも通常のお迎え時間を超えての延長が可能となっているところが多くあります。

学童保育探しはいつ始めるべき?利用条件や審査はある?

共働き世帯の強い味方となってくれる学童保育ですが、申し込み時期や利用条件はどうなっているのでしょうか?

申し込み時期

一般的に入学前の10月ごろから小学校で就学時健康診断が行われます。このころから、どこの学童保育に入るのか考え始めるタイミングになります。

東京都社会福祉協議会によると、学校が始まるまでの間に面談を行ったり、春休みの受け入れ保育を行うところもあるようです。

学童保育の申し込みの時期は各施設によって異なりますが、早いところでは11月ごろから受付をスタートするようです。見学は随時受け付けているところが多いので、雰囲気や通っているお子さんの様子など行ってみなければ分からないことを事前に見ておくことも大事になります。

公営の学童保育の施設の場合、入所の申し込みは各学童保育または市町村で受け付けられています。申込先や申し込み開始時期など早めに調べておくと安心できますね。

利用条件

定員を設けていて、地域入所希望者数が定員を上回る地域では、利用に関する審査が行われることがあります。

審査項目の一例を挙げたいと思います。定められている入所審査基準の指数に基づいて審査されます。

  • 保護者の勤務日数・・・勤務日数が長いほど指数は高くなる。
  • 保護者の勤務時間・・・勤務時間が長いほど指数が高くなる。
  • 子どもの学年・・・小学校1年生が最も調整指数が高くなり、学年が上がるごとに調整指数は下がっていきます。
  • 家族構成

など。

正社員かパートかといった雇用の形態は入所の審査の際、特に結果に影響はありません。民間の学童保育施設では、先着順に申し込みを受け付けているところもあるので注意が必要です。

学童保育に入れなかった場合の対処方法3点

①ファミリーサポート制度を活用する

ファミリーサポートとは、各自治体で子育てを応援したい人と応援が必要な人をつないでくれる制度です。地域のサポーターが子供を預かってくれる制度がある地域もあります。

近所に子供のことをすぐ相談できる人がいることは心強いですね。ご実家が遠方で長期休暇中でも簡単に子供を預けられないなど困ったときに力になってくれそうです。

②習い事に入れる

学習塾、スイミング、英会話、そろばん、ピアノ、スポーツ少年団など複数の習い事をして時間を埋めていく形です。

習い事の費用が掛かってしましますし、子供がきちんと時間通りに習い事に行けるように時間管理をしてもらう必要がありますが、子供に合う習い事があれば、お子さんにとっても良い経験になるのではないでしょうか。

送迎付きであるか、時間は早く終わりすぎないか、保護者の負担はどれくらいかなど事前にチェックしておくことをおすすめします。

③民間の学童保育に入れる

民間の学童クラブは公営よりも高額ではありますが、その分サービスの内容、質ともに充実しています。

定期的にキャンプやパーティーなどのイベントがあったりする面でも、公営の学童クラブより充実しています。残業があっても、21:00以降も開いているクラブがありますので、帰りが遅い親御さんでも利用することができます。

学校までバスが迎えに来てくれるので安心ですし、おやつがサービスに含まれているので夕食まで子供がおなかをすかせることもありません。またオプションで夕食を食べさせてくれるクラブもあります。

地域・自治体のサポートを活用して小1の壁を乗り越えよう

共働きや1人親の家庭の多くは小1の壁にぶつかるといわれています。子供を放課後1人にしておくことは心配だけど、近くに遅くまで預かってくれる学童がないと悩んでいる方は多いと思います。

民間の参入やNPO法人が学童クラブを運営するなど、学童保育の形は変わりつつあります。どんなクラブがお住まいの地域にあるのか調べてみることから始めるのがいいのかもしれませんね。

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