母子家庭の医療費助成制度は親も使えるって本当?申請を忘れてた場合は?

医療費控除

近年、離婚率の上昇などによってシングルマザーなどのひとり親家庭が増えてきています。

 

母子家庭や父子家庭などの一人親世帯では日頃の怪我や病気の治療費でも大きな負担となってしまいますよね。

 

そうした経済的な負担を軽減してくれる「ひとり親家庭の医療費助成制度」は、母子家庭(父子家庭)の強い味方ですよね。

 

この制度を利用すれば、その医療費を全額免除してもらえますが、シングルマザー(シングルファザー)も利用できるというのは本当でしょうか?

 

今回は、ひとり親家庭の医療費助成制度の内容、何歳まで使えるのか?親も使えるのか?といった疑問から利用の条件、申請方法まで幅広く解説していきます。

母子(父子)家庭の医療費負担を削減!ひとり親家庭の医療費助成制度とは?

子供

ひとり親家庭の医療費助成制度」とは、母子(父子)家庭の医療費を市区町村が負担してくれる制度です。

 

住民税が課せられているかどうかで助成金額が変わったり、助成対象となる医療費、助成対象にならない医療費など要件があるので以下で確認していきましょう。

助成金額

「ひとり親家庭の医療費助成制度」は住民税を課されているかで医療費が全額助成されるかか1割だけ助成されるかが決まります

 

  • 住民税が課されていない場合:全額助成
  • 住民税が課されている場合:1割助成

 

※1割助成の場合、自己負担額に上限があります。

上限金額は個人で月1万2000円(外来)また、世帯で4万4000円(外来)です。

助成の対象になる人

母子(父子)家庭で18歳未満の子供がいて、所得が限度額を満たしていない人や、両親が芝王や行方不明などで両親以外の方に扶養されている児童が助成の対象となります。

 

制度の対象となる所得の限度額は、市区町村によって異なります。所得は年間収入から給与所得控除など各控除を差し引いたものです。

 

また、離婚時点に養育費を受け取っている方も多いと思いますが、その養育費の8割も収入に含みます。

 

つまり、本人の収入に加えて受取養育費の8割を足し合わせた金額が下記の限度額以下であれば、助成対象となります。

 

参考として新宿区の所得の限度額を以下に載せるので、確認してみてください。

子供の人数 ひとり親の所得額
1人 230万円
2人 268万円
3人 306万円
4人以上 1人増えるごとに38万円の加算

 

離婚や死別などひとり親家庭になった経緯は関係ありません。

 

都道府県によっては助成対象と範囲が以上の場合よりも広いことがあるので、以上の要件を満たしていない方も各市町村に確認してみてください。

 

※子供に障害がある場合、助成を受けられるのは、子供が20歳未満までとなります。

助成の対象にならない人

助成の対象とならないのは以下の通りです。

 

  • 母子(父子)家庭でも所得が限度額以上ある人
  • 生活保護を受けている人
  • 施設や刑務所に入所している人

 

生活保護を受けている場合、医療費扶助があり、2重給付となってしまうので、併用することができません。

助成の対象になる医療費

助成の対象となるのは以下のような医療費です。

 

  • 身体の不調に関する診療費
  • 処方された薬代
  • 処置・手術などの治療費
  • 治療材料(コルセット・包帯など)の費用

 

以上の他に、入院も対象となりますが、差額ベット代については全額自己負担になります。

助成の対象とならない医療費

助成の対象とならない医療費は以下の通りになります。

  • 医療保険の対象にならない医療行為(マッサージ、健康診断予防接種、美容整形、中絶・不妊治療など日常に支障のないものの治療)
  • 学校で怪我をして「災害救済給付制度」の対象となる医療費
  • 高額医療費・附加給付に当たる医療費

 

他の制度と二重に助成を受けることは不正受給となってしますので、注意しましょう。

母子家庭の医療費免除はいつまで利用できる?親にも適用される?

手を繋ぐ親子

 

ひとり親家庭の医療費助成制度は、ひとり親家庭であれば、親も子供も助成の対象となります!

 

ただし、両親が死亡や行方不明等の理由でいない児童は助成対象となりますが、その児童を扶養している方は対象となりません。

 

助成の対象となるのは子供が18歳未満までなので、子供が17歳までのうちはこの制度を使うことができます。

 

ひとり親家庭等医療費助成制度を受けるための手続き

チェックリスト

自身が「ひとり親家庭の医療費助成制度」対象となったら、市区町村の窓口で申請をしましょう。

申請に必要なもの

申請するには以下のものが必要となります。

  1. 申請者と児童の戸籍謄本(1ヶ月以内のもの)
  2. 申請者と児童の健康保険証
  3. 現在の年度の住民税課税(非課税)証明書(前年度の所得、控除、扶養内容が記載されているもの)
  4. 申請者の身元が確認できるもの
  5. 障害認定診断書(親または子供が障害を抱えている場合)
  6. 児童扶養手当証書(児童扶養手当を受給している場合)

 

場合によっては上記書類以外にも必要となるものがある場合もあります。

申請の手順

 

まず、「ひとり親家庭の医療費助成制度」を市区町村の窓口で申請して認められると、「ひとり親医療証」が役場から送られてきます。

助成はこの「ひとり親医療証」を使って受けることができるのですが、申請から1ヶ月~数ヶ月かかってしまう場合もあります。

 

1ヶ月過ぎても「ひとり親医療証」が届かなかったり連絡がない場合は役場に確認しましょう。

 

「ひとり親医療証」が届くまでの医療費は後日返金される可能性があるので、申請から医療証が届くまでの期間に利用した医療機関の領収書はきちんと保管しておきましょう。

 

①申請した市区町村内の医療機関を受ける場合

健康保険証と一緒に『ひとり親医療証』を窓口で提示すると助成を受けられます。

 

②申請した市区町村以外の医療機関を受ける場合

医療機関を利用した際に一度費用を窓口で支払います

 

後に市区町村の役場で助成の申請をすることで助成を受けることができます。

 

後から役場で申請す場合は以下のものが必要となります。

 

・「ひとり親医療証」に記載されている保護者名義の金融機関の口座番号がわかるもの

・医療機関の発行する保険点数と受信した人の名前が記載されている領収書(コピーは不可)

・印鑑

 

医療証を忘れた場合や申請を忘れていた場合

「ひとり親医療証」をいつも出かける時に持っているわけではないので、たまに病院や薬局で支払いのある時に医療証を持っていくことを忘れてしまうこともあると思います。

 

もし医療証を持っていくのを忘れてしまっても後から調整することが可能なので、心配はいりません。

 

助成申請を診療後に行う方法を以下でご紹介します。

 

医療機関に「ひとり親医療証」を持っていくのを忘れたり、窓口で提示するのを忘れてしまった場合は、病院などで調整する場合と市役所窓口で調整する場合の2パターンあります。

 

①病院や薬局で調整する場合

病院や薬局で助成の申請を調整してくれる場合は、受診した月の月末までに申請すれば調整してくれる場合もあります。

 

各病院や薬局等で対応が異なってくる可能性があるので、詳細は各病院などに問い合わせてください。

 

②市役所窓口で調整する場合

病院や薬局で調整できない場合は、市役所窓口で申請します。

 

その時に必要なものは以下の5点です。

  • 病院・薬局等の照明を受けた医療費給付申請書(領収書を添付すると、照明を省略することが可能です)
  • 健康保険証
  • ひとり親家庭等医療費受給資格証
  • 印鑑(認印)
  • 振込口座がわかるもの(預金通帳等)

 

母子(父子)家庭の医療費助成制度が受けられなくなる場合

チェックリスト

一度申請できても、生活環境の変化によって助成を受けることができなくなる場合があります。

 

助成を受けられなくなるケースとして以下のものが挙げられます。

 

  • 生活保護を受けた場合
  • 市区町村から転出した場合
  • 所得が制限を超えた場合
  • 子供の年齢が18歳に達した場合
  • 再婚または同棲などによる事実婚をした場合
  • 子供や施設、里親に預けられた場合
  • 申請者または子供が死亡した場合

 

ひとり親家庭の医療費助成制度の対象外となった後もひとり親医療証を利用して助成を受けた場合、役所に後日返金することを求められるので気をつけましょう。

シングルマザーが使えるその他の医療費助成

空

残念ながら、ひとり親家庭の医療費助成制度は高額医療は対象となっていなかったり、月に個人で最大1万2000円しか助成されないなど、助成額が高額の医療費がかかってしまった時には少し物足りない額です。

 

そこで、助成の対象が広い「小児医療費助成制度」と「高額療養費制度」についても簡単に紹介します。

小児医療費助成制度

小児医療費助成制度は中学生までの児童が診療を受けた時、保険診療の自己負担学を住所のある市区町村に助成してもらえるものです。

①対象となる方・要件

  • 助成を行う市区町村に住所のある中学生(15歳達成後の3月31日)までの児童
  • 児童が健康保険に加入していること

※ただし、生活保護受給者、児童福祉施設入所者、里親に委託されている児童は除きます。

 

②助成内容

  • 健康保険診療の自己負担額
  • 入院時の食事の自己負担分

 

③受給資格申請方法

申請書記入の上、を各市区町村の小児医療費助成制度の担当課に郵送または窓口で提出します。

 

申請が完了すると、子供の年齢に応じて「乳幼児医療証」または「子ども医療証」が交付されます。

 

交付された医療証を受診する際に提示すると自己負担額を支払わずに受診できます。

④申請に必要なもの

  1. 子供の健康保険証
  2. 印鑑(朱肉を使うもの)

 

高額療養費制度

高額療養費制度は同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が後で払い戻される制度です。

 

①提出書類

  • 健康保険高額療養費支給申請書

 

②申請方法

自身が加入している公的医療保険に高額医療費の支給申請書を提出または郵送することで受給できます。

 

申請書を提出する際、領収証の添付を求められることがあるので、領収証は大切に保管しておきましょう。

 

医療費の払い戻しは診療月から3ヶ月以上かかってしますので、その点は注意しましょう。

 

高額療養費の一時的な支払いによって医療費の払い戻しを待てない人のために「高額医療費貸付制度」というものもあります。

 

③自己負担限度額

所得区分 自己負担額
標準報酬月額83万円以上の方

報酬月額81万円以上の方

25万2600円+(総医療費−84万2000円)×1%
標準報酬月額53万円~79万円の方

報酬月額51万5000円以上81万円未満の方

16万7400円+(総医療費−55万8000円)×1%
標準報酬月額28万円~50万円の方

報酬月額27万円以上51万5000円未満の方

8万100円+(総医療費−26万7000円)×1%
標準報酬月額26万円以下の方

報酬月額27万円未満の方

5万7600円
低所得者

(被保険者が住民税の非課税者等)

3万5400円

※給付対象が70歳未満の場合

 

一定期間の報酬額の一ヶ月あたりの平均額を「報酬月額」と言います。

 

標準報酬月額とは、報酬月額を「報酬月額等級」に当てはめたものです。この標準報酬月額に基づいて、保険料や傷病手当金などが算定されます。

 

例えば、年収400万円の人が1ヶ月で75万円の高額医療を受けたとします。

 

この時の自己負担額は、以下まで軽減されます。

 

  • 窓口での支払い:75万円×0.2=15万円(2割負担)
  • 自己負担限度額:8万100円+(75万円−26万7000円)×1%=8万4930円
  • 高額療養費払い戻し額:15万円-8万4930円=6万5070円

 

 

また、母子家庭の家計では、住民税を支払っているものの年収が約370万円以下(上の表の下から2番目)に該当する方が多いと思います。

 

この収入世帯の方は一人あたりおよそ7万円以上の医療費を窓口で支払った場合、「ひとり親世帯の医療費助成制度」よりも「高額療養費制度」を利用した方が給付額をより多くもらうことができます。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

ひとり親の医療費助成制度は親でも使えること、これまで申請してなかったとしても還付を受けられることがわかりました。

 

支払いすぎた医療費があれば、ぜひ見直してみてくださいね。