組織を上手に拡大していくための経営者の心構えとは?企業密着型の税理士が解説

「お金のカタチ」インタビュー 株式会社C Cubeコンサルティング  清水 努

株式会社C Cubeコンサルティング(税理士法人C Cube) 代表取締役/税理士 清水 努(しみず つとむ)氏

1966年千葉県生まれ。高校生の頃に偶然読んだ資格のパンフレットがきっかけで、簿記の勉強を始める。高校在学中に簿記1級の取得に成功し、特待生として会計の専門学校に入学。

卒業後は「3年・3箇所・30歳独立」の目標を掲げ、3つの会計事務所で3年ずつ勤めた後、1996年に30歳で共同事務所を開業し独立。(税理士試験には25歳で合格。)

2001年に単独で事務所を移転し、株式会社C Cubeコンサルティングを立ち上げる。現在は銀座本社の他にも、池袋、立川、横浜に支社を構えるまでに成長。

「惚れられるサービス」をモットーに、経営者から従業員まで、会社に密着したサポートには定評がある。社内では若手従業員やインターンシップ生を積極的に採用し、次世代の育成も精力的に行っている。

税理士法人代表に聞く、社長が抱える悩みとは?

株式会社C Cubeコンサルティング  代表税理士 清水 努 氏

まずは、C Cubeコンサルティングの特徴や強みを教えてください。

弊社では、「惚れられるサービス」をモットーに、とにかくお客様一社に対して密着したサポートを行っています。

 

具体的には、お客様ごとにオリジナルで経営数値をまとめた資料をお作りして、経営数値について毎月訪問して状況をお伝えしています。

 

これは今までの経験で感じたことですが、意外と経営者の方々って、細かい数値を見るのが苦手なことが多いんですよね。

 

そのため、数字の羅列ばかりではなく、経営者の方々にとって本当に重要な数値のみを用意することを心がけています。最初は資料を一枚で作成し、とにかく見やすさ・分かりやすさを重視していて、そこから「経営数値についてもっと知りたい!」と思っていただけるきっかけを作っています。

 

また、税務・会計の処理だけでなく、財務のサポートも得意としています。

 

資金繰りに必要な事業計画書の作成や金融機関との折衝だけでなく、実際に金融機関に伺って手続きを進め、社長には最後に判子を押してもらうだけというところまで対応しています。

 

なぜなら、資金を集めるための労力は、それを得意とする弊社にお任せいただき、その時間を会社の売上を上げるために集中していただいた方が、双方のメリットになると思っているからです。

 

他にも、弊社では33人の従業員が在籍していますが、その半分近くは経理実務スタッフとして働いており、企業様の経理業務の一部を実際にお手伝いするサービスを行っているのが特徴です。

 

企業様に多くあるお悩みとして、経理担当の人数の調整が難しいことが挙げられます。

 

経理作業が追いついていないが、経理担当の採用は難しく、お金や教育の時間もかかる。かといって、お金が関わるところなので、パートとして採用するのも不安……といった企業様に対し、弊社の経理実務スタッフが実際に企業様の経理作業をお手伝いします。

 

コストとしても、通常の人件費の半分くらいでお受けしているので、最近は中規模の企業様からご好評いただいています。

経営者の方々が普段抱えているお悩みはどのようなものでしょうか?

まず、お金の悩みはどの企業規模であっても常に発生するものではありますね。ここは経営をする上では避けられない部分ではありますし、税理士がメインでサポートさせていただく部分だと思います。

 

一方で、規模が大きくなってくることで出てくるのが、人に関する悩みですね。

 

社長から幹部、幹部から現場へと規模が大きくなるにつれ、それぞれの上下関係の間には溝が生じます。また、同じ現場でも、部署ごとに生じる「横の溝」もあります。

 

この連結間の溝が大きくなるほど、組織としての構造は歪み、機能しなくなってくるので、個人的にはお金の悩みより厄介だと思っています。

 

そこで、我々は「連結ピンマネジメント」と呼んでいるのですが、定期的な訪問を通じて企業内部の溝に対してアプローチしています。

 

まず経営数値を分析した結果、売上数値が不安定(低すぎる、高すぎる)なところに対して、現場の社員へインタビューを行っていきます。そこで、「従業員の離職・入れ替えが激しい」「労働時間が異常に長い」「同じ質問に対し、従業員ごとに言っていることが違う」などの現状を聞き取り、課題を明確にします。

 

その結果を社長へフィードバックし、どのような取り組みをすべきかを一緒に考えるところまでサポートしています。

 

お客様からのお声で驚いたのですが、「コンサルティング」と名乗る会社の多くは、現状会社が抱える問題を拾うだけで、実際にどうしたら解決ができるのかという部分までは寄り添ってくれないそうなんですよね。

 

会社が抱える問題は、経営者の方にとってはもしかしたら既に心当たりのある点かもしれません。しかし、その解決法が分からなくて困っているのに、結果だけ発表して終わってしまうのはナンセンスです。

 

弊社では、税務・会計のベースの上で会社の課題を洗い出し、さらに解決のために何をすべきかを、経営者の方と徹底的に話しながら考えていきます。

 

そんなわけで、弊社では社員1人が担当させていただくクライアント数を少なくして、そのぶんお客様一社に対してたくさんの時間をかけさせていただいています。

会社の業績が良い時こそ、経営者は初心を忘れずに

株式会社C Cubeコンサルティング  代表取締役 清水 努 氏

 

組織のヒトに関する問題を起こさないために、経営者が気をつけるべきことは何でしょうか?

とにかく、初心を絶対に忘れずにいることですね。

 

特に、会社の業績が上手くいっている時ほど、経営者は浮ついた気持ちになってしまいがちです。

 

身につける物や行動が派手になったり、極端な節税対策に走って無駄な物を買ったり浪費をしてしまったりと、お金があることで今までとは違う人物になってしまう方もいらっしゃいます。

 

しかし、経営者が思っている以上に、従業員はそういった変化に対して敏感で、良く見ています。

 

社長が浮ついて無駄遣いをしている姿を見た従業員は、絶対に不満を持ち始めます。そして、そのような不満が積み重なっていくと、最終的に組織は破綻します。

 

聖人君子になれとは言いませんが、上手くいっている時ほど、経営者の方々は創業当時の気持ちを忘れずに、従業員の手本となる立ち居振る舞いを意識した方が良いと思います。

企業の顧問税理士を選ぶ時に気をつけた方がいいことはありますか?

まず、最初にお話をした時点で、「この人には相談しやすいな」と感じたかどうかだと思います。

 

その税理士がどういった経歴を持っていて、どこの事業領域を得意としているかよりも、一緒に成長できそう、真摯に対応してくれそう、といった、ある意味経営者様の感覚的な部分を重視すべきだと思います。

 

とはいえ、ご自身の会社規模を完全に無視はしないでください。

 

規模が大きくなるほど、税理士1人では業務量的に処理が難しくなるので、個人事務所では対応できなくなってきます。従業員の多い企業様は、顧問先の税理士も従業員人数の多いところを選ぶようにしましょう。

 

あとは、特に中小企業の経営者様には、税理士の顧問料だけで見るのではなく、顧問料+納税額という考え方を持つこともおすすめします。

 

とにかく費用を抑えたいからといって、顧問料の安い税理士を選んでしまうと、上手な節税対策ができなかったり、極端な節税を行い、かえって資金が減ってしまったりという事態になりかねません。

 

最終的に損をしないためにも、目先の顧問料が安いだけで税理士を選ばないように注意しましょう。

最後に、経営者の方へ向けて一言お願いします。

経営者の皆様は、5年後・10年後にご自身がどうしたいのかという目標はお持ちでしょうか?

 

まずそれがないと、そもそも会社を経営していないはずなので、ほとんどの方はお持ちだと思います。

 

では次に、実際にそれを全従業員にちゃんと伝えられていますか?「言う」「提示する」だけではなく、「伝える」ということが極めて重要です。

 

例えば、私は現在53歳ですが、60歳にはセミリタイアをして第一線の仕事を受け渡し、65歳には完全に代表を退くということを全従業員に明言しています。

 

将来会社がどうなるのか従業員全員が理解しているので、それぞれが将来に向けて日々高いモチベーションを持って仕事に取り組んでくれています。

 

忙しい仕事の中で、将来の目標がぼやけてしまったり、従業員に浸透していなかったりすると、徐々に組織の機能は下がっていきます。また、組織が大きくなるほど、全員に「伝える」のは難しくなっていくでしょう。

 

しかし、しっかりと時間を取ってでも全員にご自身の思いを浸透させ、そこに共感できる仲間と働くことが、会社のあるべき姿だと思います。

 

 

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