住宅ローンを組むことは一生のうち、最も大きな買い物といっても過言ではありません。
マイホームは誰しも夢見るものですし、できる限り良い家に住んでみたいですよね。
しかし、住宅ローンというのはいくらでも自由に借りることができるものではなく、年収などによって細かく限度額が決められています。
ですから、実際の物件を検討する前に「自分の収入状況であればいくらの住宅ローンまで組むことができるのか」をしっかりと把握しておく必要があります。
そこで今回は、年収500万円のケースを例に挙げて、借り入れはいくらまで行うことができるのか、また毎月の返済計画はどのようになるのかなどを詳しく解説していきます!
年収500万円の人の住宅ローン借入限度額は?毎月の返済はいくらになる?
年収500万円での住宅ローンの借り入れ可能額を計算!
住宅ローンの借り入れ限度額を求める際には、いくつかステップを踏む必要があります。
借り入れ可能額は、
年間返済額の上限(A)÷12ヶ月÷(B)×100万円
という式で求めることができます。
まず(A)の年間返済限度額を求めていきます。
一般的な返済比率の上限は、35%と言われているので、年収が500万円の場合には
500万円×35%=175万円
となります。
続いて(B)の項目を見ていきましょう。
こちらは審査上の金利が4.0%の場合では、以下の表のようにローン年数ごとに金額が決まっています。
年数 | 35年 | 34年 | 33年 | 32年 | 31年 |
金額(円) | 4,428 | 4,488 | 4,552 | 4,621 | 4,695 |
年数 | 30年 | 29年 | 28年 | 27年 | 26年 |
金額(円) | 4,774 | 4,860 | 4,952 | 5,052 | 5,160 |
年数 | 25年 | 24年 | 23年 | 22年 | 20年 |
金額(円) | 5,278 | 5,407 | 5,548 | 5,702 | 5,872 |
ここでは、一般的な35年でのローンを想定していくので、Bの値は4,428円ということになります。
では、数字が揃ったところで実施に年収500万円の人が借り入れできる限度額を計算していきます。
年収500万円の人が住宅ローンとして借り入れできる金額は、
175万円÷12ヶ月÷4,428円×100万円≒3300万円
となります。
あくまで、この数字はマイカーローンなどの他の借り入れがないケースを想定しているシンプルなものです。
ですから目安として、”年収500万円なら住宅ローンは3000万円くらい借りられる”というように覚えておいてください!
3000万円の住宅ローンを組むと毎月の返済額はいくらになる!?
では、3000万円ほどの住宅ローンを組んだ場合の毎月の返済額はいくらになるのでしょうか?
ここでは頭金は考えずに、金利によってどのくらい毎月の負担が変わっていくのかを調べていきます。
借り入れ金額が3000万円だった場合、金利が1.0%と2.0%ではたった1.0%の違いでも大きな返済額の差が生じます。
具体的には、金利1.0%では総返済額は約3560万円、金利が2.0%の場合には約4100万円となり、600万円近く違いが出てしまいます。
毎月の返済額の違いは、前者では8万4000円ほどで後者は9万7000円ほどを支払うこととなります。
借りる金額が大きかったり、借り入れの期間が長い住宅ローンでは、わずかな金利の違いでこれほど返済金額に違いが出てきてしまうというのが驚きですね。
年収500万円で住宅ローンを借りた場合の家計支出のモデルケースを紹介!
年収500万円の手取りはいくらになる!?
日本では、所得税や住民税などの税金が給与から引かれるため、年収が500万円といっても全額が自由に使える訳ではありません。
税金や社会保険料を差し引いた後に残る金額は、年収500万円の場合には8割程度と言われているので、年間400万円が自分で使えるお金だと考えましょう。
すると、毎月に使える金額は33万円ほどになるとわかります。
年収が500万円であれば、毎月だいたい33万円の収入でやりくりしていく必要があるということになりますね。
ではここから一般的な世帯における資金計画のモデルケースを紹介していきます。
年収500万円の家計収支の目安を紹介!
ここでは、妻が専業主婦(収入はなし)で子供が2人いるという家庭を想定した資金計画を見てきます。
収入は先ほど申し上げたように、毎月33万円となります。
一方、支出は以下の項目のように金額は想定されます。
光熱費 | 2万円 |
食費 | 6万円 |
日用品・生活消費品 | 1万円 |
教育費用 | 1万5000円 |
生命保険料 | 1万5000円 |
学資保険料 | 2万円 |
自動車関連費用 | 1万5000円 |
貯蓄 | 5万円 |
娯楽・レジャー費用 | 2万円 |
通信費用 | 1万5000円 |
合計 | 24万円 |
上記のような消費計画を立てたとすると、毎月余るお金が33万円−24万円の9万円となり、先ほどの住宅ローンの月額返済額にも届きそうですね。
独身であればもう少し楽な計画が立てられますが、お子さんがいらっしゃる場合にはやはり将来のための貯蓄や教育費用もかかってしまいますので、ややギリギリでの収支管理が必要にはなってしまいますね。
では、少しでも家計を助けたり住宅ローンの負担を軽くするためには、一体どんなことに気をつけると良いのでしょうか?
住宅ローンに苦しまない!経済的負担を減らすためのつのポイント!
1 繰上げ返済を行う
借り入れの期間が長ければ長いほど、余計に利子がかかってしまい、返済総額は大きくなってしまいます。
ですから、35年ローンを組んでいたとしても返せるのであれば、早めに返した方が結果的には負担は少なく済みます。
従来は、100万円単位といった大きな金額での繰上げだけが認められていましたが、最近では1円単位での繰上げが認められている金融機関も出てきています。
生活を圧迫しない程度に、お金の面で余裕がある状況であれば早めに繰上げ返済を行うことがオススメです。
2 住宅ローン控除を利用する
住宅ローン控除とは、「住宅借入等特別控除」と呼ばれます。
各期末に残っている住宅ローンの残高に応じて、所得税の控除を受けることができます。
直接的に住宅ローンの返済金額を減らす訳ではありませんが、節税ができるのでマイホームを購入した場合には必ず申請しましょう!
3 頭金をしっかりと用意する
頭金を用意することで、審査に通過しやすくなったり、返済金額が少なく済むといったメリットがあります。
また、借り入れの際の金利が低く抑えられるといったメリットも期待できます。
もし、マイホームの購入前にまとまった貯蓄があったり、親からの支援がある場合には、まずは頭金をしっかりと用意しておくと良いでしょう。
4 住宅ローンの借り換えを行う
先ほども紹介したように、住宅ローンにおいて金利はかなり重要な要素の一つとなります。
万が一、金利の高いローンを組んでしまったり、他に低金利で魅力的なローンがあれば、借り換えを行うことで金利で面での負担の増加を軽減できます。
おわりに
今回は、年収が500万円の方が借りることのできる住宅ローンについて紹介していきました。
3000万円という金額はあくまで上限の目安なので、必ずしもこの金額を借りた方が良いという訳ではありません。
大切なのは、”無理のない返済計画を立てること”なので、先ほども紹介したような実際の家計での収支の状況に適した返済計画を立てるようにしましょう。
暮らしに役立つお金の情報を無料でお届けしています!