いよいよ夏のボーナスの時期が近づいてきました。
四年連続でボーナスの平均支給額が更新されたといわれています。いったい、今年度のボーナスはいくらもらえるのでしょうか?
さらに、本記事ではボーナスの平均金額を業種別に紹介します。ボーナスが高い業界がどこか気になりますね。興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
2019年夏のボーナスの平均金額を発表
東証1部上場企業の平均ボーナスは74万円
一般財団法人が行った上場企業を対象に行った調査によると、夏のボーナスの支給額の平均は約74万円だということがわかりました。
(一般財団法人労務行政研究所:東証1部上場企業の2019年夏季賞与・一時金(ボーナスの妥結水準調査より)
2015年から4年連続で前年比プラスを継続しています。
しかし昨年の2.4%増加から考えると今年の増加率は0.7%と鈍化しています。
鈍化の要因は企業の業績不安と考えられています。上場企業の19年3月期の純利益が3期ぶりの減益、20年3月期も減益の見込みとなっているのです。
なかでも足踏みが目立つのが製造業です。鉄鋼や精密機械、自動車など主要産業のほとんどが前年比減となりました。
これまでボーナス支給額TOP10に入っていたトヨタ自動車も、これまで固定(3カ月分)だった冬のボーナスと変動制だった夏のボーナスを入れ替えるなどの理由で、今年は前年比9.77%減となりました。
中小企業の平均ボーナスは39万円
上場企業のボーナス平均金額はわかりましたが、中小企業の平均支給額はいくらになるのでしょうか?
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの「夏のボーナス見通し」によると、平均ボーナスは約39万円になるといわれています。
今回の調査は、従業員規模5人以上の民間企業を対象にしたものです。社員5人未満の企業や、そもそもボーナス制度がない企業は含まれないので注意してください。
しかし、民間企業のボーナス支給額は、企業によってかなりばらつきがあります。大企業や、業績が良い企業では基本給の2~3.5ヵ月分もらえるところもあるようですし、逆に業績が思わしくない場合は1~1.5ヵ月分の会社もあります。
また、夏のボーナスの使い道については、以下の記事を参照にしてください!
ボーナスが最も高い業界はどこ?全16業界の金額比較
ここからは、一般財団法人 労務行政研究所「東証第1部上場企業の2019年夏季賞与・ボーナスの妥結水準調査」を元に、上場企業を対象とした業界別のボーナスの平均支給額について紹介します。
下記の表は製造業の業界毎のボーナス支給額です。
項目に平均年齢が入っているのは、ボーナスの水準の参考にするためです。一般的にボーナスは年齢が高いほど高めに設定されており、平均年齢が高いとおのずとボーナス額も高くなるからです。
金額だけでなく、年齢も合わせて確認してみてください。
業界(製造業) | 平均支給金額 | 平均年齢 | 対前年同期比 |
自動車業 | 96万9363円 | 38.9歳 | -1.0% |
輸送用機器 | 87万8485円 | 39.3歳 | -0.6% |
ガラス・土石 | 87万7269円 | 37.0歳 | 2.1% |
化学 | 82万5175円 | 37.5歳 | -2.6% |
ゴム | 79万6115円 | 38.2歳 | -0.2% |
機械 | 77万1715円 | 37.5歳 | 3.0% |
電気機器 | 75万7908円 | 38.5歳 | 0.4% |
非鉄・金属 | 74万2380円 | 40.4歳 | -7.2% |
鉄鋼 | 73万4000円 | 39.4歳 | 1.8% |
紙・パルプ | 61万9307円 | 40.2歳 | 0.2% |
過去最高のボーナス支給額を記録しましたが、製造業界だけを見るとボーナスの伸び率が鈍化していることがわかります。
実際に、製造業全体のボーナス支給額が18年夏比0.12%増で、非製造業の伸び率0.56%増を記録し、2年ぶりに下回ってしまいました。
いずれも伸び率は鈍化したが上場企業の19年3月期決算で製造業の純利益が減ったのに対し、通信やインフラ系などの業績が伸びたことが影響しています。
下記の表は非製造業のボーナス支給額です。
業界(非製造業) | 平均支給金額 | 平均年齢 | 対前年同期比 |
情報・通信 | 81万4000円 | 非公表 | 2.2% |
建設 | 80万8611円 | 35.0歳 | 3.0% |
電力 | 73万1333円 | 39.4歳 | 2.7% |
サービス | 68万6939円 | 41.4歳 | 2.5% |
陸運 | 61万6356円 | 41.3歳 | 2.9% |
商業 | 52万2516円 | 38.6歳 | 3.4% |
利益の増加が目立つのが建設業界などです。今期の業種経常利益は08年3月期の3倍を記録し、かつては「構造不況」のイメージが強かったですが、オリンピックなどの影響で首都圏の再開発が進み今では好業績の中心となっています。
他にも、商業や、サービス業も好調で、高水準の利益を稼ぐ通信も非製造業の利益を押し上げています!このまま非製造業が日本の稼ぎ頭になるのでしょうか?
夏の賞与が高い企業ランキングTOP10
業界以外にも、企業ごとのランキングも気になると思います!
下記の表は2018年度の夏の賞与を、企業毎にランキングにしたものです。
順位 | 企業名 | 業種 | ボーナス額 | 平均年齢 |
1 | ソニー | エレクトロニクス | 1,668,500円 | 非公開 |
2 | スター精密 | 機械 | 1,555,173円 | 39.6歳 |
3 | トヨタ自動車 | 自動車 | 1,330,000円 | 38.5歳 |
4 | ホンダ | 自動車 | 1,215,000円 | 42.9歳 |
5 | カルビー | 食品・アグリ | 1,148,762円 | 38.1歳 |
6 | 東海カーボン | 素材・エネルギー | 1,144,000円 | 38.3歳 |
7 | マキタ | 機械 | 1,129,951円 | 40.5歳 |
8 | 日産自動車 | 自動車 | 1,112,050円 | 41.6歳 |
9 | ヤマハ | 生活・サービス | 1,074,000円 | 42.5歳 |
10 | 東ソー | 素材・エネルギー | 1,065,000円 | 非公開 |
第一位はソニーで約167万円です!ゲーム事業と半導体事業の成績がよく、好業績を上げれた結果、過去最高額のボーナス支給額となりました
製造業界全体のボーナスは減っていますが、ランキング10位までを見ると、やっぱり日本はまだまだ製造業、特に自動車が強いんだなっということがわかります。今年はどの企業がTOP10に入るでしょうか?
公務員がもらえる夏のボーナスは、民間企業と比べて高い?低い?
一般企業について紹介していましたが、公務員のボーナスはいくらでしょうか?
公務員は高いボーナスを貰っている印象を抱く人も多いのではないでしょうか。その現状は間違いではありません!
昨年度のデータによると夏の国家公務員のボーナス平均支給金額は約65万円(平均36歳)です。
一般企業のボーナス(39万円)と比較しても、国家公務員のボーナスの多さがわかります。国家公務員しぼうの方は多いですが、ボーナスから見ても国家公務員という仕事は魅力的ですね。
ちなみに地方公務員だと、国家公務員と違い、都道府県、市区町村、または政令指定都市など、所属するところによってボーナスの時期や算定方法などが異なります。
ボーナス額=手取りではないので注意しましょう
今回紹介したボーナスの支給額は、企業が個人に支給した金額となり、手取りの金額ではありません!
2003年から総報酬制という制度が実施され、ボーナスも「給与所得」の扱いになりました。
そのためボーナスから、健康保険料、雇用保険料などの社会保険料が引かれます。引かれた金額が手取りになります。
社会保険料は、年齢や、業種にって変わるので、確実の数値は言えませんが、ボーナスが50万円だと仮定した場合、社会保険料として10万円が引かれて手取り金額はおよそ40万円程度になります。
目安にしてみください。ということで今回は、夏のボーナスの平均金額についてご紹介しました!ボーナスの金額は企業によってとても差がつきます。今年のボーナスは一体いくらになるのでしょうか?
暮らしに役立つお金の情報を無料でお届けしています!