パートは扶養内で働くメリットは?年収はいくらまで OK?

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パートとして働いている方や、これからパートとして働き始めようと考えている方は「扶養」という問題に直面することがほとんどでしょう。

 

扶養という概念は、パートとして限られた時間だけ働くみなさんを税金面で保護してくれる制度ではあるものの、時に女性の働き方を制限してしまうという側面も指摘されています。

近年では配偶者控除が改正されるなど、女性の働きやすい環境づくりに対しては政策が実施されてはいるものの、まだまだ十分とは言えないでしょう。

 

そんな状況だからこそ、今回はパートとして働く主婦の方が扶養というものに対してどのように向き合って働くのが良いのかを詳しく解説していきます!

 

そもそも”扶養内”で働くってどういうこと!?

話し合い

ここからは、そもそも「扶養」というのがどんなものなのかを解説していきます。

実はみなさんが勘違いしていることもあるかもしれないので、まずは正しい扶養に関する知識を身につけましょう!

扶養には税制上と社会保険上の2つの概念があるので注意しましょう!

そもそも扶養と一言で言っても、2つの種類があることをみなさんは知っていますか!?

それが、

  • 税制上の扶養
  • 社会保険上の扶養

の二つです。

 

税制上の扶養とは、所得税や住民税の納税を行う際に、その支払額を少なくするために用いられる控除の一種であり、先ほども触れた配偶者控除配偶者特別控除などが具体例として挙げられます。

一方で社会保険上の扶養とは、年金や健康保険などの保険料を算定する際に用いられる控除となります。

 

多くの方は、税制上の扶養と社会保険上の扶養を混同してしまっています。

しかし、両者では若干基準となる年収が異なったり、控除の対象となる条件も異なるので、ここでしっかりと別物であるという正しい知識を身につけておきましょう!

 

年収には交通費や通勤手当を含める?含めない?

パートとして働く場合には、自宅から勤務先までの交通費や通勤手当を受けることも多くあるでしょう。

通勤日数が多ければ多いほど、手当として受け取る金額も大きくなっていきます。

 

では、こうして受け取った交通費や通勤手当というのは扶養を考える際の年収としてカウントされるのでしょうか?

結論から申し上げると、「税制上の扶養では年収には含まれないが、社会保険上の扶養では年収に含まれる」というややこしい規則になっています。

 

まず税制上の扶養に関して説明していきます。

一般的には税制上の扶養に関しては、交通費や通勤手当というのは非課税分の範囲内という条件付きではありますが、年収には含まれません。

非課税分の範囲とは、電車やバスなどの公共交通機関を利用している場合には毎月15万円まで、マイカーや自転車を利用している際には、通勤距離が片道2キロメートル以上であれば全額非課税となります。

そのため、ほとんど全てのケースで交通費や通勤手当は税制上の扶養の年収要件にはカウントしないと考えて良いでしょう。

 

続いて社会保険上の扶養に関する解説をしていきます。

社会保険上の扶養では、交通費や通勤手当などは全額年収に含めて考えられます。

さらに注意が必要なのは、交通費だけではなく住宅手当や家族手当なども年収としてカウントされるので、会社からの手当が多く出ている場合には思いの外保険料は高くなってしまうケースもあります。

扶養内で働くには年収はいくらまで!?「○万円の壁」とは?

サラリーマン

ここまで読んでくると、税金を考える時と社会保険について考える時では、しっかりと区別して考えていくことが大切であることがわかったかと思います。

では具体的には、年収がどのくらいであれば扶養内で収めることができ、どのくらい稼ぐと扶養から外れてしまうのでしょうか?

 

ここではいわゆる「○万円の壁」というものを一覧形式で解説していきます。

 

税制上の扶養 社会保険上の扶養
100万円の壁 自治体によるが、概ね住民税の課税がスタートする
103万円の壁 所得税の課税が行われるライン
106万円の壁 *社会保険の加入義務が発生するライン
130万円の壁 *社会保険の加入義務が発生するライン
150万円の壁 満額(38万円)の配偶者特別控除が受けられるライン
201万円の壁 配偶者特別控除が受けられる上限

 

まず説明したいのが、社会保険の加入義務の基準についてです。

社会保険の加入義務が発生する年収は、勤務先の状況によって106万円か130万円のいずれかとなります。

 

106万円の壁が適用されるのは、以下の条件を全てみたいしているケースです。

  • 正社員が501人以上の会社でパートをしている
  • 収入が月8万8000円以上
  • 雇用期間が1年以上の見込み
  • 所定労働時間が週20時間以上
  • 学生ではない

 

一方で、この条件には当てはまらないものの、「月収が10万8334円以上(→年収130万円以上の見込み)」という場合には、状況によらず、社会保険に加入する必要があります。

 

また、配偶者特別控除に関しても見ておきましょう。

配偶者特別控除はパート主婦の年収がある一定金額を超えても、段階的に控除を受け続けることができるように改正された控除です。

この際には、夫の年収が配偶者特別控除の金額にも影響するという特徴があります。

年収別の控除額は以下の表の通りなので、ぜひご自身の年収やご主人の年収と照らし合わせて控除額をチェックしてみてください!

 

配偶者特別控除 夫の年収
1120万以下 1170万円以下 1220万以下 1220万超え
妻の収入 150万以下  38万 26万  13万 0
155万以下 36万 26万 13万 0
160万以下  31万 21万  11万 0
166.8万未満 26万 18万 9万 0
175.2万未満  21万 14万  7万 0
183.2万未満 16万 11万 6万 0
190.4万未満  11万 8万  4万 0
197.2万未満 6万 4万 2万 0
201.6万未満  3万 2万  1万 0
201.6万以上  0 0 0 0

 

夫の年収が1220万円以上の高所得世帯では、妻の年収にかかわらず配偶者特別控除は0円になってしまうのが、今回の改正の大きなポイントですね。

 

扶養内でパート主婦が働くメリットとデメリットとは!?

手続きをする女性

ここまでは、扶養とはそもそもどういったものなのか、扶養の範囲とは年収がいくらまでなのかなどを解説していきました。

では、扶養内で働くことにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?

メリット

扶養内でパート主婦が働くことのメリットは大きく分けて次の5つがあります。

  • 住民税を負担する必要がない
  • 夫の所得税が抑えられ、手取りが増える
  • 保険料を納めることなく国民年金がもらえる
  • 国民健康保険を払わずに医療費が3割負担に
  • 夫の勤務先から扶養手当をもらえることも

 

まず最初のメリットは、年収が100万円未満であればパートとして働いている主婦の方自身が税金を納める必要がありません。

年収がそれほど多くはないので、課税がされたとしても痛手は大きくはありませんが、やはり働いたらその分丸ごと手元に残るというのは嬉しいですね。

 

二つ目のメリットは夫の所得税額が減らすことができ、手取りを増やすことができるという点です。

妻が扶養内で収まっていると、夫は扶養控除という税制上の控除を受けることができるので、所得税として引かれる金額を減らすことができます。

年収が103万円を超えると、税制上の扶養は外れてしまうので、夫の手取りも含めて家計での所得を考えるのであれば、中途半端に103万円の壁は超えない方が良いとされています。

 

三つ目のメリットは、自分自身で国民年金を納めていなくとも、国民年金を受け取ることができるという点です。

日本では、20歳から60歳までの方は基本的に国民年金にお金を支払う必要がありますが、扶養内で働いている場合には国民年金の納付を免除されます。

国民年金は拠出したことによって将来もらえる金額は増えるので、税金とはやや性質は異なりますが、やはり手取り額を増やしたいのであれば、130万円の壁(or106万円の壁)は超えない方が良いでしょう。

 

四つ目のメリットは、社会保険に加入をし、医療費の3割負担を適用される点です。

扶養内で働く妻は、夫が勤務先と折半で社会保険料を納めることで、自分自身も国民健康保険に加入をすることができます。

自分自身で保険料を納めたとしても、受けられる行政サービスは変わらないので、どうせなら保険料を納めることなく健康保険に入ることができる方がお得ですね。

 

五つ目は夫の勤務先から、扶養手当がもらえるケースがあることです。

企業の福利厚生の制度によって異なりますが、養っている家族の人数によって手当が付与される企業が多くあります。

金額や手当の有無は企業次第ではありますが、扶養内で働けばこのような手当も受けることができる場合もあるので嬉しいですね。

デメリット

扶養内で働くデメリットはただ一つ、「パートとして稼げる年収に制限がついてしまう」ということです。

やはり家計を支えるためにパートをする以上、たくさん稼ぎたいという方もいらっしゃる反面、扶養内に留めておくには、年間100万円程度の収入に限定されてしまいます。

 

とはいえ、後先考えずに103万円や130万円の壁をわずかに超えるくらいの年収にしてしまうと、税金や社会保険料の天引きをすると、実際の手取りは100万円を下回ってしまい、かえって損をすることも少なくありません。

どうしても扶養を超えるくらい働いて稼ぐのであれば、200万円以上の収入の見通しが立つ場合に留めておくのが良いでしょう。