離婚時の財産分与における住宅ローンについて解説!適切な処理方法を紹介!

住まい

財産分与とは結婚期間中に夫婦の協力で作り上げた財産を離婚の際に清算することを言います。

 

その中には結婚生活の間に稼いだ金銭や購入した不動産、株式、保険、そして退職金や年金など非常に多くの種類のものが含まれます。

 

そしてその際に負の財産も考慮する必要があります。借金や住宅ローンといったマイナスの財産も、財産分与にあたっては考慮する必要があるのです。

 

中でも住宅ローンは、名義や権利など条件が複雑に絡み合って夫婦の離婚の際に大きな問題になることが多いです。

 

今回はこの複雑な住宅ローンの財産分与について詳しく見ていきたいと思います。

 

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名義を確認しよう!

住宅ローンの契約の際に重要になってくるのは、不動産名義と住宅ローンの名義です。

不動産名義を確認するには、法務局で不動産の登記簿謄本を取得します。

 

住宅ローンの契約内容については契約書を確認しましょう。一般的に次の3パターンが考えられます。

①夫:主債務者  妻:連帯保証人

夫が主な債務者で、妻が連帯保証人としていざ夫が返済不能になった場合に返済の義務を負います

 

②夫:連帯債務者 妻:連帯債務者

夫婦で同一内容の債務を負います。一方が債務の返済を終えると、もう一方の債務も完了します。

 

③夫:主債務者  妻:債務負担なし

妻が保証人になるのではなく、保証協会等を利用している場合です。

 

不動産価格を確認しよう!

不動産の価値は不動産業者に査定してもらいましょう。

 

信頼できる不動産仲介会社を探し、そこに確認して見る方法が簡単です。

 

 

 

住宅の査定額は一律にはならないため、2〜3社に見積もりをとってもらった上でその平均を取るというのも有効な手段です。

 

 

住宅ローンの残高を確認して適切な処理方法を考えよう!

住宅ローンがどのくらい残っているかを確認することがとても重要です。

 

不動産の査定価格と住宅ローンの残高のどちらが大きいかを確認し、不動産を売却すると利益が出るのか、それともローンだけが残ってしまうのかを確認しましょう。

 

①アンダーローン

不動産の価格>住宅ローンの残高

となり、不動産を売却すると利益が生じます。これをアンダーローンと言います。

アンダーローンの場合は、不動産を売却することによって利益が生じますので、売却で得た利益を夫婦で分割すれば、不動産に関する財産分与は完了します。

 

②オーバーローン

不動産の価格<住宅ローンの残高

となり、不動産を売却してもローンだけが残ってしまいます。これをオーバーローンと言います。

この場合は不動産を売却するか、売却はせずに片方が住み続けてローンの支払いを続けるか、様々な選択があると思いますので、後ほど詳しく見ていきましょう。

 

財産分与における住宅ローンの処理パターンを紹介!

ドル束

不動産を売却する場合

先ほども申し上げたように、不動産を売却してその価格がローン残高を上回るなら、残った金額を二人で分割すれば良いでしょう。

不動産の価格がローン残高を下回ってしまう場合は、ローンだけが残ってしまいます。

残高がわずかで完済できる見込みなのであれば、支払いを完了する選択肢もあります。

しかし残額が大きく、完済が見込めないのであれば、借金を完済するのは不可能ということで破産(財産を全て没収され借金をゼロにすること)の可能性が出てきます。

 

夫が不動産に住み続ける場合

①名義は夫のままでそのまま住宅ローンも支払っていく場合

基本的には何も問題はありません。もし夫がローン返済を滞ったとしても、責任は全て夫にあるため出て行った妻には何の影響もありません。

 

なお、もし所有している不動産がアンダーローンだった場合は、利益分は本来夫婦共同のものです。従って、夫は妻に利益の半分を妻に支払う必要があります。

 

②妻がローンの加担をしていた場合

妻が連帯保証人や連帯債務者としてローンの負担をしていた場合は、仮に夫婦間で「夫が支払う」という合意があったとしても金融機関に対する責任は免れることができません。

 

これは注意しておかなければならないことですが、借金については財産分与の対象にならず、各自がそのまま責任を負うことになります。離婚をしても、ローンを組んだ名義人や保証人は変更することはできないので注意して下さい。

 

妻が債務を免れるためには、金融機関と別途交渉して、妻が保証人などから外れることを了承してもらうことが必要になってきますが、基本的には難しいです。たとえ了承が得られたとしても、新しい保証人をつけるよう要請されるか、一部まとまったお金を入れるよう言われるか、何かしら条件があると思っておいたほうがいいでしょう。

 

妻が不動産に住み続ける場合

①不動産を妻名義に変更し、残りの住宅ローンを夫のままにする場合

住宅の所有権は妻に、残りのローンは夫が支払うといった場合です。

その場合は、仮に不動産がアンダーローンであれば不動産は実質的にプラスの財産となりますので、プラス分の金額の半分を夫に支払う必要があります。

 

またもし不動産に抵当権(担保にすること)があった場合は、夫が住宅ローンの支払いを滞らせた場合にリスクがあります。

 

②不動産の名義と住宅ローンの債務者を夫のままにする場合

住宅ローンは原則として「ローンの名義人が完済まで住み続ける」という前提で契約が交わされています。

 

住宅ローンがある状態で妻の方に自宅を譲ってしまうと場合によっては契約違反とみなされることがあり、また法的にも問題視される可能性があるので、基本的にあまりお勧めできません。

 

また夫が支払いを滞らせるリスクがあります。

 

リスク回避のために差し押さえ(換金を行えるものを取り立てること)を行えるように公正証書を作成しておくのがいいでしょう。

 

③不動産名義と住宅ローンの債務者を夫のままで妻が夫に家賃を支払う場合

月ごとに妻が夫に家賃を支払うという場合です。

 

これは夫婦の間に小さいお子さんがいた場合に、離婚後も子供と今まで通りの住居に住みたいと考えた場合によくとられる方法です。

 

しかしこの場合も妻が渡したお金を夫がきちんと支払いに使ってくれる保証はないため、家が競売にかけられるリスクがあります。

 

④不動産の名義と金融機関の債務者を妻にする場合

先述したように、夫名義の物件に離婚後も妻が住み続けるのは基本的には法律違反となります。

 

よって不動産名義を妻に変え、妻の方に安定した収入がある場合は、ローンの借り換えを行なって一旦夫名義のローンを返済したのちに妻がローンの返済を続けていく、という方法があります。

 

しかし当然のことながら、これには妻の方に安定した収入があるか、資産がどのくらいあるか、といった審査に通る必要があり、なかなか難しい方法であると言えます。

 

離婚時の住宅問題は複雑で難しい!夫婦で話し合い、納得できる決断を!

光と希望

住宅問題は、財産分与の中でも特に複雑で難しい内容です。

 

法律や権利の問題が複雑に絡んでいますから、一人で解決しようとせずに専門家の手を借りるのも手です。

 

後になって悔やんだり、さらに大きなトラブルになってしまうことのないよう、話し合いはしっかりと行いましょう。

 

またその際可能な限り、契約内容は書面上に残しておくようにしましょう。