アメリカの経済紙「フォーブス」によれば、2019年版の世界の長者番付において、インターネット通販大手アマゾン・ドット・コムの創業者で最高経営責任者(CEO)を務めるジェフ・ベゾス氏が2年連続の第一位に輝きました。
今や誰もが知る大企業に成長したアマゾンを牽引し、世界のトップ富豪にまで上り詰めたベゾス氏の資産には世間からも多くの関心が寄せられています。
また、彼の輝かしい成功の裏に秘められた経歴についてはなかなか知られていない過去があります。
今回の記事では、今や世界トップクラスの実業家になったジェフ・ベゾス氏の資産は一体いくらなのかを紹介するとともに、彼の経歴なども深く紹介していきます。
ジェフ・ベゾス氏の総資産は10兆円超!?離婚で資産激減のワケとは?
2018年・2019年の世界長者番付において第一位に輝いたベゾスですが、彼の資産額は驚くべき金額になっています。
その反面、プライベートでは離婚を経験するなどなかなかうまくはいかない一面も。
まずは彼の資産状況や離婚後に生じた危機について紹介していきます。
ジェフ・ベゾスの総資産
フォーブスによれば、2019年時点でジェフ・ベゾス氏は推定1362億ドル(約14兆7000億円)の資産を保有するものとされています。
彼の資産の95%は経営しているアマゾンの株式であり、彼の保有割合は全体の15%にものぼる大きな割合を占めています。
これだけ大きな会社の株式の15%を彼一人が持っているとなると非常に金額も大きくなりますし、影響力も凄まじいことになります。
また、ベゾス氏はアマゾンのみならずワシントン・ポスト紙や宇宙開発企業のブルー・オリジンも所有しているため、実にあらゆる種類の資産を有しているとされています。
ジェフ・ベゾスは離婚で資産が半分に!アマゾンの株式はどうなるの?
順風満帆に見えたベゾスの人生でしたが、2019年の1月9日をもってマッケンジー夫人との離婚を発表しました。
夫妻の居住するワシントン州では、離婚する夫婦が結婚期間中の全収入を含む「共有財産」を均等に分割することが義務付けられていることから、これだけ莫大なベゾスの資産も奥さんと半分ずつ分けることになってしまいました。
しかし、アマゾンの株式を半分マッケンジー夫人に渡してしまうと、ベゾスのアマゾンの経営権が危うくなってしまいます。
そこで現在は、アマゾンの株式に代わる形での資産相当額での共有財産の分割などを視野に入れた話し合いがなされているようです。
ジェフ・ベゾスの人生とは?輝かしい経歴・キャリアを紹介!
ここからは実業家として大成功を収めたベゾス氏の人生について見ていきます。
彼の出身はアメリカ合衆国のニューメキシコ州アルバカーキという街でした。
幼い頃に両親が離婚をしたために、すぐにテキサス州ヒューストンへの引越しを余儀なくされます。
学生時代の多くをヒューストンで過ごしたベゾスは、名門プリンストン大学へ入学します。
日本では馴染みの薄い大学かもしれませんが、このプリンストン大学はハーバード大学やマサチューセッツ工科大学など世界の名だたる大学とも引けを取らない、世界有数のエリート大学なのです。
彼自身は1986年にプリンストン大学を卒業していますが、実はマッケンジー元夫人も同大学を1992年に卒業しています。
まさにエリート夫妻だったワケですね、、。
大学卒業後には、ベゾスはD. E. Shaw & Co.というヘッジファンドに就職しました。
ヘッジファンドというのは、簡単に言えばお金持ちからお金を集めて代わりに投資を行い、手数料や利益の一部を報酬として受け取る企業のことです。
マッケンジー元夫人も彼のあとを追ってD. E. Shaw & Co.に入社をしてきます。
金融の世界に飛び込んだベゾスでしたが、インターネットの秘めた可能性に将来性を見出し、独立を決意します。
1994年には、世界初のインターネット書店となるCadabra.com(カダブラ)を設立しました。
現在のアマゾンのビジネスモデルの根幹となる、通信販売事業の基盤が25年も前に完成していたのは驚きですね。
しかし、カタブラはあまりうまくはいきませんでした。
そこでベゾスは心機一転、1995年にAmazon.com(アマゾン)へと社名変更を行います。
現在アマゾンは創立20年を超え、世界有数の企業に成長しました。
起業家の多くはいくつも失敗を重ねたり、元々のビジネスとは関わりのないビジネスで最終的に成功するケースも多いですが、ベゾスに関しては初めからインターネット販売のビジネスを貫いている点が非常に珍しいですね。
2019年の世界長者番付ランキングトップ10を紹介!
では、ここからはアメリカの経済誌「Forbes(フォーブス)」が発表した、2019年版世界長者番付から世界のお金持ちランキングをご紹介するとともに、ランクインした人はどんな事業をやっている人なのかも簡単に説明していきます。
第1位にはアマゾンのジェフ・ベゾスが輝きましたが、他のランキングにはどんな実業家や投資家がランクインしているのでしょうか?
さっそく第10位から順に見ていきましょう!
10位 ラリー・ペイジ 純資産:508億円(5兆5880億円)
国籍:アメリカ
年齢:45歳
業種:グーグル
第10位には、Googleの共同創業者、前最高経営責任者のラリー・ペイジがランクインしました。現在は持ち株会社であるアルファベット社のCEOを務めています。
Google率いるアルファベットは、世界時価総額ランキングで4位にランクインする巨大企業。
今やGoogleの検索エンジンは世界90%のシェアを占め(中国やロシア等の一部国除く)、持ち株会社の年間売上は2017年度でなんと12兆円以上!世界的な企業になってもなお前年対比20%の成長を続けているから驚きです。
9位 マイケル・ブルームバーグ 純資産:555億円(6兆1050億円)
国籍:アメリカ
年齢:77歳
業種:ブルームバーグ
経済・金融情報の配信や通信・放送事業を行うアメリカの情報サービス会社「ブルームバーグの創業者」です。
もともと証券会社大手のソロモン・ブラザーズで働いていたマイケル・ブルームバーグは、その後ブルームバーグを設立。
さらに2002年には、ニューヨーク市長にも就任し、政治家としても活躍しています。最近では2020年の米大統領選挙に出馬が期待されていましたが、ブルームバーグ氏は、選挙には出馬しない旨を発表しました。
8位 マーク・ザッカーバーグ 純資産:623億ドル(6兆8530億円)
国籍:アメリカ
年齢:34歳
業種:IT
第8位には、Facebook の創業者であるマーク・ザッカーバーグ氏がランクインしました。
みなさんの中にもFacebookを利用している人は、多いのではないでしょうか?
また、ここまで70代や80代の人のランクインが多かったのに対し、わずか34歳でランクインしてしまうのも驚きですね。
彼の人生を再現した映画も公開されていることから、日本でも認知度の高い海外の経営者の一人です。
まだまだ彼自身も、会社自体も若いので今後の成長や活躍には大きく期待が持てますね。
7位 ラリー・エリソン 純資産:625億ドル(6兆8750億円)
国籍:アメリカ
年齢:74歳
業種:ソフトウェア
第10位には、オラクル・コーポレーションの共同設立者である、ラリー・エリソン氏がランクインしました。
オラクル・コーポレーションは主にビジネス向けのデータベース事業を行なっている会社で、現在では世界30万社以上のトップ企業でオラクルのデータベースは採用されています。
日本にも支社である日本オラクルがあり、従業員数2500人ほどの大企業となっています。
6位 アマンシオ・オルテガ 純資産:627億ドル(8970億円)
国籍:スペイン
年齢:82歳
業種:アパレル
第6位にランクインしたのは、日本でも有名な「ZARA」をはじめとするファッションブランドグループ「インディテックス」の創業者である、アマンシオ・オルテガ氏です。
「インディテックス」は日本ではユニクロやGUほど馴染みがないかもしれませんが、世界的にみると下の図のように、時価総額ではユニクロの2.5倍近い大差をつけての1位となっています。
5位 カルロス・スリム・ヘル 純資産:640億ドル(7兆400億円)
国籍:メキシコ
年齢:79歳
業種:通信事業
第7位にランクインしたのは、テレフォノス・デ・メヒコやテルメックスで知られる、カルロス・スリム・ヘル氏です。
コングロマリット「グルポ・カルソ」の運営を通じて、教育、ヘルスケア、製造、物流、不動産、メディア、エネルギー、医療、ハイテク産業、小売り、スポーツ、金融などありとあらゆる分野のメキシコ企業を傘下においています。
驚くべき数字として、なんとメキシコ証券取引所に上場している企業のうち、およそ4割を収めており、メキシコ全体のGDPの6%ほどは彼によるものとされています。
4位 ベルナール・アルノー 純資産:760億ドル(8兆3600億円)
国籍:フランス
年齢:70歳
業種:アパレル
第4位には、LVMH(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトングループ)会長兼CEOのベルナール・アルノー氏がランクインしました。
日本でも、高級バッグや財布といったらルイヴィトンといったように、世界的にラグジュアリーファッションの中心として確立されたブランドです。
最近でも新作の発表や他ブランドとのコラボ商品の発表で話題になることも多く、まだまだ注目熱の冷めない老舗企業の一つですね。
3位 ウォーレン・バフェット 純資産:840億ドル(9兆750億円)
国籍:アメリカ
年齢:88歳
業種:投資家
3位には、バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)の会長兼CEOである、ウォーレン・バフェット氏がランクインしました。
バフェット氏は今まで紹介した経営者とは少し性質の異なる、投資家として活躍している人物です。
「投資の神様」と称されることも多く、アルバイトで作った資金を元手にたった1代でこれだけの資産を築いたことは圧巻です。
彼の投資の極意を記した本も多数出版されているので、投資に興味を持った人はまずは彼の行き方から勉強を初めてみると良いかもしれません。
2位 ビル・ゲイツ 純資産:965億ドル(10兆6150億円)
国籍:アメリカ
年齢:63歳
業種:IT
第2位には日本でもおなじみの、マイクロソフトの創設者兼会長のビル・ゲイツ氏がランクインしました。
みなさんが使っているwindowsのバソコンやword、excelなどは全て彼が立ち上げた「マイクロソフト」の製品です。
2006年にはマイクロソフトから退社し、妻とともに「メリル&メリンダゲイツ財団」を創始、地球温暖化や医療など様々な地球規模のプロジェクトに資金を供給するなどの社会貢献活動を行なっています。
1位 ジェフ・ベゾス 純資産:1310億ドル(14兆4100億円)
国籍:アメリカ
年齢:55歳
業種:IT
映えある第1位には、2年連続でAmazonの創設者・CEOであるジェフ・ベゾス氏がランクインしています。
彼自身の純資産は2018年に史上初めて10兆円の大台を突破し、今年はその金額をさらに増やしました。
まだ50代と若いことから、2020年以降も彼の独走状態は続いていくのではないかと予想されます。
また、最近では彼の資産だけではなくライフスタイルや働き方にも関心が寄せられています。
多くの実業家たちは仕事人間でありショートスリーパーのイメージを持たれていますが、彼は毎日8時間という極めて十分な睡眠時間を確保していることは有名です。
彼は夕食後には自ら進んで皿洗いを引き受けるなど、家事や育児にも積極的に参加するなど、仕事に没頭するだけでなく、メリハリをつけたプライベートを持っていたとされています。
彼の言葉に、「仕事とプライベートはトレードオフではない」というものがあります。
仕事とプライベートのどちらかを選択するのではなく、どっちも充実させていくのが彼のポリシーでもあり、私たちが最も学ぶべき姿勢かもしれません。
暮らしに役立つお金の情報を無料でお届けしています!