投資を始めてみようと自分なりに調べてみた方の中には、「何やらインデックス投資と個別株投資という方法があるぞ?」「インデックス投資と個別株投資では何が違うのだろう?」と思った方も多いのではないでしょうか?
インデックス投資と個別株投資には、それぞれメリットとデメリットがありますし、投資の目的などによって向いている人に大きな違いがあります。
iDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAなどの活用によって投資デビューをする人が増えてきましたから、ここで一度インデックス投資と個別株投資に関してじっくり学んでおきましょう!
今回は、あまり投資に詳しくない方にも分かりやすいように、それぞれのメリットやデメリット、どのような人に向いているのかなどを分かりやすく解説していきます。
インデックス投資とは!?特徴やメリット・デメリットとは?
では、まずはインデックス投資の特徴やメリット・デメリットに関して解説していきます。
インデックス投資とは?
インデックス投資は、1975年に、チャールズ・エリスが発表した投資のバイブルでも知られる「敗者のゲーム」において、過去10年間におけるおよそ85%ものアクティブファンドは、S&P500指数の実績に負けてしまった、という研究で世の中に広く知られました。
その後、市場と連動させて長期的なリターンを狙う画期的な手法として、インデックス・ファンドが設立されました。
インデックスファンドとは、簡単にいえばマーケット全体を丸ごと購入できる投資信託のことです。
例えば、日本の上場企業の株式を丸ごと買ったり、先進国の株式市場をまるっと買ったり、各国の債券をパッケージ化して購入するなど、どこか特定の企業だけでなく、その地域全体の経済成長に連動した運用が可能になるのです。
インデックス投資は、そのインデックスファンドの商品を購入する投資方法になります。
そのため、一つの国や先進国全体など大きな経済主体が投資の対象になりますので、あまり小さなことに気を配らずに、大枠の分析だけで投資ができるのです。
インデックス投資のメリット
インデックス投資には大きく分けて4つのメリットがあります。
- 細かな情報収集がそれほど必要ない
先ほども申し上げたように、インデックス投資ではマーケット全体をパッケージ化されているものを購入するので、個別の企業の経営状態に関して分析する必要がありません。
投資初心者の方であっても、みるべきポイントが少なく済むインデックス投資であれば、それほど負担なく運用が可能になります。
- バランスよくリスク分散ができる
インデックス投資では、特定の企業に投資するのではなく、市場に連動した投資を行うので、バランスをとったリスク分散型の投資を行うことができます。
業種や地域もあらゆるものに分散が効かせられるので、ある業界の業績が突然悪化したり、ある国の経済が突然停滞しても、全体としてはそれほど壊滅的なダメージを受けずに済みます。
投資を行う際には、やはりリスクをいかに分散させるかが大切ですから、その点ではインデックス投資は非常に安心度は高い投資手法ですね。
- 運用コストが低い
投資信託では、購入手数料や換金手数料のほか、保有しているだけで「信託報酬」というコストがかかってくるのが一般的です。
仮に運用によって利益が出たとしても、手数料がかかれば利益は薄まってしまいますので、いかに手数料を抑えていくかが投資では重要な要素になっていきます。
細かな売買を行うファンドであれば、信託報酬が高めに設定されるケースが多い反面、市場でのトレンドにベンチマークした売買を行うインデックスファンドは、売買する銘柄や数量が機械的に決められるので、そうした報酬や手数料は低めに抑えられます。
アクティブファンドに比べると、信託報酬は半分ほどの割合で済むというのが目安となっています。
- 仕事の邪魔をせず長期間続けられる
インデックス投資は自分で細かな銘柄を調べたり、短期間で売買する必要もありません。
そのため、仕事の忙しいサラリーマンの方であっても、本業を圧迫することなく、基本的には放置したまま運用を続けることができます。
インデックス投資のデメリット
続いてインデックス投資のデメリットや実際に行う場合の注意点をご紹介していきます。
- 投資の面白さは全くない
まず一つ目のデメリットは、投資のダイナミックさや面白さはほとんど味わうことができないという点です。
インデックス投資では、基本は放置したまま長期で運用するスタイルの投資を行うので、突然資産が増えたりするエキサイティングなことはほとんど起こりません。
ですから、投資で一攫千金を狙いたい人や、お金が増える楽しさを日常的に味わいたいという方にとってはかなり物足りないかもしれません。
- リターンは期待以上に伸びない
一つ目のデメリットとも重なりますが、大きなリターンを求めるのであればインデックス投資は不向きかもしれません。
市場と連動したパフォーマンスになりますから、基本的には短期での上下を繰り返しながら、長期的には右上がりの曲線になるようなイメージになります。
ですから、基本的には想定されるリターンを大きく上回るような結果は出ないと考えておくといいですね。
よくいえば将来にどのくらいのお金になっているか目処が立てやすい、悪くいえば想定以上のリターンにはなりにくいということが二つ目のデメリットです。
- 投資したいところばかりに投資はできない
インデックス投資では、指数を参考に投資を行いますので、どうしても投資したくない企業や業界があったとしても自動的にポートフォリオに組み込まれてしまうケースがあります。
「◯社はあまりいいイメージがないから投資したくない」「同業他社に投資をするのは気が引ける」
こうした方にとっては、機械的に良い投資対象であると判定されてたと言っても、あまりいい気持ちしないかもしれません。
一度投資してみると、どこの株式や債券を持っているかはそこまで気にならないとは思いますが、最初のハードルや嫌悪感を感じてしまう人は少なくありませんね。
個別株投資とは!?特徴やメリット・デメリットとは?
先ほどまではインデックス投資によるメリットとデメリットをご紹介しました。
ここからは、個別株投資をすることによるメリットとデメリットをわかりやすく解説していきたいと思います。
個別株投資のメリット
まずは個別株投資のメリットから紹介していきます。
- 市場平均を上回るパフォーマンスを出すことができる
個別株投資では、うまく投資をすることができれば市場平均を上回るパフォーマンスやリターンを得ることができます。
インデックス投資の対象には、もちろん伸びている企業と業績が悪化してしまう企業が含まれているますので、足を引っ張る銘柄が一定数存在しています。
しかし、個別株投資ではうまく見極めればこうした足かせを無くして投資を進められるので、リターンの上限はなくなりますし、上級者であればより大きなリターンを得ることができます。
- 高配当株や連続配当株へ集中的に投資できる
魅力的な高配当株や連続配当のある株式に投資をしたい方であれば、個別株投資しかないですね。
日本ではなかなかないですが、アメリカの企業では配当利回りが4%を超えている高配当株や20年以上も増配している驚くべき企業もあります。
こうした魅力的企業に、集中的に投資できるのは個別株投資のメリットですね。
- 信託報酬などは一切かからない
個別株投資では、自分で全ての運用を行いますので、信託報酬などは一切かかりません。
ランニングコストを大きく抑えられる点でも嬉しいですね。
個別株投資のデメリット
- 投資先の企業が倒産すると株式は紙切れになってしまう
集中的に投資ができるのは強みである反面、その企業が倒産すると資産を失ってしまうので諸刃の剣ともいえます。
どれだけ分析能力に長けている方でも、全ての企業の業績を完璧に推測できることはあり得ませんし、リーマンショックのような大規模な金融危機が起こると、どんな企業でも業績が傾いてしまう可能性があります。
どこまで行っても倒産のリスクを抱えている個別株投資はやはりリスクのある点に注意が必要です。
- よほどの実力者でないとインデックス投資に勝るリターンを出し続けられない
アクティブな個別株投資は、今までも歴史上インデックス投資に勝ち続けることは非常に困難であると言われています。
アクティブ投資でインデックス投資に勝てる可能性は、20%にも満たないと言われています。
投資初心者で、一攫千金を狙うことなくじっくりと資産を増やすことが目的なら個別株投資は不向きでしょう。
- 分散投資がしにくい
個別株では、購入の最低価格を気にする必要があるので基本的にはある程度まとまったお金をどこかの企業に投資することになります。
資金がそれほど多くないのであれば、投資先の企業の数もそれに伴って少なくなるので、リスク分散の観点で言えば不十分な状態になります。
投資の利益にかかる税金はいくらから?税率や計算方法は?
投資で発生した利益には税金が発生します。
ここからは、いくら収益が発生すると税金がかかるのか、またどのくらいの税金がかかるのかを解説していきます。
サラリーマンと主婦・学生で税金の発生条件は異なるので注意!
投資で利益が出ている場合、その人がサラリーマンなのか、それとも主婦や学生なのかでいくらから税金がかかるかは変わってきます。
本業として給与所得のあるサラリーマンの場合には、投資で年間20万円以上の所得が発生した段階で確定申告が必要となります。
通常ですとサラリーマンは確定申告を自ら行う必要はありませんが、会社以外での所得がある場合には、自ら確定申告をする必要があります。
この際、会社の把握している年収と実際の年収が乖離してしまい、本業以外の収入の存在がバレることがあります。
サラリーマンとは異なり、本業としての所得のない学生や主婦の方の場合には、年間38万円を超えた段階で確定申告が必要となります。
特に学生にとっては確定申告はハードルの高いイベントですが、税金の仕組みをしっかりと理解する上でも、ぜひ一度挑戦してみていただきたいものでもありますね。
投資による税金の税率や計算方法
投資での所得にかかる税率は一律で20.315%となっています。
内訳としては所得税が15%、住民税が5%、復興特別所得税が0.315%となっています。
細かいことがわからない場合には、20%と思えておいてください。
一般の所得税に比べて累進課税ではないため、仮に投資での所得が多くなったとしても税率は低く抑えられます。
税率を確認したところで、収益をあげるに当たってかかった必要経費を計算します。
必要経費を計上することで所得を抑えて税負担を減らすことができますが、経費として計上できるものには条件があります。
具体的には通信費用、勉強費用、交通費、筆記用具代金などです。
投資とは直接関係ないような飲み会代などは当然経費にはなりませんので気をつけましょう!
また、経費の算出に関しては税務署の方から確認が求められることがあるので、領収書やレシートはなるべく残しておきましょう。
税率と経費を確認したので、いよいよ実際にかかる税金を計算します。
今回は年間で収入が50万円、経費が5万円かかったケースを考えます。
この場合、課税所得は
50万円−5万円=45万円
となります。
これに20.315%の税金がかかるので、
45万円×20.315%≒9万1417円
が実際にかかる税金の金額となります。
NISAとつみたてNISAを活用して税金を抑えよう!
税率が20%と聞くと、やはりいかに税金を抑えていくかが投資で総合的に勝って行くために必要になります。
その方法の一つが、NISAとつみたてNISAです。
これらの制度を利用することで、一定期間非課税で運用を行うことができます。
NISAとつみたてNISAの違いをわかりやすくまとめてみました。
つみたてNISA | (今までの)NISA | |
年間の投資上限 | 40万円 | 120万円 |
非課税機関 | 20年間 | 5年間 |
投資方法 | 定期的な積み立て | 制限なし |
対象商品 | 金融庁が承認した投資信託・ETF(上場投資信託) | 各社が選んだ投資信託・ETF・株式 |
新規投資期間 | 2037年まで | 2023年まで |
まず、投資に対する利益の非課税期間はNISAが5年間なのに対し積立NISAは20年間と長期間になります。
一方で毎年の投資上限額はNISAが年120万円、つみたてNISAは年40万円とこちらは少なくなります。
つみたてNISAは名前の通り、毎年一定額を積み立て投資をすることが前提となっています。
NISAは、年120万円の投資上限額を一度に使い切っても複数回に分けても構いません。
しかし、積立NISAの年40万円の投資上限額は定時定額で使う必要があります。
毎月の積み立てであれば、1カ月あたり40万円÷12カ月=3万3333円ずつということになります。
NISAは個別の上場企業の株式への投資も認められるのに対し、つみたてNISAは金融庁に認定された投資信託、ETF(上場投資信託)だけが対象です。
例えばNISAの口座ではトヨタ自動車の株を買うことはできますが、積立NISAではできません。
最後にNISAと積立NISAは同時に利用することはできず、どちらかを選択しなければなりません。
両者とも一長一短ですから、先ほどのインデックス投資を行いたいのであればつみたてNISA、個別株投資を行うのであれば NISAというのが一般的な棲み分けとなっているようです。
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