2019年は多くの企業で副業が解禁されたり,老後2000万円問題が叫ばれたりと,個人としてどのように将来のお金を築いていくのかを考えさせられる1年になりましたね。
それまで投資や資産運用に関して関心がなかった人やなんとなく怖いイメージを持っていた方であっても,これを機に重い腰を上げて勉強してみようかなと思った方も多いのではないでしょうか!?
皆さんの多くは会社員でいらっしゃるかと思いますが,家計に入ってくるお金のほとんどは会社からのお給料ですよね。
お給料というのは語弊を恐れずに言うと,会社のために働いてくれた時間や実績の対価として受け取るお金なので,当たり前ですがアルバイトと同じように,仕事に入っていなければお金はいつか途絶えてしまいます。
しかし,投資をすることで皆さん自身が体を動かして働くことがなくとも,投資先の会社が頑張ってくれることで自動的にお金が増えていく場合や,配当金としてコツコツと収入を得ることも可能になります。
これを聞くと,「わざわざ会社に毎日出社して働くのではなく,配当金で暮らせればとてもハッピーになれるのではないか」「安定した配当金が入ってくる生活なら老後の生活もあんしんなのではないか」と考える人も多いでしょう。
投資というと難しそうなグラフとにらめっこしながら一喜一憂するイメージですが,配当金をベースとした資産運用であればそのようなプレッシャーのかかる短期的な取引の必要はありません。
そこで今回は,こうした夢の配当金生活を実現するためにはどのくらいの資金が必要なのか,配当金を得るための投資で気を付けるべきポイントはどこなのかなどを投資初心者の方でもわかりやすく解説していきます!
配当金生活とはどんなもの?早期退職が可能になる理由とは?
そもそも配当金生活というのはどんな生活なのでしょうか?
なかなかイメージしにくいものですのでまずはここから解説していきます。
配当金生活とは
配当金生活とは,文字通り配当金を受け取って生活することを意味します。
しかし今回の記事においては,収入の一部または全部を配当収入で賄うことのできるかなり発展した状況を考えていきます。
みなさんの現在の家計の支出を考えてみると,世帯収入が家計支出よりも多ければ貯金ができたり,少なければお金を借りたり貯金を切り崩したりという状況なのではないでしょうか?
つまり,定期的に家計に入ってくるお金と出ていくお金を比較したときに,入ってくる分の方が多ければ自動的にお金がたまっていく構造になっていますよね。
配当金生活というのは,配当金によって入ってくるお金が増えることで家計が楽になったり,そもそも働かなくとも配当金収入だけで生活コストを賄うことのできる状況になります。
もちろんこんな夢のような生活は簡単には実現できませんが,しっかりと計画を立てて長い目で見て準備することで実現することは可能になります。
配当金収入によって早期退職できるケースとは?
配当金収入が十分にあるのであれば,会社員として働くことなく生計を立てることも可能になります。
先ほども申し上げたように,家計から出ていくお金が入ってくる配当収入よりも少なく済んでいる場合には,働くことなく生活コストを負担することが可能になります。
これによって早期退職を実現したり,配当金収入だけでは生活コストを全部は負担できない場合には,時短勤務の会社に転職したり,在宅ワークで残りの必要な金額を稼いだりと柔軟な働き方に転じることも可能になります。
配当金生活にはいくら資金が必要?老後までに貯めておくべき金額とは?
最近では日本人の平均寿命も延びてきており,老後の生活が何年続いていくのか,いったいいくらお金を残しておかなければならないのか,不安に感じている方も多いでしょう。
そこでここからは,配当金生活の実現に必要な資金がいったいいくらになるのかを詳しく見ていきます。
一般的な生活費用はいくら?
配当金生活を考える上では,やはり生活にかかる費用を計算しておく必要があります。
もちろん家族構成や住んでいる地域によってばらつきはありますが,ここでは日本の平均的な年収よりもちょっと低めである年間360万円,毎月30万円の支出がある状態を考えていきます。
配当金生活を考えており,生活コストがこの金額を上回っている場合には生活コストを抑える努力をしたり,より多くの投資資金を用意する必要がありますので注意しましょう!
配当金生活に必要な金額はいくら?
では,ここからは配当金生活に必要な資金がいったいいくらなのかを解説していきます。
配当金収入というのは,あらゆる企業の株式に投資し,その金額に対して配当利回りという割合を乗じた金額のことを指します。
例えば,100万円を配当利回り3%のところに投資した場合は,配当収入は税金をいったん無視しておくと,3万円ということになります。
では,毎月30万円・年間で360万円の配当収入を得るためにはどのくらいの資金が必要になるのかを見ていきます。
配当収入というのは投資金額と配当利回りで決まりますので,投資金額が多ければ多いほど配当金収入は増えますし,同じ投資額でも利回りが良ければ配当収入も良くなります。
- 配当利回り2%→税引き後の利回りは1.6%なので2億2500万円が必要になる
- 配当利回り3%→税引き後の利回りは2.4%なので1億5000万円が必要になる
- 配当利回り4%→税引き後の利回りは3.2%なので1億1250万円が必要になる
税金を考慮に入れるとかなり渋い状況になることが分かりますね。
1億円あれば富裕層と呼ばれる時代ではありますが,1億円あったとしても配当収入だけで生計を立てていくことはかなり難しそうになります。
また,もう少しゆとりのある生活をするために毎月40万円・年間で480万円の収入を配当収入で賄うにはどのくらいの資金が必要かを見ていきます。
- 配当利回り2%→税引き後の利回りは1.6%なので3億円が必要になる
- 配当利回り3%→税引き後の利回りは2.4%なので2億円が必要になる
- 配当利回り4%→税引き後の利回りは3.2%なので1億5000万円が必要になる
こちらに至っては,税引き前配当利回りが4%という高配当株に全振りしたとしても1億5000万円が必要であるという結果になりました。
配当金生活の実現に必要な準備とは?長期的に計画して正しく準備しよう!
ここまで見ていくと,やっぱり配当金生活なんて一部の富裕層下できないじゃないかと思った方も多いかもしれません。
確かに労働収入だけでは,一部のホワイト企業に勤めているエリートサラリーマンの世帯だったり,自営業である程度うまくいっている世帯しかこれほどの資金を用意することはできないかもしれません。
しかし,最初にも申し上げたように収入というのは必ずしも会社からもらえるお金だけではなくていいのです。
自分のお給料が低いのであれば,副業なり投資をするなりで収入源を広げることでいくらでも可能性を広げることができます。
そこでここからは,配当金生活をあきらめてしまいそうになっている方にぜひチャレンジしていただきたい,配当金生活への準備を紹介していきます!
準備その1:余計な固定費を下げる
食費を毎日500円削ったとしても,月当たりで減らせる支出はわずか1万5000円です。
毎日我慢をしている割には,節約できる金額が小さいとは感じませんか?
節約がうまくいかない・お金がたまらないという方がやってしまいがちなミスの一つが,固定費が高すぎるという点です。
固定費とは,住居や車などにかかる毎月決まった額の支出のここです。
お金がない・貯金が増えないという人ほど,家賃にお金を多く充てていたり,使いもしない自動車を保有しているなんてケースは珍しくありません。
家賃に関しては,使っていない部屋がある場合にはもう少し手狭な物件に引っ越したり,自動車を持っているだけになってしまっているのならば,売却してカーシェアサービスなどに切り替えるなどの工夫をすることで,固定費を一気に抑えることができます。
準備その2:長い目で見た投資を行う
老後までには配当金で一定程度の収入が欲しいという方であれば,長い目で見た投資を若いうちから初めておくとよいでしょう。
投資というのは利回りや投資資金も大切ですが,投資期間というものも非常に大切になってきます。
仮に投資する金額自体がそれほど多くはなかったとしても,20年や30年という長期にわたって運用することによって,着実に大きな資産にしていくことが可能になります。
最近では,一般NISAやつみたてNISAなどの税金面で優遇される投資の仕方も増えてきているので,こうしたものを積極的に活用していくことで賢く・堅実に資産を増やしていきましょう!
準備その3:投資へのリテラシーをつける
日本人は貯蓄が大好きな人種ですから,投資と聞くとギャンブルのようなイメージを持ってしまいがちです。
しかし,投資と投機は全くの別物で,しっかりと勉強とリサーチを行い,長い目で見た投資であればそれほど多くのリスクを負うことはありません。
もちろんその分,一晩にして億万長者になれるなんてこともありませんが,銀行にお金を寝かせておくくらいなら,少し勉強して投資にチャレンジしてみた方がいい気がしませんか?
投資に対するリテラシーが低い場合には,ぼったくりの投資商品に引っかかったり,余計な手数料を取られてしまう口座を用いて取引を行ってしまったり,ありえない金額で株式をつかまされてしまったりと,踏んだり蹴ったりの状況になってしまいます。
実際に少額の投資をすることで学べることも多いですから,まずは実践を通してファイナンシャルリテラシーを高めていきましょう!
貯金を切り崩す老後ではなく収入をもらえる老後を目指しましょう!
今回は配当金生活の実現に必要な資金がいったいいくらなのか中心に解説していきました。
配当金生活のポイントは,働いていなくとも収入がある状態を作ることができるという点です。
老後の生活のイメージとしては,貯金を少しずつ切りくずしてつつましく生活するというものが一般的なのではないでしょうか?
しかし,配当収入があれば,老後であっても年金以外に定期的な収入が入ってくるので貯金をそれほど切り崩さなくとも生活ができる状態になります。
貯金を切り崩して残高が日に日に減っていく生活よりも,配当収入でお金が入ってくる生活の方が精神衛生的にも良いですし,家族により多くの資産を遺していくことがかのうになります。
「若いからまだ老後のことは考えなくてよい」のではなく,若いからこそ老後のことを今のうちから考えて行動することで,よりゆとりのある生活を実現することができるのです。
配当金生活は非常に難しく,時間のかかるものですが,上記のような準備を徹底することで着実に近づくことができます。
ぜひ,お金のカタチで勉強し,ファイナンシャルリテラシーを磨いていきましょう!
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