アルバイトを掛け持ちした時の年末調整は?103万の壁とは?


 

5月に入り、新生活・新学期もだいぶ落ち着いてきましたね。

4月からの環境の変化にも慣れて、「いよいよアルバイトを始めてみよう!」という人も多いと思います。

でも学生アルバイトをする上で、注意しなければならない壁があることをみなさんご存知ですか?

「学生だから税金に詳しくなくても仕方がない!」「知らなかったから見逃してほしい!」なんていっても税務署は許してはくれません。

せっかく頑張って稼いだお金が、結局税金で持っていかれてしまったなんてことにならないように、アルバイトで必要となる年末調整について今回は解説していきます!

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BITPOINT

年末調整とは!?目的や対象は?確定申告との違いは?

 

そもそも年末調整とは?所得税が戻ってくる?

年末調整とは、その年の1月から12月までに支払われた給与のうち、所得税として差し引かれた分を清算する手続きのことを言います。

所得税は年間の所得に対して税率が定まりますが、給与を受け取って働く人は月ごとに給与からあらかじめ所得税を差し引かれています。(これを源泉徴収と言います)

源泉徴収は月額給与に対して課されており、本来徴収する所得税は年間所得に応じて課税されるので、そのギャップを確認する作業が年末調整になります。

そのため、もし所得税を多めに徴収されていた場合は、年末調整をとして返金され、反対に納税額が少なかった場合にはその差分が徴収されることとなります。

確定申告と年末調整は何が違う!?

確定申告と年末調整の大きな違いは、申告する主体が異なるという点です。

確定申告は、所得を受けている人自身が申告するのに対して、年末調整は勤務先の企業が一括して行ってくれます。

確定申告と年末調整の簡単なイメージ図です。

 

一般の会社員の場合は年末調整は勤務先の企業の経理の人がやってくれますが、年収が2000万円を超えた場合や副業で20万円以上を年間で稼いでいる人は確定申告が必要となります。

年末調整の対象となる条件は!?

まずは、一般的な12月の年末調整の対象となる条件を見ていきます。

12月に行う年末調整の対象となる人は、会社などに1年を通じて勤務している人や、年の中途で就職し年末まで勤務している人(青色事業専従者も含みます。)です。
ただし、次の二つのいずれかに当てはまる人は除かれます

  1.  1年間に支払うべきことが確定した給与の総額が2,000万円を超える人
  2.  災害減免法の規定により、その年の給与に対する所得税及び復興特別所得税の源泉徴収について徴収猶予や還付を受けた人

国税庁のHPより

 

年末調整というと12月だけに行われるものと考えがちですが、場合によっては年の途中で手続きが必要となる場合があります。

年の途中での年末調整が必要となる条件は、以下の5つのいずれかを満たす場合となります。

  1. 海外支店等に転勤したことにより非居住者となった人
  2. 死亡によって退職した人
  3. 著しい心身の障害のために退職した人(退職した後に再就職をし給与を受け取る見込みのある人は除きます。)
  4. 12月に支給されるべき給与等の支払を受けた後に退職した人
  5. いわゆるパートタイマーとして働いている人などが退職した場合で、本年中に支払を受ける給与の総額が103万円以下である人(退職後その年に他の勤務先から給与の支払を受ける見込みのある人は除きます。)

したがって、年の中途で退職した人で(1)~(5)以外の人は年末調整の対象となりません。

(注) 給与等の支払者が管轄の税務署長の承認を受けている場合には、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を電磁的方法により、提供することができます。

国税庁のHPより

 

アルバイトで年間2000万円を稼ぐというのは、ほとんどないと考えられるので、学生バイトでは万が一のことがない限り12月に年末調整をすると覚えておきましょう!

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アルバイトの掛け持ちをしてても年末調整できるのは1社だけ!

年末調整では従業員のその年の所得総額を企業が把握する必要があります。

もし2つ以上の企業でアルバイトをしている場合には、その人が自社とは違うところでいくら稼いでいるかは把握しきれませんよね。

こうしたアルバイトを掛け持ちしていて収入源が複数ある場合には、年末調整をしてもらう企業を1社に選ぶことになります。

この時選ぶ企業は、一番稼いだ金額が多い勤務先で年末調整をしてもらいましょう!

「じゃあ年末調整をしなかった方の企業で多く支払った税金は取り戻せないの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。

この場合には先ほども紹介した「確定申告」という手続きで払いすぎた所得税を取り戻すこととなります。

勤務先からの源泉徴収表はしっかりと保管しておこう!

上でも述べた通り、勤務先に年末調整を依頼できるのは1社までです。

そのため、他の勤務先で自分がどのくらい稼いで、どのくらい所得税が取られたかの証拠を自分で持っていなくてはなりません。

そのため、アルバイトを掛け持ちしている場合には全ての勤務先から源泉徴収票を受け取り、年度末に退社した勤務先からも源泉徴収票を受け取っておく必要があります。

源泉徴収票はもし紛失してしまっても企業に発行してもらえますし、勤務先がなかなか対応してくれなくて発行されない場合には管轄の税務署に相談することで対応してもらえることがあります。

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103万円の壁とは!?

よく「103万円の壁」という言葉を耳にしますよね。

これは年収が103万円を超えた時から所得税の課税がスタートすることから由来しています。

所得税は給与額から控除額を差し引いて求められる課税所得に対してかけられます。

日本では控除額として基礎控除38万円給与所得控除65万円を合わせた103万円が控除額となります。

課税所得=給与額−控除額(基礎控除38万円+給与所得控除65万円)

=>給与額が103万円以下なら課税所得は0になり、所得税は課税されない!!

 

これが103万円の壁の正体です。

130万円まで控除が受けられる!?勤労学生控除とは?

学生の中には「アルバイトで103万円以上稼がなければ生活していけない」といった人もいるかもしれません。

こうした状況を対処するために、日本では勤労学生控除という仕組みが設けられています。

これは上で示した103万円の壁にさらに年間27万円分を上乗せして、学生に対しては所得税の課税基準を緩めるということを意味しています。

この勤労学生控除を受ける条件は下の3つのいずれかを満たしていることとされています。

1. 学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校など

2. 国、地方公共団体、学校法人等により設置された専修学校又は各種学校のうち一定の課程を履修させるもの

3. 職業能力開発促進法の規定による認定職業訓練を行う職業訓練法人で一定の課程を履修させるもの

 

また勤労学生控除の申請には、源泉徴収票が必要なので、アルバイトを一箇所だけでしている人はバイト先から源泉徴収票を発行してもらい、年末調整を行なってもらいます。

複数のアルバイトを掛け持ちしている場合には、最も収入が多いバイト先で年末調整を行なってもらった上で、全てのアルバイト先からの源泉徴収票が必要となるので、しっかりと保管しておきましょう。

 

こうしてみると、130万円を超えなければ良いのでは!?と思う人も多いかもしれませんが、勤労学生控除で免除されるのは学生自身への所得税の課税であり、扶養親族から外れることには変わりありません。

よって親の税金は103万円を超えた段階から増えていくので、親の年収にもよりますが、概ね113万円以上を稼がなければ家族単位で見た場合には損をすると考えると良いでしょう。

 

また126万円を超え段階から数千円〜1万円程度の住民税の納税も必要になるので、所得税と合わせて注意が必要ですね。

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まとめ

 

今回は学生がアルバイトを行う上での注意点である、年末調整について取り上げました。

仕組みを知っていないと損をしてしまうので、これを機に自分の支払う税金について調べてみると良いかと思います!

また、税金と合わせて社会保険料の支払いもアルバイトをする上では注意しなければならないので、よろしければ下のリンクから社会保険に関する理解も深めてみてください!

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