病院へ行き処方箋をもらい、薬局に行くと「ジェネリックにしますか?」と薬剤師の方から尋ねられることにも慣れてきたのではないでしょうか?
同じ効果で値段は安いジェネリック医薬品。
しかしながら、何となく「同じものなのに値段が安いってなんだか不審」と思い、断ってしまっているかたもいらっしゃるかもしれません。
そこで今日は、ジェネリック医薬品はなぜ安いのか、どういう違いがあるのか、なぜ今推進されているのかなどを知っていきましょう!
医療保険を解説・見直しの時に気をつけるポイントは?
そもそもジェネリック医薬品とは?
このような問いに対して、日新製薬株式会社はこのように回答しています。
Q1. ジェネリック医薬品ってどんな薬なの?
A1. 「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」は、「新薬(先発医薬品)」の特許が切れたあとに販売される、新薬と同じ有効成分、同じ効き目の価格の安いお薬です。
新薬の開発には途方もない時間とお金がかかります。そうして開発され、商品化された薬も当然その費用を回収しつつ利益を上げなければならないため、高価となってしまします。
その新薬の特許が切れた後、同じ有効成分を用いて開発されるのがジェネリック医薬品というわけです。
ジェネリック医薬品は新薬と比べて、有効成分とその量は同じで、同等の効き目・安全性を保障しています。
ですが、なにからなにまですべて一緒というわけではなく、味や形状、添加物を変えているものもあります。
それも変更される点は基本的に、添加物の特許関係で同じものが使えないというような理由のほか、飲みにくい薬を飲みやすくしたり、錠剤を小さくしたりなど消費者にメリットのあるような変更が加えられるようになっています。
なので、「別に多少高くてもいつもの飲みなれた薬がいい」という方にも変更をおすすめできるケースが多くなっています。
デメリットはないの?
こうしてジェネリック医薬品のメリットばかりを挙げると、デメリットはないのかと疑心暗鬼になるのが人の性というものです。
実際、デメリットとしては添加物などが変わっているので、薬剤の成分にアレルギーがある人は、薬剤師や医師にジェネリック医薬品にそのアレルギーを引き起こすアレルゲンが含まれていないか確認する必要があります。
ジェネリック医薬品同じ効き目や安全性が同じだと確認するために、溶出試験や生物学的同等性試験、安定性試験など、多くの厳しい試験をクリアしないと、ジェネリック医薬品は発売することができません。
なので、添加物のアレルギーさえ気を付ければ安心して飲むことができる仕様となっております。
また、ジェネリック医薬品にしてみて、元飲んでいた薬に比べてなんとなく効き目が悪いぞ、と感じている方ももしかしたらいるかもしれません。
そういう方はもしかしたら「プラシーボ効果」で効き目が変わってしまっているのかもしれません。
つまり、ジェネリック医薬品に対して疑心暗鬼になってる状態で服用しているため、効き目が悪くなってしまっているということです。
これは、ジェネリック医薬品を理解し、受け入れることができれば解決するかもしれませんね。
国の医療費削減の切り札?
また、ジェネリック医薬品には、あなたの家計を助ける以外にも大きな意味があります。
それは国家の予算に対する医療費の削減です。
現在、日本では国民皆保険制度のもと医療が運営され、基本的に三割自己負担、年収や年齢によっては一割負担と安い価格で受診できるようになっています。
ですが、これには国や地方の税金や国民保険組合・健康保険組合等の「保険料」が投入され維持されています。
少子高齢化が進む日本で、医療費は現在約40兆円、そのうち薬剤費は20%以上、つまり8兆円以上も計上しています。
さらに今後も継続して増加し2025年度には医療費が54兆円にもなると予測されています。
みんなが平等に保険に加入できる「国民健康保険制度」ですが、医療費がふくらみ続けると、この制度が維持できなくなってしまう可能性すら考えられます。。
財務省の試算によれば、もし特許が切れた新薬をすべてジェネリック医薬品に替えることができれば、国の医療費が年間約1.5兆円も抑えられます。
また、日本は世界的にみてもまだジェネリック医薬品の割合が低くなっています。
2018年の日本でのジェネリック医薬品の普及率は68.9%となっています。
ヨーロッパのイギリス、ドイツ、フランスなどの医療先進国では普及率が70%を超えています。アメリカ至っては90%がジェネリック医薬品です。
あくまで選択の自由は患者さんの側にありますが、今後どのようにしてジェネリック医薬品を使用してもらうかが日本医療の今後の課題となっています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ジェネリック医薬品についての種々の疑問が解消されたなら幸いです。
これまでジェネリックはなんかいやだなぁと感じ新薬を飲み続けていた方もあなたのためにも、また国の財政のためにも、ジェネリック医薬品を試してみてはいかがでしょうか?
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