最近、ウェルスナビやFOLIO等で話題になることも多いロボアドバイザー。投資の知識がなくてもシステムが自動で最適なポートフォリオを提案してくれたり、自動で購入してくれたりする便利さに興味を惹かれている方も多いと思います。
また、投資といえば近年では、NISAも有名です。NISAをきっかけに投資を始めたという人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、このNISA(少額投資非課税制度)とロボアドバイザーを併用することはできるのか?という疑問にお答えします。
ロボアドを活用しながら効率的に利益をあげて、それを非課税で受け取れたら嬉しいですよね。果たしてこのようなことは可能なのでしょうか?早速見ていきましょう。
NISAとロボアドバイザーの仕組みをおさらい!
NISAは、株式投資によって得た配当金や売買益などの利益が非課税になる制度です。
通常、株式の売買等による利益は年間20万円の利益が生じると20%の税金がかかると同時に「源泉徴収なし」の証券口座を利用して投資している場合、確定申告をしなければなりません。
しかし、NISAはNISAへの投資によっていくら利益が出ようと非課税で確定申告をする必要もないのです。
一方、ロボットアドバイザーは、各証券会社が開発した機械学習ロボットによって過去の株の値動きなどから統計的に株価の上下を予想して株の運用をアドバイスするシステムです。
ロボットアドバイザーには投資一任型とアドバイス型の2種類があります。
NISAのメリット・デメリット
メリット
- 利益が非課税
年間120万円までの利用枠のうちで投資して、その投資で得た利益については利益額に関わらず非課税となります。
- 確定申告が不要
投資の利益などは普通課税対象とありますが、NISAで利益が生じても確定申告の必要がありません。
NISAのデメリット
- 年間最大120万円までしか利用できない
普通の株式運用とは違って、利用額制限されるので、どの銘柄をNISAを使って売買するのかということを吟味する必要があります。
また、年間120万円の利用枠のうち使いきらなった枠があったとしてもそれを来年に持ち越す事は出来ません。
- 一度利用した非課税枠が再利用できない
例えば、一度NISAで20万円で買った株を売ったとします。そうすると、その20万円の枠は使用済みとなり、残りの100万円分しか年間で利用できなくなります。
- 非課税期間が限定されている
NISAは最長5年間しか非課税になりません。5年を過ぎると他の投資と同じように課税されるので注意しておく必要があります。
ロボアドバイザーのメリット・デメリット
メリット
- 各証券会社が設けている機械学習ロボットが統計的に分析した予想に基づいて投資アドバイスを受けられる
- 統計的に確率の高い予想がされるので、個人的な思い込みよりかは正確な判断が可能
ロボアドバイザーは客観的なデータでアドバイスをします。
そのため、ロボアドバイザーを利用する事で個人投資家が自身の直感に左右されすぎない運用をする事が可能となります。
デメリット
- 最終的には自分で売買の判断をしなければならない
- あくまでロボットは確率を計算しているだけなので、必ずしも利益が出るわけではない
NISAで使えるロボアドバイザーはアドバイス型だけであるという事は先ほども確認しましたね。
NISAでロボアドバイザーを利用しても最終的に株の売買を実行するのは自身の判断となり、ロボットの予測とは異なった結果になる可能性があります。
NISA・ロボアドバイザーの種類とそれぞれの特徴
NISA・積立NISA・ジュニアNISAの違い
NISAには3種類あり、「NISA」「積立NISA」「ジュニアNISA」があります。
これらのNISAの概要は以下の表の通りです。
NISAの種類 | 年間投資上限額 | 非課税期間 |
NISA | 120万円 | 5年間 |
積立NISA | 40万円 | 20年間 |
ジュニアNISA | 80万円 | 5年間 |
NISAは投資信託や個別株式を投資額に応じて随時購入することができるものです。
ジュニアNISAは18歳未満の子供が利用できるNISAだと言えます。つまり、NISAの子供版ですね。
積立NISAだけは少し違います。
積立NISAは定期的に一定額を口座から出資し、投資信託を購入するものです。
投資信託はリスクが少ない分、個別銘柄を売買するよりも利益が少ないので非課税の恩恵が少なくなってしまいます。
ロボアドバイザーのアドバイス型と投資一任型の違い
投資一任型
投資一任型は株の売買まで運用の全ての作業をロボットが一任して自動で行うものです。
年齢や年収、金融資産額、投資目的などのアンケートに答えると、ポートフォリオを自動で組んで、運用目的にあった運用してくれます。
ポートフォリオとは、どの銘柄にどれだけ投資するかが構成されたバスケットのようなものです。
全ての運用業務をロボットが行うめ、投資判断の負担がない分手数料が高めになります。
アドバイス型
アドバイス型も投資一任型同様アンケートに答えると投資目的にあったポートフォリオを作成してくれます。
投資一任型と違う点は、株の売買は顧客自身が行わなければいけないということです。
そして、NISAでロボアドバイザーを利用するにはアドバイス型しか利用できません。
アドバイス型 | 投資一任型 | |
サービス内容 | 投資商品やポートフォリオのアドバイス、投資は自分で実行 | 提案から運用売買まで自動で行なってくれる |
最低投資金額 | 低額(100円〜1万円) | 高額(1000円〜数十万円) |
運用コスト | 投資信託・ETFの信託報酬のみ | 左記信託報酬以外にサービス料金がかかる |
NISA・積立NISA | NISA対応、積立NISAあ一部のみ対応 | 非対応 |
NISAが利用できる無料アドバイス型ロボアドバイザー
ここではNISAでも利用できるアドバイス型のロボアドバイザーの内、手数料が無料のサービスをご紹介したいと思います。
①投信工房
「投信工房」はネット証券会社の松井証券が設置しているロボアドバイザーサービスのことです。
他社と比べてラインナップは少ないですが、低コストで100円から投資可能というのが特徴です。
②fund eye
「fund eye」はSMBC日興証券が提供しているロボアドバイザーサービスです。
SMBC日興証券の口座を開設していなくても利用できるというのが他社との大きな違いのようです。
SMBC日興証券に口座を持っていない方でもセカンドオピニオンとしてこちらのロボアドバイザーを利用するのも良いかもしれません。
③answer
ネット証券会社の「マネックス証券」が提供しているスマホ用アプリのロボアドバイザーサービスです。
マネックス証券の投資信託だけでなく、他社の投資信託もおすすめ銘柄として提案してくれます。
また、随時ポートフォリオの見直しもしてくれます。
④ファンドミー
ネット証券会社の「カブドットコム証券」が提供しているスマホ用アプリのロボアドバイザーサービスです。
おすすめプランがどれくらいのリスクがあるものなのかを視覚的に表してくれるので、リスク水準を一目で確認できます。
⑤投信ロボ
岡三証券が提供しているロボアドバイザーサービスです。
複数のおすすめ銘柄を紹介してくれるだけでなく、1本で世界中に分散投資ができるバランスファンドを紹介してくれるのが特徴です。
投資初心者の方には少ない選択肢からでも銘柄を選ぶのは負担だと思います。
そのような方には、一つの銘柄でリスクを分散できる銘柄を紹介してくれるこのサービスはありがたいですね。
⑥ロボのぶくん
楽天証券が提供しているロボアドバイザーサービスで、投資信託のスマホ専用サイトで利用できます。
シンプルな機能で初心者の方に向いています。
⑦SBI-ファンドロボ
SBI-ファンドロボはネット証券会社のSBI証券のアドバイス型ロボアドバイザーです。
取り扱い投資信託のラインナップが多いことで有名なSBI証券ですが、いくつかのアンケートに答えるだけで、このロボアドバイザーがその豊富なラインナップから1〜3本の投資信託を厳選して提案してくれます。
元のラインナップが豊富なことからアドバイスの精度の高さが期待できます。
⑧カライス
東海東京証券のロボアドバイザーサービスで、7つのアンケートに答えると、「eMAXIS」シリーズ5本の中から自身に最適な銘柄を選んでくれます。
1本の銘柄にまとまっているので、自分で色々とポートフォリオを考える必要がありません。
⑨スマートフォリオ
みずほ銀行が提供するロボアドバイザーサービスです。
他社のロボアドバイザーサービス同様、いくつかの質問に答えると最適な資産分配モデルを提示してくれます。
身近な大手銀行のサービスを利用したいという方には良いかもしれません。
今回は、NISAとロボアドバイザーの関係性について見てきました。
投資初心者で、自分で投資先を選ぶのが不安という方は、アドバイス型のロボアドバイザーを使うという手があることもわかりました。興味がある方は各ロボアドバイザーサービスについても詳しく調べてみてくださいね。
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