社会人になって初めて受け取る初任給に心躍らせる新社会人のみなさん!新しい世界で忙しい毎日を過ごしているのではないでしょうか。
社会人になって、これから初めてのお給料を受け取る方も多いと思います。「初任給はいつ頃もらえるのだろう?」「初任給は平均的にどれくらいなのだろう?手取りって何?」など、きになることもたくさんありますよね。
今回は、社会人の初任給に関する色々な疑問にお答えしていきます。
初任給の話になると額面、手取りなど学生時代にはあまり聞き覚えのない言葉も出てきますよね。いまいち内容がわかっていないという方は、社会人を過ごす上で知っておきたい用語ですので、今のうちにしっかりと理解しておきましょう。
初任給の振込は4月?5月?3つのパターンをご紹介
初任給の支払日は会社によって異なります。
労働基準法により賃金は一定期日に支払うことが定められているので、その会社の給与規定や就業規則をあらかじめ確認しておく必要があります。
締め日は【計算期間】、支払日は【給与の支払日】といった欄をチェックし、把握しておきましょう。
ここでは初任給の支払い主な3パターンを挙げていきますが、以下でご紹介するパターン以外にも、入社直後の試用期間は支払いの形式が別に決められている会社などもあります。
初任給が4月に支払われる場合
- 当月末締め、当月◯日払い
この支払い形式の場合、その月の末日までの給与をその月の◯日に受け取ることになります。
なので、例えば「当月末締め、当月25日支払い」の場合、4月入社の新入社員は初任給を4月25日に受け取ることになります。
ただし、4月分の残業代は4月25日の時点では分からないため、5月分の給与とともに支給されることになります。
- ◯日締め、当月◯日払い
例えば「15日締め、当月25日払い」の場合は、前月の16日から当月の15日までの分が当月の25日に支払われるという形式をとります。日本では給与の支払日としてこのパターンが最も多いようです。
この場合、4月入社新入社員の初任給は、初出勤日から4月15日までの分が4月25日に支払われることになります。
ただし月給制の場合、会社によっては一ヶ月分の給与がもらえることもあるので確認が必要です。
4月分の残業代も、会社によっては翌月の給与とあわせて支給されることもありますが、初任給とともに支給される場合が多いようです。
初任給が5月に支払われる場合
- ◯日締め、翌月◯日払い
例えば「月末締め、翌月10日払い」の場合は、1ヶ月分の給与が翌月の10日に支払われます。
なので、4月入社の新入社員は5月10日に初任給を受け取ることになります。
この場合1ヶ月以上無収入の状態となるので、あらかじめ生活費をある程度用意しておければ安心ですね。
【補足】公務員は4月払いのケースが多い!
補足ですが、公務員の場合は初任給の支給が民間企業よりも早くなっています。
国家公務員と地方公務員のどちらも、給与支払いは【当月払い】になっています。また、残業代は翌月分とあわせて支給されます。
一般企業の給与支払日は25日のところが多いので、給与日の分散を図るために支給を早めていると考えられます。
- 国家公務員の初任給は4月16日前後
中央省庁に勤める国家公務員は、【毎月16日払い】のケースが多く、その場合初任給は4月16日に支給されます。
省庁によって多少差はあるものの、支払日は16,17,18日が多くなっています。
- 地方公務員の初任給は4月21日前後
県庁や市役所に勤める地方公務員の場合、給与支払日は条例で各自治体ごとに定められているため自治体によって異なりますが、【毎月21日払い】のケースが多いようです。その場合、初任給は4月21日に支給されることになります。
自治体によって多少差があり、例えば東京23区の区役所に勤める職員の場合は【毎月15日払い】で、初任給は4月15日に支給されます。
初任給の平均はどれくらい?新社会人必見!
厚生労働省の平成30年賃金構造基本統計調査によると、初任給の平均は大学卒が20.6万円、高校卒が16.5万円となっています。
また、男女でも比較してみると下の表のようになります。
大学卒(男女計) | 20.6万円 |
高校卒(男女計) | 16.5万円 |
大学卒(男性) | 21.0万円 |
高校卒(男性) | 16.6万円 |
大学卒(女性) | 20.2万円 |
高校卒(女性) | 16.2万円 |
大学卒だと初任給が20万円を超えるのに対して、高校卒はそれよりも低額の16万円ほどとなっています。男女で比較すると、男性の方が若干平均初任給が高いことが分かります。
初任給でもらえる金額は額面通りじゃない!手取り額はいくら?
手取りと額面の違いとは?
給与表示には「額面給与」と「手取り給与」があります。
「額面給与」とは、基本給に残業代や交通費、各種手当を合計した金額のことです。一般的に「月給」や「年収」という表現をする場合、こちらを指しているといえます。
「手取り給与」とは、額面給与から税金や保険料を天引きした後の金額のことです。手取り給与の金額は、額面給与の8割が目安だと言われています。
給料から引かれるものは?初任給20万円の手取り額は?
では、実際に初任給20万円の場合を例に手取り額がどれくらいになるのか計算してみましょう!
- 社会保険料を額面給与から天引き
まずは各種保険料が額面給与から天引きされます。保険料額は都道府県によっても異なりますが、今回は東京都で働いているとして計算してみましょう。
会社勤めをしている人は社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料)が毎月の給料から天引きされています。初任給20万円の場合の保険料は次のようになります。
- 健康保険料=9,960円
- 厚生年金保険料=18,300円
- 雇用保険料=800円
なので、これらを合計した社会保険料は29,060円となります。
- 所得税を給与から天引き
次に、額面給与から所得税が引かれます。
給与所得控除の額は66,282円、基礎控除額は31,667円なので、所得税課税の対象となるその月の課税給与所得金額は、
「課税給与所得金額」=「額面給与」-「社会保険料」-「給与所得控除」-「基礎控除額」
= 200,000円 - 29,060円 - 66,282円 - 31,667円
= 72,991円
所得税はその5.105%なので、3,726円となります。
- いよいよ初任給の手取り金額を計算!
就職一年目は住民税が発生しないため、手取り金額は額面金額から社会保険料と所得税を引いた額になります。
「手取り金額」=「額面金額」- 「社会保険料」- 「所得税」
= 200,000円 – 29,060円 - 3,726円
= 167,214円
初任給の手取りは約16.7万円となりました。額面金額の8割程度になっていることがわかります。
税金の計算方法をもっと細かく知りたい!という方は以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください!
以上、初任給の支払い時期と平均初任給、それから実際の手取り額までご紹介しました。
これから初任給を受け取る社会人のみなさんは、ご自分が勤める会社の給与規定や就業規則をあらかじめ確認しておきましょう。
また、実際の手取り額がどのくらいになるのかを把握し生活の設計を立てていく際の参考にしてみてください!
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