皆さんは誰しもお金持ちに憧れたことはあるかと思います。
2018年の国際NGOのオックスファムの発表によれば、前年である2017年に生み出された富の82%を、世界人口の1%にあたる富裕層が独占しているというなんとも驚くべき事実が明らかになっています。
最近では経済格差の拡大が国や地域単位でも叫ばれており、大きな社会問題化しています。
ではそもそもこうしたお金持ちや富裕層の人たちは、一体どんな国で生活しているのでしょうか?
今回の記事では、Wealth-Xの2019 World Ultra Wealth Reportという調査の結果をもとに、超富裕層(=純資産を3000万ドル以上保有している人と定義)が一体どんな国や地域に住んでいるのかをランキング形式で発表していきたいと思います!
果たして我々が住んでいる日本にはどのくらいの超富裕層の方がいらっしゃるのでしょうか?
早速みていきましょう!
資産3000万ドル以上の超富裕層が住む国ランキング!第10位〜第6位は?
では、さっそく気になる第10位から見ていきましょう!
第10位 スイス:6145人
第10位にはスイスがランクインしました!
スイスといえば、世界的にも有名なスイス銀行があったり、オメガやタグ・ホイヤーなどの高級腕時計ブランドが栄えているなど、漠然としていますがお金持ちの多いイメージはありますよね。
一人当たりGDPではルクセンブルクに次いで第2位にランクインし、平均年収でも世界トップに君臨するなど、圧倒的な個の力を持っているのがスイスの人の特徴です。
具体的にはスイスのレジ打ちのバイトでは、時給が3000円を超えるなど、体感では日本の2倍から3倍ほどの給与が手に入る感じですね。
その反面、生活にかかるコストもかなり高くなっている印象も受けます。
例えば、家賃で見るとジュネーヴ市内で20平米ほどのワンルームを借りた場合には、賃料は10万円をゆうに超えてきます。
飲食店の費用も当然高いですし、チップなどの文化もありますから、稼ぎが多くとも出ていくお金も大きくなってしまいます。
ですから、「スイスに行けば自分もお金持ちになれる!」と考えるのは危険ですね、。
第9位 イタリア:6270人
第9位にはイタリアがランクインしました!
イタリアといえば、ファッションの流行を生み出すミラノがあったり、アマルフィ海岸やヴェネツィアなどの保養地があったりと、おしゃれなイメージがありますね。
政策的な話で言えば、2018年に経済財務省当局者のパガーニ氏がスーパーリッチ層を対象に、個人の納税額を所得水準にかかわらず一律で年10万ユーロ(約1300万円)とする措置を公表したことで、多くの資産家の興味を引いたとのニュースもありました。
やはりヨーロッパは冬の寒さも厳しいですし、地中海に近く比較的温暖、そして税制面でも優遇されるイタリアは、すでにリタイアをしている超富裕層の方にとっては魅力的に映りそうですね。
実際に上記のような富裕層向けの税制優遇は、ヨーロッパではポルトガルが成功しており、近年不景気に低迷しているイタリアも資本を集めることで局面を打開しようとしています。
単純計算では、日本において3000万円以上を年間稼いでいる人は、イタリアに移住した方が税金面ではお得になるので、実はかなり多くの人にメリットのある優遇策だったりしますね。
第8位 香港:8950人
第8位には、アジアの金融の中心地ともなりつつある香港がランクインしました!
国という観点で見るとまだまだではあるものの、一つの都市としてカウントすると、超富裕層の人口はニューヨークは9000人弱、東京が約6800人であるのに対し、香港は1万人を超えるなど世界トップの街と言っても過言ではなくなっています。
香港にお金持ちが集まる特徴としては、他の国で敷かれているような国内資本・企業・産業の保護といった制度・政策がほとんどなく、極めて平等で自由な競争を政策としても推進しているという点にあります。
それに加えて圧倒的な税金面でのメリットもありますから、個人の実業家や投資家がこぞって勝負をしに香港に拠点を置くのです。
また、こうした投資家たちが集まるからこそ、大きな投資案件が舞い込んできて、さらなる投資家を募っていくという好循環が起きているのが今の香港です。
最近ではデモ活動の激化もあり、心配なニュースも多い香港ですが、今後もアジアの金融市場の中心地として輝くことは間違い無いでしょう。
第7位 イギリス:9575人
第7位にはイギリスがランクインしました!
イギリスといえば、古くからヨーロッパのみならず世界の工業を牽引してきた国であり、現在では金融街シティを中心として世界経済・金融の拠点としても栄えています。
イギリスの富裕層の特徴としては、従来の貴族などの特権階級を起源として、第土地所有者として現在に至るまで多くの財産を保有している人が多く現存しているという点です。
最近では、イギリスがEUから離脱をするか否かが大きな争点になっています。
離脱後に現在通りヨーロッパ経済圏での自由な取引が継続できるのかは難しいかもしれません。
そうした意味でも今後のイギリス経済に動向や、富裕層の行動に注目ですね。
第6位 フランス:1万145人
第6位にはフランスがランクインしました。
LVMHの会長兼CEOであるベルナール・アルノーなど、世界的な高級ブランドのトップなどが住んでいるフランスが第6位になりました。
オランド政権時代には、富裕層に対する課税策として所得税率を75%まで引き上げる方針まで見せていたフランスでしたが、憲法議会からの違憲判決もあり、マクロン氏は一転して富裕税(ISF)を不動産富裕税(IFI)に転換することで事実上の減税を行い、さらに債券からのインカムゲインに対する税率も60%から30%へと引き下げるなど、大幅な富裕層への優遇措置を採りました。
富裕層が多い国ランキング第5位〜第1位!日本は第何位なの!?
では、ここからはランキングの上位となる第5位から第1位をランクアップ形式で発表していきます。
第5位 カナダ:1万395人
第5位にランクインしたのはカナダです。
カナダはそれほどお金持ちの多いイメージを持っていない人も多かったのではないでしょうか!?
CBSによるリサーチによると、カナダにおける富裕層の増加は世界屈指の短期的で爆発的なものとなっており、こうした背景には高い投資利回りと通貨の安定があるとされています。
最近では中国系の方を中心に、アジア系の富裕層の移住も進んでいることから、希望の移住先としても名前が挙がることもしばしばあるようになってきています。
とはいえ、アメリカやヨーロッパ同様、生活コストがかかってしまうこと、冬の寒さが厳しいこともありますから、なかなかトップには食い込めずにいますね。
第4位 ドイツ:1万5685人
第4位にはドイツがランクインしました。
ドイツでは、相続税や固定資産税などの資産に課税される税率が低めに設定されており、一度お金持ちになると、子供や孫の代まで他の国よりも低い税率で相続し、大きな資金を元手にさらに投資をして資産を増やしていくことも多くあり、貧富の差が拡大しやすい国柄があります。
しかしながら、ドイツのお金持ちは社会貢献に積極的な側面も強く、2009年のドイツの経済危機に際には、祖国の復活のために財産税の課税を自ら志願し、数千億円規模の大型の支出を行うなど、愛国心ある富裕層も多い国です。
第3位 日本:1万7855人
第3位には、やっと日本が登場しましたね。
いうまでもなく、世界第3位のGDPを誇りアジアのみならず世界経済を引っ張ってきた存在といえるでしょう。
日本のお金持ちといえば、ソフトバンクの孫正義氏、ファーストリテイリングの柳生正氏、サントリーホールディングスの佐治信忠などが有名です。
とはいえ、最近の日本は富裕層にとってそれほど魅力的な土地ではなくなってしまっている現状もあります。
法人税率が40%を超える日本においては、企業の経営者はそれほど籍を置きたがりません。
法人税が10%台の香港やシンガポール、25%ほどのマレーシアやインドネシアなど周辺国への流出も懸念されています。
また投資での収益に関する課税も厳しい日本では、インカムゲインを多く得る投資家はデメリットが大きく、海外移住を進めているのが現状です。
日本政府としてもこうした富裕層をどのくらい留めておけるのか、どこまで税制面で富裕層に妥協できるのかというのが、今後の日本の一つの課題になってきそうですね。
第2位 中国:2万4965人
第2位には、世界経済でぐんぐん伸びてきていた中国がランクインしました。
2017年ほどまでは右肩上がりで富裕層はどうかしてきていましたが、近年では若干の落ち込みを見せています。
中国の成長ストップの背景には、度重なる株式市場の低迷や企業の業績不振などが挙げられます。
大幅な企業の減益を受けて、従業員の給与を4割から半分近くまでカットしたところも出てくるなど、中国経済全体が頭打ちを迎えている現状があります。
とはいえ、アリババやテンセントなど世界トップに並ぶ企業も増えてきています。
現在の伸び悩みを打破し、中国経済全体が元気になれば、より一層活発化した株式市場への転換や投資家の集積も期待できますね。
第1位 アメリカ:8万1340人
第1位にはやはり世界のトップに君臨するアメリカがランクインしましたね。
アマゾンのジェフ・ベゾス、マイクロソフトのビルゲイツ、世界一の投資家であるウォーレン・バフェット、オラクルの創立者のラリー・エリソンなど世界でも有数のお金持ちたちは、アメリカ出身ですね。
アメリカにダントツで富裕層が多い理由としては、やはり自由の国という国柄や積極的にチャレンジする精神が根付いていることが挙げられるでしょう。
日本ではどうしてもお金を稼ぐことがやや汚いことだと考えられてしまい、投資よりもタンス貯金の方が手段として用いられることが多くあります。
しかし、アメリカでは給与のうち生活費を捻出した残りは遊びや投資に使ってしまうなど、現金のまま寝かせておくことをかなり嫌う傾向にあります。
こうしたマインドがあるからこそ、活発な投資運用能力が若いうちから身につきますし、チャレンジ精神があることがアントレプレナー精神を支えているとも言えるのです。
もちろん日本とアメリカのどちらの生き方がいいか悪いかでは判断できませんが、大きく当てて資産を増やすことのできる可能性はアメリカ人に多く見られるので、富裕層も多くいるという考察ができそうです。
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