みなさん自分の給料について多いと思いますか?それとも少ないと思いますか?
この記事では日本の会社員の平均給与についてまとめました。
一口に平均といってもその人の属性によって数字は大きく変わってきます。
特に男女間、正規と非正規間、年齢によって平均年収は大きく左右されます。
そうした「格差」にも着目しながら日本の給料事情について見ていきましょう。
日本人の平均給与
まず初めにこの記事で使用する数字はすべて国税庁の「民間給与実態統計調査」(平成28年度分)からの引用となります。
つまり2016年のデータを基にしています。
それではさっそく平均年収を見ていきましょう!
給与所得者の平均給与は422万円
2016年の一年間をを通して勤務した給与所得者は4,869万人でした。
日本の人口が約1.27億人なのでだいたい日本人の4割が給料を貰っていることになります。
かなりの割合ですね!
そしてこの給与所得者4,869万人の平均給与は422万円でした。
どうですか?思ったよりも高いと思う人もいれば低いと思った人もいるでしょう。
自分の年収が平均より低いと思った人、落ち込むのはまだ早いです!
なぜならこの数字は男性の正社員が平均を大きく押し上げているからです。
性別、年齢別に見た時にはまた違ったことが見えてきます。
男性の平均は521万円、女性の平均は280万円
先ほどの平均給与を男女別に分けて示すとこうなります。
男性:521万円
女性:280万円
なんと男性は女性よりも2倍近く収入が高いことが分かります。
男女格差の是正が叫ばれていますが、こうしてみるとまだまだ平等には程遠いことが分かりますね。
男女収入格差の理由
どうしてこんなにも男女格差が大きいのでしょうか?
その原因は大きく2つあります。
一つ目の理由は男性は年齢に応じて昇給していく総合職の割合が高く、女性は転勤がないものの給料も上がらない一般職の割合が高いことです。
下のグラフを見てください。年齢別の男女間の年収推移です。
国税庁の資料より作成
20代の内は男女間の給料の差はそれほど大きくないことが分かります。
しかし、男性は5年ごとに数十万円給料が上がっていくのに対し女性の給料はほとんど変化がありません。
この結果男女間で240万円もの給料格差が生じているのです。
男女間給料格差のもう一つの理由は女性に非正規の割合が高いことが挙げられます。
例えば結婚や出産を機に仕事を辞めたあと子供が大きくなってからパートをしているケースなどです。
夫の扶養内で働くことが多いため、年収を103万円以内にに抑えることになり平均を大きく押し下げています。
ただ最近では「働き方改革」や「女性の活躍推進」の掛け声の下で、女性の総合職はどんどん増えています。
夫婦の共働き世帯も珍しくありません。
10年後のグラフはまた違った形になっていることでしょう。
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正社員の平均給与は487万円、非正規は172万円
次に正規社員とパートや派遣などの非正規社員の格差について見ていきましょう。
現在日本には非正規社員が1,154万人います。
正社員と非正規のそれぞれの平均給与について見ていきましょう。
正規社員:487万円
非正規社員:172万円
どうでしょうか?
なんと非正規の給与は正規社員の約3分の1ほどしかないのです。
非常に大きな差があることが分かります。
正規・非正規賃金格差の理由
なぜこんなに給料に開きがあるのでしょうか?
大きな原因の一つが正社員が年功賃金だということです。
正社員は定期的な昇給があるので、何年働いても給料の変わらない非正規と比べて年収格差が拡大していくのです。
もっと詳しい表を下に載せました。
男 | 女 | |
正社員 | 540万円 | 373万円 |
非正規社員 | 228万円 | 148万円 |
非正規の数 | 348万人 | 807万人 |
非正規の割合 | 16% | 40% |
非正規の割合を見ると男性は16%なのに対して女性は40%と非常に高くなっていることが分かります。
女性の場合はやはり結婚などで離職し、その後はパートなどで働いているケースが多いため非正規の雇用形態になっていると考えられます。
女性の非正規の平均給与が148万と一人暮らしではとても暮らしていけないような水準なのは専業主婦が社会保険料や扶養から外れないように意識して働いている人が多いことが想像できます。
一方で男性の場合は非正規の年収が正社員と比べ非常に低いことが分かります。
年収の格差はなんと300万円。
次の章でも述べますが、日本の会社の多くは年功序列の賃金制度なため非正規の期間が長いほど給与は低くなってしまいます。
特に長年非正規の環境で働いてきた男性にとって格差は非常に深刻な問題になっています。
勤続30年の平均給与は761万円
最後に年齢別の給与格差を取り上げます。
ご存知の通り日本は年功序列型の賃金制度を採用している会社が大半です。
最初の方に年齢別の給与推移のグラフを載せました。
特に男性の給与推移をみるとその傾向は顕著で年齢とともに給料が上昇していました。
会社の勤続年数が給料に直結しているのです。
一つの会社で定年まで働く「終身雇用制度」はもう昔の話だと言われて久しいですが、数字を見る限り制度はいまだに強固に機能しています。
下のグラフは勤続年数と給与の関係です。
国税庁の資料より
見事に勤続年数と年収が比例していることが分かると思います。
勤続35年以上で年収が下がっているのは定年を迎えた人が増えたためです。
勤続30~35年の男性の平均給与はなんと761万円!
平均でこんなに給与が貰えるのはすごいですよね。
ちなみに男性の平均勤続年数は13.5年だそうです。
でも海外も同じ感じなんじゃないのかと思う人もいるかもしれません。
海外との比較したグラフを下に載せました。
勤続年数と賃金格差の国別比較
労働政策研究・研修機構の資料より
上のグラフは勤続年数と賃金の関係を表したものです。
日本とイギリス、ドイツ、フランス、イタリア、フィンランドを比較しています。
グラフの角度が急であればあるほど勤続年数による賃金格差が大きくなっています。
日本の男性はヨーロッパと比較しても勤続年数が賃金に大きく影響していることが分かると思います。
収入だけを考える場合、現在でもできるだけ一つの会社で働くのがいいのかもしれませんね。
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まとめ
日本の平均年収についてまとめました。
単に平均といっても男女や正規非正規で分けて考えるとまた違った面が見えてくるのではないでしょうか?
自分と同年代の平均年収はなんとか上回りたいものですね。
勤続年数が給料に与える影響は大きいので転職するのなら早めの方がいいかもしれません。
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