年収1200万円の会社員・サラリーマンの手取り額や生活水準をご紹介します。
年収1200万円というと、労働人口の上位数%に分類されます。「年収1200万円だと、どんな暮らしが出来るんだろう?」「年収1200万円だと手元の残る金額は具体的にいくら?」と気になっている方は、ぜひ本記事をご参考にしてください。
手取り金額は、具体的な所得税・住民税の計算方法と共にご説明します。また、年収1200万円の生活水準は、独身の場合、夫婦二人暮らしの場合、夫婦と子供一人の三人家族、世帯状況別にシミュレーションしてみました。
シチュエーション別の最適な家賃の金額もまとめましたので、具体的な年収1200万円の暮らしをイメージ膨らましながら読んでみてください。
年収1200万円の手取り金額はいくら?
結論からお話すると、年収1200万円の手取り金額は、「約837万円」です。月の手取りに置き換えると、「約70万円」となります。
それでは、具体的な計算方法をみていきましょう。
所得税はいくらかかる?
所得税は以下の式で計算されます。
《所得税の計算式》
所得税=課税所得×所得税率-所得税控除額
まず、課税所得を求めます。
年収から控除される所得控除額は、
基礎控除38万円+給与所得控除220万円+社会保険料控除172.8万円=430.8万円
(基礎控除は38万円で一定、給与所得控除は年収1000万円以上の場合は220万円、社会保険料控除については後述)
控除金額を431万円とすると、年収1200万円の場合の課税所得は、1200万円-431万円=769万円となります。
社会保険料控除について(補足)
社会保険料の種類 | 本人負担の保険料率 |
厚生年金 | 9.15% |
健康保険 | 4.95% |
雇用保険 | 0.30% |
合計 | 14.40 |
社会保険料は、自分で支払った金額分がそのまま税額控除の対象になります。
社会保険料の料率や金額は勤め先の会社、地域によっても変わりますが14.40%が目安となっているので、年収が1200万円の場合には、控除額も1200万円×0.144=172.8万円が目安となります。
所得控除・税額控除の金額を出したので所得税の金額を算出してみます。
下の表のように所得税は超過累進課税方式ですので、課税所得金額によって税率と控除額も異なります。
課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万~330万円 | 10% | 97,500円 |
330万~695万円 | 20% | 427,500円 |
695万~900万円 | 23% | 636,000円 |
900万~1800万円 | 33% | 1,536,000円 |
1800万~4000万円 | 40% | 2,796,000円 |
4000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
年収が1200万円の場合の課税所得は約769万円で、上の表より税率は23%で控除額は63.6万円になります。
一番上の式にあてはめて所得税を計算してみると次のようになります。
《年収1200万円の場合にかかる所得税》
所得税: 課税所得769万円×0.23-控除額63.6万円=113.27万円
住民税はいくら?
住民税は、所得割と均等割の2つの部分に分かれています。
所得割は基本的に全国一律で課税所得に対して10%、均等割は5000円前後になっています。地域によって税率、税額は少しづつ異なるので、詳しい税額が知りたい方は地元自治体のホームページで確認してください。
年収1200万円の課税所得は769万円であるので、住民税は以下のようになります。
《年収1200万円の住民税の金額》
住民税:課税所得769万円×0.1+均等割5000円-調整控除2500円=77.15万円
調整控除については説明が長くなり、また、金額が大きくはないので割愛します。
年収1200万円の手取りを計算!
上記から、年収1200万円の方の所得税・住民税の合計は113.27万円+77.15万円=190.42万円となっています。
ここでは手取り(実際に給与口座に振り込まれる金額)の計算をしてみます。
手取り金額は額面の給料から所得税・住民税と上述した社会保険料を引いて求められます。
《年収1200万円の手取り額の計算式》
年収1200万円の手取り:1200万円-所得税・住民税190.42万円-社会保険料172.8万円=836.78万円
年収を1200万円稼いだら自由に使えるお金は、837万円ほどになるのですね。
年収1200万円の人の生活水準は?最適家賃はいくら?
日本では所得税に超過累進課税方式を取っているので、同じ年収1200万円でも共働きで年収800万円と400万円ずつの方が、一人で年収1200万円の場合よりも手取りの額は大きくなります。
また、同じ年収1200万円以上といっても世帯状況によって生活水準は大きく変わるので、ここでは、年収1200万円で一人暮らし、夫婦二人暮らし、夫婦と子供1人の場合でシミュレーションしてみます。
シミュレーションでは、支出が手取りの837万円を12で割った金額である70万円になるように生活費を割り振りました。
独身の場合
食費 | 6.7万円 |
住居費 | 20万円 |
水道光熱費 | 1.5万円 |
通信費 | 1.5万円 |
保険料 | 1.5万円 |
趣味・娯楽費・交際費 | 9.8万円 |
日用雑費 | 1.9万円 |
貯蓄 | 21.2万円 |
その他 | 5.9万円 |
計 | 70万円 |
独身で一人暮らしの場合には、月の収入70万円を全て自分のためだけに使えるため、住居費、趣味・娯楽費・交際費で贅沢ができるなどお金に困ることはまずないでしょう。
また、住居費で20万円を使えるなら、都内の1Rや1Kのタワーマンションまたは1LDKのアパートに住めるでしょう。
夫婦二人暮らしの場合
食費 | 9.2万 |
住居費 | 21.2万 |
水道光熱費 | 1.9万 |
通信費 | 2.2万 |
保険料 | 2.1万 |
趣味・娯楽費・交際費 | 8.5万 |
日用雑費 | 2.3万 |
貯蓄 | 15.7万 |
その他 | 6.9万 |
計 | 70万 |
夫婦二人暮らしの場合には、一人暮らしに比べて一人あたりに使える費用が減りますが、年収が1200万円あれば十分な暮らしができるでしょう。
住居費に21.2万円使えるのならば、都内の通勤圏の2LDKまたは3LDKのマンションに住めるでしょう。
夫婦二人と子供一人の場合
食費 | 10.4万 |
住居費 | 22万 |
水道光熱費 | 2.3万 |
通信費 | 2.7万 |
保険料 | 2.6万 |
趣味・娯楽費・交際費 | 4.9万 |
養育費・教育費 | 9.2万 |
貯蓄 | 5.6万 |
その他(日用雑費含む) | 10.3万 |
計 | 70万 |
配偶者に加えて子供がいる場合には、生活費がそれぞれの要素で少しづつ増えるだけではなく、養育費・教育費にも費用を割く必要が出てきます。
また、子供によって増えた費用は貯蓄と趣味・娯楽・交際費を減らすことによって賄う必要があります。
1200万円は十分な年収ですが、都心部で子育てをしながら生活をする場合には贅沢三昧とまではいかないかもしれません。
最適家賃はいくら?
最適家賃は月収の三分の一と言われますが、それは上限であり推奨ではありません。
具体的には、年収が1200万円ある場合には表にあるように22万円ぐらいが適正家賃なのではないかと考えます。
しかし、年収が高い場合には、家賃の比率を高めても他で贅沢をしなければ生活には困らないので、そこは自分たちの置かれている状況によって臨機応変に考えてもかまわないでしょう。
おわりに
今回は年収1200万円の手取りと生活水準について説明しました。
年収1200万円の場合には手取りが約837万円であり、都内在住でも十分な暮らしができることが分かりました。
しかし、独身か配偶者がいるか、また子持ちかどうかによって、同じ年収1200万円でも自由に使えるお金は異なります。
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