3月も終盤に差し掛かってきて、新学期・新生活が始まる季節となりました。
春から大学生になる方は、これからの学費や生活費のために奨学金を受けようと検討している人も多いと思います。
また新社会人の方の中にも、奨学金をもらって大学を卒業したから今後の返済に不安がある、という人も多いはずです。
近年では、奨学金を借りてせっかく大学を卒業できても卒業後の返済の目処がなかなか立たないケースや、奨学金の返済を見越した企業選びをしてしまうといった状況も起こりがちです。
奨学金を借りるという行為は、大学卒業後に社会に出るにあたっていくらか借金を抱えた状況でスタートしなければならないということを意味します。
よく調べもしないで手を出してしまうと、卒業後に自分が本当にやりたいことをできないといった勿体無い状況を作り出してしまうことにもつながるので、じっくり吟味した上で判断することが大切です。
また、奨学金と一口に言っても、いろんなタイプの奨学金があり、利子がないものやそもそも返済する義務のない夢のような奨学金も存在します。
今回は、日本にはどんな奨学金があるのか、それぞれにどんな特徴があるのかを紹介していくので、ぜひ自分にあった奨学金の種類を検討していただけると幸いです。
そもそも奨学金を受けている大学生の割合は!?世帯収入はどのくらい??
そもそも世の中の大学生のうち、どのくらいの割合の人が奨学金を受給しているのでしょうか。
独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)が実施した、「平成 26 年度学生生活調査」によれば、大学生のうち51.3%の人が奨学金を受けて大学に通っていることがわかっています。
一般に大学の年間の学費は国立大学でも60万円以上、私立大学だと100万円を超えてしまう場合が多く、これに一人暮らしをする場合には生活費や家賃も上乗せされるので家計の負担はかなり大きくなってしまいます。
奨学金受給者の割合が多い世帯収入の区分は、500万円〜600万円で12.7%、ついで700万円〜800万円で12.4%となっています。
奨学金の主な種類は!?1種と2種の違いや条件って?
奨学金は一般的に「借りる」奨学金と「貰う」奨学金の二つに分けられます。
「借りる」奨学金は、貸与型奨学金と呼ばれ多くの学生は日本学生支援機構を通して奨学金を受けています。
具体的には、下の第1種奨学金と第2種奨学金、入学時特別増額貸与奨学金の3つが貸与型奨学金に該当します。
一方、「貰う」奨学金は給付型奨学金と呼ばれ、民間企業などの公益財団法人や所属する大学からも受けることができます。
実際に貸与型奨学金と給付型奨学金とではどういった違いがあるのかを細かくみていきます。
第1種奨学金
これは利息が付かないタイプの奨学金です。
支給金額は、3万円から6万4000円までで受給者の通う大学の種別や居住地の種別(自宅通学よりも自宅外通学の方が高めに支給額が設定されます)、によって金額は異なります。
無利息ということもあって人気が高く、成績状況などによる選抜制になることも多いので注意が必要です。
私立大学に通学する学生の場合は、第1種奨学金だけでは十分な金額に満たない場合もあるので、そうした場合は他の奨学金との併用を考えなければなりません。
第2種奨学金
こちらは返済の際に利息が上乗せされるタイプの奨学金です。
こちらは大学の種別や通学方法にかかわらず、月額3万円、5万円、8万円、10万円、12万円のいずれかから貸与額を選択することが可能です。
こちらは第1種奨学金とは異なり、成績等による選抜はないので収入面での条件をクリアしていれば受給できるものとなっています。
利率の上限は年3%に定められており、在学中には利息が発生しません。
受給条件が厳しくないことから、奨学金を受ける大学生の多くはこの第2種奨学金を利用しています。
入学時特別増額貸与奨学金
あまり聞きなれない奨学金かもしれませんが、これは1回きりで、入学(留学)月の奨学金に選択した額を増額するという奨学金です。
金額は10万円、20万円、30万円、40万円、50万円のいずれかで、大学生活のスタートアップ費用としての利用が考えられます。
給付型奨学金
先ほどまでの貸与型奨学金とは異なり、こちらは「返さなくて良い」奨学金になります。
主な給付元としては民間の公益財団法人や各大学独自の奨学金などに分けられます。
民間の例としては、公益財団法人電通育英会は大学生に対して月6万円、大学院生に対しては月8万円を支給しています。
こうした民間からの奨学金は、高校3年時に在籍する高校へ一定数枠が与えられた上での選考を突破すなければならないので、かなり早い段階での下調べや準備が必要となってきます。
また大学からの給付型奨学金の例としては、慶應義塾大学の学問のすゝめ奨学金や、早稲田大学の都の西北奨学金などがあります。
学問のすゝめ奨学金は医学部:年額90万円、薬学部薬学科:年額80万円、その他の学部 :年額60万円となっており、都の西北奨学金は半期(春学期)分授業料相当額となっています。
私立大学は一般的に国立大学よりも学費が高くなりがちですが、こうした仕組みをうまく利用すると国立大学に通うのとそれほど変わらない負担に抑えることができるので、利用できる仕組みがないかぜひチェックしてみましょう!
まとめ
大学生の奨学金事情を紹介してきました。
奨学金というと聞こえは良いですが、大きく捉えると「借金」という扱いにもなるので貸与型奨学金を受ける際にはしっかりと見通しを持った計画が必要となります。
せっかく自分のやりたいことを学ぶために大学に通っているのに、卒業後には奨学金のせいでやりたいことができない、なんてことになってしまうと本末転倒です。
「卒業後に本当に返済できるのか」、「そもそも奨学金を借りる必要はあるのか」、「奨学金以外に解決策はないかどうか」などをしっかと踏まえた上で、奨学金には手を出すようにしましょう!
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