離婚が決まったら、やることはたくさんありますよね。
その中でも絶対に忘れてはいけないのは健康保険証の扱いと、今後の健康保険に関する手続きです。婚姻時に夫の扶養に入っていた場合、保険証を返却して新たに国民健康保険に加入する必要があります。
今回は、離婚後に処理しておかなくてはならない保険証の返却と、健康保険の加入方法について解説します。
また、離婚により家計が苦しいという方もたくさんいらっしゃると思いますので、国民健康保険の減額免除についてもまとめました。
生活に少しでも余裕を出すためにも、是非、併せてご覧ください。
POINT!
- 離婚後の保険証の扱い
- 離婚後の国民健康保険の加入方法
- 国民健康保険料の負担が重い時の対処法
離婚後の健康保険証の取り扱い
保険証を会社に返却する
離婚したら、元夫を通じて、保険証を会社に返却する必要があります。
そうして保険証を返却したら、今度は会社から資格喪失証明書をもらわなければなりません。
資格喪失証明書とは?
資格喪失証明書は正式名称を健康保険資格喪失証明書といい、元夫を通して会社に保険証を返却した後、会社に依頼して発行してもらうものになります。
資格喪失証明書がないと、ほとんど離婚後の手続きができないので、必ず手に入れる必要があります。
しかし、資格喪失証明書がすんなり手に入らないこともあります。
資格喪失証明書が手に入らない場合は?
元夫が世間体を気にして、会社に離婚したことを黙っていたり、心情的に資格喪失証明書の発行を無視することも、考えられます。
そうした場合は以下のような対策をとりましょう。
- 第三者を間に挟む。
離婚に際して、お互いネガティブな感情を持ってしまい、冷静な話し合いができなくなることは珍しい話ではありません。
しかし、それで資格喪失証明書を発行してもらえないのは、元奥さんにとっては、死活問題ですので、そうなったら間に第三者を入れることも検討しましょう。
第三者というとわかりずらいですが、身近なところだと、家族や共通の友人、また、離婚協議に詳しい弁護士に頼むのも手でしょう。
- 元夫の会社に直接連絡する。
相手方に依頼しても発行してもらえない場合、会社に直接連絡するという方法もあります。
会社は会社の保険の被保険者や、被扶養者に変化があった場合、5日以内に保険者に対して申告、届出をする義務が課せられています。
しかし、離婚にあたって、資格喪失証明書の発行は会社の義務ではありません。
また、小さな企業ですと、担当者がおらずに、なかなかすんなりいかないこともあるので、注意しましょう。
- 役所に相談する。
上の2つの手段が取れない場合は、最終手段として、お住まいの地方自治体に直接相談するという方法もあります。
役所に言ったその場で、役所の人が会社に離婚に関して、保険の資格を失ったかどうか、確認の電話をかけることが多いそうです。
したがって、会社に対応できる人がいれば、短い時間で終わりますが、担当者がいない場合は、別の日に出直さなければなりません。
離婚後の保険加入の流れ
日本は国民全員が保険に入る必要がある国民皆保険の国です。
離婚して、健康保険の資格を失った場合には、失った日から14日以内に新たに国民健康保険に加入するか、勤め先がある場合は、会社の社会保険に加入する必要があります。
ここでは、
- 扶養から外れて国保に加入する場合
- 元々国保に加入していた場合
- 勤め先の社会保険に加入する場合
- 両親の扶養に入る場合
の4パターンで加入の流れをご説明します。
離婚により扶養から外れ、国民健康保険に加入する場合
離婚により元夫の扶養から外れて、国民健康保険に加入する場合は、14日以内に役所に行って加入の手続きをしましょう。
その時には、役所で聞いてみるか、ネット上にあるページで保険料を簡易計算してみましょう。
国民健康保険は思ったより額が高いことが多く、離婚後の家計を考えるうえで知っておかなければならない項目の一つです。
離婚により扶養から外れたとき、役所で国民健康保険に加入する際に、必要なものは以下の通りです。
- 資格喪失証明書
- 通帳・届出印(口座振替をする場合)
- 運転免許証などの本人確認書類
- マイナンバーカードまたはマイナンバー通知カード
もともと国民健康保険に加入していて、継続する場合
では、もともと国民健康保険に加入していて、それを離婚後も継続する場合は、世帯主の変更の手続きを行います。
離婚によって、元夫から自分に世帯主が変更し、子どもがいる場合は被保険者として入れます。
では、離婚後に引っ越しをする場合はどうするかというと、少々手間がかかる作業になります。
住んでいた地方自治体の役所で、一度健康保険の脱退の手続きをしたうえで、今度は引っ越し先の地方自治体の役所に行って、一から加入の手続きをしなければなりません。
世帯主の変更に必要な書類は以下の通りです。
- 運転免許証などの本人確認書類
- 世帯全員の国民健康保険の保険証
- 印鑑
務めている会社の社会保険に加入する場合
離婚により、もともと勤めていた会社の社会保険に入る場合、手続きは簡単です。
務めている会社の社会保険に入るときは、会社に申告するだけで完了です。
両親の扶養に入る場合
離婚後、今後の方針が決まるまで両親の扶養に入ることもあると思います。
その場合は、両親の会社で保険の手続きを行ってもらいます。
ただし扶養に入る条件として、親と同居していること、本人の年収が130万円以下などがあります。
たとえ同居をしていなくても扶養として認められることもありますが、親からの援助を受けているという証拠が必要です。
国民健康保険の加入が間に合わない場合
離婚直後は何かとバタバタすることも考えられます。
離婚して、保険に加入する前に、病院に行かなければならなくなった際にはどうすれば良いのでしょうか?
結論から言いますと、後々資格喪失証明書を取得し、保険に加入すれば、払った医療費の7割が帰ってきます。
逆に言うと、離婚後、保険に入って保険証を手に入れるまでは、医療費は一度、自腹で全額出さなければいけないということです。
そのあと、お住いの地方自治体の役所で医療費の還付手続きをする必要があります。
離婚後の忙しい時期に役所に行くのは大変だと思うので、保険への再加入はできるだけ早めに済ませてしまうことをお勧めします。
国民健康保険料の支払いが難しい時は?
離婚して、以前よりも生活が苦しくなるという人も多いと思います。ここでは、国民健康保険料の減額・免除制度についてご説明します。
国民健康保険料は免除・減額できる場合がある
離婚後の家庭に重くのしかかる国民健康保険料ですが、場合によっては免除や減額ができる場合があるんです。
減額や免除には以下の3種類があります。
- 減額:2割・5割・7割など免除される。所得に応じて自動で適用され、申請は不要。
- 減免:一定の割合が免除される。申請が必要。
- 全額免除:災害や病気の際に、認められれば全額が免除される。申請が必要。
お住まいの地方自治体によって詳細は異なるので、一度役所に相談に行くことをお勧めします。
国民健康保険料の滞納はやめたほうが良い
国民健康保険料が払えないからといって、滞納して待っている人は全国にたくさんいるようです。
しかし、保険料を滞納することは、大きなリスクが伴うのでお勧めできません。
保険料を滞納していると、差し押さえをされてしまいます。
差し押さえとは、強制的に口座や資産などお金になりそうなものを拘束し、料金の取り立てを行えるようにすることです。
差し押さえされてしまうと、社会生活もままならなくなるので、滞納するぐらいだったら、役所に相談に行ったほうが断然いいでしょう。
今回は離婚に際しての、保険証の取り扱いと健康保険への加入方法をまとめました。
そして、年々上がっている健康保険料の減額や免除についても解説しました。
減額や免除が認められるかは、それぞれの自治体で異なるので、少しでも心にゆとりを持たせるためにも、お住まいの地方自治体に相談してみることをお勧めします。
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