育休中に退職した場合、育児手当の返金は必要?

子供を持ち上げる女性

妊娠がわかり、幸せな気持ちに包まれながらも、今後の仕事についての悩みも抱えるのは出産を経験された女性みなさんが通る道です。

子育てと仕事を両立したいと思いつつも、実際に育児を経験すると、思っていたよりも大変で「仕事に復帰できるのだろうか」「前職の働き方だと、両立は難しいのではないか」等と不安に感じる方も多くいらっしゃいます。

そんな中、育休期間中に今の会社を退職するという選択肢が出てくる方もいるのではないでしょうか。

今回は、育休期間中に退職した場合に、貰っていた手当や免除されていた社会保険料の納付がどうなるのか解説していきます。

ぜひ本記事を参考にして、ご自身にとってもご家庭にとってもベストな選択をしてくださいね。

育児手当は返金義務がある?社会保険料は遡って支払うべき?

育児手当

育休中に退職した場合でも、育休手当の返済は不要です

しかし、育休は、職場復帰を前提として受給される手当ですので、育休申請時点で1年以内に退職することが決まっている人は、そもそも育児手当を受け取ることができません。

社会保険料

産休・育休期間中は社会保険料が免除されています。休業中に退職した場合にも、過去の分の社会保険料を遡って支払う必要はありません。

産休を終了した時点で免除対象外になってしまいますが、経済的な理由で保険料の納付が難しくなった場合には、保険料免除制度が存在します。

退職した場合には、社会保険の任意継続、国保、被扶養者の3つから選択することが可能です。

会社都合(リストラ・倒産等)で退職した場合は?【補足】

育休中に会社都合で止むを得ずに退職した場合も、育休手当の返金は不要です。

なお、手当金の支給は退職する日を含む一つ前の単位期間までです。単位期間の最後の日に退職となった場合はその期間も含まれます。

産休や育休は会社に復帰することが前提となっている制度ではありますが、もし仮に退職することになっても、原則として金銭的なペナルティは発生しません。

育休中に退職するママの理由

①仕事と家事・育児の両立が難しい

やはり、仕事と子育てを両立するのは難しいですよね。

仕事内容によっては、毎日定時に上がることができない方もいらっしゃると思います。

また、出産前には、仕事と家事・育児の両立ができるのではないかと考えていた方でも、いざ始めて見ると両立することの難しさを感じるのではないでしょうか。

このように、出産後、育休中に仕事と家事・育児の両立の大変さに気づき、退職を検討する方は少なくないようです。

しかし、育休は会社に復帰することが前提となっているため、会社に対して理由をストレートに伝えることは避けた方が無難でしょう。

②子供が保育園に入園できない

また、ママが育休中に退職する理由としては、子供が保育園に入園できないといったことがあるようです。

これはやむを得ない理由ですので、会社に正直に理由を伝えても良いでしょう。

現在は、待機児童が非常に増えており、「認可保育園」に入園することができないケースが多発しています。

そのため、子供が保育園に入園できないために退職せざるを得ない場合には、退職後に会社の上司や同僚と今後の関係が悪くなることは考えづらいでしょう。

③育休手当をもらってから辞めたい

正直なところ、大半の方は育休手当をもらって辞めたいと思われるのではないでしょうか。

しかし、育休や育休手当はその後の会社への復帰が前提となっているため、会社の人によく思われない可能性も十分にあります。

また、その後に社内で出産をする人が育休を取得しづらくなってしまうかもしれません。法律面では問題はありませんが、まずは復帰する方法を探すようにしましょう。

育休中に退職すると保育園への入園は難しい?

様々な理由から、育休中に退職・転職する方は少なからずいらっしゃると思います。

保育園入園前に退職をした場合、保育園への入園が難しくなってしまいます。

認可保育園への申し込みの段階では、共働きの母親が育休明けのフルタイム勤務だと点数が高くなりますが、退職となると「求職中」で申し込むことになり、点数が非常に低くなってしまいます。

もし入園申し込みの時点で転職活動が成功し、内定を獲得している場合には、休職中よりも点数は高くなり可能性は上がります。

また、育休明けの職場復帰を前提に入園をした方は、復帰期限を指定されているケースが多いと思います。

入園ができても当初の予定通り、復職をしないのであれば入園が取り消しされる可能性もあります。具体的な条件はお住まいの地域によって異なりますので、お近くの役所に相談してみてください。

退職の旨はいつ会社へ伝えるべき?

育休中もしくは育休後に退職する場合には、職場に迷惑がかからないタイミングをみて退職日を決めましょう。早めに退職意思を伝え、仕事を引き継いでから退職するのがベストです。

しかし、育休中に退職することを決定した場合、引き継ぎをすることはできません。このような場合には、対面で直接上司に退職する旨を伝えましょう。

上司が忙しく連絡がつかない場合には、電話やメールで退職する旨を伝えても構いません。

育休は会社復帰を前提に取得しているものであり、育休中には他の社員があなたの仕事を受け持っていることを忘れないようにしましょう。

なお、金銭面で考えると、育休中に退職するよりも育休取得後に退職した方が有利です。

子どもの1歳の誕生日の前々日までの育児休業中に会社から給与が出ない場合は、「育児休業給付金」(非課税)が雇用保険から支給されます。育休手当の給付期間は、産後休業の翌日から子どもの1歳の誕生日の前々日までであり、さらに、育休は子供が1歳6ヶ月になるまで最大延長可能です。

そのため、育休手当と育休を最大限取得してから退職するのが最も有利といえるでしょう。

しかし、そもそも育休や育休手当は会社への復帰が前提となっていますので、マナーや上司や同僚への感謝を忘れないようにしましょう。今後の関係性を悪化させないためにも、失礼のないように円満退職することを心がけてください。

家庭と仕事、自分の価値観を大事にして方針を決めましょう

今回は、産休中・育休中の退職に際して、手当や保険などがどのように変化するのかを見てきました。

もともとは職場復帰して子育てと両立するつもりだったけれど、子供と離れたくない、自分の体調が万全ではないなど、不測の事態が起きてしまうのが、出産や子育てだと思います。

仕事、家庭、自分についてが全て上手く行くよう、納得のいく決断をしてくださいね。また、退職をする場合は、会社にも少なからず迷惑がかかってしまいますので、しっかりと話し合いをした上で、円満退職を目指してください。

またお子さんが生まれた後の生活費や必要な貯金額を知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

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