信用取引って何?仕組みや特徴、リスクをわかりやすく解説!

 

皆さんは信用取引にどういうイメージをお持ちですか?

信用取引という言葉を知っている人は、リスクが高くて怖いものというイメージを持っているでしょう。

信用取引はしばしば包丁に例えられます。

包丁は料理をする際の必需品ですが、使い方を誤るとケガをしてしまいます。

これと同じで、信用取引について論じるときには、信用取引という取引自体が孕むリスクに目を向けるのではなく、どういう利用の仕方をしたらどういうリスクが生じうるのかを考えるべきです。

そこで、今回は信用取引についてよく知らない人にも分かるように、信用取引の仕組み、特徴、リスクなど信用取引の大まかな概要について説明します。

 

 

 

そもそも信用取引って何?仕組みや特徴は?

 

信用取引とは証券会社から借りた現金や株式を使って、それを元手に株式を売買する取引のことです。

信用取引は以下の2種類に分かれます。

株式を購入する(信用買い・買い建て)

信用買いとは、証券会社から借りた現金を使って手元資金を増やして行う取引のことです。

 

証券会社から融資を受けるには、委託保証金というものを証券会社に預ける必要があります

 

この委託保証金の最低率は約定代金(注文が執行された時の金額)の33%ほどであることが多く、この場合には手持ち資金の約3倍まで株式を購入することができます(レバレッジ効果)。

 

委託保証金については下で詳しく説明します。

株式を売却する(信用売り・売り建て・空売り)

これは空売りと一般的に言われ、証券会社から借りた株式を一度売却して、再び買い戻すことによって利益を得る方法です。

 

例えば、Aさんが証券会社からB社の株を100株借りて、株式市場で売ったとします。

 

売却時のB社の株価が3000円の場合には、Aさんは3000円×100株=30万円を手に入れることができます。

 

しかし、借りた株式は返す必要があるので、もう一度買い戻さなくてはいけません。

 

そこで、AさんがB社の株価が2000円の時に買い戻したとしたら、2000円×100株=20万円必要になります。

 

この売却時と買い戻し時に生じる差、具体的には30万円ー20万円=10万円がAさんの利益になります。(手数料などは考慮しておりません。)

 

上の例からも分かるように、信用売り(空売り)は株価が下がった時に利益をあげられる仕組みになっているのです。

 

空売りを利用することで、通常の売買では利益をあげられない、株式市場の相場が下落気味の時にでも利益をあげることができるのです。

 

信用取引の種類と基本用語を説明!

 

信用取引には、「一般信用取引」と「制度信用取引」の2種類があります

下でその違いを説明します。

信用取引の2つの種類

一般信用取引

一般信用取引とは、投資家と証券会社の間で結ぶ取引のことで、投資家は証券会社から借りた資金に金利を上乗せして返済する必要があります。

 

一般的に、一般信用取引には返済期限がありません

 

制度信用取引

制度信用取引とは、証券取引所が定めた制度信用取引選定基準を満たした銘柄のみを対象として行われる信用取引のことです。

 

制度信用取引の返済期限は6ヶ月と定められています。

 

選定基準の厳しさによって対象銘柄には信頼性があるので、一般信用取引よりも貸し出し金利が1%ほど低めに設定されています。

 

例えば、DMM.com証券では、信用買いの制度信用取引の金利は2.10%であるのに対して、一般信用取引の金利は3.09%となっています。

 

信用取引の基本用語をわかりやすく解説!

委託保証金

委託保証金とは、新規に信用買い、信用売りを行うたびに、証券会社に担保として預ける必要がある現金や株式のことです。

 

委託保証金の額は30万円以上、割合は信用取引の約定金額の30%以上と法令で定められています。

 

追証

追証(おいしょう)とは最低委託保証金維持率(約定代金に対する委託保証金の最低限の割合)を下回った場合に証券会社に差し出す必要がある追加委託保証金のことです。

 

ややこしいのは、上で紹介した「委託保証金の割合(30%以上)」は信用取引の最初に必要な割合であり、最低委託保証金維持率とは異なることです。

 

一般的には、前者よりも最低委託保証金維持率のほうが低くなっています。

 

一度追証が必要になった場合には、委託保証金維持率が再度回復した場合でも、支払う必要があります。

 

買い残・売り残

買い残とは、信用取引において、信用買いをされたけれど決済されずに残っている株数のことをいいます。

 

逆に、信用売りによって売られたけれど、決済されていない残高(株数)のことを売り残といいます。

 

建玉

建玉(たてぎょく)とは、信用取引の約定後に売買がされずに残っている未決済契約の総数のことです。

 

信用買いで約定後に返済されずに残っている株を買い建玉、それが信用売りの場合には売り建玉といいます。

 

信用取引は危険?投資初心者が注意するべき点は?

 

信用取引のリスクは?

空売り(信用売り)の損失は無限大になりうる

信用取引には「買いは家まで売りは命まで」という格言があります。

 

この言葉は信用買いよりも信用売り(空売り)の方がハイリスクであり危険であるということを示しています。

 

500円で2万株(1000万円分)を信用買いしたA株が倒産をした場合の損失は、最悪の場合でも1000万円です。(実際には倒産した場合でも株価がゼロになることはないので、1000万円の損失にはなりません。)

 

つまり、最悪のケースでも価値がゼロになるだけですみます。

 

しかし、500円で2万株(1000万円分)を信用買い(空売り)したA社の株価が2000円まで上昇した場合には、損失は(500円ー2000円)×2万株=3000万円となります。

 

1000万円分の投資で投資資金以上の損失が生じうる空売りが怖いものだと分かっていただけたでしょうか?

 

利益だけでなく損失もレバレッジの倍率だけ膨れ上がる

当然なのですが、レバレッジ効果を利用した場合、利益はレバレッジの倍率だけ生じますが、損失も同じ倍率だけ生じます

 

ですので、これも現物取引と比べた場合、大きなリスクとなります。

信用取引を行う時の注意点

信用二階建て投資をしない

信用取引の二階建て取引とは、同じ銘柄を現物取引と信用取引の両方で買うことです。

 

信用二階建て投資を行うことによって、現物のみ(レバレッジ1倍)、または信用取引のみ(レバレッジ約3倍)よりもレバレッジを増やすことができます。

 

しかし、信用二階建て取引を行うことによって、株価が下落した場合には、現物株と信用取引の建玉の損失は片方だけの取引の場合に比べても大きくなり、また、最低委託保証金維持率を下回って追証が発生しやすくなるなどのリスクがあります。

 

損切り(ロスカット)の際のルールを決めておく

これは現物取引の場合にも言えることですが、レバレッジ効果により損失も大きくなる信用取引では特に、どこまで損失が拡大したら損切り(ロスカット)するかを銘柄購入前から決めておく必要があります。

 

また、信用取引で損失が拡大すると強制ロスカットされることがあるので、株価が下落したときには塩漬け(売るに売れないから保有する)ことを考えている方には信用取引はお勧めできません。

 

空売りはリスクが大

これは上のリスクの内容と被りますが、信用買いとは違って空売りの損失は青天井です。

 

特に初心者の方は、信用取引をする場合でも信用売り(空売り)には十分注意する必要があります。

 

信用取引を始めるにあたって準備するべきことは?

ドルの札束

信用取引専用の口座開設が必要

信用取引を行うには、現物取引の口座(総合取引口座)とは別に信用取引専用の口座が必要です。

 

また、信用取引専用の口座は、同じ証券会社の総合取引口座を持っていないと作れないのにも注意が必要です。

 

口座開設には簡単な審査があり、項目は年齢、資産、投資経験、信用取引に対する理解度合いなどです。

審査はインターネットか店頭で行います。

 

担保となるお金が必要

信用取引を始めるには、担保を用意する必要があります。建玉の売買価額に対して、最低でも30万円以上かつ30%以上の委託保証金を口座に入金しなければいけません。

 

法令上の最低委託保証金率は30%ですが、各証券会社によって定めている最低委託保証金率は異なります。

 

おわりに

都会の風景

この記事を読んで信用取引についての理解は深まったでしょうか?

 

信用取引はリスクが高いものなので、初心者の方は株式投資に慣れてくるまではやらないことをお勧めします。

 

また、信用取引をする際には、上述した注意点を意識するようにしましょう。