株式投資をされている投資家の方々へ、2019年にIPO(新規公開株・新規上場株式)が予測されている企業10社をご紹介します。
毎年、IPO上場の予測は、雑誌や新聞、ニュース等で取りざたされていますが、今回は、上場観測が出ている企業の中でも特に有望と期待されている会社を厳選しています。
2018年は、ソフトバンクが国内最大の株式上場を遂げ、更に、ユニコーン企業の代表格、メルカリも新規上場を果たしました。
2019年は、どのような新規上場企業が登場するでしょうか。
これまでIPO投資をしてきた方も、これからIPO株を買おうと考えている方もぜひチェックしてみてください。
2019年にIPO(新規上場)予測されている企業!【前半】
①Inagora株式会社
- 設立年 2014年
- 本社 東京都港区
- 代表者名 オウエイヒョウ
- 資本金 1.8億円
- 売上高 非公開
- 営業利益 非公開
- 従業員数 340人(中国国内含む)
Inagoraの事業内容
Inagora(インアゴーラ)は日本企業が中国を中心とする海外で商品やサービスを売るための越境ECアプリ(ワンドウ)の運営、海外展開に伴う海外マーケティング、物流などを手がける企業です。
ワンドウは、中国の25~35歳の富裕層の女性を主要ターゲットとし、日本の化粧品や美容品を中心として約2000アイテムを取り扱っています。
2014年の創業以来、伊藤忠商事、KDDIなどの有名企業から資金調達額が累計132億円に達するなど、注目のスタートアップ企業です。
2016年には、中国最大のインターネットサービス会社であるアリババグループが運営する「タオバオグローバル」との提携を発表し、中国市場へのさらなる進出を目指しています。
②Sansan株式会社
- 設立年 2007年
- 本社 東京都渋谷区
- 代表者名 寺田 親弘
- 資本金 31億6000万円
- 売上高 73億1800万円(前年同期比51%増)(2018年5月期)
- 営業利益 マイナス30億600万円(前年同期比358%増)(同時期)
- 従業員数 400人
Sansanの事業内容
CMでもお馴染み、名刺管理のSansanも2019年のIPOが噂されています。
Sansanは「名刺を企業の資産に変える」をキャッチコピーとし、法人向け名刺管理サービスで業界シェア81%の「Sansan」と個人向け名刺管理アプリの「Eight」を展開しています。
Sansan社は営業利益のマイナスが前年同期比358%増、また、直近の3期連続で純利益でマイナスを出すなど経営状況は非常に悪いです。
③株式会社ビズリーチ
- 設立年 2009年
- 本社 東京都渋谷区
- 代表者名 南壮一郎
- 資本金 41億円
- 売上高 155.6億円(2018年7月期)
- 営業利益 6.9億円(同時期)
- 従業員数 1069人
ビズリーチの事業内容
ハイクラス人材に特化した転職サイト「ビズリーチ」を中心に、求人検索エンジン「スタンバイ」、20代向けの転職サイト「キャリトレ」、OB/OG訪問サービス「ビズリーチ・キャンパス」等複数の人材サービスを運営しています。
2016年に37.3億円の資金調達をしたのは、記憶にも新しいかと思います。
2018年からは事業譲渡を希望する中小企業と買い手の仲介をするサイトの運営を始め、M&A分野にも進出を始めました。
2018年7月期の決算公告を見ると、販売費および一般管理費が約130億円あることから、積極的なPR活動を行っていることがわかります。
④株式会社マイナビ
- 設立年 1973年
- 本社 東京都千代田区
- 代表者名 中川信行
- 資本金 21億210万円
- 売上高 1745億円(2018年9月期)
- 営業利益 364億2110万5千円(同時期)
- 従業員数 9400人(2018年6月時点)
マイナビの事業内容
言わずとしれた、リクルートと並ぶ、就職情報サイトの2大巨頭。新卒学生向けの就職情報サイト「マイナビ」や転職求人サイト「マイナビ転職」等の求人サイトを中心に、人材紹介事業や人材派遣事業、人材育成事業など人材領域で幅広いサービスを展開しています。
マイナビというと、人材というイメージが強いと思いますが、実は、マイナビトラベル、マイナビ賃貸、マイナビウエディング等、旅行・住まい・結婚などライフスタイルに根ざした事業を次々とリリースしています。
新卒向けの就職情報提供では、リクルートのリクナビに次ぐ二番手。売上高は2017年同時期の1212億円から約44%増の1745億円、営業利益では約100%増の364億円になっています。
売上高は2011年の304億円から増え続けており、営業利益も確認の取れる2013年の52.75億円からは増え続けており、上場していないのが不思議と思えるくらい業績は良いです。
また、企業規模から考えて、上場するなら東証一部ではないかとも言われています。
⑤株式会社ワークスアプリケーションズ
- 設立年 1996年
- 本社 東京都港区
- 代表者名 牧野正幸
- 資本金 114億9118万6175円
- 売上高 452億円(2018年6月期)(前年同期比1割減)
- 営業利益 マイナス98億9700万円(同時期)
- 従業員数 6889人(連結)(2018年6月時点)
ワークスアプリケーションズの事業内容
株式会社ワークスアプリケーションズは、ERP(企業経営の基本となる資源を適切に分配し有効活用することを可能にするシステム)の分野で8年連続シェア1位を誇るソフトウェアメーカーです。
現在、AI(人工知能)を活用した「HUE」、「COMPANY」というパッケージソフトを提供しています。
2001年にジャスダック上場を果たしていますが、11年にMBO(経営陣による買収)により上場廃止になりました。
2018年6月期に100億円の資金調達に成功しており資金面での不安はないですが、同時期には営業利益マイナス99億円、純利益でマイナス180億円(前年はマイナス29億円)などと経営状況には不安が残ります。
また、2019年1月16日付の記事で、ワークスアプリ筆頭株主が経営権売却へというものもあり、経営状況の悪化から今後3年間で人員を3割減らす方針を固めたそうです。
2019年にIPO(新規上場)予測されている企業!【後半】
⑥株式会社ブシロード
- 設立年 2007年
- 本社 東京都中野区
- 代表者名 橋本義賢
- 資本金 9億2981万5887円
- 売上高 137億4252万円(2018年7月期中間)(前年比130.3%)
- 営業利益 不明
- 従業員数 295名(2018年8月1日時点)
ブシロードの事業内容
株式会社ブシロードは、「カードファイト!! ヴァンガード」「フィーチャーカード バディファイト」「ヴァイスシュヴァルツ」「ラブライブ!スクールアイドルコレクション」といったトレーディングカードゲームを提供している会社です。
他にも、カードゲームを基軸に、スマートフォン向けゲーム開発、ライブエンターテイメント事業、オンラインショップ事業など多角展開を進めています。
2016年9月には、ゲーム会社大手であるGREEとスマートフォン向けゲームアプリの共同開発で資本業務提携を結ぶことを発表しました。
これに伴い、GREEは約20億円(当時の出資比率10%強)をブシロードに出資しました。
⑦freee株式会社
- 設立年 2012年
- 本社 東京都品川区
- 代表者名 佐々木大輔
- 資本金 161億603万円
- 売上高 不明
- 営業利益 不明
- 従業員数 505人(2019年1月1日現在)
freeeの事業内容
freee株式会社は、会計ソフト「会計freee」をはじめ、給与計算から労務管理までを行う「人事労務freee」、確定申告と経理用の「申告freee」などを提供している会計ソフトシェアNo,1のFinTech(金融×IT)企業です。
freeeは損益計算書は開示しておりませんが、貸借対照表より損益が赤字であることが確認できます。
同じく、FinTech企業で競合の一つであるMoneyForward(マネーフォワード)が2017年9月に東証マザーズ上場したことを受けて、同じFintech企業として2019年の新規上場の期待が高まっています。
しかし、freee代表の佐々木大輔氏は「今は未上場でも資金や人が集まるため上場を焦ってはいない」と日経新聞でコメントしています。
⑧株式会社ミスターフュージョン
- 設立年 2009年
- 本社 東京都港区
- 代表者名 石嶋洋平
- 資本金 1億4500万円
- 売上高 20億9821万円(2017年11月期)
- 営業利益 不明
- 従業員数 76名
ミスターフュージョンの事業内容
ミスターフュージョンは、WEBコンサルティング・インターネット広告運用代行などのWEBマーケティング事業、及び子供向け・大人向けプログラミング教室「プロスタキッズ」を展開する教育事業を行なっている会社です。
WEBマーケティング領域では、未上場企業で唯一「Google Premier Partner Awards」で最優秀賞を受賞する等の実績を上げています。
売上は創業以来順調に伸び続けていて、2016年から2017年の間では過去最大の増加を見せています。
ミスターフュージョンのIPOに関しては、メディアの観測による報道ではなく自ら発表していることであるので、IPOの可能性は非常に高いと思われます。
⑨青木フルーツホールディングス株式会社
- 設立年 1924年
- 代表者名 青木信博
- 本社 福島県郡山市
- 資本金 4500万円
- 売上高 80億円(2018年2月期見込み)
- 営業利益 不明
- 従業員数 2394人(2018年1月時点)
青木フルーツホールディングスの事業内容
青木フルーツホールディングスは、フルーツ販売の「フルーツショップ青木」、フルーツバー事業の「果汁工房 果琳」「フルーツバーAOKI」、フルーツタルト&カフェ事業の「フルーツピークス」を展開する会社です。
2016年5月、同社代表の青木氏は「海外に出るときには日本で信用を持っていることが重要だ」と言い、国際展開を見据えながら2018年度までに株式上場する方針を示したが、実際には2018年度中の上場はありませんでした。
2018年にはタイに現地法人を設立し、タイでジュースバーを開業するなど海外進出に乗り出しました。
2019年にも引き続きIPOの期待が持たれている企業です。
⑩株式会社ストライプインターナショナル
- 設立年 1995年
- 本社 岡山県岡山市
- 代表者名 石川康晴
- 資本金 1億円
- 売上高 919億7200万円(2018年1月期)
- 営業利益 マイナス15億900万円(同時期)
- 社員数 3437人(2018年1月末時点)
ストライプインターナショナルの事業内容
ストライプインターナショナルは、「earth music&ecology」「AMERICAN HOLIC」「koe」「Green Parks」等のブランドを中心とした、カジュアル衣料品の製造・販売を行う会社です。
近年では、M&Aによる食・住分野への進出、ベトナム進出などのエリア拡大により店舗増を図っています。
2018年には、ソフトバンクと合同で会社を設立し、大人向けのECデパート「STRIPE DEPARTMENT」を始めました。
M&Aも積極的に進めており、今年の新規上場も期待されています。
おわりに
今回はIPO(新規上場)が噂されている10社について紹介しました。
2019年にはこの中から実際に上場する企業は出てくるのでしょうか。
なお、IPO株は抽選で当選した人のみが保有でき、抽選は自分が持っているそれぞれの証券会社で受けられるというルールになっています。
IPO株の購入を考えている方は、証券口座を多く保有しておくのがおすすめです。
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