最近では時短勤務や在宅ワークの推奨など、女性が働き続けやすい環境が各社で整えられてきていますよね。
こうした背景もあり、共働きの家庭は年々増加傾向にあります。
そこで今回は、共働きの家庭に焦点を当てて年金の受給金額が一体いくらくらいになるのかを見ていきたいと思います!
また、合わせて平均的な共働き家庭の収入や貯金額などもご紹介していきます!
共働き夫婦の年金支給額はいくら?正社員・派遣社員・パート比較
ここでは、夫が生涯を通じて平均した時の年収が600万円であり、22歳から60歳まで勤務したと仮定した上で、妻の働き方によって年金の受給額がどのくらい変わるのかを検証していきます!
妻が正社員で年収が600万円のケース
まずは、妻も夫と同様に正社員として勤務し、生涯平均で600万円の収入を得ていたというケースを考えていきます。
このケースでは、夫の年金受給金額は年間で203万円、妻の年金受給額も同様に年間で203万円となります。
夫婦合わせての年間の年金受給金額は406万円となるので、1ヶ月あたりの夫婦での受給金額はおよそ33万8000円となります。
共働きかつお互いに十分な収入があれば、年金だけでもかなりの金額を受け取ることができるようです。
妻が派遣社員で年収が300万円のケース
続いて、妻が派遣社員として働いていおり、生涯を通じて平均した時の年収が300万円であると仮定しましょう。
このケースでは、夫の年金受給金額は年間で203万円、妻の年金受給額は年間で140.5万円となります。
夫婦合わせての年間の年金受給金額は343.5万円となるので、1ヶ月あたりの夫婦での受給金額は約28万6000円となります。
妻がパートで年収が100万円のケース
続いて、妻がパートとして働いていおり、生涯を通じて平均した時の年収が100万円であると仮定しましょう。
このケースでは、夫の年金受給金額は年間で203万円、妻の年金受給額は年間で78万円となります。 夫婦合わせての年間の年金受給金額は281万円となるので、1ヶ月あたりの夫婦での受給金額は約23万4000円となります。
このケースでは、上の二つとは異なり妻は夫の扶養に入っている状態となります。
この場合には、妻自身は保険料の負担の義務を負っていないという特徴があります。
これは加入者の種別の違いによるものです。
共働きかつ、妻の年収が130万円以上の場合には第2号被保険者となり、自ら保険料を納める必要があります。
しかし、夫の扶養家族である場合には第3号被保険者となるため、自分で保険料を納める必要はありません。
共働き夫婦の平均収入は合わせてどのくらい?平均貯金額はいくら?
共働き世帯の平均収入は約600万円!
総務省が実施した、平成29年度の家計調査報告書(家計収支編)によれば共働き世帯の全世代平均での年間収入額は608,491円となっており、そのうち可処分所得は、497,037円となっています。
ですから、先ほどの年金の支給額の算出では二番目のケースくらいのイメージが、日本の平均的な世帯の金額になりそうですね。
また合わせて、世代別で細かく共働き世帯の収入を見ていきます。
- 29歳以下:432万4272円(1ヶ月あたりの収入:36万256円)
- 30~39歳:559万8024円(1ヶ月あたりの収入:46万6502円)
- 40~49歳:647万9040円(1ヶ月あたりの収入:53万9920円)
- 50~59歳:713万7432円(1ヶ月あたりの収入:59万4786円)
ちょうど30代から40代に差し掛かる段階あたりで平均の世帯収入である600万円を超えます。
共働き夫婦の貯金額はいくらが妥当?年齢や家族構成別にご紹介
ここでは、共働き世帯の平均貯蓄額を世帯年齢や世帯の構成ごとにご紹介していきます。
ではまず、世帯年齢ごとの共働き世帯の平均貯金額を見ていきます。
総務省が発表した「家計調査(家計収支編)」(2016年)によれば、2人以上の勤労者世帯(→共働き世帯)の1世帯あたりの平均預貯金額は、次のようになっています。
- 29歳以下:307万869円
- 30~39歳:397万31円
- 40~49歳:436万505円
- 50~59歳:466万459円
当然ですが、年齢が上がるにつれて貯蓄金額も大きくなっていくことがわかりますね。
では、家族構成が変わると貯蓄の大きさはどのように変わっていくのでしょうか!?
続いて参照するのは、同じく総務省による「平成26年全国消費実態調査」という統計です。
これによれば、共働き世帯の預貯金額の平均は、家族人数別で以下のようになっています。
- 2人家族:314万567円
- 3人家族:343万898円
- 4人家族:369万046円
- 5人家族:388万984円
やはり家族人数が多いほど、教育などにかかるお金が多くなる傾向があります。
そのための準備として、比較的多くの貯蓄を用意しておいたり、保険に加入しておくなどの対策が必要になるようですね。
もらえる年金を増やしたい人におすすめ!iDeCo(個人型確定拠出年金)とは?
ここまで見てきてわかったこととして、共働きであればそれほど性格は厳しくはない一方で、老後にそれほど楽もできないということでしょう。
中にはもっとゆとりのある老後生活をしたいと考えている方も多いかと思います。 そこで今回は、個人型確定拠出年金(通称iDeCo)という制度についてご紹介します!
そもそも個人型確定拠出年金(iDeCo)ってどんなもの!?
個人型確定拠出年金とは、年金と名前についている通り、自分で毎月一定額の掛け金を積みたてて投資信託などで運用し、老後に年金として受け取る仕組みになっています。
高齢になった後公的年金だけで生活できるか不安な方にとって、今から老後に備えることのできる制度です。
これまでは主に自営業者と企業年金のない会社員向けの制度でしたが、2017年から主婦や公務員が対象に加えられ、現役世代のほぼすべてが利用できるようになりました。
株や投資信託を購入し値上がりや分配金で利益が出ると税金を払わなくてはなりません。
一方で、個人型確定拠出年金ではこうした売買損益に生じる税金は一切かからないので、節税効果もあるのです!
個人型確定拠出年金(iDeCo)を利用する3つのメリット!
メリット1:運用益は非課税
第1のメリットは積み立てて投資した商品の運用益が非課税になることです。
しかも非課税期間はずっと続きます。こうした非課税対象となる点が、通常の株やFXなどの運用方法との大きな違いの一つです!
メリット2:毎月の掛け金分の所得控除が受けられる
第二のメリットは毎月の拠出金がそのまま所得控除の対象になり所得税や住民税を減らすことができることです。
例えば所得税率が30%の人が毎月1万円、年間12万円の積み立てをした場合 12万 × 30% = 3万6000円の節税効果があります。
この節税効果はiDeCoに加入している限りずっと続きます。
例えば40歳に加入し、20年間運用した場合の所得税節税額は
3万6000円 × 20年 = 72万円 になります。
また年収が多ければ多いほど節税効果は大きくなります。
特に共働きの場合であれば、夫婦で利用することで毎年かなりの金額の節税を達成することができます。
共働きだからこそより恩恵を受けることができるのが個人型確定拠出年金の特徴です。
メリット3:受取時も非課税
60歳を迎えた後の年金の受取時でも「公的年金等控除」や「退職所得控除」を利用すれば非課税で受け取ることができます。
ただ例えば退職金が多すぎるときは控除の枠内からはみ出してしまう可能性もあるため、両方の控除を併用したり受取時期をずらしたり調整が必要になる場合もあります。
今回は共働き世帯の年金受給額や平均収入・貯蓄額などを見ていきました。
最近では女性の社会復帰を後押しするなどの働きやすい環境づくりが進んでいるため、ますます共働きの家庭は増えていくでしょう。
今後の少子高齢化に伴う年金制度への不安もありますから、ご紹介したような個人型確定拠出年金などの手段を用いた自力での資産形成も頭に入れておくと良いですね!
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