エコキュートの電気代はどれくらい?ガス給湯器とどっちがお得?

ヒント

ヒートポンプ技術を使って、空気中の熱でお湯を沸かすことができるエコキュート(電気給湯器)。環境に優しいだけではなく、電気代もお安く抑えられることから最近導入をはじめるご家庭が増えています。

これまでガス給湯器(LPガス・都市ガス)をご利用していた方の中には、エコキュートの評判を聞き、導入を検討している人も多いうのではないでしょうか。

今回は、エコキュートの電気代の目安金額を世帯人数別にご紹介します。結局、エコキュートとガス給湯器はどっちがお得でいくら位料金が違うのでしょうか。

家計の節約を考える上で、毎月かかる光熱費削減はとても大切です。毎日使うからこそ、少しでも安い方法があれば切り替えたいですよね?

ぜひ本記事でエコキュートの消費電力やメリット、デメリットについて詳しくなって、生活費節約に役立てていただけると幸いです。

エコキュートの電気代はいくら?消費電力はどれくらい?

早速ですが、エコキュート最大の魅力は給湯電気代の安さです。

エコキュートは、ヒートポンプ技術を利用して空気中に含まれている熱を吸収することで、効率よくお湯を沸かすします。通常の電気温水器と比べるとなんと3倍も効率が良く、同じ湯を作るのでも少ないエネルギー消費で済ますことができるのです。

さらに、エコキュートではお湯を温める時間帯も選べます。1日の中でも一番電気代が安いのは深夜です。

その為エコキュートを利用している家庭では、夜間のうちにお湯を沸かし、そのお湯を日中に使うことで、さらに電気代を安くすることができます

ただし、空気の熱を利用するため、電気代が季節によって変わるという特徴があります。

気温が高い春や夏であれば運転する時間は短くなりますし、逆に寒い真冬は長時間運転することもあり、消費電力はまちまちになります。

下記の表は、エコキュートを利用した際の世帯人数毎の平均消費電力毎月の電気料金を季節ごとに比較した表です。上が夏、下が冬の目安となります。

1日の消費電力(夏)北海道栃木宮崎
2人世帯3.91kWh3.02kWh2.49kWh
3人世帯5.02kWh3.90kWh3.20kWh
4人世帯6.12kWh4.76kWh3.90kWh
1ヶ月の電気代(夏)北海道栃木宮崎
2人世帯約1700円約1600円約1000円
3人世帯約2200円約2000円約1200円
4人世帯約2600円約2500円約1500円
1日の消費電力(冬)北海道栃木宮崎
2人世帯6.26kWh5.86kWh5.04kWh
3人世帯8.03kWh7.51kWh6.46kWh
4人世帯9.80kWh9.17kWh7.89kWh
1ヶ月の電気代(冬)北海道栃木宮崎
2人世帯約2700円約3000円約2000円
3人世帯約3500円約4000円約2500円
4人世帯約4200円約4800円約3000円

夏場に比べて、冬場は電気代が高くなることがわかりますね。

それでは、年間を通して見るとエコキュートとガス給湯器では、一体どちらがお得になるのでしょうか。

エコキュートとガス給湯器は結局どっちが節約になる?世帯人数別の節約効果まとめ

結論からお伝えすると、エコキュートに買い換えるとことでガス給湯器よりも光熱費をお得にすることができます。

以下では、世帯人数とお使いの給湯器種類別に、エコキュートに切り替えた場合にどれだけ年間で給湯光熱費が節約できるかをまとめています。

なお、以下の計算は、三菱電機の自然冷媒CO2ヒートポンプ給湯機へ切り替えた場合を想定して算出しています

夫婦2人家族がエコキュートに切り替えた場合

現在使用中の給湯機エコキュートへの切り替えでお得になる金額(年間)
北海道電力東北電力東京電力北陸電力中部電力
従来型ガス給湯器(LPガス)約133,700円約113,100円約82,200円約96,700円約81,200円
従来型ガス給湯器(都市ガス)約50,500円約47,500円約32,900円約63,400円約44,500円
エコジョーズ(LPガス)約107,200円約91,400円約65,900円約78,300円約65,400円
エコジョーズ(都市ガス)約113,100円約47,500円約44,500円約65,400円約33,100円

3人家族がエコキュートに切り替えた場合

現在使用中の給湯機エコキュートへの切り替えでお得になる金額(年間)
北海道電力東北電力東京電力北陸電力中部電力
従来型ガス給湯器(LPガス)約157,200円約132,900円約96,100円約113,100円約94,700円
従来型ガス給湯器(都市ガス)約58,600円約56,100円約38,100円約73,800円約51,100円
エコジョーズ(LPガス)約125,600円約107,100円約76,800円約91,200円約75,900円
エコジョーズ(都市ガス)約43,500円約42,300円約26,400円約58,400円約37,700円

4人家族がエコキュートに切り替えた場合

現在使用中の給湯機エコキュートへの切り替えでお得になる金額(年間)
北海道電力東北電力東京電力北陸電力中部電力
従来型ガス給湯器(LPガス)約180,600円約152,500円約109,800円約129,400円約108,000円
従来型ガス給湯器(都市ガス)約66,700円約64,600円約43,200円約84,000円約57,600円
エコジョーズ(LPガス)約143,900円約122,500円約87,400円約104,000円約86,200円
エコジョーズ(都市ガス)約49,100円約48,500円約29,600円約66,200円 約42,200円

5人家族がエコキュートに切り替えた場合

現在使用中の給湯機エコキュートへの切り替えでお得になる金額(年間)
北海道電力東北電力東京電力北陸電力中部電力
従来型ガス給湯器(LPガス)約200,900円約170,200円約121,700円約143,800円約119,500円
従来型ガス給湯器(都市ガス)約71,600円約71,200円約46,500円約92,400円約62,300円
エコジョーズ(LPガス)約159,000円約136,000円約96,200円約115,000円約94,700円
エコジョーズ(都市ガス)約51,600円約52,800円約31,100円約72,200円 約44,700円

世帯のご状況によっては、年間でなんと20万以上も得をする可能性があります。参考にしてみてください。

エコキュートのメリット・デメリット

以下ではエコキュートのメリットとデメリットをまとめます。デメリットや注意点を踏まえた上で、切り替えを検討してください。

メリット①光熱費を大幅削減し、電気代が安い

先ほども言いましたが、エコキュートは光熱費が安いことが最大の魅力とされます。

エコキュートだけでも電気代がやすくなるのですが、最近では、多くの家庭では調理コンロもIHクッキングヒーターに変更し「オール電化」にされています。

オール電化にすることによって、ガスを一切使わなくなるので、ガスと電気の基本料金を電気代のみにできます。家計の流れも見やすく光熱費の節約も電気の事だけ考えればいいので楽になるというメリットもあります。

また、お使いの電力会社によっては使用料金に合わせてもらえるポイント制度も一本化出来ます。貯まったポイントは各種景品と交換することが可能です。

なお、前述した通り、エコキュートを使う際は、電気代がお得な深夜プランを選ぶと良いでしょう。

ちなみに、もし深夜貯蔵した分を使い果たしてしまいお湯が必要になった場合は、お使いの電気料金プランで設定されている日中時間帯の単価が適用されるので注意が必要です。

メリット②空気の熱を使ってお湯を沸かすので環境に良い

エコキュートは再生可能エネルギーであるヒートポンプでお湯を沸かします。

日本のエネルギー事情を考えた時に、再生可能エネルギーの普及は温暖化対策としての側面でけではなく、国としてのエネルギー自給率向上という点でも非常に重要です。

エコキュートは再生可能エネルギーであるため、創エネでありながらその機能から省エネでもあるという稀有な商品であるというとても環境に優しいシステムになっています。

また、ガスなど何かを燃やしてお湯を沸かす給湯設備とは違い、電気と空気の力でお湯を沸かすエコキュートはCO2排出量も大幅に削減でき、温暖化防止に役立ちます。

メリット③ガスによる火事の心配がない

ガスを燃やして炎でお湯を沸かすガス給湯器と比べて、電気と空気の力でお湯を沸かすエコキュートは炎を使っていない分、火事のリスクを減らすことが出来ます。

お子さんがいらっしゃるご家庭は安心ですね。

さらにオール電化にすると、キッチンでも炎を使うことがありませんので、小さなお子様やお年寄りなど、火を使うのが少し心配な方がいらっしゃるご家庭ではガスと比較して火事のリスクは低く、安心して暮らせます。

古くなったガス給湯器などは不完全燃焼によって一酸化炭素中毒などをおこしてしまう人もいましたが、エコキュートでは火は使わないのでそういったリスクもありません。

デメリット①初期費用が高く、元をとるのに時間がかかる

設置後の電気料金などランニングコストは非常に安くなるメリットは間違いなくある商品なのですが、購入の初期費用にコストが必要になります。

エコキュートを導入される方はIHなども同時に利用し電気代をやすくしようとされるのですが、そうなってくると初期費用はさらにかかってしまいます。

目安としては、エコキュートとIHクッキングヒーターを導入する費用と約30万~40万円かかると言われています。

一般的にガス料金の約8割を給湯が占めており、元をとるまでにだいたい数年はかかるご家庭が多いようです。

もちろん、大家族で日々のお湯の使用量が多い家庭の場合や逆に少人数所帯でお湯の量が多くない家庭など、ご状況によって初期費用回収までの期間は異なります。初期費用とランキングコストのバランスを比較し検討してください。

デメリット②屋外にエコキュートを設置する場所が必要

エコキュートではお水を温めるためにヒートポンプユニットという設備と温めたお湯を貯水するタンクを設置するスペースが必要になります。

もし充分な広さの設置場所がない場合は導入できない可能性もあります。中でもマンションやアパートなど設置するスペースが限られており設置ができない場合があります。

最低限必要なスペースは、幅が約1m80cm、奥行が約80cmです。最近では、薄型タイプのエコキュートも主流になってきており幅が約43㎝程度の取付けスペースで済むものもあります。

ただし、設備の幅と奥行きギリギリでは設置時もメンテナンス時も手が入らないので、壁との間にも若干の隙間が必要です。また、背の高い貯湯ユニットは底面積だけでなく高さも考える必要があります。

設置を考えている場合は施工業者など専門の方に一度相談してみると良いでしょう。

デメリット③こまめな掃除が必要

エコキュートのお湯はタンクに貯水し生活に使う事が目的なので、白湯としては飲むことは推奨されていません。

掃除をほおっておくと、やかんなどで水道水を沸かしたときと同じように「水垢・湯垢」や「ミネラル成分(マグネシウムなど)」が、エコキュートの貯湯タンク内に付着・沈殿している可能性もあります。

エコキュートの各タンクには必ず水抜きバルブが設置されているので、月に1度はバルブを開けて溜まった水を抜き清掃することをオススメします。

エコキュートの電気代をさらに節約する方法

①夜間の電気が安いプランを契約

エコキュートを最大限お得に使うためには、電気代の安い夜間に翌日必要な量のお湯を不足や余分がないように用意することが重要となります。

電気料金プランは、プランごとに時間帯別で電気の単価が設定されていて、夜間の電気の単価が安いプランの中でも日中の時間帯ごとの単価はそれぞれ異なります。

これは電気プランや契約会社によっても異なります。ご家庭の生活スタイルに一番見合うプランを選びましょう。

②その日にお湯を使わない時は昼間沸き上げを停止する

タンクの湯量が少なくなると自動で日中に沸き増しをする「自動沸き増し機能」を設定している可能性があります。

気づいたら日中の高い電気代でお湯を温めてしまうので、気をつけましょう。もうお湯を使わないという日はその日の昼間の自動沸き上げを停止しましょう。また、設定は省エネモードがおすすめです。

冬と夏では使うお湯の量も変化するため、季節ごと最適な設定も見極めて切り替えていきましょう。

③タンクの設定温度を下げる

エコキュートの電気代を節約・節電するうえで重要なのが、貯湯タンク内のお湯の沸き上げ温度です。

お湯は、貯湯タンク内の熱湯に水を混ぜて温度調整されて給湯されています。

夏場は水道水自体の温度が高くなりますので、貯湯タンク内のお湯が高温の場合、温度を下げるために沢山の水が必要になります。お湯は消費されずに余ってしまう可能性もありますので、これだと無駄が発生してしまいます。

夏場に起こるこうした無駄は、あらかじめ貯湯タンク内の沸き上げ設定温度を65度程度の低温にすることで防ぐことができます。温度に加えて、沸き上げるお湯の量を「少なめ」にしておくことで、さらなる電気代の節約に繋がります。

エコキュート工事費には補助金がでる!?お住まいの自治体に確認してみよう

初期費用が高額なエコキュートですが、補助金制度を利用することで初期費用をお安く済みます。

エコキュートは省エネ効果が高く、利用すれば環境を守ることにつながるといった理由から国としても導入を積極的に推進してます。

現在、地域の自治体によってエコキュートへの買い替えを行なった家庭へ、補助金が支払われています。

例えば、東京新宿区、神奈川県厚木市、埼玉県富士見市などは、一回の工事あたり最大で10万円ほどの補助金を受け取れます。

補助金の金額は地域によってまちまちです。また補助金制度の多くは先着順で、年度ごとに予算決められています。使い切ってしまえば終了してしまいますので、ご検討されている方は自治体のHPなどから調べてみてください。

という事で今回は、エコキュートについてご紹介しました。設置を検討している方は、今回紹介した設置条件や補助金制度を参考にして考えてみてはいかがでしょうか?

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