自分や誰かの身になにかあった時に頼りになる生命保険ですが、契約の時に健康状態や病歴を告知する義務があります。これを告知義務といいます。
この告知というもの、なかなか複雑で難しく、一般の人からすると、どこまで告知すればよいのか、何を告知すればよいのかという疑問がわきますよね。
また、告知すべきものとは知らないまま、保険金請求の際に告知義務違反が発覚し、保険金が支払われない、という事態も発生しています。
頼みの綱である保険金が支払われないというのは、かなり困りますので、そういったことは起こらないようにしたいですよね!
そこで、今回は生命保険の告知義務では、いったい何を告知すればいいのかということから、もし告知義務違反をしたらどうなるのか、どうすればいいのかということを解説します。
軽く見られがちな生命保険の告知ですが、侮っていると後々後悔することにもなりかねません。
契約の前に確認しておきましょう!
生命保険の告知義務とは?どこまで聞かれる?
生命保険の告知義務とは、保険契約を申し込む際に自分の健康状態について保険会社に報告しなければならない義務のことです。
告知義務は何のためにある?
保険の告知義務は、加入者の公平性を保つためにあります。
生命保険に告知義務がなく、どんな人でも同じ補償内容と保険料だとしたらどうでしょうか。
病気の方や体が弱い方は、入院や通院により保険料が支払われる可能性が高いわけですし、健康な人は低いです。
それでいて普段から支払っている保険料の負担が同じだった場合、誰がどう見ても不公平ですよね。
そういうわけで、基本的に生命保険や医療保険などの保険には、告知義務というものがあるんです。
告知の内容は?風邪やうつ病は告知する?
告知する内容の詳細は、保険会社ごとに異なりますが、一般的な質問は以下の通りです。
告知欄の一般的な質問
- 過去3か月以内に、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか。
- 過去5年以内に、病気やケガで初診日から最終受診日まで7日以上の期間にわたり、医師の診察・検査を受けたこと、または7日分以上の投薬を受けたことはありますか。
- 過去5年以内に、病気やケガで手術を受けたことがありますか。
- 今までに、がん(悪性新生物)・または上皮内新生物にかかったことはありますか。
- 過去2年以内に、健康診断書・人間ドッグ・がん診断を受けて、要再検査・要精密検査・要治療を指摘されたことがありますか。
- (女性のみ)現在妊娠していますか。
わかりやすく病気をした方は、ありのまま素直に告知欄に記入すればOKです。
それに対して、風邪やインフルエンザ、さらにはうつ病といった告知するか微妙なラインのものも存在しますよね。
結論から言うと、そういった判断に迷う微妙な病気にかかっている(かかっていた)場合は、告知する会社と告知しなくていい会社の両方があります。
ただし、告知する必要がない場合は、完治していることが前提です。現在進行形でかかっている場合は、告知しなければなりません。
とはいえ、告知するかしないかというのは素人には判断が難しいことですので、わからない場合は事前に確認しましょう。ご自身の持病・症状によって利用できる保険は変わってきます。
最適な保険がわからない人はプロに聞いてみるのが一番です。
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告知義務違反するとどうなる?2年経過したら時効って本当?
では、告知義務違反をしてしまったらどうなるのでしょうか?
契約すぐに保険金の請求をすると、調査会社が調査に来る
告知義務違反をしている、していないに関わらず、保険を契約してすぐ保険金の請求をすると、保険会社から委託を受けた調査会社が調査に来ることがあります。
その際に、何か怪しいことがあると、被保険者だけでなく契約者や募集人(営業マン)のところまで調査に来ます。
要は保険金詐欺を疑っているということです。
調査会社による調査はかなり細かく行われ、かなりのストレスになります。誤解を招かないためにも、前提として告知は素直にありのまま答えましょう。
保険契約が2年間継続したら、保険会社は契約を解除できないが…
生命保険の告知に関して、告知しなくても2年間たてば時効になるという話を聞いたことがあるかもしれません。
確かに、保険契約から2年間継続したら、保険会社側からは契約を解除できないという決まりがあります。
しかし、告知義務違反していた「保険金の支払事由」が2年以内に発生していた場合は、保険契約から2年間たっていようが、保険会社は契約を解除することができます。
具体的に説明します。
がんの疑いがあるにもかかわらず、それを隠して保険契約した結果、2年以内に実際にがんになり、医療費がかかったとします。
この時点で保険金請求をすると、もちろん告知義務違反でペナルティを食らいます。
そして、あえて保険金の請求をしないで2年間待ったとしても、「保険金の支払事由」は2年間以内に発生していることになるので、告知義務違反でアウトです。
どちらにせよ高額な治療費を自腹で払うことになります。
つまり、契約の時点で病気の疑いがあったら、変に隠すより、素直に告知したほうが後々のリスクも小さくなるということです。
悪質な違反の場合は解約のうえ、返戻金も受け取れない!
告知違反にも様々な種類があります。
忘れていた、告知する必要があることを知らなかった等、普通の告知義務違反だと、保険を解約されないこともあります。
また、解約されてしまった場合でも、保険金と保険料は返ってきませんが、解約返戻金は支払われます。
それに対し、治療困難、または死亡する可能性が高い病気を故意に告知しなかったり、保険金詐欺目的の告知義務違反等の悪質な違反の場合は、保険金・保険料・解約返戻金すべて戻ってきません。
これに関しては、保険解約のみならず裁判沙汰になることもあるので、絶対にしないようにしましょう。
告知を忘れてしまったときは速やかに保険会社に連絡しよう
うっかり告知を忘れてしまっていた場合や、告知するべきことものがあったことに気付いた場合は、速やかに保険会社に連絡しましょう。
告知忘れに気付いたのが入金前(保険契約前)であれば、保険会社に連絡することで「追加告知」することが出来ます。
契約が成立した後だと、契約を解除される可能性もありますが、続行できることもあります。そこは何を告知し忘れていたか次第です。
また、続行できる場合でも内容や特約は変更されることもありますが、後々病気になってから気付くよりかははるかにマシですよね。
生命保険は不測の事態があった時の生命線ですので、間違っても告知義務違反で保険金が受け取れないなんてことがないようにしましょう。
また、万が一告知し忘れていたことに気付いたら、なるべく早く保険会社に申し出たほうが、絶対に良いですよ!
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