保険には大きく分けて終身保険と定期保険があることはご存知でしょうか?
保障が一生涯続く終身保険と、一時的な定期保険には、それぞれ特徴があります。それらをきっちり理解して、自分にあった保険を見つける必要があります。
また、それぞれにメリットとデメリットがあるのですが、きちんと知っておかないと後悔することになるかもしれませんよ!
今回は、終身保険と定期保険に仕組みから、メリットとデメリット、それぞれの保険が向いている人をまとめました。
保険というものは、いざというときに自分や家族を守ってくれるものです。簡単には決めずに、慎重に選びましょう。
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終身保険と定期保険とは?仕組みをおさらい
では終身保険と定期保険の仕組みや特徴についておさらいしましょう。
終身保険の仕組みや特徴、種類を紹介!
終身保険は、その名の通り保障が一生涯続くというものです。保障が一生続くので、保険の満期や更新といったものはありません。
その代わり、解約返戻金というものがあり、終身保険を途中で解約するともらえます。
解約返戻金の額は、保険の内容や、経過時間に応じて変わりますが、解約するまでに支払った保険料の総額より多いとは限りません。
むしろ、保険料の払込期間内に保険を解約した場合は、解約返戻金が保険料払込総額を下回ることがほとんどです。
ですので、基本的に解約返戻金はあてにせず、保険は内容第一で選ぶことをお勧めします。
終身保険の種類ですが、一般的な終身保険の他に「低解約返戻金型終身保険」というものがあります。
この保険は、保険料の払込期間が終了するまでの解約返戻金が通常より低く、その分保険料も安い、というものです。
終身保険の保険料は、初期には高めに感じがちです。低解約返戻金型終身保険ならば、そのデメリットを克服できるといえるでしょう。
ただ、その名の通り、保険料の払い込みが終わるまでは解約返戻金が低いです。保険料の支払いが困難になるようだったら、保険の契約は慎重にしましょう。
定期保険の仕組みや特徴、種類を紹介!
定期保険とは、保障が一定期間に限定されている保険です。
その期間は、○○歳までというものと、○○年間という2種類があります。具体的には、65歳までの保障10年間の保障といった感じです。
○○年間定期という定期保険の中には、1年間という超短期保険も存在します。
また、定期保険の保険料は基本的に掛け捨てで、途中で解約しても受け取れる額は0かごくわずかです。解約返戻金にはあまり期待しないほうが賢明でしょう。
定期保険には以下のようにいくつか種類があります。
- 逓減(ていげん)保険
逓減保険とは、契約から時間がたつほど保険金が減っていく保険です。つまり、契約した直後が一番保険金が高く、保健機関の満了の直前が一番保険金が安いということです。
一見、年齢が上がることによる病気やケガのリスク増加と、矛盾しているような逓減保険ですが、実はそうでもないんです。
例えば、子供がいる家庭で考えてみましょう。子供がまだ小さいころは子供が独立するまで小学校から高校、大学分(またはそれ以上)の教育費が必要です。
しかし、子供があと数年で社会人となるという状況では、必要な教育費は最初に比べたらだいぶ少なくなりますよね。
逓減保険は、そういった年齢ごとの子供の必要教育費に対応することができます。
- 収入保障保険
収入保障保険とは、被保険者が亡くなった後、月々決められた額が払われるという保険です。名前にあるように保険金が「収入・給料」のように支払われると考えるとわかりやすいでしょう。
保険金をまとまって受け取れる保険と比べて、収入保障保険の保険金の総額は低くも高くもなりえます。(総額は保険金を受け取る期間次第ですよね)
契約から時間が経てば経つほど、受け取る保険金の総額が減っていきます。
ですので、収入保障保険の保険料は、一般的な定期保険に比べて安くなる傾向があります。
終身保険のメリットとデメリットは?保障は一生涯で安心だけど…?
では、終身保険のメリットとデメリットを紹介していきます。
メリット① 病気や加齢によって保障内容・保険料が変わらない!
終身保険は病気やケガによって保障内容や保険料が変わりません。
一度健康な状態で終身保険に加入してしまえば、基本的に年を取ろうが病気・怪我をしようが保険料はあがりません。
特に、若いうちに終身保険に加入すれば、高齢者になったときにその安さの恩恵を最大限受けることができるでしょう。
また、保険料が変わらないということは、資金計画を立てやすいということでもあります。
将来的に結婚やマイホームの購入などお金のかかるイベントが控えている時でも、終身保険ならばお金の見通しが立てやすいですね!
加えて、終身保険には「払い済み」というものがあります。払い済みとは、決められた期間で保険料の支払いを終え、そのあとは保険料の支払いなく保障が受けられるというものです。
たとえば、60歳払い済みとすれば、一般的な会社員が退職するまで保険料を支払い、そのあとは保険料負担が無くなって、保障だけ受けるということも可能です。
メリット② 貯金代わりとしても活用することができる
終身保険は貯金としても活用することができます。それの主な理由は解約返戻金の存在です。
終身保険に加入していたが、急にお金が必要になった。そんな事態に直面した時に、終身保険を解約し、解約返戻金を受け取る。
終身保険は、そういった貯金のような使い方ができるんです。
終身保険を契約してから時間が経てば経つほど、解約返戻金の額は上がります。
つまり、年を重ねれば重ねるほど病気やケガのリスクは高まりますよね。
そんな時に、医療保険に加入していない、または加入している医療保険で対応できない時は、解約返戻金を使うという手もあるということです。
メリット③ 生命保険金には非課税枠があるので相続税対策にもなる!
生命保険金には非課税枠があり、保険金のうち以下の金額が非課税となります。
- 生命保険の非課税枠=500万円×法定相続人の数
この非課税枠は、終身保険・定期保険限らず存在するものですが、定期保険ですとその期間に被保険者が死亡しない限り保険金は下りないですよね。
終身保険だと、その保障期間は一生涯ですので、生命保険の保険金が受け取れる確率はほぼ100%です。
ですので、相続税の非課税枠を最大限利用するという面からみると、定期保険より終身保険が向いているといえそうです。
デメリット① 柔軟性が低く、将来不要になる可能性がる
終身保険に限ったことではありませんが、保険の内容は基本的に変えることができません。終身保険は、解約しない限り保険の内容が一生涯そのままですよね。
もちろん、それはメリットにもなりうるのですが、デメリットとなる可能性も十分にあるんです。
医学は日々進歩していて、今では治療にお金と時間がかかる、または治療方法がないというものでも、将来的に治るようになる可能性があります。
例えば、昭和初期までの代表的な死因であった結核は、現在は手術するまでもなく薬でほとんど治るようになりました。
これを現在に置き換えてみましょう。終身保険にがん入院特約を付けたとします。
しかし、50年後にがんが薬のみで治るようになったとしたら、がん入院特約は完全に必要のないものとなってしまいますよね。
このように、終身保険は、将来的な医学の進歩に柔軟に対応できない可能性があるんです。
デメリット② インフレが起きると、保険金の価値が下がる
終身保険は物価の上昇の影響をもろに受ける可能性があります。
実際に日本の物価はこの50年で上昇していて、1950年と比べると物価は8倍以上になっているんです。つまり、1950年には100円で買えたものが、現在は800円以上するということですね。
同じように保険金に当てはめて考えると、契約当時には大金だった保険金も、額は変わらなくても将来的には極めて少額相当になるということです。
1950年というと、戦後すぐで物価も安定していなかったというのもありますの。ですので、これからは今までほど物価は変わらないとは言われているものの、インフレのリスクはゼロではありません。
そういったインフレリスクに対応するための利率変動型保険といものもありますので、インフレリスクが不安な方はそういったものを選ぶのも手ですね。
デメリット③ 解約の時期のよっては損をする恐れも!?
終身保険は解約することで解約返戻金が受け取れますが、解約の時期が早いと支払った保険料よりも受け取る解約返戻金のほうが安くなってしまうことがあるんです。
保険金に対する解約返戻金の割合のことを(解約)返戻率といいますが、保険の種類によっては、契約から30年以上経たないと解約返戻率が100%を超えないというものもあります。
解約返戻金の額を保険料の額と同じぐらい、と勘違いしている人は意外と多いのではないでしょうか。
特に、契約してすぐは解約返戻率が60%もないということもあるので、契約の前に解約返戻率はチェックしておきましょう。
定期保険のメリットとデメリットは? 割安な保険料が魅力!
では、定期保険のメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
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メリット① 保険料が安く保障は手厚い!
定期保険は、なんといってもその保険料の安さと、手厚い保障がウリです。時期が限定されていて、保険料が返ってこない掛け捨てタイプだからこそのものですね!
定期保険の保険料が安く、保障が手厚いのには理由があります。
その主な理由は、保障の期間が決まっていて、解約返戻金が無く(もしくは少なく)、貯蓄性が無いからです。
定期保険なら、保障以外に考慮するものがないので、保険会社も保障内容に全力を注げるということですね。
メリット② 家計の状況やライフプランに合わせて柔軟に保険を変更できる
定期保険では、定期的に保険の見直しが可能で、家計やライフプランの状況によって、保険を削減したり増やしたりできるということです。
例えば、独身の頃に10年間の定期保険を契約したとします。
10年後、定期保険が切れるときに結婚なり、出産なりがあったなら、家族や子供のために手厚い定期保険に乗り換える。という使い方が可能です。
逆に子供が高校生で、大学に行く予定だとすると、大学を卒業するまでの10年弱は教育費がかかりますので、保険を厚くします。
その後、定期保険が切れるころには子供は独立しているので、保障は以前ほど手厚い必要はないですよね。
このように、終身保険ほど遠くを見る必要がなく、予測が比較的容易な近い未来だけを見ればいいというのも、定期保険のメリットですね。
デメリット① 保険の更新をする場合には保険料がどんどん高額に!
定期保険が切れた後は、再び同じ定期保険、または別の保険を契約することが多いです。
その際には、1番初めに定期保険を契約した時より、当然年を取っていますよね。したがって、ほぼ確実に保険料は上がります。
特に高齢での保険の更新は、病気のリスクが上がることもあり、保険料の増加は大幅なものになるでしょう。
長期的な保障を求めるのなら、定期保険1本ではなく、他の保険と組み合わせて検討したほうがいいかもしれませんね。
デメリット② 満期保険金や解約返戻金はない
定期保険は基本的に掛け捨てです。つまり、満期保険金や解約返戻金がないか、ごくわずかです。
途中で何らかの事情により定期保険を解約しても、お金が返ってくることはほとんどないですし、定期保険が満期となっても何ももらえません。
貯蓄の代わりに保険を契約したいという方や、解約返戻金を万が一の際には利用しようと考えている方は、定期保険では無く、ほかの保険を検討したほうがいいかもしれません。
終身保険と定期保険が向いている人はどんな人?パターン別に紹介!
では、結局終身保険と定期保険のどちらを選べばいいのでしょうか?
終身保険に向いている人はどんな人?
終身保険に向いている人は、保障のベース・安定を求める方です。
老後に高い保険料を払う自信が無かったり、自営業を営んでいるなど、収入が安定しない方には、終身保険がお勧めといえるでしょう。
また、あくまで終身保険をベースと考え、プラスαで保険を組み立てていきたいという方にも、終身保険はおすすめです。
定期保険に向いている人はどんな人?
定期保険に向いている人は、一時的な保障を求めていて、支出が今後大きく変わる可能性のある方です。
例えば、若くて収入が少ない方や、家のローンや子供の教育費が残っている方には、一時的に手厚い保障を受けられる、定期保険がお勧めです。
さらに、既に終身保険に加入していて、プラスαで保障が欲しいという方にも定期保険がお勧めです。
保険というのはなにかが何かがあった時の頼みの綱です。
自分や家族に何が必要かどうかを見極めたうえで、今後に人生も考えつつ保険は決めましょう。
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