社会人1年目にかかる税金や社会保険とは?知っておきたい手取り事情!

サラリーマン

サラリーマンになりたての頃は、税金や社会保険のことなどほとんどわからないことばかりかと思います。

ウキウキでお給料を受け取ってみると、意外にも振り込まれた金額は少なかった、なんて方も多いのではないでしょうか!?

日本では、お給料として支払われるお金にはあらかじめ税金や社会保険料が課されているので、額面での金額と実際に振り込まれる金額には大きな差があるのです。

こうしたことを知っておかないと、手元にお金がないのについつい使い過ぎてしまったなんてことにもつながりかねません。

そこで今回は、サラリーマン1年目に方を対象に、知っておきたい税金に関する知識と、手取りをうまく増やすコツをいくつかご紹介していきます!

”お給料=使えるお金”ではありません!「手取り」という概念をまずは理解しよう

お給料が20万円だったら使えるお金も20万円ある、と考えている人はいませんか?

だって自分が正当に働いて稼いだお金なのだから、全額自由に使えないとおかしい、という意見もわかります。

しかし、医療サービスや警察・道路などのインフラの整備など普段は気にかけないところにもお金はかけられていますよね。

こうしたお金の資金源は、みなさんのお給料から”源泉徴収”という形で、あらかじめ天引きされているお金や、企業などが税金などとして納めているお金によるものです。

この源泉徴収というのがやや難しく、簡単に言えば会社からみなさんにお給料として振り込まれているお金から、税金や社会保険料を差し引いたお金を差し引くことで、みなさん自身が何か手続きをする必要が内容な制度になっています。

ですから、サラリーマンの方などはそれほど納税している認識がないまま納税の義務を果たしていることになりますね。

さらにここで大切になっているのが、「手取り」という概念です。

会社から支給される金額から税金や社会保険料を差し引き、実際にみなさんの手元に入ってくる金額のこと手取りと言います。

一方で、お給料として明細に記載されるのは「額面」と呼ばれることが多いので、”額面から諸々引かれて手取りが手元に入る”と覚えておきましょう!

社会人1年目にかかる税金や社会保険料は!?住民税はかからないって本当!?

社会人1年目と言えど、収入があればしっかりと納税をしなければなりません。

お給料から天引きされるものとしては、大きく分けて「税金」「社会保険料」の2つがあります。

所得税

所得税とは、その名の通り「所得」にかけられる税金のことです。

日本では累進課税制度という仕組みがあり、収入が多い人ほど税率は高く、税負担は重く設定されています。

実際の所得税の税率は以下のようになっています。

課税される所得金額税率控除額(円)
195万円以下5%0
195万円超え 330万円以下10%97,500
330万円超え 695万円以下20%427,500
695万円超え 900万円以下23%636,000
900万円超え 1800万円以下33%1,536,000
1800万円超え 4000万円以下40%2,796,000
4000万円超え45%4,796,000

ここでいう「控除」とは、収入のうちある1部分は課税の対象外にしてくれる、という仕組みです。

例えば、年収が500万円あって控除が全くない場合よりも、年収500万円に対して控除が100万円ある場合では、後者の方が課税の対象となる金額は小さいので納める税金の金額も小さくなります。

具体的な控除の項目としては、以下のように扶養している家族がいることによる扶養控除や生命保険料の支払いなどに伴う控除など様々なものがあります。

こうした控除を賢く申請することが節税への第一歩と言うことになりますね!

【一覧形式でわかる!所得控除のまとめ】

所得控除所得税
基礎控除38万円
配偶者控除38万円
老人配偶者控除48万円
配偶者特別控除限度額 38万円
一般の扶養控除38万円
特定扶養控除63万円
老人扶養控除48万円
同居老親等扶養控除58万円
障害者控除27万円
特別障害者控除40万円
同居特別障害者控除75万円
寡婦・寡夫控除27万円
特別寡婦控除35万円
生命保険料控除12万円

特に有名で利用する機会が多いのが、「配偶者控除」「扶養控除」「生命保険料控除」あたりかと思います。

ここでは具体的な中身に関する解説は割愛するので、控除の中身まで詳しく知りたい!と言う方は以下の関連記事をぜひご覧ください!

社会保険料

社会保険料として徴収されるのは、「健康保険」と「厚生年金」の2つであり、前者が5%、後者が9%なので、合わせて収入の14%ほどが天引きされることになります。

こちらは、年収の高さには関係なく、一律でこの割合ですので注意しましょう!

※1年目には住民税は非課税!その理由とは?

サラリーマンの方が納める税金は所得税だけではなく、住民税もあることはよく知られていますよね。

住民税とは、住んでいる自治体に対して納める税金で、「所得割」と「均等割」と言う2つの部分から構成されています。

均等割は所得にかかわらず自治体ごとに決まった税額になります。

均等割は都道府県税で1000~2000円、市町村税で3000~4000円ぐらいになります。

一方で、所得割は所得に都道府県税の場合は4%、市町村税は6%掛けた額になります。

東京の場合、都民税の均等割が1500円、特別区民税の均等割が3500円になります。

とは言え、1年目のサラリーマンの方はこうした住民税をきにする必要は一切ありません!

と言うのも、住民税は「前年の収入に応じて課税される税金」ですので、前の年は学生でほとんど収入がなかった場合には住民税の課税は行われません。

その反面、2年目にそれほど年収が上がってこなければ、住民税が上乗せされる2年目の手取りが1年目のものよりも低くなってしまうと言うケースはしばしば起こります。

野球選手などでも一気に年収が弾むと次の年には税金がぐっとのしかかってくると言うお話をされている方が多いですよね。

1年目の方こそ、2年目以降にはもっと税金がかかるんだという危機感を持っておくとより安心ですね!

※交通費や通勤手当には税金や社会保険料は発生するの!?

よくある質問として、通勤手当や交通費支給は課税の対象なのかというものがあります。

公共交通機関で通勤するケースでは、かかった運賃は全額非課税になります。

しかし、限度として1ヶ月15万円以内となっています。

また、マイカーや自転車など公共交通機関を利用しない場合には片道の通勤距離によって以下のように限度額が定められています。

片道の通勤距離1ヶ月の限度額
2キロメートル未満0円
2キロメートル以上10キロメートル未満4,200円
10キロメートル以上15キロメートル未満7,100円
15キロメートル以上25キロメートル未満12,900円
25キロメートル以上35キロメートル未満18,700円
35キロメートル以上45キロメートル未満24,400円
45キロメートル以上55キロメートル未満28,000円
55キロメートル以上31,600円

仮にこの上限を超えて交通手当を支給する場合には、超えた部分のみが給与に上乗せされて所得税の課税対象となります。

また、社会保険料の徴収に関しては全額算出の対象となるので、通勤手当にもしっかりと保険料は上乗せされてします。

税金と社会保険では扱いが違うので間違えやすいですが、念の為押さえておきましょう!

手取りを増やしたい!1年目からでもできるサラリーマンの節税術とは!?

サラリーマンの方が手軽にできる節税方法として、ここでは次の3つを紹介します!

  • ふるさと納税
  • iDeCo(個人型確定拠出型年金)の活用

ふるさと納税やiDeCoはテレビCMなどでもご覧になった方も多いのではないでしょうか?

ふるさと納税で節税!?サラリーマンがやるメリットとは?

最近話題のふるさと納税は、サラリーマンにも大人気の納税方法です。

ふるさと納税とは、自分の出身地に関わらず、応援したい自治体を選んで寄付ができる仕組みです。

寄付をすることによって、地域貢献に繋がることももちろんですが、その地域ならではの名産品や特産品がお礼品として受け取ることができ、納税者も自治体も双方嬉しい制度と言われています。

その上、寄付金額のうち、2,000円を超えた金額については、寄付控除としてその年の所得税から還付され、翌年の住民税からも控除されます。

2000円以上の部分に関しては税金の還付の対象になるということは、各地の名産品が実質2000円でゲットできるということになります!

若干の手間はありますが、最近では通販サイトのようにネットで返礼品をチェックできるようにもなっているのでそれほど税金に詳しくなくてもトライすることができます!

ふるさと納税のメリットは?

  • 返礼品がある

何と言ってもふるさと納税の最大のメリットは、やはり返礼品があることでしょう。

ただ節税するだけでなく、お米屋魚介類など、その地域の特産品をもらえることが多いので、食卓が豪華になること間違いなしですね!

また食べ物だけではなく、地方の伝統工芸品や名産品も住んでいるところから簡単に手に入るので利便性も高いですね。

  • 好きな自治体に納税が出来る

ふるさと納税は、自分の住んでいる自治体や、ふるさとの自治体以外にもすることができます。

災害で被害を受けた自治体にするふるさと納税は、個人で手軽にできる復興の大きな手助けにもなります。

ふるさと納税を通じて、災害地域への支援や応援したい地域への手助けをしてみるのもよいでしょう!

  • 寄付金額も自由

ふるさと納税は、寄付額を自分で決めることが出来ます。

それぞれの家計の状況に合わせて、寄付をできるというのはかなり嬉しい制度ですね!

iDeCoとはどんな投資方法?得られるメリットや節税効果は!?

iDeCoとは、正式には個人型確定拠出年金といい、自分で作る年金制度のことをさします。

簡単にいうと、節税をしながら老後資金を積立ていける仕組みです。

加入者は毎月一定の金額を積み立てて、用意された定期預金・保険・投資信託などの金融商品を自分で運用します。

最近では、年金制度への不安も大きく、自力での資産運用をする必要が出てきています。

こうした資産運用の中でもとびきり節税能力が高く、始めやすいことがiDeCoの大きな特徴です。

iDeCoには次のようなメリットがあるとされています。

  • 月々の掛金が所得控除される

iDeCoの月々の掛金は、全額が所得控除され、節税することが出来ます。

会社員や公務員の方は、年末調整で、自営業の方は確定申告をすることにより、iDeCoの掛金分の税金が還付されます。

  • 運用による利益にも税金がかからない

通常の資産運用による利益には、20%の税金がかかるのですが、iDeCoによる利益には税金がかかりません。

ですので、運用による利益を全額つぎの次の運用に回して、雪だるま式に利益を増やすことも可能です。

せっかく投資でお金が増えても、税金が引かれては損した気分になってしまいますよね。

そうした気分を味わいたくない!じっくりと堅実にお金を増やしたい!という方にはiDeCoがピッタリでしょう。

  • 資産を受け取るとき、節税できる場合も!

60歳を過ぎて、iDeCoで積み立てた資産を受け取る際に、受け取り方は、「一時金」と「年金」の2種類あります。

一時金で受け取ると、退職所得控除が適用され、年金で受け取ると、公的年金等控除が適用され、節税することが出来ます。

まとまったお金を引き出す時にはしばしば税金がネックになりますが、iDeCoの場合にはそうした心配がないことも嬉しいですね。

これからは資産運用の時代!投資デビューは若いうちがお得!

手取りを増やす方法は必ずしもお給料を増やすだけではありません。

これからの時代は、自助努力を通して老後資金を積み立てていくことが必要になっていきます。

なかなか投資というとハードルは高いように感じられますが、若いうちだからこそ失敗もできますし、低い利回りでも長期間回すことができれば10年後、20年後には大きなお金になっていきます。

1年目ではなかなか大変かとは思いますが、貯金のうちの少しでも投資に回しておくと、社会人としての経験値にもつながりますし、経済に興味も湧いていきますので、ぜひチャレンジしていきましょう!

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