コロナウイルス拡大に伴う緊急経済対策の一環として発表された、1世帯あたり30万円の現金給付案。
支給が決定以降、支給対象範囲に注目が集まっていましたが、2020年4月6日の緊急経済対策でその具体案が明確になりました。
今回の具体案でポイントになったのが「住民税非課税世帯」。
住民税非課税世帯とは、どれくらいの収入までが対象になるのでしょうか?
そこで、現金給付の条件や住民税非課税世帯になるケースについて分かりやすく解説していきます。(本記事は2020/4/6時点の情報をもとに執筆しています)
【補足】2020年4月20日、政府は30万円給付を撤廃し、国民全員への10万円給付を行うことを発表しました。こちらの内容については以下をご覧ください。
新型コロナウイルス経済対策!30万円給付の対象となる条件は?
今回発表された原案では、30万円給付の対象条件は以下のように定められました。
【コロナ対策・現金30万円の支給対象者】
2020年2月〜6月のいずれかの月収が1月以前と比べて
- 減少し、年収が個人住民税(均等割)非課税の水準となる場合
- 半分程度に減少し、個人住民税非課税水準の2倍以下になる場合
それでは、個人住民税の非課税水準とは具体的にどれだけの収入が目安になるのでしょうか?
住民税の仕組みと非課税になるケースを解説!
そもそも住民税は、前年の収入に応じて決まる「所得割」と収入に関係なく自治体ごとに一律で決まっている「均等割」の2種類から成り立っています。
所得割と均等割はそれぞれで非課税になる所得上限が異なりますが、均等割の非課税水準を満たす方は必然的に所得割の水準も満たすことになります。
今回の現金給付案では、個人住民税=均等割が非課税になる世帯が対象となっていますので、その内容をみていきたいと思います。
住民税が非課税になる3つのケース
以下のいずれかに該当する場合、住民税の所得割、均等割ともに非課税となります。
【所得割・均等割ともに非課税になる条件】
- 生活保護を受けている人
- 障がい者、未成年者、寡婦または寡夫で前年の合計所得が125万円以下(給与収入のみの場合204万4000円未満)であった人
- 前年の合計所得金額が条例で定める金額以下の人※以下は東京23区のケース
(1)扶養親族がいない場合・・・合計所得金額が35万円以下
(2)扶養親族がいる場合・・・合計所得額が、35万円×(本人+控除対象配偶者+扶養親族)の人数+21万円
例えば、東京23区内に住む専業主婦と2人暮らしの会社員のケースであれば、上の3(2)が該当するので、「35万円×2(自分+妻)+21万円=91万円」が上限所得金額となります。
ただし、合計所得金額の上限金額はお住まいの市区町村によって異なるので、自治体のHP等から上限をチェックするようにしてください。
世帯人員別の目安年収早見表
所得〜〜円、と言われてもピンと来ない方も多いと思いますので、住民税非課税の条件に沿って、世帯人員別に目安の年収と月収をまとめます。
【住民税非課税世帯の年収・月収目安】
世帯人数 | 上限所得額 | 年収目安 | 月収目安 |
単身世帯 | 35万円 | 100万円 | 8.3万円 |
2人世帯 | 91万円 | 156万円 | 13万円 |
3人世帯 | 126万円 | 205万円 | 17万円 |
4人世帯 | 161万円 | 255万円 | 21万円 |
5人世帯 | 196万円 | 305万円 | 25.4万円 |
また、収入が半減し、住民税非課税世帯水準の2倍以下になる場合も給付対象になります。
世帯水準の2倍にあたる月収は以下の通りです。
世帯人数 | 非課税世帯水準の2倍の月収目安 |
単身世帯 | 16.6万円 |
2人世帯 | 26万円 |
3人世帯 | 34万円 |
4人世帯 | 42万円 |
5人世帯 | 50.8万円 |
対象に該当するか調べる際には、上記の表を参考にしてみてください。
なお、こちらの表は東京23区の非課税水準をもとに作成しています。繰り返しとなりますが、詳細はお住まいの自治体に確認してください。
申請は市区町村の窓口に自己申告。該当する方は忘れずに
現金給付は、市区町村窓口への自己申告制となり、収入減少を証明する書類を提出すれば原則支給を認めるという内容になっています。
住民税非課税世帯を対象とした支給案には賛否の声が上がっていますが、該当する方は申請を忘れないようにしましょう。
また、給付を受けられないが日々の生活費に困っているという方は、休業等で収入が減少した場合に最大20万円が無利子で借りられる「緊急小口資金」、失業した場合に最大60万円を借りられる「総合支援資金」といった貸付制度の利用も視野にいれてみてはいかがでしょうか。
その他、母子家庭・父子家庭が使える助成制度や税金や電気・ガス・水道料金などの支払い猶予措置も適用されつつありますのでチェックしてみてください。
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