新型コロナで収入減少や失業した場合に個人が使える手当・貸付制度まとめ

計算機

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2020年4月7日、政府より緊急事態宣言が出されました。

 

これを受けてご自身や周囲の人たちの健康被害の心配はもちろん、会社の業績が悪化して、給与が減ったり、最悪クビになるのではないかと、経済的な不安を感じている方も多いと思います。

 

そうした個人の経済不安に対応するため、政府や自治体は、既存の公的制度に加えて、新型コロナウイルス関連の特例助成制度を実施しています。

 

しかし、制度の種類が多すぎて、どういったシチュエーションで利用できるのか、支給対象者は誰なのか、といった疑問の声も方々から挙がっている状況です。

 

そこで今回は、個人が使える新型コロナウイルス関連の助成制度・貸付制度などをまとめました。

 

どのようなケースで何の制度が使えるのかわかりやすく解説していきますので、万が一の時のためにご覧になってください。(本記事は2020年4月7日時点で執筆しています)

 

新型コロナウイルスへの影響で休業・失業した場合

新型コロナウイルスの影響で休業、または失業した場合に利用できる制度をご紹介します。

  1. 傷病手当金
  2. 休業手当
  3. 失業保険

 

傷病手当金

傷病手当金とは、健康保険に加入している会社員が病気やケガのために働けなくなった時に利用できる公的制度です。

 

具体的には、病気や怪我で会社を3日以上休んだときに、4日目以降から給料の3分の2の金額を加入している健康保険組合から受け取ることができます。

 

新型コロナウイルスによって、仕事を休まざるを得ない時もこの傷病手当金は支給対象になります。ただし、ケースに応じて受け取れない場合もあるので注意してください。

 

コロナに関して支給対象になるケースとならないケースはこちらです。

【傷病手当金の対象となるケース】

  • 新型コロナウイルスに感染した場合
  • 無症状だが陽性と判断された場合
  • 新型コロナウイルスの自覚症状がある場合
  • 自覚症状があり休業していたが、別の疾患だった場合

 

【傷病手当金の対象とならないケース】

  • 事務所内で感染者が発生したことにより事務所全体が休業になった場合
  • 自覚症状がないが、家族が感染者となったことで濃厚接触者になり、本人が休業した場合

 

休業手当

休業手当とは、会社側の責任で従業員を休ませたときに、会社が従業員へ手当を支給しなければならないという労働基準法で定められた制度です。支給額は傷病手当金と近く、平均賃金の60%です。

 

気をつけてほしいのは、今回の緊急事態宣言を受けて会社が休業をした場合。今回は政府から休業要請を受けている一部業種などもありますが、休業の場合は「会社都合」とはいえなくなり、休業手当を払わなくても違法にならない、というのが現在の厚労省の見解です。(2020年4月3日)

 

ただ、厚生労働大臣は4月7日の記者会見で、「休業手当が一律で除外されるわけではない」とも述べているので、緊急事態宣言中の休業手当については今後方針が定められていくことと思います。

 

失業保険

勤めていた会社が経営不振になった等で仕事を辞めなくてはならなくなった場合、一定の要件を満たすと雇用保険から失業手当が出ます。

 

受給要件は、以下の通りです。

  • 雇用保険に加入している
  • 雇用保険に加入していた期間が、退職前の2年間で12ヶ月以上ある (11日以上働いた月が1っか月とカウントされる)
  • 働く意志や能力があるにも関わらず、就職できないである

 

失業手当を受給する際の注意点としては、離職理由が会社都合であるか自己都合であるかによって、離職失業給付の支給期間が変わってくる点です。

具体的には、自己都合だと会社都合に比べて支給期間が短くなります。

 

会社理由の失業の場合には書類に会社都合と明記してもらうことを忘れないようにしてください。

 

申請手続き等は以下の記事が参考になります。

 

保険ONLINE

新型コロナウイルスの影響で生活費に困った場合

札束を出す男性

など、新型コロナウイルの影響で生活費に困った場合は以下の貸付制度をご活用ください。

緊急小口資金

緊急小口資金とは、新型コロナウイルスの影響によって収入が減少した人が利用できる貸付制度です。

 

詳細は以下の通りです。

貸付対象者新型コロナウイルスの影響で収入が減少し、生計を維持するために貸付が必要な人
貸付上限
  • 学校等の休業、または個人事業主等の特例の場合:20万円
  • その他:10万円以内
据置期間1年以内
償還期間2年以内
利子無利子

 

据置期間とは、元本を支払わず、利子だけを支払う期間のことです。

緊急小口資金の場合は、利子が無いので、据置期間1年間=全くお金を返済しないでいい期間ということになります。

 

申請に必要な書類は以下の通りです。

  • 住民票(世帯全員分)
  • 借入申込者本人の確認書類(運転免許証、健康保険証等)
  • 給与明細・預金通帳

 

これに加えて他の書類が要求されることもありますので、詳細は、お住いの市町社会福祉協議会に問い合わせてみてください。

 

総合支援資金(生活支援費)

総合支援資金も緊急小口資金と同じく社会福祉協議会が窓口となっている貸付制度です。

 

緊急小口資金との違いは貸付対象者。緊急小口資金はコロナの影響で休業した方が対象でしたが、こちらは失業した方が対象になります。

 

詳細は以下の通りです。

貸付対象者新型コロナウイルスの影響で収入減や失業にあい、日常生活の維持が困難な世帯
貸付上限
  • 世帯人数2人以上:月20万円以内
  • 単身:月15万円以内
  • 貸付期間:原則3か月以内
据置期間1年以内
償還期間10年以内
貸付利子無利子

 

総合支援資金の申し込みに必要な書類や対応部署は、緊急小口資金と同じです。

 

住居確保給付金

住居確保金とは、仕事を失った人のうち、住まいも失ったり、家賃を支払えなかったりする人に自治体が家賃を支給するという制度です。

 

対象となる人は、以下の通りです。

 

  • 65歳未満である
  • 離職後2年以内である
  • 離職前に世帯の生計を維持していたこと
  • ハローワークに求職の申し込みをしていること
  • 国の雇用施策による給付を受けていないこと

 

収入条件や資産条件、支給額の上限等は、自治体によって異なります。

 

例えば、東京都中心部にお住いの場合、

 

  • 2人世帯の場合:月収19万4000円、預貯金78万円以下で、毎月6万4000円を上限に支給
  • 単身世帯の場合:月収13万7700円、預貯金50万4000円以下で、毎月5万3700円を上限に支給

となっております。

 

申請には、本人確認書類と失業中であることを証明する書類、世帯年収や預貯金を確認できる書類が必要です。

 

相談や申請は、全国に1300か所ある自立相談支援機関に行います。

自立相談支援機関の場所は、厚労省HPから確認できます。

 

詳しい手続き方法等は以下が参考になります。

 

ガス代・電気代等の支払い延期措置

ガス代や電気代の支払いが難しいという人のために、料金の支払いの延期措置が要請されています。

 

料金の延期措置の対象となるのは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、緊急小口資金または、総合支援資金の貸付を受けた人です。

 

なお、現在は、経済産業省が支払いの猶予を業者に要請した段階で、制度が確定したわけではありません。

 

実際に支払いが厳しいという人は、電気・ガス業者に相談してみることをおすすめします。

新型コロナウイルスの感染で治療を受ける時

では、新型コロナウイルスに実際にかかってしまった場合は、医療費や保険はどのような扱いになるのでしょうか?

健康保険の軽減措置

新型コロナウイルスにかかった医療費が心配という人も多いと思います。

 

新型コロナウイルは健康保険の適用対象となりましたので、自己負担は基本的に3割ですみます。

 

また、新型コロナウイルスが指定感染症に指定されたことによって、さらなる負担軽減措置も用意されています。

高額療養費制度

また、合併症などで治療費が非常に高額となっても、安心してください。

健康保険制度には、1か月の自己負担となる医療費の上限を定める、高額療養費制度というものがあります。

 

自己負担の上限額は年収によって定められていて、70歳未満と70歳以上で違います。

詳細は以下の通りです。

 

【70歳未満の方】

年収医療費の自己負担限度額
  • 年収約1,160万円〜
  • 健保:標準報酬月額83万円以上
  • 国保:年間所得901万円超
252,600円+(総医療費ー842,000円)×1%
  • 年収約770〜1,160万円
  • 健保:標準報酬月額:53~79万円
  • 国保:600~901万円
167,400円+(医療費ー558,000)×1%
  • 年収約370〜770万円
  • 健保:標準報酬月額28~50万円
  • 国保:210~600万円
80,100+(医療費ー267,000)×1%
  • 〜年収約370万円
  • 健保:標準報酬月額26万円以下
  • 国保:210万円以下
57,600円
  • 住民税非課税者
35,400円

 

このように、70歳未満の人の自己負担限度額は、年収に応じて変化します。

 

例えば、年収370万円〜770万円に該当するケースでは、1ヶ月の総医療費が100万円、自己負担額が30万円だった場合、以下の式により、戻ってくる金額が計算されます。

 

【一般的な収入における医療費の自己負担額】

自己負担額:80,100円+(1,000,000ー267,000円)×1%=87,430円

戻ってくる高額療養費:300,000円ー87,430円=212,570円

 

70歳以上の方の自己負担額は以下になります。

【70歳以上の方】

年収区分【自己負担限度額】外来(個人ごと)【自己負担限度額】外来・入院(世帯)
①現役並み
(標準報酬月額83万円以上で高額受給者証の負担割合が3割の方)
252,600円+(医療費-842,000)×1%252,600円+(医療費-842,000)×1%
①現役並み
(標準報酬月額53万~79万円で高齢受給者証の負担割合が3割の方)
167,400円+(医療費-558,000)×1%167,400円+(医療費-558,000)×1%
①現役並み
(標準報酬月額28万~50万円で高齢受給者証の負担割合が3割の方)
80,100円+(医療費-267,000)×1%80,100円+(医療費-267,000)×1%
②一般所得者
(①および③以外の方)
18,000円57,600円
③住民税非課税世帯8,000円24,600円
③住民税非課税世帯(年金収入80万円以下など)8,000円15,000円

 

 

1か月の自己負担額が上限を超えたという方は、およそ3か月後に超過分が振り込まれることになっていますが、事前に申請すれば手持ちのお金を払わずに済ませることもできます。

 

そのためには「限度額適用認定証」というものが必要で、それをを保健所と合わせて医療機関の窓口に提出すれば、1ヶ月の窓口での支払いが、自己負担限度額までになります。

 

限度額適用認定証は、各種健康保険の窓口に申請することで発行できますので、入院等、医療費がかさみそうだと思ったら、早めに申請しておくといいかもしれません。

 

なお、高額療養費制度で適用される医療費には制限があります。詳細を知りたい方は以下をご覧ください。

 

【補足】現金30万円給付実施へ!対象となる世帯は?

住まいと青空

気になる現金給付ですが、対象となる世帯の具体案が提出されました。

 

その対象となる世帯ですが、世帯主の2月以降の月間収入が1月以前と比べて、

  • 減少し、年収が個人住民税(均等割)非課税の水準となる場合

または

  • 半分程度に減少し、個人住民税非課税水準の2倍以下になる場合

と定められました。

 

例えば、東京23区に住む会社員の単身世帯ですと、年収100万円以下、専業主婦と子ども2人の4人世帯では年収約255万円以下だと住民税が非課税となります。

 

そもそも住民税非課税世帯って年収いくらまでが対象になるの?という方は、以下の記事で詳しく解説していますのでご覧になってください。

 

 

政府は、2020年5月にも現金給付を始めたいという意向です。

 

新型コロナウイルスによってお金のやりくりが厳しくなった人のために、様々な制度が用意されています。

今後も定期的に新しい制度が登場すると思いますので、随時最新情報をチェックしてください。

 

誰も体験したことがない未曾有の事態ですが、活用できる制度を知っておけば、万が一の時の安心材料になると思います。