高度プロフェッショナル制度の対象職種や目的・メリット!


 

連日のニュースで扱われているいわゆる「高度プロフェッショナル制度」ですが、何が問題とされているのか、自分にも影響があるのかどうか、いまいち把握していない方も多いのではないでしょうか?

今回はそんな方の為に高度プロフェッショナル制度について、対象長所短所、問題点などをわかりやすくまとめました。

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高度プロフェッショナル制度とは?

 

労働基準法の改正案に盛り込まれた「高度プロフェッショナル制度」は、一部の職種、一定の年収以上の人を対象に労働時間という枠組みを撤廃しようという内容です。

 

現在に日本の多くの企業では時間を単位として労働が評価され、賃金が支払われています。

しかし、この制度のもとだと能力が高い人が短時間で成果を上げるよりも能力の低い人が時間をかけて同じ成果を出したほうが給料としては高くなってしまうという問題があります。

それも相まってか、現在日本の労働生産性は先進七か国の中で最下位となっています。

 

それを改善しようと与党が推進しているの目玉政策が「働き方改革」で、高度プロフェッショナル制度はその一部です。

しかし、現在国会で審議をされていますが、野党の強い反対により議論は紛糾しています。

類似した内容に「裁量労働制」があり、当初、実際の労働時間にかかわらず、あらかじめ定めた時間だけ働いたと見なす「裁量労働制」の適用業種拡大も含まれていましたが、厚生労働省の不適切なデータを使用していた問題で批判が強まり、今国会での労基法改正案には裁量労働制の拡大は盛り込まれませんでした。

 

これからも継続的な審議がなされるであろう高度プロフェッショナル制度ですが、具体的にどんな職種、年収の人が対象になるのか。

またこの制度が導入されると、どのようなメリットデメリットがあるのかを、わかりやすく解説していきます。

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高度プロフェッショナル制度の対象になる人は?

 

先ほど述べた通り「一部の職種、一定の年収以上の人」とはどのような人を指すのでしょうか?厚生労働省の出している「労働基準法等の一部を改正する法律案の概要」によると、

特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設

・職務の範囲が明確で一定の年収(少なくとも1,000万円以上)を有する労働者が、高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事する場合に、健康確保措置等を講じること、本人の同意や委員会の決議等を要件として、労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除外とする。

・また、制度の対象者について、在社時間等が一定時間を超える場合には、事業主は、その者に必ず医師による面接指導を受けさせなければならないこととする。(※労働安全衛生法の改正)

厚生労働省のホームページより

 

とあります。つまり「少なくとも年収一千万円以上であり」かつ「高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事している」人が対象となります。

「高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事している」人とは、現在具体的には

・金融商品の開発業務、金融商品のディーリング業務、アナリストの業務(企業・市場等の高度な分析業務

・コンサルタントの業務(事業・業務の企画運営に関する高度な考案又は助言の業務

・研究開発業務等

 

などを対象にする予定である、と厚生労働省労働政策審議会では言われていますが、まだ明確には定まっていません。

 

考える基準としては「高給」で、「高度な知識を必要」とし、「労働時間と成果の相関関係が小さい」ことが挙げられます。

例えば医師は「高給」で、「高度な知識を必要」とする職業の代表ですが、診察した患者数と労働時間はおおむね比例するため、高度プロフェッショナル制度の対象にはならないだろう、と言われています。

 

現在の日本において、民間企業で働いており年収一千万を超える人は約200万人いるといわれていて、その中の多くの人は高度な知識を用いて仕事をしているだろうと考えられるため、この制度の影響を受ける人は少なくなさそうです。

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メリット、デメリットは??

 

メリット

・労働生産性が向上

現在は時間で測っているため、ダラダラと勤務に当たっていた人も成果で測られるようになることで時間を浪費することが少なくなり、時間当たりの労働生産性が向上、結果として労働時間が短くなることも考えられます。

・時間の制約が減り生活の自由度が上がる

労働時間の自由度が上がることで出社時間や退社時間をある程度調整できるようになり、ワークライフバランスの面からも生活が豊かになることが考えられます。

・成果が直接評価されるようになる

これまで企業内で自分に業績に見合った評価を受けられていないと不満を持っていた人からすれば、高度プロフェッショナル制度の導入は自分の力量自社に示すチャンスとなるかもしれません。

・(企業からすれば)無駄な残業代が不要になる

同じ業務をするのにも、これまでだったらわざと引き延ばし、無駄の多い残業をしていたような社員に対し、これまでだったら払う必要のあった残業代を払わなくてよくなるため、一概に経費削減になるとは言えませんが企業にとって経済的な負担が減るかもしれません。

 

などが考えられます。

デメリット

・ブラック化の原因になる

→現在、労働災害防止のために、四週間に最低4日、年間で最低104日の休日をとること、健康診断の受診などの条件が盛り込まれようとしています。

しかし深夜・休日労働割増賃金の対象にならないこと、連続勤労時間が伸びる危険があること、現在残業代が出ていたものが出なくなるなど、企業が都合のいいように解釈し濫用することで、労働者にとっては「ブラック」と呼ばれるような労働環境の原因になる懸念があります。

・成果の評価基準が難しい

現在は時間という客観性の高い尺度で労働を評価していますが、実際に成果で判断するとなると、高度な知識や技能を用いて行われた業務を、正当かつ公平に企業が評価するというのは難しいでしょう。

そうなるとモチベーションや労働生産性の向上にはつながらないかもしれません。

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今後の動向・懸念材料など

 

現在は給与水準、職種ともに高い基準が設定され、対象者も少なくなっていますが、法案が一度通過したら、次第に基準が引き下げられ、対象者が拡大していくのでは、という懸念があります。

自由度の高い働き方のできるようになるなど労働者にとってもメリットのあるこの制度ですが、残業代や労働時間の面からブラック企業を後押しするような法案になってしまう可能性も否めません。

今後どうなっていくのか、国会の審議に注目です。

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