会社員の方はもちろんのこと、パートやアルバイトで働く方にも浸透しつつある「社会保険」
毎月給料から天引きされてはいるものの、一体何に使われているのか、どういった計算方法で徴収されているのか不思議ですよね。
また、アルバイトやパートの方だと特に「103万円の壁」や「130万円の壁」などといった基準にはかなり敏感になっているのではないでしょうか?
今回は、社会保険とは一体どういったものなのか、平成30年度版の都道府県別の社会保険料率、実際にモデルを用いた計算方法の紹介をしていきます。
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平成30年度の都道府県別単位保険料率と計算方法を紹介!
平成30年度の都道府県別単位保険料率は?料率が高い県と低い県は?
早速平成30年度の都道府県別の社会保険料率を見ていきます!
都道府県名 | 平成30年度料率 |
北海道 | 10.25% |
青森県 | 9.96% |
岩手県 | 9.84% |
宮城県 | 10.05% |
秋田県 | 10.13% |
山形県 | 10.04% |
福島県 | 9.97% |
茨城県 | 9.90% |
栃木県 | 9.92% |
群馬県 | 9.91% |
埼玉県 | 9.85% |
千葉県 | 9.89% |
東京都 | 9.90% |
神奈川県 | 9.93% |
新潟県 | 9.63% |
富山県 | 9.81% |
石川県 | 10.04% |
福井県 | 9.98% |
山梨県 | 9.96% |
長野県 | 9.71% |
岐阜県 | 9.91% |
静岡県 | 9.77% |
愛知県 | 9.90% |
三重県 | 9.90% |
滋賀県 | 9.84% |
京都府 | 10.02% |
大阪府 | 10.17% |
兵庫県 | 10.10% |
奈良県 | 10.03% |
和歌山県 | 10.08% |
鳥取県 | 9.96% |
島根県 | 10.13% |
岡山県 | 10.15% |
広島県 | 10.00% |
山口県 | 10.18% |
徳島県 | 10.28% |
香川県 | 10.23% |
愛媛県 | 10.10% |
高知県 | 10.14% |
福岡県 | 10.23% |
佐賀県 | 10.61% |
長崎県 | 10.20% |
熊本県 | 10.13% |
大分県 | 10.26% |
宮崎県 | 9.97% |
鹿児島県 | 10.11% |
沖縄県 | 9.93% |
平成30年度の社会保険料率は、新潟県で最低の9.63%、佐賀県が最高の10.61%となりました。
また、40歳から64歳までの方(介護保険第2号被保険者)は、これに全国一律の介護保険料率(1.57%)が加わるということにも注意をしておきましょう!
こうした地域による保険料率の違いは、都道府県ごとに、必要な医療費が大きく異なるからです。
都道府県ごとの保険料率は、地域の加入者の医療費総額に基づいて算出されています。
このため、疾病や感染症などの予防などの取組により都道府県の医療費が少なく済めば、その分保険料率も下がることになります。
また、都道府県ごとでも保険料率は異なりますが、同じ都道府県でも年によって料率は異なるので、なるべく毎年チェックをしておくことをおすすめします。
月収30万円の東京在住の場合は社会保険料いくら!?
では、実際に税引などを行う前の額面報酬額が月30万円の東京在住のサラリーマンの社会保険料を算定していきます。
社会保険料は下のような数式で求めることができます。
健康保険料(従業員負担額)=標準月額報酬×健康保険料率 ÷ 2
今回は健康保険料を会社とサラリーマンが折半するケースで考えていきます。
標準月額報酬は30万円、健康保険料率は東京都の場合は平成30年度は、9.90%です。
これを式に当てはめると、
健康保険料=30万円×9.90%÷ 2=14,850円
となります。
自分の月収と住んでいる都道府県の保険料率さえわかればすぐに計算できるので、ぜひ皆さんもやってみてください!
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社会保険とは!?どんな種類がある?
社会保険とは、国が国民の生活を保障するために設けられた公的な保険制度です。
〇〇損保や△△生保などは私企業が主に運営している保険プランなので、今回紹介する社会保険とは一線を画して考えてください。
社会保険は、年収や勤務時間などの一定の条件を満たす国民は、加入して保険料を負担する義務があり、保険料は雇用者(会社員や公務員のことです)もしくは雇用主(企業など)、または両者で負担します。
主な使い道は、医療費が60%、高齢者の介護費用が40%程度の内訳になっています。
社会保険の種類は!?
社会保険と一口に言っても、大きく分けて5つの種類に分けられます。
・国民年金や厚生年金などの公的年金
・健康保険などの公的医療保険
・労災保険
・介護保険
・雇用保険
一般に公的年金は20歳以上60歳未満の方が納付の対象となりますが、大学や大学院・短期大学などに通う学生の場合は、年金の納付時期を遅らせる「学生納付特例制度」を利用することも可能です。
この制度の利用するためには、所得に関する以下の条件があるので注意が必要です。
本人所得≦118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等
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社会保険に加入する条件は!?106万円や130万円の壁って?
106万円の壁の5つの条件
ただ単に収入が106万円以上なら社会保険料を支払う必要があるわけではありません。
下の条件をすべて満たす必要があります。
- 正社員が501人以上の会社でパートをしている
- 収入が月8万8000円以上
- 雇用期間が1年以上の見込み
- 所定労働時間が週20時間以上
- 学生ではない
※収入に残業手当、通勤手当、賞与は含まない
条件を満たした場合に加入するのが厚生年金と企業の健康保険です。
この厚生年金と企業の健康保険の部分はとても重要です。負担は企業と折半で、加入することで将来の年金受取額が増え保障内容も手厚くなるからです。
130万円の壁を超えてしまう条件は!?
では収入が130万円を超えてから保険料を支払う必要があるのはどんな場合なのでしょうか。
条件は下の2つです。
- 「106万円の壁」の条件を満たさない
- 月収が10万8334円以上(年収130万円以上の見込み)
※月収に残業手当、通勤手当、賞与を含む
条件を満たした場合に加入するのが国民年金と国民健康保険です。
保険料は全額自分で負担する必要があります。
負担が大きいうえに保障内容も薄いため、加入するメリットは正直とても薄いです。
パートで130万円を年間で稼ぐのはかなり大変ですし、せっかく稼いでもメリットは薄くなってしまうので、130万円は超えないようにうまく調整するのが良いでしょう!
ただ、年収が170万円くらいまで見込める場合には再び年収は増加するので、130万円は中途半端には超えない注意も必要ですが、大きく超える分にはそれほど問題はありません。
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社会保険に加入するメリットとデメリットは?
では、社会保険に加入するメリットとデメリットを見ていきます。
メリット
老後に受け取ることのできる年金の額が増える
厚生年金は、国民年金から支給される基礎年金に上乗せして、納付した金額の量や納付期間の長さに応じて給付額を増やしてもらうことができます。
せっかく社会保険に加入するのであれば、長い期間にわたって保険料を納めておいたほうが断然お得になります。
手厚い内容の保証が受けられる
社会保険料を納めていれば、社員でもパートでも関係なく保証を受けることができます。
怪我や出産・死亡に伴う負担を一部保証してくれるものなので、万が一の時にも安心ですね。
働けなくなった時の備えになる
②に多少重複しますが、怪我や病気などで働くことができなくなった場合には労災が降りたり、失業してしまった場合には失業手当が出る場合があります。
デメリット
給料の手取り額が減ってしまう
何と言っても給料から毎月天引きされて、手取り額が減少するのがかなり大きな痛手ですよね。
上でも見たように一般的には給料の9%~10%程度が社会保険料として取られてしまうので、下の記事でも紹介している通り、月収100万円を稼いだとしても、税金や保険料を納めると手取りに直すと70万円ほどとなってしまうのです。
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まとめ
今回は、都道府県別の社会保険料率のまとめと実際にモデルを使ってシュミレーションをしていきました。
会社員や公務員の方の場合には給料からあらかじめ引かれていることがほとんどで、あまり意識はしたことがなかったと思います。
今後、少子高齢化に伴い働き世代の経済的な負担は大きくなっていくことが予想されています。
しっかりとしたプランを持った、家計の管理や制度の利用をすることをおすすめします。
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