2017年は仮想通貨元年と呼ばれるほど仮想通貨市場が急拡大した年でした。
ビットコインやイーサリアム、リップルなどの名前を耳にした方も多いはずです。
ビットコインだけを見ても2017年1月の1ビットコイン=10万円ほどから2017年11月時点で100万円以上の価格を付けています。
なかには早くからビットコインに目を付けてたくさん儲かった人もいるのではないでしょうか?
既にビットコイン取引をしている人も、これらか始めようと思っている人も気になるのが税金の計算だと思います。
この記事ではビットコインを中心にした仮想通貨の利益にかかる税金についてまとめました。
ビットコインとは?
ビットコインとは何かをざっくり説明します。
ビットコインは2009年に誕生した最初の「仮想通貨」の一つです。
中央銀行が集権的に管理する今までの通貨と異なり、仮想通貨は管理が個人間に分散されて行われる技術(ブロックチェーン)が使われていることから、特定の国に管理されることなく匿名性も高い性質が人気を呼び価格が急騰しました。
ビットコインの価格は2010年あたりまでは1ビットコイン=100円ほどでしたが、今や1ビットコインは100万円という価格で取引されています。
最近では仮想通貨を使って買い物ができるお店もどんどん増えています。
ビットコインは現在最も広く取引されている仮想通貨であり、その時価総額は20兆円に達しています。
ビットコインの仕組みを解説!価格と税金・ICOについて
ビットコインなど仮想通貨の税金の計算方法
ビットコインで儲かったら税金はどうなるのでしょうか?
日本では2017年4月に仮想通貨に対応した「改正資金決済法」が施行されました。
その中で仮想通貨取引所の登録制や厳格な資金管理など利用者保護のための規制が加えられました。
まだ不十分な面も多いですが、仮想通貨の扱いを初めて法律で規定したことで大きな意義があると言えます。
利益は「雑所得」として扱う
仮想通貨取引で得られた利益について国税庁が見解を公表しています。
国税庁はビットコインを含む仮想通貨の値上がり益を「雑所得」として扱うとしています。
これによってビットコインで得られた利益は給与所得などと合算した上で、所得税が適用されることになります。
所得税の計算表は以下のようになります。
所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万~330万円 | 10% | 97,500円 |
330万~695万円 | 20% | 427,500円 |
695万~900万円 | 23% | 636,000円 |
900万~1800万円 | 33% | 1,536,000円 |
1800万~4000万円 | 40% | 2,796,000円 |
4000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
所得税 = 所得金額 × 税率 - 控除額
例えば10万円で買ったビットコインを60万円で売ると50万円が利益になり所得として計上されます。
10万円で手に入れたビットコインを使って60万円分の買い物をした場合も同じ扱いになります。
最高税率はなんと45%!!利益の半分を税金として持っていかれると考えるとかなりの負担ですよね。
株やFXと比べると税務上のメリットが小さい
「雑所得」に分類されたビットコインの利益ですが、他の投資商品と比べると実は結構厳しい適用なんです。
他の投資対象商品である株やFX(外国為替証拠金取引)と比べてみましょう。
損益通算 | 税率 | 課税方式 | |
譲渡所得(上場株式・社債) | 出来る | 20.315% | 分離申告課税 |
雑所得(金先物・FX) | 出来る(他の所得とは不可) | 20.315% | 分離申告課税 |
雑所得(ビットコイン) | 出来ない | 5~45% | 総合課税 |
ビットコインは雑所得で給与所得と合計した総合課税になり、税率は所得に応じて5~45%で損益通算はできません。
同じ雑所得扱いでもFXや金先物は分離申告課税で税率は20.315%固定で、赤字が出た場合は損失を3年間繰り越して将来の利益と相殺する「損益通算」と呼ばれる制度もあります。
株や社債は税率が20.315%と固定で、損益通算ができるほかにも確定申告をする必要がないというメリットがあります。また「NISA」などの制度を利用して利益を非課税にすることができます。
ビットコインが雑所得であるデメリット
以上からビットコインの税制のデメリットをまとめました。
- 他の所得と損益通算ができない
- 損失を繰り越し控除ができない
- 累進税率が適用される
以上の3点がビットコインのデメリットです。
他の投資商品と違い総合課税なので所得税だけでなく住民税なども増えることになります。
この結果、大きく利益が出ている場合ほど他の投資商品と比べ税金が大きくなってしまいます。
いくら儲かったら確定申告が必要?
ビットコインは雑所得扱いなので、儲かっていると期末に確定申告をする必要があります。
ではいくら儲かったら確定申告が必要になるのでしょうか。
経費や控除を考慮する必要がありますが、目安として以下のようになります。
会社員が副業としてやっているとき:利益が20万円を超えたとき
他に所得がないとき:利益が38万円を超えたとき
20万円以上、もしくは38万円以上の利益が出たら確定申告が必要になるのですね。
もし申告漏れが見つかったときは追徴課税など処罰を受ける可能性があるので該当者は必ず確定申告をするようにしましょう。
追記:仮想通貨で仮想通貨を購入する場合、マイニング、ハードフォークで仮想通貨を得た場合の利益の扱いについて国税庁が所得の計算方法を公表しています。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
ビットコインの税金と所得計算・国税庁の公表資料をもとに解説
仮想通貨で出た利益の税金対策・節税方法はある?
利益に対し巨額な税金がかかるビットコインですが、何とかして税金を減らすことはできないでしょうか?
いくつか方法が考えられるので参考にしてください。
日本円に換金しない
一番手軽で且つ有効な手段はビットコインのまま持ち続けることです。
ビットコインは円に換金しなければ税金はかかりません。
ご存知のとおり現在ビットコインの価格は右肩上がりです。
将来ビットコインに有利な方向へ税制が改正される見込みもあるので持ち続けること一つの選択肢です。
例)FX(外国為替証拠金取引)取引の利益は当初仮想通貨と同じ累進課税だったが、後に定率課税に変更された(20.315%)。
クラウドマイニングに申し込む
クラウドマイニングを知っていますか?
マイニングとは仮想通貨を発掘する作業を指します。
クラウドマイニングとはあらかじめ料金を払うことで、将来の一定期間に渡ってインターネット上でマイニングをすることができる仕組みです。
簡単に言えば、このクラウドマイニングの申し込み料金を経費として計上することで税金を節約することができるのです。
さらに将来的にはさらに大量の仮想通貨を手に入れることができるという一石二鳥の手段です。
現時点でクラウドマイニングを実施しているのは英語のサイトしかありませんが、解説しているブログなどがたくさんあるので参考にしながらチャレンジしてみてもいいかもしれません。
タックスヘイブンを利用する
タックスヘイブンという名前を聞いたことはありますか?
所得税などの税金が非常に安い国・地域のことです。
具体的にはシンガポールや香港、スイス、ケイマン諸島などがあります。
これらの地域に資産を移すことで日本の重い課税を逃れることができます。
注意してほしいのがタックスヘイブンは「脱税」とは異なることです。
あくまでルールに則って節税する手段です(場合によってはグレーな手段もあります)。
現在日本から資産を海外に持っていくと高額な「出国税」が課されますが、2017年11月時点で仮想通貨は対象ではありません。
そのうち法律が改正される可能性もあるので、早めに税理士などに相談してみるのもいいかもしれません。
仮想通貨はどこで買える?ビットコインの取引所と入手方法
まとめ
仮想通貨の税金についてまとめました。
現在の税金は重いとはいえ、まだまだ仮想通貨の発展に対して法律の整備が追い付いていない状態です。
しっかりと規制などの情報にアンテナを張って最新情報にいち早くキャッチアップしましょう。
ビットコイン(Bitcoin)とは?仮想通貨に価値がある理由
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