2019年9月下旬、巨人がリーグ優勝を達成すると、プロ入りから巨人一筋19年、扇の要として巨人の勝利に貢献し続けた男が引退しました。
その男とは、みなさんご存知の通り阿部慎之助選手です!
今回は阿部慎之助選手のプロ入りから引退までの年俸推移について成績と共に振り返ります!
捕手としての頼もしいリードだけでなく、リーグ屈指の強打者としても活躍した彼の凄さを再確認することとなるでしょう!
阿部慎之助選手のプロフィール!
- ポジション:捕手、一塁手
- 身長/体重:180cm/97kg
- 生年月日:1979年3月20日(2019年現在40歳)
- 投打:右投左打
- 出身:千葉県浦安市
- 経歴:安田学園高等学校(1994〜1997年)→中央大学(1997〜2001年)→読売ジャイアンツ(2001年〜)
地元浦安市の浦安市立浦安中学校を卒業し、東京都墨田区にある安田学園高等学校に進学しました。
高校通算38本塁打を放ち、中央大学へ進学、3年生春までは東都大学連盟2部リーグ、3年秋からは1部リーグでプレーしました。
阿部慎之助選手の大学時代の成績
阿部慎之助選手は大学時代の成績を買われ、2000年のドラフト会議で読売ジャイアンツに1位指名を受け、入団するに至りました。
では、阿部慎之助選手の大学時代はどのようなものだったのでしょうか?
阿部慎之助選手は東都大学野球連盟リーグで3年春までは2部、3年秋からは1部でプレーしました。
大学リーグでの成績は以下の通りです。
リーグ | 出場試合数 | 打率 | 打数 | 安打 | 打点 | 本塁打 |
2部 (〜3年春) | 51 | .312 | 186 | 58 | 41 | 12 |
1部 (3年秋〜) | 28 | .293 | 92 | 27 | 19 | 5 |
リーグ戦は春と秋の2回行われ、一回のリーグ戦で1チームあたり、10〜14試合ほど試合を行います。
以上の阿部慎之助選手のリーグ戦出場試合数から考えると、阿部選手は1年生の時からほぼ全ての試合に出場していたということが見て取れます。
成績を見ると、打率は3割前後と優秀ですね。
打点や本塁打はプロ野球1シーズン144試合ということを考えると、プロ野球で言う、大台シーズン100打点・25本塁打をマークしている選手です。
また、3年秋から1部リーグに昇格すると、ベストナインを獲得しました。
3年生の2000年9月にはシドニーオリンピック日本代表にも選出されました!
大学入学時から継続してこれほどの成績を残しているとなれば、名門巨人軍からドラフト1位指名される理由もよく分かりますね!
阿部慎之助選手が大学時代に所属していた東都大学リーグとは?
阿部慎之助選手が所属していた東都大学野球連盟リーグは現在、1部〜6部あり、それぞれの部に5〜6チームが所属しており、リーグ全体では34チームが存在しています。
阿部選手は大学時代にこの東都リーグの1部と2部にいました。
中央大学の他に、読売ジャイアンツのエース・菅野投手が所属していた東海大学、横浜DeNAベイスターズの守護神・山崎康晃投手が所属していた亜細亜大学、ニューヨーク・ヤンキースや広島東洋カープで活躍した黒田投手が所属していた専修大学などが東都大学リーグに所属しています。
阿部慎之助選手のキャッチャー時代の年度別年俸・成績一覧はこちら!
阿部慎之助選手はヘルニアを患っており、2015年、腰の負傷から、キャッチャーからファーストへ守備位置をコンバートしています。
ここでは、まず阿部慎之助選手のキャッチャー時代の年俸と成績を年度別に見ていきましょう!
年度 | 年俸 | 出場数 | 打数 | 安打数 | 打率 | 本塁打数 | 打点数 |
2001年 | 1300万円 | 127 | 386 | 87 | 0.225 | 13 | 44 |
2002年 | 3800万円 | 127 | 446 | 133 | 0.298 | 18 | 73 |
2003年 | 7800万円 | 94 | 314 | 95 | 0.303 | 15 | 51 |
2004年 | 7500万円 | 108 | 379 | 114 | 0.301 | 33 | 78 |
2005年 | 1億2000万円 | 130 | 476 | 143 | 0.300 | 26 | 86 |
2006年 | 1億4000万円 | 129 | 452 | 133 | 0.294 | 10 | 56 |
2007年 | 1億4000万円 | 140 | 499 | 137 | 0.275 | 33 | 101 |
2008年 | 2億4000万円 | 125 | 428 | 116 | 0.271 | 24 | 67 |
2009年 | 2億7000万円 | 123 | 409 | 120 | 0.293 | 32 | 76 |
2010年 | 3億5000万円 | 140 | 498 | 140 | 0.281 | 44 | 92 |
2011年 | 4億円 | 114 | 390 | 114 | 0.292 | 20 | 61 |
2012年 | 4億円 | 138 | 467 | 159 | 0.340 | 27 | 104 |
2013年 | 5億7000万円 | 135 | 422 | 125 | 0.296 | 32 | 91 |
2014年 | 6億円 | 131 | 459 | 114 | 0.248 | 19 | 57 |
大学時代に素晴らしい成績を残し、2000年のドラフト会議でジャイアンツに1位指名で入団した阿部慎之助選手ですが、入団時の契約金として、10億円を受け取っていたと関係者が証言していたという話もあります。
現在プロ野球年俸ランキングトップで巨人の菅野投手が6億5000万円を受け取っていることを考えると、契約金だきでこれだけの巨額を受け取れるとなると、それほど阿部慎之助選手の実力が認められ、期待されていたということがよく分かりますね!
しかし、当時、契約金最高標準額(契約金として支払える最高金額)が「1億円+5000万円」までしか受け取れないという規約があったことを考えると、この話がどこまで本当なのかは正直分かりません。
ただ、本当は契約金としての10億円のうち、契約金最高標準額を超える分を何かしらの報酬として別途支払ったのかもしれませんね。
阿部慎之助選手はプロ入り初年度の2001年当時ヘッドコーチであった現巨人監督、原辰徳さんの推薦で当時の球団としては23年ぶりの「新人捕手開幕スタメン」を果たしました!
この原監督の見込みはとても当たっていて、この後合計10年以上もの間、ジャイアンツを監督として率いることとなる原監督を阿部選手はリーグ優勝へと7度も導く立役者になります。
華々しいプロ野球生活のスタートを切った阿部慎之助選手は、規定打席に到達しなかったものの、新人捕手として史上2人目となるシーズン2桁本塁打を記録しました。
プロデビュー2年目にして、127試合に出場し、ベストナイン、ゴールデンクラブ賞を獲得しました。
新人としては驚異的な活躍ですね!
その後も特別調子を大きく落とす年もなく、毎年打率3割前後、2桁本塁打を記録していきます。
キャッチャーは守備での貢献度が大きいことから、「守備がよければ、あまり打てなくても仕方ない」という風潮があります。
現に、名捕手と呼ばれ、守備で大きく貢献してきた捕手でも打撃成績の良い選手はあまりいません。
そんな現実がある中で、普通の野手を凌ぐほどの打率・長打力を備えた阿部慎之助選手はキャッチャーとして打って守れるプロ野球界最高の選手であり続けました。
2010年にはキャリア最高の44本塁打、2012年には打率.340、104打点で打率と打点でリーグ1位、27本塁打でリーグ2位とリーグトップクラスのバッティング成績を残しました。
2013年も打率3割弱、30本塁打超え、100打点弱を記録し、その年の年末に翌年の年俸をキャリア最高の6億円という額で契約することが決定しました。
この契約時に阿部慎之助選手がとった行動が良いエピソードがあるので、ご紹介します!
大型契約で見せた阿部慎之助選手の信念
2013年シーズン終了後、毎年打率3割前後、30本塁打を軽くマークする阿部慎之助選手に対して、巨人は2014年度年俸として阿部選手に6億2000万円を提示しました。
これは、イチローと並べて実力と讃えられるあのゴジラ松井秀喜選手の全盛期の2014年の年俸6億1000万円を上回るものでした。
しかし、阿部慎之助選手は球団からのこの最高の提示を拒否します。
その理由は、「松井秀喜選手への尊敬の気持ち」でした。
つまり、阿部選手は自身が尊敬する松井秀喜選手よりもオファーを受けてしまうことが失礼だと感じたのでしょう。
2000万円という大金を松井選手へのリスペクトの気持ちのために手放すほど阿部選手の気持ちは強いものだったようですね。
松井秀喜選手を尊敬して阿部選手が辞退したことがもう一つあります。
それは、「メジャーリーグ挑戦」です。
阿部慎之助選手はテレビ番組の松井選手との対談で、メジャーリーグ挑戦も視野に入れていたものの、「『日本で大活躍した松井選手がメジャーで苦労している姿を見て、自身もメジャーでうまくいかないだろう』と思った」という趣旨の話をしていたそうです。
メジャーリーグ挑戦も野球人として生きる以上最高の夢の一つですが、それさえも松井選手の姿を見て自身の進退を決めることからも阿部選手の松井選手への尊敬の念を感じられますね。
阿部慎之助選手のファーストコンバート後の年度別年俸・成績がこちら!
年度 | 年俸 | 出場数 | 打数 | 安打数 | 打率 | 本塁打数 | 打点数 |
2015年 | 5億1000万円 | 111 | 343 | 83 | 0.242 | 15 | 47 |
2016年 | 3億2600万円 | 91 | 335 | 104 | 0.310 | 12 | 52 |
2017年 | 2億6000万円 | 129 | 455 | 119 | 0.262 | 15 | 76 |
2018年 | 2億1000万円 | 95 | 198 | 49 | 0.247 | 11 | 46 |
2019年 | 1億6000万円 | 95 | 158 | 47 | 0.297 | 7 | 27 |
阿部慎之助慎之助選手は長年スタメンマスクを被り続け、攻守に渡りジャイアンツを支え、幾度ものチームのリーグ優勝に貢献してきました。
しかし、キャッチャーとしておおよそ年間120〜130試合ほぼスタメンとして出場してきたことで、体には大きな負担となっていました。
結果的に腰痛をはじめ、手首や首の痛みなど体の各箇所に痛みが生じるようになりました。
そこで、2015年からは体への負担の少ないファーストへコンバートすることになりました。
プロ野球では、ファーストは比較的守備力の高くない選手でも守れるというセオリーがあります。
そのため、ファーストは守備力が高くなくても、強打者などでバッティングで結果を残せる選手が多くいます。
名門巨人ともなれば、ファーストには数多くの強打者がひしめき合っているのは常です。
チームトップクラスの強打の外国人選手がいるだけではなく、阿部慎之助選手がコンバートした2015年には2018年に引退した村田修一選手がまだまだ活躍し、若手のホープで2019年にはシーズンほぼ全試合出場、31本塁打を放った岡本選手もいました。
熾烈なポジション争いの中で、ファーストコンバート後は出場数や打数を徐々に減らしていきました。
特に2018年以降は巨人の生え抜き、和製大砲の岡本選手がブレイクしたことで、スタメンは岡本選手が出場し、阿部慎之助選手は代打出場などが増えていきました。
他選手の台頭で打席数を落とすこととなる阿部慎之助選手ですが、成績は年齢や体の調子の割に結果を残しているといった印象です。
というのも、ファーストコンバート後も2桁本塁打をほぼ毎年記録し、2016年には打率3割をマーク、引退年となる2019年も打率3割近くをマークしました。
また、引退試合の1試合前の横浜DeNAベイスターズ戦では、スタメンとして出場し、3打数2安打1四死球1本塁打と引退間近の選手とは感じさせない活躍ぶりでした。
阿部慎之助選手の年俸総額、獲得タイトル・賞、達成記録がこちら!
阿部慎之助選手の年俸総額
阿部慎之助選手のプロ野球生活19年間で獲得した年俸は総額49億円です!
生涯年収が約2億円と言われている中で、これだけの年俸を受け取ることは、一般人の感覚からは想像もつきませんね!
阿部慎之助選手の獲得全タイトル
- 首位打者:1回(2012年 打率.340)
- 打点王:1回(2012年 104打点)
- 最高出塁率:1回(2012年 出塁率.429)
2012年阿部慎之助選手は3タイトルを獲得し、巨人の優勝に大きく貢献しました。
打率.340、出塁率.429は驚異的ですね!
打席に立てば、3回に1回はヒットを放ち、ほぼ2回に1回は出塁する感じですね!
まさにピッチャー泣かせです!
2012年に大活躍した阿部慎之助選手ですが、本塁打部門はどうだったのでしょうか?
2012年、阿部選手は27本塁打を放っています。
この成績はヤクルトに所属するバレンティン選手の31本塁打に次ぐ、リーグ2位の成績でした。
そう考えると、リーグ三冠王も達成の可能性は十分にありました。
「三冠王」とは、プロ野球で1シーズンに「打率」、「本塁打」「打点」の3部門でリーグ1位を獲ることを言います。
阿部慎之助選手の主な表彰
- 最優秀選手賞:1回(2012年)
- ベストナイン:9回(2002年、2007年ー2014年)
- ゴールデングラブ賞:4回(2002年、2008年、2013年ー2014年)
阿部慎之助選手が受けた主な表彰はファーストへのコンバート前の2014年までに受けたものです。
本職であるキャッチャーとしては、守備面でもリーグトップの選手であり続けました。
阿部慎之助選手の主な記録
- 通算2000試合出場
- 通算2000本安打
- 通算400本塁打
今後の阿部慎之助選手とジャイアンツ
2019年でプロ野球を引退することとなった阿部慎之助選手は次代の監督になるべく、指導者の道に進むそうです。
もしかしたら、数年後、また巨人のユニフォームを着た阿部慎之助選手をベンチで見ることができるかもしれません!
ジャイアンツにとっては打てるキャッチャーとして平成を代表する選手であり続けた阿部選手の引退は戦力的にもチームの精神面でも大きな痛手でしょう。
今後の巨人を左右するのは、巨人の生え抜きである2選手、キャッチャーの小林誠司選手とファーストの岡本和真選手の活躍でしょう!
この2選手を中心として、阿部慎之助選手に頼らない新巨人に注目です!
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