年金受給額っていくら?国民年金・厚生年金ごとの平均額を紹介

話し合い

皆さんは自分がどのくらい年金を受け取ることができるかをご存知ですか?

実は年金というのは、働いている間に積み立てておくものではなく、納めておくことによって将来年金を受け取ることができる権利を受け取るものにすぎません。

ですから、少ない若者がたくさんの高齢者を支えなければいけない社会とも言われているのです。

そこで今回は、国民年金が一体いくら受け取れるのか、厚生年金はいくら受け取ることができるのかをご紹介し、今後年金制度はどうなっていくのかも解説していきます。

そもそも国民年金とは・国民年金の仕組みを簡単に解説!

そもそも年金とは老後になって、働けなくなった状態でも、国民が安心して生活ができるような経済基盤を与えるために設計された制度です。

そのうち国民年金は、サラリーマンの方やフリーランスとして働く方、自営業の方を含めたすべての人々に共通する年金であり、日本の年金制度の中心となるものです。

基本的に20歳から60歳まで40年間毎月保険料を納めることで、65歳から満額の年金が貰えるようになります。

しかし学生などは個別に収める時期を変更できるようにもなっています。

実際、平成30年度の保険料額と年金受取額は以下のようになっています。

国民年金保険料額(平成29年度):月額16,490円 年額197,880円

国民年金受取額(平成29年度):月額64,941円 年額779,292円

国民年金は「賦課方式」

国民年金は「賦課方式」と呼ばれる仕組みに基づいています。

この賦課方式とは、現役で働いている世代が納めた保険料が、そのまま現在の高齢者の年金に使われるということです。

よく勘違いして、納めている保険料が積み立てられて老後に支払われるというイメージを持っている方がいます。

これは「積立方式」と呼ばる方法で、日本でも利用が拡大している「確定拠出型年金制度」はこの方式を採用しています。

しかし、国民年金においては働いている時に支払った年金がそもまま積み立てられて将来受け取れるというわけではないのです。

つまり、現役世代が支払った保険料で得られるのはあくまでも年金を受け取れる権利だけです

国民年金の平均額はいくら!?

厚生労働省が公開している「平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」という報告書によれば、平成29年度の国民年金の平均受給額は、月あたり55,615円となりました。

先ほどご紹介した、月額は64,941円となっていましたが、これは40年間保険料を支払った場合の満額となっています。

しかし実際には、満額よりも1万円近く少ない受給額の人が多いことが、この数値からわかりますね。

厚生年金の平均受給額はいくら!?

続いて、厚生年金の平均受給額を見てみましょう。

先ほどと同様の「平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、厚生年金の月額の平均受給額は147,051円となりました。

とはいえ、厚生年金の場合は加入している期間などによって、受給できる金額に大きな差があります。

そのため、男性の場合は166,668円、女性の場合は103,026円であり、月に6万円もの差が生じています。

年金の支給が繰り下げられる!?定年延長との関係は!?

定年が70歳まで延長!?その概要とは

安倍首相は2018年10月22日に自らが議長を務めている未来投資会議において、企業における継続雇用年数を現状の65歳から70歳へ引き上げるとの方針を発表しました。

もちろんこの発言で定年年齢の引き上げが確定したわけではありませんが、政府としては2020年の通常国会において関連法案を提出することを検討しているようです。

これまでも今回同様に日本における定年の引き上げは何度も行われてきました。

もともと定年制度は、終身雇用年功序列という日本企業の特性を維持する上では必須の条件でした。

ところが、最近では少子高齢化や労働力不足のため、元気で労働意欲の高い高齢者にはもっと働いてもらいたいという需要が高まっています。

また、既存の年金制度の行き詰まりから、高齢者の労働継続によって年金受給年齢を引き上げるという意図もあるようです。

年金の受給開始を75歳まで選べるようになる!?

こうした定年の変更に伴ってか、2019年には公的年金の受給開始年を75歳まで繰り下げられるように制度変更をする案を検討しています。

定年が70歳へ延長されることによって、従来は社会に支えられる側だった70歳前後の高齢者が、社会を支える側に回ることもできるようになるようです。

公的年金で不安な場合は、ideco(イデコ)がおすすめ

そもそもideco(イデコ)とはどんな仕組み!?

iDeCoとは「個人型確定拠出年金」の英語の略称です。

年金と名前についている通り、自分で毎月一定額の掛け金を積みたてて投資信託などで運用し、老後に年金として受け取る仕組みになっています。

高齢になった後公的年金だけで生活できるか不安な方にとって、今から老後に備えることのできる制度です。

株や投資信託を購入し値上がりや分配金で利益が出ると税金を払わなくてはなりません。

しかし、イデコの場合には運用益は非課税になるというメリットがあります。

ideco(イデコ)で所得控除が受けられる!?

イデコの場合の最大のメリットは、拠出した金額が所得控除になることです。

例えば所得税率が30%の人が毎月1万円、年間12万円の積み立てをした場合

12万 × 30% = 3万6000円の節税効果があります。

この節税効果はiDeCoに加入している限りずっと続きます。

例えば40歳に加入し、10年間運用した場合の所得税節税額は

3万6000円 × 10年 = 36万円 になります。

また年収が多ければ多いほど節税効果は大きくなります。

節税額の目安は以下の表を参照してください。

公務員・会社員自営業
掛け金の上限額1.2万円6.8万円
年収別の年間節税額
年収500万円2.16万円12.24万円
年収700万円2.88万円16.32万円
年収950万円4.32万円24.48万円

仮に投資商品としてそれほど運用益が出なくとも、節税効果だけでも大きなメリットがあるのではないでしょうか!?

ideco(イデコ)の2つの注意点!

一つ目の注意点は、掛け金と利益の分は60歳まで引き出すことができないことです。

運用益が非課税で所得控除が利用できるとはいえ、すぐに自由に使えるお金は減ってしまいます。

ですから、長い目で見て、子育てや教育を考えたときに無理のないような範囲で計画的に利用することが大事でしょう。

ですからライフイベントの盛んな若年層よりはお年寄り向けの制度とも言えますね。

二つ目のデメリットは掛け金を毎年一回しか変更することができないことです。

節税目的で掛け金を高くして、家計を圧迫してしまうなんてことにならないように気を付けましょう!

おわりに

今回は、国民年金と厚生年金の簡単な仕組みや実際に受け取ることのできる金額、さらに今後年金制度がどのようになっていくのかなどを解説していきました、

今の働き世代が高齢になった場合に、今の年金制度がどのようになっているのかは疑問の余地がありますが、働くことのできる高齢者が自ら年金の受給を選ぶことができるのは、非常に有益でしょう。

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