就職活動をしているみなさんや、転職活動をしていらっしゃる方は企業選びの際にどのようなポイントに着目していますか?
残業時間が少ないこと・自己成長ができること・裁量権が大きいこと、など人それぞれあるでしょう。
しかしこうした指標はなかなか外からでは分かりにくいですし、いまいちパッとしません。
やっぱりみなさん気になるのはお金、すなわち年収ですよね。
サラリーマンたるもの、やはりお金を稼げるようになることが第一目標であり、多くの人はその目安として「年収1000万円」というものを掲げていると思います。
そこで今回は、30歳で年収1000万円という大台に到達することができる業界や企業を紹介していきます!
何よりも収入やお金を仕事を選ぶ軸にしたいという方はぴったりの内容を用意しています!
分かりやすいように業界ごとにどんな企業であれば30歳で年収1000万円に到達できるのかを分けて紹介していくので、業界はある程度決まっているという方はそちらだけでも十分理解できるようになっています。
業界1:総合商社
まず最初に紹介していくのは、総合商社です。
総合商社というとあまりピンとこない方も多い方も多いかもしれませんが、簡単にビジネスモデルを解説すると、海外と日本との貿易の架け橋となる業種をさします。
一昔前までは、トレーディングという純粋な物流での利益を上げるビジネスでしたが、現在では現地法人を買収して自社でより業務効率化を進めることで高い付加価値を生み出していく、さらに泥臭く現場意識の高いビジネスモデルへと変わっていきました。
生涯を通して海外出張や海外駐在の機会も多く、グローバルに活躍する舞台が整っている点でも就活生に人気の高い業界です。
そんな総合商社の中でも、30歳で年収1000万円にほぼ到達できるであろうというのは、いわゆる5大商社と呼ばれる企業群と言われています。
5大商社というのは、総合商社の中でも規模の大きな次の5つの企業のことです。
- 三菱商事
- 三井物産
- 住友商事
- 伊藤忠商事
- 丸紅
総合商社の給与体系はベースとなる基本給は他の日系企業とそれほど変わりませんが、業績変動のボーナスと残業代によって他を圧倒するような水準に到達します。
ボーナスでは好景気の時には200万円〜300万円近い金額が一気に手元に入ることもある夢のある業界です。
また、海外駐在の際には会社から海外駐在手当が出たり、現地での生活費や家賃が会社持ちになるなど、破格の待遇が用意されています。
商社マンは配属リスクも大きく、転勤先が地球の反対側になってしまうなんてこともありますが、好奇心旺盛でアクティブな方であれば、あらゆる環境で働きながら高給をゲットできる願ったり叶ったりの職業と言えるでしょう!
業界2:金融(メガバンク&保険)
続いて紹介するのは金融業界です。
ここでいう金融とは、メガバンクと保険会社の2つに大きく分類されます。
メガバンクというのは、日本に存在する数ある銀行の中でも最大規模の3つの銀行のことであり、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行の3つをさします。
この3つの銀行は知らない人はほとんどいないでしょう。
メガバンクは基本的にはATMなどを利用する時にかかる手数料や、企業に大きな金額を融資したあとで返済を受ける際の利子で収益を上げています。
最近では、単にお金を貸し借りするだけでなく、企業に対して経営的なアドバイスを行なったりコンサルティングを行うことで、貸した方も借りた方もwin-winになれるような関わり方に変わってきています。
3行のうちだと、三菱UFJ銀行と三井住友銀行がみずほ銀行よりもやや年収は高めになっているのが現状ですね。
続いて保険業界では、損害保険を扱っている東京海上日動火災保険が年収面では抜きん出ていくでしょう。
損害保険会社は、みなさんの身近なところでは自動車保険を扱ったり、企業が何か事業をする際に不確定要素があれば、そこを保険でカバーし万が一の場合に対処していく、という点でビジネスを行なっています。
そんな損害保険業界ではやはり業界トップである、東京海上日動火災保険の待遇が圧倒的で、残業時間も短く年収も高いということから、ホワイト企業の代表格としても名高いですね。
就活生にもかなり人気のある企業です!
また、新卒採用で入社する方はごく少数ですがプルデンシャル生命保険の営業職もうまくいけば30歳で年収1000万円を突破します。
プルデンシャル生命保険の営業職は基本的に歩合制であり、給与は青天井で成果次第となります。
契約が取れなければ年収は低くはなりますが、反対に良い結果を残せば数千万円、数億円という破格の年収も実現可能です。
フルコミッション制の営業はハイリスクではありますが、営業マンとしての腕を惜しみなくふるえるところでもあるので、とにかく実力で勝負したい、若いうちからバリバリやっていきたいという方はチャレンジしてみても良いかもしれませんね。
業界3:総合デベロッパー
3つ目に紹介する業界は総合デベロッパーです。
デベロッパーと聞くと何か開発する人だからIT系なのでは、と考える人も多いかもしれません。
しかしここでいう総合デベロッパーというのは、街づくりなどの大規模開発を企画・実行していく会社を意味します。
そんな総合デベロッパーの中でも、三菱地所・三井不動産・住友不動産・東急不動産などこの辺りの企業は30歳で年収1000万円に届く可能性が高いとされています。
不動産業界の特徴としては、やはり大きな資産を持っているので安定性があり、業界上位になればなるほど高給かつ労働時間が短いというホワイト企業化していくという傾向にあります。
また総合デベロッパーとはやや離れますが、ヒューリックや日本商業開発といった不動産関係の企業もサンプル数は少ないですが、30歳で1000万円に到達するとされています。
ヒューリックは都心を中心に駅直結や駅近くのオフィスビルや商業施設を開発している企業であり、最近では都内の主要の駅の目の前にはヒューリックの名前が入ったビルがかなり多く見られるようになりました。
日本商業開発は、土地に特化した不動産投資業を行う企業であり、土地の購入時点でテナントとなる企業と予約契約を行う独特のビジネスモデルを持っている企業です。
上記の企業に比べると会社の規模や採用人数ともに少ないですが、初任給は720万円で入社5年は毎年100万円ずつ昇級するなど破格の待遇が用意されているようです。
業界4:日系メーカー
日系メーカーは業界全体としてはそれほど年収が高いわけではありません。
多くの日系メーカーでは30歳時点での年収は高くても800万円というところです。
しかしそうした日系メーカーのなかで異彩を放つのがキーエンスです。
ファクトリーオートメーションやセンサーなど精密機械を製造しているメーカーであり、日本の上場企業の中ではトップクラスの利益率を誇る企業です。
キーエンスの年収は1年目から800万円近く、早ければ2年目から3年目に1000万円に到達してしまいます。
キーエンスというと激務なイメージがありますが、労働時間としてはそれほど長いわけではありません。
有価証券報告書のデータでも残業代は一般的な企業とそれほど乖離はありませんし、休日出勤もほとんどありません。
ただし業務に対する密度の濃さが凄まじく、業務時間中はみっちりとサボることなく働き続けなければなりません。
時間にルーズな人や集中力がない人はかなり居心地の悪く、活躍することは難しい企業と言えるでしょう。
その反面、時間にぴったり行動するのが得意な人や営業スキルを若いうちから磨きたい人にはこれ以上にない濃密なサラリーマン生活を送ることのできる職場と言えそうですね。
業界5:M&Aブティック・M&A仲介
続いて紹介するのは、M&Aに関わる業界です。
M&Aというのは簡単に説明すると、会社を売ったり買ったりすることですね。
会社の価値というのはピンキリですが、基本的には億単位のお金が動くことになりますので、個人であげることのできる利益も大きくなり、年収も高めになります。
そんなM&Aブティックで年収が高いのが、GCAです。
GCAは金融機関にも属さない独立系ファームとして経営コンサルティング業を手掛けています。
アメリカ、アジア、ヨーロッパなどの案件が多く、世界各地のネットワークを生かして業務が行われています。
最近では阪急ホールディングスと阪神電気鉄道の統合などの大型案件を成功させたとして話題になりましたね。
M&Aブティックは大型の案件かつバイサイドかセルサイドの一方について仕事をしますが、小規模の案件であれば仲介というマッチ的な働きをする企業も多いです。
M&A仲介として有名なのが、日本M&Aセンター・ストライク・M&Aキャピタルパートナーズなどですね。
少子高齢化に伴う後継者不足に悩む企業が増えているという時代の流れもあり、中小企業のM&Aを行うこれらの企業はまさに伸び盛りを迎えています。
しかしどちらの企業も新卒採用はほとんど行っておらず、基本的には人脈や実力をつけた屈強なビジネスマンたちが挑戦をしに来る場所という印象が強いですね。
業界6:外資系コンサルティングファーム
6つ目に紹介する業界は、外資系コンサルティングファームです。
最近認知度も上がってきており、就活生の行きたい企業ランキングでもかなり名前が挙がるようになってきましたね。
特に年収が高くなるのは戦略系コンサルティングファームと呼ばれる企業群です。
具体的には次のような企業が、戦略案件に恵まれたコンサルティングファームとされています。
- マッキンゼー・アンド・カンパニー
- A.T.カーニー
- ボストンコンサルティンググループ
- ローランドベルガー
- アクセンチュア
これらの企業で30歳までしっかりと成果を残すことができれば、基本的には間違いなく年収1000万円に到達するでしょう。
ただし外資ならではの生存競争の厳しい環境でもあるので、やはりリスクや緊張感のある環境ですね。
業界7:外資系投資銀行
最後に紹介するのは外資系投資銀行です。
あまり馴染みのない業界かもしれませんが、世界の金融に大きなインパクトを持ち、大規模なM&Aを取り仕切るのが外資系投資銀行たちです。
外資系投資銀行であれば、基本的にはどの企業でも30歳で年収1000万円は固いでしょう。
- ゴールドマンサックス
- モルガン・スタンレー
- JPモルガン
- メリルリンチ
- シティグループ
- バークレイズ
- UBS証券
- クレディ・スイス・グループ
- ラザード・フレール
上記の企業であれば、どこに入っても高給取り間違いなしです!
ただし入社難易度は他の業界とは比べ物にならない位ほど高いです。
会計に関する知識・英語力・体力・論理的思考力などあらゆる能力を備えており、かつそれらがトップクラスでなくてはなりません。
20代で年収1000万はかなり狭き門!?手取りはいくらになる!?
ここまで見てきてサラリーマンとして20代のうちに年収1000万円に到達するにはかなり限られた企業しかないということがわかったと思います。
データとしてみるとより一層、30歳までに年収1000万円というのがいかに難しいかわかるでしょう。
20代で年収1000万円は全体の1%未満しかいない!
厚生労働省の「賃金階級・性・年齢階級別労働者数割合」によると、
会社勤務の20代の方で、年収1000万円に到達している人の割合はほとんど0%となっています。
やはり日本の多くの企業では、年齢や年次が上がるにつれて給与が上がっていく年功序列の人事制度をとっているので、なかなか20代で大台を突破している人はいないようですね。
もちろん起業をしている方を含めると割合はやや上がりますが、サラリーマンでこれだけの年収を稼いでいる人はほとんど存在しないことがはっきりとわかりますね。
年収1000万円でも手取りは700万円ほど!税金や社会保険の大きさを理解しておこう!
年収1000万円というとキリが良いですが、税金や社会保険料を差し引くと、実は700万円ほどしか残りません。
年収1000万円の場合には、所得税が77万円ほど、住民税が60万円ほど、社会保険料が144万円ほどかかりますので、収入の3割ほどは税金と社会保険で持っていかれるということになりますね。
詳しい計算方法は以下の記事で解説していますので、本当にそんなに手取りが少ないのか疑問に思った方はご覧ください。
ですから、年収1000万円というのはみなさんが思っているほど裕福でもありませんし、結局手元に入ってくるのは1000万円ではないのです。
あまりお金に固執しすぎず、やりたい仕事をする方が幸福度は高い場合もありますので、年収1000万円にこだわらなくても良いかもしれないという人は別の軸で就職活動をしてみてもいいかもしれませんね!
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