ビットコインの4割をたった1000人が保有!くじらとは

ビットコインは全体の流通量のおよそ40%は1,000人ほどの投資家が保有しているといいます。

そんなビットコインを大量に保有している投資家はぞくに「くじら」と呼ばれています。

くじらと呼ばれる大口の投資家たちがビットコインを保有していると一体何が起こりうるのでしょうか。

今回はそんなくじらについて今後起こり得る可能性についてお伝えしていきます。

ビットコイン(Bitcoin)を大量に保有する投資家くじらとは

冒頭で述べたようにビットコインを大量に保有している投資家は世間ではくじら(Whales)と呼ばれています。

2017年12月13日時点でのビットコインの流通量は1,680万BTCとされていますが、その40%にあたる670万BTC約1,000人のくじらと呼ばれる人たちが保有しているというのです。

2017年11月12日に誰かが当時のレートでおよそ180億円に相当する約2万5,000BTCをオンライン取引所に移動させました。

それは瞬く間にネット上の掲示板で広がり、ビットコイントレーダーの間では売却が近いのではと噂されました。

それほどくじらの影響力は大きく一般投資家の間で憶測が飛び交うこととなりました。

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大口保有者のくじらが相場を揺るがす?

先ほどビットコインの全体流通量の約40%を1000人ほどが保有しているとお伝えしました。

そんなくじらたちは一般投資家にとって不安材料のひとつでもあるのです。

それは大口のビットコイン保有者が結託すれば市場を操作することができることを意味しています。

2017年の12月8日にビットコインが初めて200万円を突破しました。

AQR Capital Managementの元マネジング・ディレクターで現在はブルームバーグで執筆者として活躍しているAaron Brown氏は、現在のような200万円という価格ならばくじらたちが資産の半分ほどを売却したくなるのではないかと述べています。

またくじらたちがコンタクトを取り合い協力する可能性もあるとし、協力すれば相場を操作することも十分にありえると考えています。

もともとビットコインは2008年にSatoshi Nakamotoと名乗る人物がインターネット上に投稿した論文によって提唱され、2009年にその理論の実現に向けてソフトウェアがオープンソースで開発されました。

開発当時ビットコインがまだ注目される前から携わっていた人にとって、小さなコミュニティがビットコイン取引の主な場であったと考えると大口の保有者がお互いを知り合っていることは容易に想像できるのではないでしょうか。

Multicoin CapitalのKyle Samani氏は、すでに大口保有者の数百人はお互いに連絡を取っているだろうとコメントを残しています。

ビットコインの初期から投資家として知られているRoger Ver氏は、資金の移動は個人の自由であるためくじらのような投資家が連絡を取り合い動くことは起こり得るとしています。

しかしRoger Ver氏は自身はそのようなことを行ったことはないと主張しています。

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ビットコインの市場を操作することはできるのか?

さてここまでくじらがビットコイン市場にもたらす影響について見てきました。

では本当にそのような市場の操作が起こりうるのでしょうか。

Ross & Shulgaで証券担当弁護士を務めるGary Ross氏はある程度までの情報共有は合法であると述べ、加えてあるグループが短時間で価格を押し上げても引き下げてもそれを取り締まる法律はないと主張しています。

それはビットコインは仮想通貨であり証券ではないためです。

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証券取引との違い

もし証券取引でトレーダーが価格を押し上げたり引き下げたりすれば違法になるのはもちろんのこと、オンライン上で噂を流すだけでも違法行為となるのです。

それらの行為は相場操縦的行為とみなされ、本来ならば公正な価格形成がなされるべき相場を人為的行為によって歪めることは金融商品取引法によって処罰の対象となるのです。

ビットコインはまだまだ規制が追いついていない部分が多いという現状があります。

日本でもようやく2017年12月に国税庁がビットコインをはじめとした仮想通貨の所得計算についてを公表しました。

この法整備が進んでいない仮想通貨の抜け道がたくさんあるため、そういったくじらによる価格操作が十分に考えられるのです。

しかしアメリカにある仮想通貨取引所であるBittrexはユーザーに対し、もし価格操作のためにオンライン上で噂を流すようなグループだと判断したら口座を凍結すると注意を呼びかけました。

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くじらたちは本当に市場を揺るがすのか

法律的にもビットコインを大量に持っているくじらが結束すれば相場を操作するのは容易であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

実際に理論上は十分に可能性はあります。

しかし現状、他の投資家はくじらたちがビットコインの長期的な可能性を視野に入れているといいます。

プラハ在住の仮想通貨トレーダーのSebastian Kinsman氏はくじらたちの価格操作の可能性について、大量にビットコインやビットコインキャッシュを保有している人にとって市場が崩壊するのは望んでいないというのが共通認識だろうと述べています。

他の仮想通貨でも起こり得るのか

ビットコインについてお伝えしてきましたが、このように大口の保有者が相場を操作する行為についてはビットコイン以外の仮想通貨でも十分考えられます。

というのも、現在ビットコインが一番所有権が分散されているとBlockchain Capitalのマネージングディレクターおよびリサーチ責任者であるSpencer Bogart氏は述べています。

また、ビットコインを保有している上位100人がビットコインの17.3%を占めると言われていますが、イーサリアムでは上位100人の保有量が全体総数の40%を占めていると言われております。

つまりくじらが占めている仮想通貨の市場において少口の投資家は不利であると言えるかと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回はビットコインを大量に保有している「くじら」と呼ばれる人たちについてお伝えしてきました。

初期には0.003ドル程度だったビットコインは今では価格は上がり続け17,000ドル、200万円まで高騰しています。

当時からビットコインの可能性を見出して大量に保有していた人はどのくらいの資産を築いたのか想像するだけでもすごそうですよね。

ビットコインは次第に税金などの法整備が整ってきています。

現在ビットコインには税金が発生するので、保有している方々はしっかりと調べておきましょう。

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