【私立の高校教師】平均年収は581.7万円!国公立の教師との差や必要資格は?

私立高校 教師 平均年収

この記事では、以下のことを解説しています。

  • 私立高校教師の平均年収
  • 国公立校との年収の違い
  • 私立高校教師の年収アップ法
  • 私立高校教師になるには

私立高校教師の平均年収は約581.7万円!国公立との差はどれくらい?

私立高校 教師 平均年収

  • 平均年収:約581.7万円
  • 平均勤続年数:14.9年
  • 平均授業時間数(週):13.2時間

厚生労働省と人事院の資料によると、私立高校教師の平均年収は約581.7万円となっています。

国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は443万円となっているため、

私立高校教師の平均年収は日本平均を100万円以上上回っていることになります。

→出典:厚生労働省令和元年度学校教員統計調査」、人事院「給与勧告の骨子

平均年収は、以下のような計算により求めました。

人事院の資料より、私立高校教師のボーナスは(月給+手当)×4.4ヶ月分として計算すると、

☑︎私立高校教師の平均年収

=(平均給料月額)×12ヶ月+ボーナス(月給4.4ヶ月分)

=354,700円×12ヶ月+約156万円

=約581.7万円

しかし、実際には月給に諸手当が上乗せされるため、上記の金額から上下します。

また、週平均の授業時間が13.2時間となっていますが、実際には部活動の監督や保護者面談など授業以外の業務も多く、勤務時間はこれより多くなっています。

小・中学校教師、大学教授の平均年収について知りたい方は下のリンクからどうぞ!

ここからは、項目別やランキング形式で私立高校教師の平均年収をご紹介していきます。

【男女別】私立高校教師の平均年収

男女別に見た高校教師の平均年収は以下のようになっています。

約602.8万円約530.8万円

※出典:厚生労働省「令和元年度学校教員統計調査

厚生労働省のデータによると、私立高校教師の平均給料月額は、

  • 男性:367,600円
  • 女性:323,700円

でした。

そのため、それぞれの平均年収を「年収+ボーナス(月給4.4ヶ月分)」で計算すると、男性が約602.8万円・女性が約530.8万円となりました。

上記によると、私立高校教師の平均年収は70万円ほど男女差があることが分かります。

【年代別】私立高校教師の平均年収

年代別に見た私立高校教師の平均年収に関するデータはありません。

そのため、厚労省の私立・公立を含めた平均年収をご紹介します。

年齢平均年収
20~24歳約337万円
25~29歳約431万円
30~34歳約552万円
35~39歳約659万円
40~44歳約747万円
45~49歳約803万円
50~54歳約861万円
55~59歳約922万円
60~64歳約754万円
65~69歳約664万円
70歳~約644万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※上記数値は、「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

年齢が上がるほど年収も高くなり、50代後半でピークを迎えています。

地方公務員という性質上、定年に達するまではコンスタントに年収が上がっていくことがよく分かりますね。

【都道府県別】高校教師の平均年収ランキング

都道府県別に見た私立高校教師の平均年収に関するデータはありません。

そのため、厚労省の私立・公立を含めた平均年収をご紹介します。

順位都道府県平均年収
1新潟県635.6万円
2秋田県621.0万円
3福島県615.8万円
4東京都615.1万円
5高知県608.2万円
6山形県606.1万円
7鳥取県599.2万円
8福井県599.0万円
9京都府597.1万円
10茨城県594.5万円
11徳島県592.5万円
12兵庫県591.8万円
13山梨県590.0万円
14三重県590.0万円
15長野県589.9万円
16岩手県589.2万円
17群馬県588.7万円
18神奈川県588.2万円
19北海道588.1万円
20長崎県587.4万円
21佐賀県586.6万円
22岡山県585.9万円
23静岡県585.8万円
24宮城県585.6万円
25沖縄県584.9万円
26愛知県584.6万円
27富山県582.5万円
28岐阜県581.5万円
29石川県580.2万円
30栃木県579.9万円
31広島県579.7万円
32大分県578.7万円
33山口県578.5万円
34香川県576.6万円
35青森県575.3万円
36埼玉県574.0万円
37千葉県573.5万円
38和歌山県571.0万円
39愛媛県570.7万円
40奈良県567.9万円
41滋賀県566.7万円
42大阪府565.8万円
43福岡県561.8万円
44島根県561.7万円
45熊本県561.3万円
46宮崎県560.5万円
47鹿児島県557.7万円

※出典:厚生労働省「令和元年度学校教員統計調査

1位は新潟県の635.6万円、最下位は鹿児島県の557.7万円となっており、その差は80万円ほどです。

大まかな傾向として、東日本は順位の前半に多く、西日本は後半に多いことが分かります。

【経験年数別】私立高校教師の平均年収

経験年数別に見た私立高校教師の平均年収に関するデータはありません。

そのため、厚労省の私立・公立を含めた平均年収をご紹介します。

0年1~4年5~9年10~14年15年~
約381万円約440万円約553万円約700万円約823万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査

上記によると、高校教師の平均年収は年功序列であることがはっきりと分かります。

【雇用形態別】私立高校教師の平均年収

高校には、非常勤講師などの正社員以外の教員も働いています。

ここでは、そうした正社員以外の教員のおおよその平均年収を求めてみました(以下参照)。

正社員正社員以外
約712万円約225.5万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査

国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、非正規雇用者の平均年収は198万円となっています。

そのため、正社員以外の教員の年収は日本平均程度であることがわかります。

正社員以外の教員の平均年収は、以下のように計算しました。

厚労省のデータによると、

☑︎教員(短時間労働者)の労働状況

  • 平均時給:3186円
  • 1日あたりの平均労働時間:3.8時間
  • 1ヶ月あたりの労働日数:14.3日
  • 年間賞与(ボーナス)等:17万8200円

となっています。そのため、

☑︎教員(短時間労働者)の平均年収

=3186円×3.8時間×14.3日×12ヶ月+17万8200円

=2,255,726円

という結果となりました。

【役職別】私立・公立高校教師の平均年収

役職別に見た高校教師の平均年収は以下のようになっています。

役職私立公立
校長863.7万円774.2万円
副校長770.8万円746.8万円
教頭739.9万円738.6万円
主幹教諭631.8万円694.3万円
指導教諭640万円694.5万円
教諭600.7万円577.9万円
助教諭454.2万円449.1万円
講師406.5万円397.3万円
養護教諭525.7万円557.2万円
養護助教諭397.3万円406.3万円
栄養教諭データなし507.2万円

※出典:厚生労働省「令和元年度学校教員統計調査

校長の年収は私立と公立で100万円ほど差があるものの、その他の役職については数十万程度しか差がありませんでした。

上記のデータでは、私立と公立に勤務する教員の年収差はそこまで目立っていないようです。

【比較】私立・国立・公立高校教師の平均年収

私立・国立・公立別に見た高校教師の平均年収は以下のようになっています。

高校の種類平均年収
私立581.7万円
国立574.0万円
公立587.4万円

※出典:厚生労働省「令和元年度学校教員統計調査

上記では公立の年収が最も高くなっています。

しかし、学校によってボーナスや手当の額が異なることもあるため、私立が公立を上回るケースもあります。

私立高校教師の生涯年収

先ほどご紹介した年代別の平均年収をもとに私立高校教師の生涯年収を計算すると、2億6000万円となりました。

独立行政法人労働政策研究・研修機構が公表している「ユースフル労働統計2021 ―労働統計加工指標集―」によると、

大学・大学院卒業後60歳までフルタイムの正社員を続けた場合、日本の平均的な生涯年収は男性が2億7,000万円、女性が2億2,000万円となっています。(退職金は含みません。)

高校教師の生涯年収は、大学卒業後〜60歳まで働くと仮定すると、統計上はと言えます。

生涯年収は以下のように計算しました。

大学卒業後(23歳)〜60歳までの38年間働くと仮定すると、

☑︎高校教師の生涯年収

=337万円×2年間+(431万円+552万円+659万円+747万円+803万円+861万円+922万円)×5年間+754万円

=2億6303万円

高校教師にはこんな福利厚生・手当がある!

高校教師が取得できる福利厚生や手当には、以下のようなものがあります。

福利厚生

  • 医療費の給付制度
  • 事故や怪我の補償制度
  • 祝金・見舞金などの給付制度
  • 定期健康診断・人間ドックなどの受診補助制度
  • 施設の割引制度(スポーツクラブ、ホテル、温浴施設など)

東京都公立学校教員採用ポータルサイト「仕事や働き方

手当

給料の調整額対象:特別支援学校に勤務する教員・小中学校の特別支援学級担任の教員
教職調整額対象:校長、教頭を除く教員
給料×4%
義務教育等教員特別手当教員の給料や階級によって支給額が決まる。
非常災害時等の緊急業務【児童生徒の保護/防災・復旧業務】
8時間程度の業務で日額3200円
【児童生徒の救急業務】
8時間程度の業務で日額3000円
【児童生徒の補導業務】
8時間程度の業務で日額3000円
修学旅行等指導業務8時間程度の業務で日額1700円
対外運動競技等引率指導業務8時間程度の業務で日額1700円
部活動指導業務4時間程度の業務で日額1200円
入学試験業務8時間程度の業務で日額900円
多学年学級担当手当対象:2学年以上の指導を担当する教員
日額290円
主任手当日額200円
管 理 職 手 当対象:学校の管理職(校長、副校長等)に就く教員
校長12-16%、 教頭10-12%,部主事8%
管理職員特別勤務手当対象:休日に勤務した校長・教頭・部主事
日給4000-8000円
へき地手当対象:交通条件に恵まれない山間地や離島などに所在する学校に勤務する教員
教員の給料や階級によって支給額が決まる。
地域手当勤務する地域に応じて支給
期末・勤勉手当(ボーナス)期末手当:在職期間に応じて支給
勤勉手当:勤務成績に応じて支給
年2回(6月・12月)に支給
定時制通信教育手当対象:定時制教育・通信教育に携わる教員
その他扶養手当・通勤手当・単身赴任手当など

※出典:中央教育審議会「教員の手当一覧」,東京都教育委員会「教員の給与制度

私立高校教師が給料アップする方法とは?

ここからは、私立高校教師が給料をアップする方法を2つご紹介します。

  1. 経験年数を積む。
  2. 各種手当で稼ぐ。

①:経験年数を積む

まず1つ目は、教師として経験年数を積む方法です。

公立高校教師の給料は、仕事内容の重さを表す「級」と経験年数によって級をさらに区分した「号給」によって決められます。

一方私立高校の教員は、それぞれの学校法人によって給料体系が異なるものの、公立校と同様に年功序列で給料が決まる学校も多いです。

また、先ほどご紹介したように、経験年数を積んで主幹教諭や指導教諭といった役職に就くと、通常の給料よりも給料アップが望めます。

このように、教員の給料システムは経験が長いほど給料が高くなるように作られていることが多いのです。

②:各種手当で稼ぐ

2つ目は、支給される手当で稼ぐ方法です。

教師の給料は基本給、手当や福利厚生、ボーナスから構成されています。

基本的に、基本給は経験年数によって決まります。

そのため、部活動や入試業務など、授業以外の業務に参加することで、手当による収入を稼ぐことが現実的です。

しかし、「高校教師にはこんな福利厚生・手当がある!」という章でご紹介したように、日額数百円〜数千円の業務も多く、大幅な給料アップまでは期待できないのが現状です。

授業だけじゃない!気になる私立高校教師の仕事内容とは?

教師の主な仕事内容には、以下のようなものがあります。

  • 授業
  • 教材研究
  • PTA活動
  • 保護者面談
  • 部活動の監督
  • 教育環境の整備
  • 学校行事の参加
  • 生徒の出欠席の調査
  • 地域社会への協力活動
  • 教育・指導計画の作成
  • 給食・清掃に関する指導
  • 集団の健康管理・保健指導
  • いじめ・不登校問題への取り組み

※出典:職業情報提供サイト(厚生労働省)「高等学校教員

このように、教師には授業以外にも多くの業務を担当しています。

また、中高生は特に多感な時期であるため、学習指導だけでなくメンタル面での綿密なサポートも重要になってきます。

私立高校教師になるための3つの方法

私立学校で働く高校教師になるには、教員免許を取得した上で、以下のような方法で採用ルートに乗る必要があります。

教員免許の種類や取り方については下のサイトで詳しく解説しています。

①:自分から学校に応募する

まず1つ目に、自分から学校に応募する就活型の方法です。

私立学校のホームページには、教員採用情報のページがある学校もあります。

採用情報を確認した上でエントリーし、面接などを経て採用に至る形になります。

②:学校側のスカウトを待つ

次に、学校側からのスカウトを待つという方法です。

私立学校からスカウトを受ける方法には、以下の2つがあります。

私学教員適性検査

これは、私立中学校・高等学校の教員を志望する人に対し、教員としての適性を検査することを目的として実施されるものです。

適性検査の内容は、取得している教員免許状の「専門科目」と教員に関する一般的な知識を問う「教職教養」の2つです。

この検査成績によって教員志望者は評価され、その名簿が各私立学校の校長に送付されます。

学校側はその名簿を参考に志望者に連絡し、採用活動を進めていく形になります。

履歴書依託制度

私立中学校・高等学校の教員・事務職員を志望する人の履歴書を預かり、その情報を各私立学校に提供する制度です。

提供された情報をもとに各学校が教員志望者にスカウトする形になります。

私学教員適性検査と履歴書依頼制度はどちらも各都道府県の私学協会が実施しています。

それぞれの私学協会の情報については、日本私学教育研究所のホームページに一覧がまとまっています。

☑︎「日本私学教育研究所」とは?

私立学校教員志望者や、私立学校に通いたい子供やその保護者の方への情報発信を行っています。

都道府県私学協会に加盟している私立高等学校・中学校等に関する教職員採用情報がまとめられているため、各学校を一つひとつ調べるよりも効率的に情報収集できます。

③:マッチングサービスを利用する

3つ目に、教員志望者のためのマッチングサービスを利用する方法です。

これは教員志望者と教員募集中の学校とを結びつけるサービスで、私立学校の求人情報や教員に関するセミナー情報を入手することができます。

まとめ

いかがだったでしょうか?

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