「予備校講師って年収はどれくらい?」
「有名予備校の年収が知りたい!!」
「授業以外にはどんなことをしているの?」
「予備校講師になるためには資格は必要?」
上のような疑問を持った方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、
- 【項目別】予備校講師の平均年収
- 大手予備校の企業年収ランキング
- 予備校講師の仕事内容
- 予備校講師になるための具体的な方法
などを詳しく解説しています。
予備校講師の平均年収は488万円!
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、予備校講師を含む「その他の教員」の平均年収は488万円となっています。
- 平均年収:488万円
- 平均年齢:45.3歳
- 平均勤続年数:11.9年
国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると日本の平均年収は433万円なので、予備校講師の年収は日本平均を少し上回った程度だと言えます。
予備校講師の平均年収は以下のように計算しました。
予備校講師の平均年収
=きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額(≒ボーナス)
=344,300円×12ヶ月+748,300円
=4,879,900円
ここからは、予備校講師の平均年収を項目別に解説していきます。
【男女別】予備校講師の平均年収
男女別の予備校講師の平均年収は以下のようになっています。
男 | 女 |
492.0万円 | 480.1万円 |
※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」
※上記数値は、「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。
予備校講師の平均年収は、男性が492.0万円、女性が480.1万円で男性の方が10万円ほど上回っている結果となっています。
【年代別】予備校講師の平均年収
年代別の予備校講師の平均年収は以下のようになっています。
年代 | 平均年収 |
19歳~ | 約248万円 |
20~24歳 | 約300万円 |
25~29歳 | 約370万円 |
30~34歳 | 約443万円 |
35~39歳 | 約471万円 |
40~44歳 | 約505万円 |
45~49歳 | 約538万円 |
50~54歳 | 約579万円 |
55~59歳 | 約612万円 |
60~64歳 | 約410万円 |
65~69歳 | 約385万円 |
70歳~ | 約412万円 |
※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」
※上記数値は、「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。
予備校講師の平均年収は、年齢が高くなるほど上がっていき、50代後半でピークを迎え、その後徐々に下がっています。
【地域別】予備校講師の平均年収
地域別の予備校講師の平均年収は以下のようになっています。
地域 | 平均年収 |
北海道・東北 | 319万円 |
甲信越・北陸 | 371万円 |
関東 | 376万円 |
東海 | 368万円 |
関西 | 365万円 |
中国 | 376万円 |
四国 | 375万円 |
九州・沖縄 | 349万円 |
※出典:求人ボックス「塾講師の仕事の年収・時給・給料」
予備校講師の平均年収は、最も高いのが関東・中国地方で376万円、もっと低いのが北海道・東北地方で319万円という結果となりました。
とはいえ、最高値と最低値の差は数十万円程度と、地域差はそこまで大きくもないことが分かります。
【都道府県別】予備校講師の平均年収
都道府県別の予備校講師の平均年収は以下のようになっています。
都道府県 | 平均年収 |
北海道 | 497.1万円 |
青森県 | 535.2万円 |
岩手県 | 395.5万円 |
宮城県 | 495.1万円 |
秋田県 | 380.2万円 |
山形県 | 411.8万円 |
福島県 | 402.8万円 |
茨城県 | 474.1万円 |
栃木県 | 424.1万円 |
群馬県 | 410.3万円 |
埼玉県 | 513.8万円 |
千葉県 | 490.0万円 |
東京都 | 535.3万円 |
神奈川県 | 560.4万円 |
新潟県 | 434.8万円 |
富山県 | 478.2万円 |
石川県 | 390.9万円 |
福井県 | 396.2万円 |
山梨県 | 537.9万円 |
長野県 | 413.5万円 |
岐阜県 | 551.8万円 |
静岡県 | 469.2万円 |
愛知県 | 477.9万円 |
三重県 | 482.5万円 |
滋賀県 | 619.5万円 |
京都府 | 558.7万円 |
大阪府 | 511.9万円 |
兵庫県 | 485.2万円 |
奈良県 | 442.4万円 |
和歌山県 | 384.9万円 |
鳥取県 | 361.3万円 |
島根県 | 481.0万円 |
岡山県 | 503.2万円 |
広島県 | 460.2万円 |
山口県 | 455.7万円 |
徳島県 | 428.8万円 |
香川県 | 440.8万円 |
愛媛県 | 484.9万円 |
高知県 | 495.3万円 |
福岡県 | 523.5万円 |
佐賀県 | 494.9万円 |
長崎県 | 478.5万円 |
熊本県 | 449.6万円 |
大分県 | 452.6万円 |
宮崎県 | 434.6万円 |
鹿児島県 | 413.0万円 |
沖縄県 | 420.1万円 |
※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」
※上記数値は、「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。
予備校講師の平均年収は、最も高いのが滋賀県の619.5万円、最も低いのが鳥取県の361.3万円となっており、その差は250万円とかなり差があります。
【企業規模別】予備校講師の平均年収
企業規模別の予備校講師の平均年収は以下のようになっています。
10~99人 | 100~999人 | 1000人~ |
451.4万円 | 512.7万円 | 570.5万円 |
※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」
※上記数値は、「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。
予備校講師の平均年収は、企業規模が大きくなるほど高くなっています。
上記によると、最も規模の小さい10~99人の企業と最も規模の大きい1000人~の企業の平均年収の差はなんと100万円以上となっています。
予備校講師として高年収を目指す方はより規模の大きい企業に所属すると年収アップを目指せる可能性が高いと言えます。
【経験年数別】予備校講師の平均年収
経験年数別の予備校講師の平均年収は以下のようになっています。
0年 | 1~4年 | 5~9年 | 10~14年 | 15年~ |
327.6万円 | 396.8万円 | 423.9万円 | 477.7万円 | 516.4万円 |
※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」
※上記数値は、「所定内給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。
予備校講師の平均年収は経験年数が上がるほど高くなっています。
予備校講師は担当科目の知識だけでなく、分かりやすく生徒に教えるスキルや物怖じせず人前で堂々と話すスキルも必要とされる職業です。
そうした理由から、経験年数と年収の高さが比例しているのだと考えられます。
予備校講師の【生涯年収】を計算してみた!
先ほどご紹介した【年代別】予備校講師の平均年収を参考に、予備校講師(副業なし)の生涯年収を計算すると1億8600万円となりました。
独立行政法人労働政策研究・研修機構が公表している「ユースフル労働統計2021 ―労働統計加工指標集―」によると、
大学・大学院卒業後60歳までフルタイムの正社員を続けた場合、日本の平均的な生涯年収は男性が2億7,000万円、女性が2億2,000万円となっています。(退職金は含みません。)
これを踏まえると、副業をせず予備校講師だけで生計を立てた場合の生涯年収は日本平均を下回ると言えます。
生涯年収は以下のように計算しました。
大学卒業後(23歳)〜60歳までの38年間働くと仮定すると、
☑︎予備校講師の生涯年収
=300万円×2年間+(370万円+443万円+471万円+505万円+538万円+579万円+612万円)×5年間+410万円×1年間
=1億8600万円
予備校講師が所属する企業の平均年収ランキング
予備校講師が所属している企業の平均年収をランキングにまとめてみました。
企業名 | 平均年収 | |
1 | 株式会社ナガセ | 773.0万円 |
2 | 株式会社リソー教育 | 667.1万円 |
3 | 株式会社ステップ | 592.2万円 |
4 | 株式会社早稲田アカデミー | 518.0万円 |
5 | 株式会社ウィザス | 514.6万円 |
6 | 株式会社市進ホールディングス | 512.4万円 |
7 | 株式会社東京個別指導学院 | 512.0万円 |
8 | 株式会社明光ネットワークジャパン | 503.7万円 |
9 | 株式会社京進 | 498.7万円 |
10 | 株式会社スプリックス | 491.4万円 |
11 | 株式会社学究社 | 480.1万円 |
12 | 株式会社城南進学研究社 | 454.4万円 |
13 | 株式会社秀英予備校 | 451.1万円 |
14 | 株式会社昴 | 438.3万円 |
15 | 株式会社成学社 | 424.5万円 |
16 | 株式会社クリップコーポレーション | 371.5万円 |
※出典:各社有価証券報告書
1位は東進ハイスクールや四谷大塚などの運営を行う株式会社ナガセとなっており、それに続いてその他有名予備校を運営する企業が並んでいます。
予備校講師の正社員以外の働き方
予備校講師は正社員以外の働き方もできます。
ここでは、「非常勤講師」と「独立・開業」の2つをご紹介します。
①:非常勤講師
予備校講師には、正社員以外にもアルバイトや業務委託などの雇用形態で働く非常勤講師もいます。
求人ボックスや厚生労働省のデーターを参考にすると、アルバイトとして働く予備校講師の時給幅は1500~3400円ほどとなっています。
正社員・アルバイトとして働く予備校講師の平均年収は以下のようになっています。
正社員講師 | アルバイト講師 |
488万円 | 57.1~126.9万円 |
※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」
※正社員の平均年収は、「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。
国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると非正規労働者の平均年収は176万円なので、アルバイトとして働く予備校講師の平均年収は日本平均を下回る程度だと言えます。
アルバイト講師の平均年収に幅があるのは、講師のスキルや経験によって年収が大きく変わってくることが理由の一つとして考えられます。
アルバイト講師の平均年収は以下のように計算しました。
厚生労働省のデータによると短時間労働者の労働状況は、
- 1日あたりの平均労働時間:3.6時間
- 1ヶ月あたりの労働日数:8.5日
- 年間賞与(ボーナス)等:21,100円
となっているので、
☑︎アルバイト講師の平均年収
=(時給1500~3400円)×3.6時間×8.5日×12ヶ月+21,100円
=571,900~1,269,580円
②:独立・開業
予備校講師として独立・開業するという道もあります。
独立するにあたり、予備校講師としての指導経験だけでなく塾の運営ノウハウも身につけておく必要があります。
また、既存の予備校の数も多く大手予備校の人気が高いため、個人で戦うにはかなり厳しい業界とも言えます。
しかし、実力を持った講師の中には、メディアに出演したり、参考書を出版するなどして個人としての人気を伸ばしている講師もいます。
そのように、講師として実績があることはもちろん、個人としての人気を高めていけば独立・開業の道も開けるでしょう。
予備校講師の仕事内容
予備校講師の仕事内容には以下のようなものがあります。
- 授業の実施
- 進路指導
- 保護者対応
- 参考書の執筆
- 生徒募集の広報活動
- 入学試験に関する情報収集
- 教材・参考資料などの作成
メインの業務は授業と授業準備です。
生徒に最新の情報を伝えるため、授業準備には教材作成だけでなく、入試の最新情報をリサーチしておくことも含まれます。
また、予備校の規模によっては生徒やその保護者との関わりが多くなります。
そのため、担当教科の学力を持っていることはもちろん、きめ細やかな対応を行うことで生徒や保護者の信頼を得ることも重要になってきます。
資格や経験は必要?予備校講師になる方法
入学試験に向けた対策を行う一般的な進学予備校の場合、教員免許などの特別な資格は必要ありません。
しかし、そういった指導スキルを証明できる資格や家庭教師などでの指導経験があれば予備校によっては優遇されることもあります。
基礎錬成コースから難関国公立コースまで、予備校における授業レベルは様々ですし、コースによって求められるレベルも変わってきます。
より高いレベルの授業担当を目指すほど、学歴や指導経験が重要になってくるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
お金のカタチでは、他にもいろいろなジャンルの職業の収入事情や仕事内容をご紹介しています。
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