幼児教育・保育無償化が実施決定!対象世帯や条件は?

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子育て家庭にとって保育園や幼稚園の利用料は大きな負担です。お子さんの教育費用の捻出に頭を抱えているご家庭も少なくないのではないでしょうか。

これまで政府は、少子高齢化という国難に正面から取り組むため、子育て世代や子供たちに大胆に政策資源を投入して幼児教育や保育を無償化しようと取り組んできました。

幼稚園や保育園に通う際には、保育料だけではなく、制服代や習い事代、学校行事への参加、遠足代など色々な費用がかかってきます。共働き世帯が増える中、子供の教育費負担を軽減してくれるのはありがたい政策ではないでしょうか。

そして、今回は2019年2月12日に閣議決定した「幼児教育・保育無償化法案」の内容について、恩恵を受けられる対象家庭とサービス内容について分かりやすく解説していきます!

この記事でわかること

  • 幼児教育・保育無償化の対象とサービス内容
  • 幼児教育無償化の財源
  • 幼稚園・保育園の給食費の扱い
  • 幼児教育無償化法案に対するパパママの声
  • 2020年4月~の高等教育無償化について

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政府が幼児教育・保育無償化法案を閣議決定!

無償化の内容

政府は2019年2月12日の午前中の閣議で、幼児教育・保育を無償化する「子ども・子育て支援法改正案」を決定しました。

幼稚園・保育園無償化の内容

  • 実施時期:2019年10月~
  • 対象者:
    認可保育所・幼稚園・認定こども園に通う3~5歳児は年収に関わらず全額無償化
    0~2歳児は住民税非課税の低所得者が無償化

幼児教育・保育無償化は、2017年の衆議院選挙で安倍晋三首相が公約に掲げる「人づくり革命」の目玉政策でした。

子育て世帯を支援して、社会保障を全世代型へ抜本的に変えることが目的です。

政府与党は、幼児教育・保育の無償化は今国会の重要法案と位置付けており、早期成立を目指しています。

6歳になったら有料になるの?

幼稚園の無償化は、3歳・4歳・5歳のお子さんが対象となりますが、6歳になった年長さんは、幼稚園無償化の対象になるのでしょうか?

結論、6歳の年長も無償化の対象になります。というのも、3歳〜5歳の年齢は、年度初めの4月時点での年齢になるためです。

無償化の上限金額はいくら?私立幼稚園や預かり保育は?

それでは、幼児教育・保育無償化の詳細を見ていきましょう!

上限金額や対象サービスは、「共働き・シングルで働いている世帯」と「専業主婦(夫)世帯」で変わってきます。

共働き・シングルで働いている世帯

幼児教育・保育無償化によって、「保育の必要性の認定事由」に該当する3歳~5歳児と、住民税非課税世帯の0歳~2歳児は、以下の補償内容を受けられます。

「保育の必要性の認定事由」は後述します。

利用サービス補助内容
認可保育所無償

(0歳児~2歳児は上限月4.2万円)

認定こども園無償

(0歳児~2歳児は上限月4.2万円)

幼稚園公立・私立幼稚園ともに月2.57万円まで補償
幼稚園の預かり保育(延長保育)幼稚園保育料の無償化上限額(月2.57万円)を含めて上限月3.7万円
認可外保育施設上限月3.7万円
認可外保育施設+ベビーホテルやベビーシッターなど上限月3.7万円
幼稚園・保育所・認定こども園+障碍児通園施設ともに無償(幼稚園は月2.57万円)

「保育の必要性」を認定されるためには、以下の①~③の条件のうちいずれかを満たす必要があります。

①就労

「子どもの養育者が就労していること」が保育の必要性を認定される条件の一つです。就労形態については、フルタイム・パートタイムを問いません。

ただし、一時預かりで対応できる就労形態であったり、祖父母と同居していたりする場合は保育の必要性が認められない可能性もあります。判断は、各自治体に委ねられているため注意が必要です。

②妊娠・出産

パパがフルタイムで働いていて、ママが第2子以降の子どもを妊娠している場合は「保育の必要性」が認められます。

③その他保護者の疾病・障害・介護・災害復旧など

その他疾病や介護など保護者の状況によって、市町村側が子どもの保育が必要と判断すれば「保育の必要性」が認められます。

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専業主婦(夫)世帯

幼児教育・保育無償化によって、「保育の必要性の認定事由」に該当しない3歳~5歳児がいる家庭(専業主婦(夫)世帯など)は、以下の保障を受けられます。

利用サービス補助内容
認可保育所
認定こども園無償
幼稚園公立・私立幼稚園ともに月2.57万円まで補償
幼稚園の預かり保育(延長保育)無償化の対象外
認可外保育施設無償化の対象外
幼稚園・保育所・認定こども園+障碍児通園施設ともに無償(幼稚園は月2.57万円)

幼児教育無償化の対象になるサービス・ならないサービス

では、今回の幼児教育無償化の法改正で現行制度と何が変わるのでしょうか。「対象となるサービス」「対象外のサービス」に分けて、違いをまとめました。

2019年10月から対象となる保育サービス

無償化の対象

  • 保育所
  • 認定こども園
  • 障碍児通園施設

一部補助の対象

  • 幼稚園
  • 幼稚園の預かり保育
  • 認可外保育園

認可外保育園を利用する場合は、認可保育所利用料との差額が自己負担と決まりました。

2019年10月以降も対象外の保育サービス・料金

  • 英会話教室
  • 子どもを預かる個人や団体のサービス
  • 未就学児のインターナショナルスクール
  • 入園料
  • スクールバス代
  • 行事費
  • 病児保育料

英会話教室や団地などで子供を預かる個人や団体のサービスは無償化の対象外です。「認可外保育所」としての届け出の有無が無償化の対象決定に影響します。

なお、未就学児のインターナショナルスクールは幼児教育としての基準がないため無償化の対象外です。

また、あくまで無償化となるのは月々の保育料となり、入園料は無償化されないため気をつけましょう。

無償化の財源はどこから出てる?

幼児養育無償化の財源は、2019年10月に予定されている消費税率10%の引き上げによって賄われます。

つまり、消費税によって日本国民全体の負担が増える中、消費税増税分の一部が子育て支援政策に使われるのです。

子育て世代の負担感を和らげるために、2019年10月の消費税増税と同時に幼児教育無償化が実施されます。

幼稚園や保育園の給食費は無償化の対象になる?

幼児教育無償化に合わせて、給食費の扱いも議論されました。

保育所と幼稚園における給食費の不公平問題

現在の制度では、給食費の支払いが保育所と幼稚園によって違いが存在します。

保育所主食(ご飯・パン)を実費で、副食(おかず)を保育利用料の一部として徴収。
幼稚園主食も副食も実費で徴収。

新法案によって給食費はどうなる?

幼児教育無償化を機に、保育所・幼稚園ともに全額を実費徴収と決まりました。給食費も無償化の対象に入れるかが議論されましたが、現状では給食費は無償化の対象外のようです。

ただ、0歳児~2歳児で保育料が無償化される住民税非課税世帯は、給食費も無償となります。

また、これまでは生活保護世帯や一人親世帯に限っていた副食費の免除対象が、年収360万円未満の世帯にまで拡大と決まりました。

幼児教育・保育無償化法案による子育てママ(パパ)の意見

法案に対する街の声はどうでしょうか。

ちょうど無償化のメリットを享受できる人たちは喜びの声を上げています。

賛成意見

  • ちょうど子どもが2歳で、来年から保育園に入るからラッキー!
  • 認可外保育所でも補助を受けられるのはありがたい!
  • 子育て世帯の家計負担が減るのは助かる!

一方この政策のデメリットに目を向けて、反対する人たちもいます。

反対意見

  • 保育園の無償化よりも待機児童や学童不足の問題を解決して!
  • 高所得者に有利な政策では?
  • 医療費や大学費用も無償化してほしい!

保育所の整備が利用希望に追い付いておらず、待機児童が問題になっている中、無償化することで待機児童がさらに増えることが懸念されています。

待機児童解消のために、施設整備や保育所の処遇改善に財源を向けるべきだとの意見も存在しました。

また現在でも保育サービスの利用料は所得に応じた負担になっているため、一律無償とすることで高所得者のほうが低所得者より恩恵を受けるとの指摘もあります。

子育てにおいて家計の負担がきついのは幼児教育だけではありません。医療費や中学高校大学の費用も家計にとっては大変です。幼児教育・幼児保育以外の無償化を期待する声もありました。

2020年4月には高等教育の無償化が実施される見通し

また2020年4月からは、大学や短大などの高等教育機関の無償化を図る制度が設計されています。

現段階では、以下の案が有力視されています。

対象者

低所得者(世帯年収が380万円未満の層)で進学意欲の条件を満たす学生です。高校での成績は関係ありません。

支援内容

授業料の減免と返済扶養の給付型奨学金が支給され、「標準的な習得単位数の5割以下の修得」で支援は打ち切られます。

授業料免除

  • 国立大学の授業料は約54万円を上限
  • 私立大学の授業料は約70万円を上限

給付型奨学金

  • 国公立の自宅生は年間35万円
  • 私大の自宅外から通う学生は年間91万円

今後も国の子育て支援制度には注目しましょう

少子高齢化や出生率の低下に伴って、子育て支援政策は必要不可欠になっており、待機児童問題や保育士の処遇改善といった問題も山積しているのが今の日本の現状です。

今回の政府の政策には賛否両論ありますが、幼児教育は「将来の所得向上」「生活保護受給率の低下」につながるとの世界的な研究結果もあり、非常に大切です。

3歳~5歳児の幼児教育について、所得制限を設けずに無償化が進められている国も多いため、日本も諸外国と同じように幼児教育を無償化したということでしょう。

制度実施まではまだ時間があります。お子さんが幼児教育無償化の対象になる家庭は、最新の情報をチェックしておきたいですね。

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