平成29年12月に国税庁よりビットコインの税金に関するQ&Aが公表されました。
これにより曖昧だったところが少しずつ明らかになってきました。
今回はそんな仮想通貨の税金、マイニングによって得た利益に関する税金についてお伝えしていきたいと思います。
ビットコイン(仮想通貨)の利益は確定申告が必要!
最近ビットコインについてよくテレビなどでも取り上げられていますよね。
そんなビットコインだけどまだ少しわからないという方もいらっしゃるかと思います。
下の記事ではビットコインについて詳しくまとめているのでもしよろしければご覧ください。
ビットコイン(Bitcoin)とは 仮想通貨に価値がある理由
ビットコインの利益は雑所得!
ビットコインに関する事件は過去何度か起こっており特に記憶にあたらしいのはやはりマウントゴックス事件などではないでしょうか。
そのようなこともあり2017年4月に利用者を守るために厳格な資金管理などの規制「改正資金決済法」が設けられました。
そして12月に国税庁により仮想通貨に関するQ&Aが公表され、ビットコインなど仮想通貨の取引によって得られた利益は基本的には雑所得として扱われる方針が発表されました。
雑所得ということは税金は累進課税として計算されるので利益が上がれば上がるほど納税額は高くなります。
仮想通貨の利益では総合課税として給与所得などと合算して所得税が適用されます。
つまり仮想通貨の取引で得た利益には確定申告が必要なのです。
所得税の税率について
所得税は累進課税として計算されるので所得に応じて納税額が変わってくることになります。
納税額に関しては下の計算表を使って求めることができます。
所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万~330万円 | 10% | 97,500円 |
330万~695万円 | 20% | 427,500円 |
695万~900万円 | 23% | 636,000円 |
900万~1800万円 | 33% | 1,536,000円 |
1800万~4000万円 | 40% | 2,796,000円 |
4000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
この表を使って所得税は次のように計算することができます。
所得税 = 所得金額 × 税率 - 控除額
所得税の計算方法を解説!税率と税金の使い道
いくら利益が出たら確定申告が必要?
ここまでビットコインなど仮想通貨は雑所得となるため利益に応じて確定申告が必要だとお伝えしてきました。
では一体いくら利益が出たら確定申告が必要になるのでしょうか。
実際の計算には経費や控除などが考慮されるのですが、ここでは目安として次のように言えるかと思います。
- 会社員が副業としてやっている場合:利益が20万円を超えたとき
- 他に所得がない場合:利益が38万円を超えたとき
副業として得た利益ならば20万円以上となり、他の所得がない場合には38万円以上の利益で確定申告が必要になります。
もしも申告漏れが見つかると追加徴税など処罰の対象となってしまう可能性があるので注意しておきましょう。
※利益が副業で20万円、本業で38万円以下の場合でも住民税の申告は必要です。
市町村役場に申告してください。
ビットコインのマイニングで得た利益にかかる税金
ビットコインなど仮想通貨は取引以外にもマイニング(採掘)によっても取得することができます。
国税庁のQ&Aではマイニングで取得した際の所得の計算について次のように見解を示しています。
いわゆる「マイニング」(採掘)などにより仮想通貨を取得した場合、その所得は、事業所得又は雑所得の対象となります。
この場合の所得金額は、収入金額(マイニング等により取得した仮想通貨の取得時点での時価)から、必要経費(マイニング等に要した費用)を差し引いて計算します。
なお、マイニング等により取得した仮想通貨を売却又は使用した場合の所得計算における取得価額は、仮想通貨をマイニング等により取得した時点での時価となります。国税庁の資料より引用
国税庁の資料では収入金額は仮想通貨の取得時点での時価と記載されていますが、取得時点がいつかということまではわかりません。
しかしここでは所得税法上、基本的に手元に入金した時点ではなく報酬が確定した時点でのことと考えることができるかと思います。
ビットコインを売却した際には売却して利益を確定させた時点で計算することになっていましたが、マイニングの場合にはマイニングによって仮想通貨を取得した時点での時価で税金が計算されるのですね。
また、マイニングの場合には収入金額から設備代や電気代などの必要経費を差し引いて計算することとなります。
ビットコインで商品を購入した際の税金はどう計算するの?
ビットコインを売却して得た利益にかかる税金の計算方法
仮想通貨の税金を計算するには
仮想通貨の税金は所得税が適用されるとお伝えしたかと思います。
所得税が課税される場合には住民税も同時に課税されるのが通常です。
そのため仮想通貨の税金を計算する場合には所得税と住民税の2つを合わせて考えます。
所得税は所得に応じて納税額は変わってきますが、住民税は一律して利益の10%が課税対象となります。
- 所得税 = 所得金額 × 税率 ー 控除額
- 住民税 = 所得金額 × 10%
この1と2を合わせた金額が納税額となります。
では実際にマイニングの税金を計算式にすると次のように表せるのではないでしょうか。
所得金額 = マイニングで得た仮想通貨の時価 ー 必要経費
極端な例ではありますが、このマイニングで得た仮想通貨の時価が合計100万円だとして経費が50万円の場合には所得金額が50万円になるかと思います。
そして次のステップではこの50万円という所得金額をもとにして所得税と住民税を計算していくこととなります。
所得税 = 50万円(所得金額) × 5%(税率) ー 0円(控除額) = 25,000円
住民税 = 50万円(所得金額) × 10% = 50,000円
これらの所得税と住民税を足した75,000円が税金としてざっくりと計算することができます。
実際にはその他の控除やら経費で多少少なくなったりします。
ビットコインの税金と所得計算・国税庁の公表資料をもとに解説
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はマイニングによって獲得した仮想通貨の税金についてお伝えしてきました。
仮想通貨の税金はまだまだ法律が追いついていない部分も多く、今後も変わっていく可能性が十分に考えられます。
そのためアンテナを張って最新情報をいち早くキャッチできるよう心がけていきましょう!
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