配管工の平均年収は471.2万円!仕事内容・収入アップの方法・必要な資格についても解説

配管工 平均年収

皆さんは配管工という職業をご存知ですか?

「配管工って何?」

「配管工の平均年収ってどれくらい?」

「配管工になるために学歴や資格は必要?」

上のように疑問に思ったこともあるのではないでしょうか。

この記事では、

  • 配管工の仕事内容
  • 配管工の「項目別」平均年収
  • 配管工が収入を上げる方法
  • 配管工になるための具体的な方法

などを、配管工について全く知らない方のためにも詳しく分かりやすく解説しています。

ぜひ最後まで見ていってくださいね。

配管工とは?

まず、「配管」とは…

配管とは?
水道管やガス管など、液体や気体を流すための管を建物に設置する作業のこと。

また、こうした管そのものを指して「配管」と呼ぶこともあります。

配管工の主な仕事内容は、住宅や工場の配管に関する工事です。

配管工は、以下の2つに分けられます。

  • 衛生配管工:給水・排水の配管を専門にする配管工。
  • 空調配管工:冷暖房を専門にする配管工。

両者とも、主に建物に通っている管を切ったり、曲げたり、繋げることによって、正常に機能させる作業を行います。

衛生配管工は、浴室やトイレなどに繋がる生活用水の通る水道管の点検を行います。

一方、空調配管工は、冷暖房周りの配管を担当します。配管だけでなく、送風機や空気清浄機などの機械の取り付けや点検も空調配管工の役割です。

また、配管工には上記のような配管設備などの工事を行う人と、企業に勤務する人がいます。

後者の場合、配管工事に必要な資材や作業員の手配も重要な業務です。

配管工の平均年収は471.2万円!

配管工 平均年収

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、配管工の平均年収は471.2万円(平均年齢43.6歳)となっています。

国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」では、日本の平均年収は433万円となっています。そのため、配管工の平均年収は日本の平均と同じくらいだと分かります。

配管工の平均年収の計算方法は以下をご参照ください。

☑︎配管工の平均年収

=332,000円×12ヶ月+728,200円

=4,712,200円

ここからは、配管工の平均年収を項目別に見ていきましょう。

【男女別】配管工の平均年収

男女別に見た配管工の平均年収は以下のようになっています。

472.9万円391.4万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※上記数値は、「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

配管工の平均年収は、男性が472.9万円、女性が391.4万円で、男女差は80万円ほどとなっています。

【年代別】配管工の平均年収

年代別に見た配管工の平均年収は以下のようになっています。

年代平均年収
19歳~約257万円
20~24歳約329万円
25~29歳約405万円
30~34歳約449万円
35~39歳約486万円
40~44歳約496万円
45~49歳約520万円
50~54歳約541万円
55~59歳約522万円
60~64歳約486万円
65~69歳約343万円
70歳~約395万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※上記数値は、「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

配管工の平均年収は、19歳~で約257万円、20~24歳で約329万円、25~29歳で約405万円、30~34歳で約449万円、35~39歳で約486万円、40~44歳で約496万円、45~49歳で約520万円、50~54歳で約541万円、55~59歳で約522万円、60~64歳で約486万円、65~69歳で約343万円、70歳~で約395万円となっています。

全体的には、50代前半でピークを迎え、そこから緩やかに下がっています

【地域別】配管工の平均年収

地域別に見た配管工の平均年収は以下のようになっています。

地域平均年収
北海道・東北328万円
甲信越・北陸367万円
関東430万円
東海403万円
関西397万円
中国345万円
四国361万円
九州・沖縄348万円

※求人ボックス「配管工の仕事の年収・時給・給料

配管工の平均年収は、関東が最も高く430万円、北海道・東北が最も低く328万円となっています。

【都道府県別】配管工の平均年収

都道府県別に見た配管工の平均年収は以下のようになっています。

都道府県平均年収
北海道415.3万円
青森県378.0万円
岩手県402.1万円
宮城県433.3万円
秋田県387.9万円
山形県369.6万円
福島県470.6万円
茨城県475.6万円
栃木県489.5万円
群馬県500.2万円
埼玉県484.7万円
千葉県590.5万円
東京都423.3万円
神奈川県496.6万円
新潟県441.5万円
富山県531.7万円
石川県588.4万円
福井県579.6万円
山梨県517.9万円
長野県533.0万円
岐阜県509.8万円
静岡県490.1万円
愛知県535.3万円
三重県473.3万円
滋賀県550.2万円
京都府469.0万円
大阪府582.5万円
兵庫県436.5万円
奈良県487.2万円
和歌山県579.3万円
鳥取県376.0万円
島根県449.3万円
岡山県438.3万円
広島県507.3万円
山口県417.0万円
徳島県316.0万円
香川県446.5万円
愛媛県440.6万円
高知県184.2万円
福岡県491.2万円
佐賀県420.4万円
長崎県481.8万円
熊本県591.7万円
大分県462.5万円
宮崎県379.9万円
鹿児島県441.0万円
沖縄県419.8万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※上記数値は、「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

配管工の平均年収は、最も高いのが熊本県の591.7万円、最も低いのが高知県の184.2万円となっています。

【企業規模別】配管工の平均年収

企業規模別に見た配管工の平均年収は以下のようになっています。

10~99人100~999人1000人~
464.8万円485.7万円548.0万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※上記数値は、「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

企業規模別の配管工の平均年収は、企業規模10~99人で464.8万円、100~999人で485.7万円、1000人~で548.0万円という結果となっており、企業規模が大きくなるほど高くなっています

【経験年数別】配管工の平均年収

経験年数別の配管工の平均年収は以下のようになっています。

0年1~4年5~9年10~14年15年~
296.2万円348.5万円439.8万円482.1万円484.2万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※上記数値は、「所定内給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

配管工の平均年収は、経験年数が上がるほど徐々に高くなる結果となっています

配管工の生涯年収

年代別の平均年収を参考に、配管工の生涯年収を計算すると約2億3500万円となりました。

生涯年収は以下のように計算しました。

高校卒業後(19歳)〜70歳までの51年間働くと仮定すると、

☑︎配管工の生涯年収

=257万円+(329万円+405万円+449万円+486万円+496万円+520万円+541万円+522万円+486万円+343万円)×5年間+395万円

=2億3537万円

配管工は学歴に関係なく働くことができます。

さらに、技術職であるため、本人のスキル次第では70歳を超えても活躍することができます。

こうした理由から、配管工の実働年数は他の職種よりも長くなり、その分生涯年収は高くなりやすいです。

独立行政法人労働政策研究・研修機構が公表している「ユースフル労働統計2021 ―労働統計加工指標集―」によると、

大学・大学院卒業後60歳までフルタイムの正社員を続けた場合、日本の平均的な生涯年収は男性が2億7,000万円、女性が2億2,000万円となっています。(退職金は含みません。)

配管工の生涯年収は、高校卒業後〜70歳まで働くと仮定した場合に限り、日本平均と同じくらいになると言えます。

正社員だけじゃない?配管工の3つの働き方

配管工は、正社員以外にも働き方に種類があります。

ここでは、以下3つの働き方についてご紹介します。

  • アルバイト
  • 派遣社員
  • 独立開業

では一つずつ見ていきましょう。

①:アルバイト

一つ目は、アルバイトです。

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」を参考に、正社員とアルバイトの平均年収を比較してみました。

正社員アルバイト
471.2万円~192.5万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※正社員の平均年収は、「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

アルバイトとして働く配管工の平均年収は、厚生労働省と求人ボックスのデータを参考にそれぞれ計算しました。

まず、厚生労働省のデータによると、配管工の短時間労働者の労働状況は、

  • 平均時給:1,643円
  • 1日あたりの平均労働時間:5.2時間
  • 1ヶ月あたりの労働日数:17.1日
  • 年間賞与(ボーナス)等:172,100円

となっているので、

☑︎アルバイト配管工の平均年収

=1,643円×5.2時間×17.1日×12ヶ月+172,100円

=1,925,246円

という結果になりました。

一方、求人ボックスによると、アルバイトとして働く配管工の平均時給は998円となっています。

上記と同じように計算すると、アルバイト配管工の平均年収は約123万円となりました。

これらを踏まえると、アルバイト配管工の平均年収の幅は123~192.5万円ということになります。

国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の非正規雇用者(アルバイトやパートなど)の平均年収は176万円となっています。

そのため、配管工がアルバイトとして働くと日本の平均程度のお給料がもらえることが分かります。

ただし、上記は全て平均値なので、実際の収入と大きく異なる場合がございます。

②:派遣社員

二つ目は、派遣社員です。

求人ボックスやその他の求人サイトによると、派遣社員として働く配管工の収入は時給1300~2000円がボリュームゾーンとなっていました。

所属する派遣会社によっては、派遣社員への手当や福利厚生が手厚いことがあります。

また、配管技能士管工事施工管理技士など、配管工に関連する資格を持っていると、優遇されたり、資格手当がもらえることもあります。

求人を探す際は、「昇給あり」「休日手当あり」などの条件をつけて検索してみると良いでしょう。

派遣社員として働く配管工の業務内容は、基本的には正社員と変わりません。しかし、勤務する時間帯に融通が利く点で正社員と異なります。

③:独立開業

三つ目は、独立して開業する働き方です。

配管工として経験年数を積んだのち、工務店を立ち上げて経営者として働いたり、フリーランスの「一人親方」として働く人もいます。

一人親方とは?
労働者を一切雇わずに働く「自営業者」のこと。

配管工として独立開業する場合、仕事の依頼を受け、それらを受注する形でお金を稼ぎます。

そのため、自分のスキルや努力、人脈次第では、企業に雇われて働くよりも高い年収を得られる可能性があります。

一方で、全ての事業責任を自分で背負わなければならないため、リスクが大きい働き方とも言えます。

配管工が年収をアップする方法

①:関連資格を取得

特別な資格を持っていなくても、配管工として働くことはできます。

しかし、配管工に関連する資格を取得すると、以下のようなメリットがあります。

  • 企業によっては資格手当がもらえる
  • 就職・転職時に優遇される可能性がある
  • 役職に就く条件をクリアできることがある

ここからは、配管工に関連する資格を3つご紹介します。

配管技能士
建物の配管工事に関するスキルを証明する国家資格で、試験は学科と実技からなります。1~3級まであり、1級と2級には実務経験が必要です。そのため、未経験の人は3級を受験することになります。

管工事施工管理技士
配管工事の全体管理を行う国家資格です。具体的には、配管工事の計画を立てたり、工事の安全管理を行います。資格試験は1級と2級に分かれています。

建設設備士
建物の設備に関する知識・技術を持ち、建築士に設備の設計・工事のアドバイスをすることができる国家資格です。この資格を取得すると、実務経験を持たなくても一級建築士の受験資格を得られるなど、様々なメリットがあります。

上記のような関連資格を受験するためには、実務経験が必要なものもあります。

そのため、配管工として働きつつスキルアップや収入アップのために資格取得に励むと良いでしょう。

②:給料の高い地域で経験年数を積む

先ほどご紹介したように、地域別に見ると関東で働く配管工の平均年収が最も高くなっています。

地域平均年収
北海道・東北328万円
甲信越・北陸367万円
関東430万円
東海403万円
関西397万円
中国345万円
四国361万円
九州・沖縄348万円

※求人ボックス「配管工の仕事の年収・時給・給料

また、経験年数が長くなるほど配管工の平均年収は高くなっています。

0年1~4年5~9年10~14年15年~
296.2万円348.5万円439.8万円482.1万円484.2万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※上記数値は、「所定内給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

上記を踏まえると、できるだけ給料の高い関東に転職し経験年数を積むと収入アップが期待できます。

③:プラント配管工事を担当する

プラント(plant)とは、英語で「工場」という意味です。つまり、プラント配管工事とは、工場で使われる配管の工事のことです。

住宅などの一般的な施設と異なり、危険物質やデリケートな機械を扱う工場では、より高度な知識や技術が必要になります。

身の危険が伴う工事でもあるため、一般的な配管工よりも収入が高くなる可能性が高いです。

配管工になるには?資格や学歴は必要?

配管工 なるには

配管工になるために、資格や学歴は必要ありません

中学校・高校卒業後であっても、建設会社や設備会社の求人に応募し採用されると配管工として働き始めることができます。

ただし、配管工として働くためには専門的なスキルが必要になります。ガス管や水道管などを扱う危険な業務を担当するからです。

そのため、採用後すぐに配管工事を行うのではなく、配管工事まわりの肉体労働を担当することが多いです。

こうして現場での経験を積みながら、配管工としてのスキルを高めていきます。

また、現場での経験だけでなく、配管技能士などの関連資格を取得することによってスキルアップすることもできます。

まとめ

いかがだったでしょうか?

お金のカタチでは、他にも様々な職業の収入事情や仕事内容についてご紹介しています。

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