インテリアコーディネーターの平均年収は478.6万円!資格・働き方・収入アップも解説

インテリアコーディネーター 平均年収

「インテリアコーディネーターって何するの?」

「年収はどれくらい?」

「インテリアコーディネーターになるために資格は必要?」

上のような疑問を持ってこのページを訪れた方もいるのではないでしょうか。

そこで、この記事では、

  • インテリアコーディネーターの仕事内容
  • インテリアコーディネーターの平均年収
  • インテリアコーディネーターが収入を上げるコツ
  • インテリアコーディネーターになるための具体的な方法

などなど、インテリアコーディネーターに関する基礎的な知識を徹底的に解説しています。

ぜひ最後まで見ていってくださいね。

インテリアコーディネーターとは?

この章では、インテリアコーディネーターの仕事内容について解説します。先に年収事情が気になる方は次の章をご覧ください。

主な仕事内容は「インテリアに関するアドバイス・提案」です。

インテリアとは、家具・照明・カーテンなど、生活を充実させるために室内に飾り付けるもののことです。

上記のようなインテリアを、住む人や使う人に合わせて配置したり、選んだりするのがインテリアコーディネーターの役割です。

インテリアコーディネーターの仕事の流れは、基本的に以下のような順番で行われます。

ヒアリング

予算・家族構成・趣味などを聞き、お客さんの要望を把握します。

プランニング

ヒアリングで聞き出したお客さんの要望をもとに、インテリアの全体的なイメージを決めます。

商品セレクト

プランニングで決めたイメージに合わせ、カーテン・照明・家具などの商品を選びます。

プレゼンテーション

図や模型を使い、完成イメージをお客さんに説明します。

見積もり

選んだインテリアの見積もり書(金額・期間など)を作り、お客さんに提出します。

契約

インテリアに使う商品を決定した後、正式にお客さんと契約します。

商品・素材の発注

決定した商品・素材を確認し、ショップなどに発注します。

納品

注文した商品が届いているかを確認し、実際に配置します。
その後、プランニングで決めたイメージ通りに完成したかを最終確認します。

アフターフォロー

実際に生活をしていて不具合はないか、不便なところはないかをチェックします。

※出典:公益社団法人 インテリア産業協会「インテリアコーディネーターとは

1人の顧客に対して、上記のような工程を一つ一つこなしていく必要があるのです。

顧客との綿密なコミュニケーションを通して仕事を進めていくため、インテリアに関する知識だけでなく、コミュニケーション能力も求められる職業だと言えます。

インテリアコーディネーターの平均年収は478.6万円!

インテリアコーディネーター 平均年収

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、インテリアコーディネーターを含む「デザイナー」の平均年収は478.6万円(平均年齢38.1歳)となっています。

平均年収は、以下のように計算しました。

インテリアコーディネーターの平均年収

=きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額

=336,700円×12ヶ月+745,200円

=4,785,600円

国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によれば、日本の平均年収は433万円となっているので、インテリアコーディネーターの平均年収は日本の平均程度であることが分かります。

ここからは、インテリアジーディネーターの平均年収を項目別(男女別・年代別・都道府県別など)に見ていきましょう。

【男女別】インテリアコーディネーターの平均年収

インテリアコーディネーターの男女別の平均年収は、以下のようになっています。

533.8万円432.8万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※上記数値は、「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

インテリアコーディネーターの平均年収は、男性が533.8万円、女性が432.8万円となっています。

男女差は約100万円ほどと、男性の方が上回っています。

【年代別】インテリアコーディネーターの平均年収

インテリアコーディネーターの年代別の平均年収は、以下のようになっています。

年代平均年収
20~24歳約313万円
25~29歳約404万円
30~34歳約440万円
35~39歳約476万円
40~44歳約560万円
45~49歳約532万円
50~54歳約587万円
55~59歳約637万円
60~64歳約451万円
65~69歳約348万円
70歳~約259万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※上記数値は、「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

インテリアコーディネーターの平均年収は、20~24歳で約313万円、25~29歳で約404万円、30~34歳で約440万円、35~39歳で約476万円、40~44歳で約560万円、45~49歳で約532万円、50~54歳で約587万円、55~59歳で約637万円、60~64歳で約451万円、65~69歳で約348万円、70歳~で約259万円となっています。

全体的には、50代後半の637万円でピークを迎え、その後下がっていく結果となっています。

【都道府県別】インテリアコーディネーターの平均年収

インテリアコーディネーターの都道府県別の平均年収は、以下のようになっています。

都道府県平均年収
北海道326.8万円
青森県266.3万円
岩手県408.0万円
宮城県359.2万円
秋田県381.7万円
山形県348.0万円
福島県342.9万円
茨城県425.1万円
栃木県404.9万円
群馬県396.9万円
埼玉県422.9万円
千葉県381.2万円
東京都502.5万円
神奈川県468.0万円
新潟県364.6万円
富山県367.0万円
石川県360.6万円
福井県257.9万円
山梨県372.3万円
長野県439.0万円
岐阜県513.9万円
静岡県396.3万円
愛知県460.0万円
三重県332.1万円
滋賀県428.3万円
京都府597.8万円
大阪府567.5万円
兵庫県420.1万円
奈良県359.3万円
和歌山県317.2万円
鳥取県323.4万円
島根県427.7万円
岡山県375.0万円
広島県350.5万円
山口県389.4万円
徳島県288.0万円
香川県335.1万円
愛媛県346.0万円
高知県355.8万円
福岡県392.3万円
佐賀県317.3万円
長崎県307.3万円
熊本県414.7万円
大分県378.3万円
宮崎県459.8万円
鹿児島県352.6万円
沖縄県316.4万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※上記数値は、「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

インテリアコーディネーターの平均年収は、最も高いのが京都府の597.8万円、最も低いのが257.9万円となっています。

東京都ではなく京都府が平均年収の最高値という、意外な結果となりました。

【企業規模別】インテリアコーディネーターの平均年収

インテリアコーディネーターの企業規模別の平均年収は、以下のようになっています。

10~99人100~999人1000人~
422.4万円476.9万円598.4万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※上記数値は、「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

インテリアコーディネーターの平均年収は、企業規模が大きいほど高くなっています

規模が10~99人の企業と1000人以上の企業の間の年収差は150万円以上あります。

インテリアコーディネーターとして収入を伸ばしたいと考えている方は、できるだけ企業規模の大きい会社に就職・転職するのも一つの手でしょう。

【経験年数別】インテリアコーディネーターの平均年収

インテリアコーディネーターの経験年数別の平均年収は、以下のようになっています。

0年1~4年5~9年10~14年15年
367.3万円385.4万円445.9万円458.1万円558.9万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※上記数値は、「所定内給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

インテリアコーディネーターの平均年収は、経験年数が伸びるほど高くなっています

【雇用形態別】インテリアコーディネーターの平均年収

インテリアコーディネーターは、正社員以外にパート・アルバイトとして働くこともできます。

それぞれの働き方別の平均年収は以下のようになっています。

正社員パート・アルバイト
478.6万円188.9万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※正社員の平均年収は、「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

パート・アルバイトとして働くインテリアコーディネーターの平均年収は、以下のように計算しました。

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、インテリアコーディネーターの短時間労働者の労働状況は、

  • 平均時給:1,472円
  • 1日あたりの平均労働時間:6.1時間
  • 1ヶ月あたりの労働日数:16.9日
  • 年間賞与(ボーナス)等:68,500円

となっているので、

パート・アルバイトの平均年収

=1,472円×6.1時間×16.9日×12ヶ月+68,500円

=1,889,481円

という結果になりました。

国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の非正規雇用者(アルバイトやパートなど)の平均年収は176万円です。

そのため、インテリアコーディネーターがパート・アルバイトとして働くと、日本の平均程度のお給料がもらえることが分かります。

ただし、上記は全て平均値なので、実際の収入と大きく異なる場合がございます。

【企業別】インテリアコーディネーターの平均収入

求人を公開している企業別のインテリアコーディネーターの月収は以下のようになっています。

企業名月給
住友林業株式会社220,500円以上
積水ハウスリフォーム株式会社197,000~450,000円
東京セキスイハイム株式会社243,000円
株式会社デザインアーク195,000円以上
(有資格者は210,000円以上)

※参考:求人サイト indeed転職サイト エン転職株式会社デザインアーク公式サイト

全体的に見ると、平均月給は20~25万円程度であると言えます。

また、上記の数値はボーナスや手当を含みません。

インテリアコーディネーターの生涯年収

年代別の平均年収をもとに、インテリアコーディネーターの生涯年収を計算すると、【約2億円になりました。

計算方法は以下をご参照ください。

大学卒業後23歳〜60歳までの38年間働くと仮定すると、

インテリアコーディネーターの生涯年収

=313万円×2年間+(404万円+440万円+476万円+560万円+532万円+587万円+637万円)×5年間+451万円×1年間

=1億9257万円

独立行政法人労働政策研究・研修機構が公表している「ユースフル労働統計2021 ―労働統計加工指標集―」によると、

大学・大学院卒業後60歳までフルタイムの正社員を続けた場合、日本の平均的な生涯年収は男性が2億7,000万円、女性が2億2,000万円となっています(退職金を除く)。

上記を踏まえると、インテリアコーディネーターの生涯年収は平均程度だと言えます。

インテリアコーディネーターが収入をアップさせる2つの方法

①:関連資格を取得し、兼業する

インテリアコーディネーターという資格以外にも、それに関連する資格がいくつか存在します。

インテリアコーディネーターの関連資格には、以下のようなものがあります。

二級建築士
建物の設計と工事の監督が主な仕事内容です。
一級建築士と違い、設計できる建物の規模に制限があります。

照明コンサルタント
個人や企業を顧客として、照明に関する相談やアドバイスを行います。

インテリアプランナー
照明や家具などのインテリアを選定し、室内の設計を考えます。
既に完成された建物・家具で設計を行うインテリアコーディネーターと違い、建築物の設計などを0から設計します。

キッチンスペシャリスト
顧客の要望に合わせて、快適なキッチン機能や設備を設計します。

※出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「二級建築士」「インテリアプランナー」、一般社団法人 照明学会「基礎講座のご案内」、公益社団法人 インテリア産業法人「キッチンスペシャリスト資格試験

そういった関連資格を持っていると、仕事の幅が広がる上に、勤務先によっては「資格手当」として収入に上乗せされることもあります。

②:実務経験を積み、独立する

フリーランスとして独立するのも一つの方法です。

フリーランスとして働くインテリアコーディネーターは、個人や企業から直接注文を受けることによってお金を稼ぎます。

独立することの最大のメリットは、自力で獲得した仕事の分だけ収入が得られるため、雇われて働くよりも高収入が期待できることです。

しかし、同時に独立はリスクの大きい選択でもあります。フリーランスとして仕事を獲得できなければ、独立する前よりも収入が低くなってしまうこともあるのです。

また、フリーランスとして仕事を獲得するためには、「この人に頼みたい!」と思われるような実績や信頼感が必要です。

焦って独立しようとするのではなく、まずは家具販売店やリフォーム専門会社などに就職して実務経験を積み、実績を残していくことが重要です。

インテリアコーディネーターになるためにはどうしたらよい?

必要な資格や学歴はない!

インテリアコーディネーターになるために必要な資格や学歴はありません

しかし、大学・短大・専門学校に通いながらインテリアコーディネーターの資格を取得し、住宅関連企業・インテリア関連企業・デザイン事務所などに就職するのが一般的です。

しかし、資格を取ることのメリットはある

資格を取ることは必須ではないものの、メリットもあるのです。

ここでは、インテリアコーディネーター資格について、

  • 資格を取るメリット
  • 資格の概要

の2つを解説します。

まず、資格には以下のようなメリットがあります。

  • 資格手当がもらえる
  • 就職に活かせることも
  • 顧客の信頼や安心を得られる

資格を持っていると、企業によっては就職に有利になったり、資格手当がもらえることもあります。

また、資格を持っていることで自分のスキルを証明することができ、顧客の信頼度を高められるというメリットもあります。

このように、インテリアコーディネーターの資格を持っていると、就職する前にも後にも役に立てることができるのです。

ここからは、公益社団法人 インテリア産業協会の「インテリアコーディネーター資格試験」を参考に、資格試験の概要について解説していきます。

インテリアコーディネーター 資格

試験日

試験は一次と二次に分かれています。

例年、一次試験は10月、二次試験は12月に実施され、合格発表はそれぞれ11月下旬、2月下旬に行われます。

受験資格

一次、二次試験の受験資格はそれぞれ以下の通りです。

一次試験:年齢・性別・国籍・学歴・職業・経験などの受験資格はありません

二次試験:過去3年以内に一次試験に合格していること。

※ただし、出題・解答ともに日本語のみ。

試験会場

北海道・岩手県・宮城県・群馬県・東京都・愛知県・石川県・大阪府・広島県・香川県・福岡県・沖縄県の全12地域

試験時間

<一次試験の時間>

事前説明 12:15〜12:30(15分)

実施時間 12:30〜15:10(160分)

<二次試験の時間>

事前説明 12:15〜12:30(15分)

実施時間 12:30〜15:30(180分)

試験範囲・形式

一次試験と二次試験の範囲・形式はそれぞれ以下のようになっています。

一次試験の範囲

  • インテリアコーディネー ターの誕⽣とその背景
  • インテリアコーディネー ターの仕事
  • インテリアの歴史
  • インテリアコーディネー ションの計画
  • インテリアエレメント・ 関連エレメント
  • インテリアの構造・構法と仕上げ
  • 環境(熱、湿気、光など)と設備(空調、照明、⽔回り設備など)
  • インテリアコーディネー ションの表現
  • インテリア関連の法規、 規格、制度

※住宅家具、カーペット、オーナメントなど

二次試験の範囲

  • インテリア計画の提案

試験形式は、一次試験がマークシート、二次試験がプレゼンテーション・論文(記述式)になります。

受験料

一次・二次試験を同時に受験:14,850円

一次試験のみ受験:11,550円

合格率

インテリアコーディネーター資格試験の、過去5年分の【一次合格率・二次合格率・合計の合格率】はそれぞれ以下のようになっています。

試験年度一次合格率二次合格率
2021年度32.8%59.1%23.5%
2020年度34.1%58.0%24.1%
2019年度34.7%57.6%25.1%
2018年度32.4%59.0%23.8%
2017年度31.0%56.5%22.5%

上記によると、一次と二次を含めた全体の合格率は22~25%ほどに落ち着いています。

また、マークシート形式の一次試験よりも、プレゼンテーション・論述形式の二次試験の方が合格率が高い結果となっています。

まとめ

いかがだったでしょうか?

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