歯科衛生士の平均年収は386.7万円!国家試験・収入アップ・仕事内容も解説

歯科衛生士 平均年収 国家試験

「歯科衛生士の年収ってどれくらい?」

「歯科衛生士はどんなことをしてるの?」

「どうやったら歯科衛生士になれる?」

「国家試験はどれくらいの人が受かるの?」

このページを訪問してくださった方の中には、上のような疑問を持っている方もいるでしょう。

そこでこの記事では、

  • 歯科衛生士の平均年収(項目別)
  • 他の医療従事者との収入の違い
  • 歯科衛生士の仕事内容
  • 歯科衛生士の収入アップのコツ
  • 歯科衛生士になるための具体的な方法

などを徹底解説しています!

歯科衛生士に興味がある人や、目指している人が知るべき情報が詰まっています

ぜひ最後まで見ていってくださいね。

歯科衛生士の平均年収は386.7万円!

歯科衛生士 平均年収

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、歯科衛生士の平均年収は386.7万円(平均年齢34.9歳)となっています。

国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は433万円となっているため、歯科衛生士の平均年収は日本の平均を46万円ほど下回っています

その他の医療従事者の年収事情が気になる方は下のリンクからご覧いただけます。

【男女別】歯科衛生士の平均年収

男女別の歯科衛生士の平均年収は以下のようになっています。

362.2万円386.7万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※上記数値は、「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

歯科衛生士の平均年収では、女性が男性を20万円ほど上回る結果となっています。

これは、女性の歯科衛生士の方が男性の歯科衛生士よりも圧倒的に多いことが関係していると考えられます。

【年代別】歯科衛生士の平均年収

年代別の歯科衛生士の平均年収は以下のようになっています。

20~24歳約321万円
25~29歳約378万円
30~34歳約356万円
35~39歳約393万円
40~44歳約417万円
45~49歳約433万円
50~54歳約500万円
55~59歳約459万円
60~64歳約455万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※上記数値は、「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

歯科衛生士の平均年収は、50代前半でピークを迎えていますが、全体的に緩やかな推移となっています。

【都道府県別】歯科衛生士の平均年収

都道府県別の歯科衛生士の平均年収は以下のようになっています。

北海道395.7万円
青森県273.3万円
岩手県422.4万円
宮城県328.6万円
秋田県327.6万円
山形県347.3万円
福島県376.1万円
茨城県350.8万円
栃木県389.0万円
群馬県294.6万円
埼玉県378.9万円
千葉県385.4万円
東京都407.0万円
神奈川県444.3万円
新潟県300.4万円
富山県395.9万円
石川県276.5万円
福井県394.2万円
山梨県319.5万円
長野県308.5万円
岐阜県353.7万円
静岡県367.5万円
愛知県424.3万円
三重県374.3万円
滋賀県555.2万円
京都府394.2万円
大阪府351.6万円
兵庫県381.5万円
奈良県334.5万円
和歌山県293.7万円
鳥取県383.0万円
島根県333.3万円
岡山県442.0万円
広島県462.4万円
山口県529.3万円
徳島県460.9万円
香川県406.4万円
愛媛県417.9万円
高知県339.6万円
福岡県356.2万円
佐賀県190.3万円
長崎県453.6万円
熊本県365.7万円
大分県314.3万円
宮崎県377.4万円
鹿児島県366.8万円
沖縄県279.5万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※上記数値は、「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。
※最高値は赤字、最低値は青字で表しています。

歯科衛生士の平均年収が最も高かったのは滋賀県の555.2万円最も低かったのは佐賀県の190.3万円という結果になりました。

【経験年数別】歯科衛生士の平均年収

経験年数別の歯科衛生士の平均年収は以下のようになっています。

0年1~4年5~9年10~14年15年以上
281.1万円337.1万円372.9万円366万円444.8万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※上記数値は、「所定内給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

歯科衛生士の平均年収は、基本的には経験年数が上がるほど高くなっています

収入アップを目指す方は、経験年数を積み、管理職に就くことも一つの手かもしれません。

【雇用形態別】歯科衛生士の平均年収

歯科衛生士は、正社員以外にもパート・アルバイトとして働くこともできます。

そこで、正社員とアルバイト・パートの歯科衛生士の年収を比較してみると、以下のようになりました。

正社員アルバイト・パート
386.7万円153.8万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※正社員の年収は「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出。

パート・アルバイト歯科衛生士の平均年収の計算方法は以下のようになっています。

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、歯科衛生士の短時間労働者の労働状況は、

  • 平均時給:1644円
  • 1日あたりの平均労働時間:5.5時間
  • 1ヶ月あたりの労働日数:13.5日
  • 年間賞与(ボーナス)等:7万4000円

となっているので、

アルバイトの年収
=1644円×5.5時間×13.5日×12ヶ月+7万4000円
=153万8804円

という結果になりました。国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の非正規雇用者(アルバイトやパートなど)の平均年収は176万円です。

そのため、歯科衛生士がアルバイトとして働くと、平均前後のお給料をもらえることが分かります。。

ただし、上記は全て平均値なので、実際の収入と大きく異なる場合がございます。

【比較】他の医療従事者との年収の違い

医師以外の医療従事者のことを「コメディカル」と言います。

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」を参考に、そうしたコメディカルの収入をランキング形式でご紹介します。

順位職種名月収年収(賞与含む)
1薬剤師約40万円約576万円
2助産師約38万円約553万円
3診療放射線技師約37万円約546万円
4看護師約34万円約493万円
5臨床検査技師約33万円約487万円
6保健師約32万円約480万円
7理学療法士
作業療法士
言語聴覚士
視能訓練士
約37万円約546万円
8臨床工学技士約29万円約423万円
9准看護師約28万円約398万円
10歯科衛生士約27万円約376万円
11栄養士約25万円約367万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※年収は「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出。

上の表によると、歯科衛生士の収入は准看護師や栄養士と近いことが分かります。

歯科衛生士の生涯年収

【年代別】歯科衛生士の平均年収を参考に、歯科衛生士の生涯年収を計算すると約1億5000万円になりました。

計算方法は以下のようになっています。

大学卒業後23歳〜60歳までの38年間働くと仮定すると、

助産師の生涯年収

=321万円×2年間+(378万円+356万円+393万円+417万円+433万円+500万円+459万円)×5年間+455万円×1年間

=1億5777万円

独立行政法人労働政策研究・研修機構が公表している「ユースフル労働統計2021 ―労働統計加工指標集―」によると、

大学・大学院卒業後60歳までフルタイムの正社員を続けた場合、日本の平均的な生涯年収は男性が2億7,000万円、女性が2億2,000万円となっています。(退職金は含みません。)

上記を踏まえると、歯科衛生士の生涯年収は平均を下回っていると言えます。

歯科衛生士の仕事内容とは?

歯科衛生士の仕事内容は、以下の3つに分けられます。

  1. 歯科予防措置
  2. 歯科診療の補助
  3. 歯科保健指導

それでは、1つずつ解説していきます。

業務①:歯科予防処置

歯科予防措置とは、虫歯と歯周病を予防することです。

人が歯を失う原因のほとんどが「虫歯」と「歯周病」の2つにあります。それらを予防することで、歯を健康に保つことができるのです。

具体的には、口の中の汚れ(歯垢や歯石)を掃除したり、虫歯予防のための薬物を塗ります。

業務②:歯科診療の補助

歯科診療の補助とは、歯科医師が行う診療を補助したり、歯科医師の指示に従って治療を行うことです。

歯の診療は、歯科医師を中心に治療をし、歯科衛生士が補助をするという「チーム医療」として行われます。

そのため、歯科衛生士は治療をよりスムーズに進めるために重要な役割を果たしているのです。

業務③:歯科保健指導

歯科保健指導とは、患者さんが口腔内を健康に保てるように、個人に合わせたアドバイスやサポートを行うことです。

虫歯や歯周病といった病気は、患者さんの生活習慣と密接に関わっています。

そのため、歯の磨き方やケアだけでなく、食生活、食べ物の噛み方など、歯に関わる生活習慣の改善をサポートすることも歯科衛生士の役割なのです。

歯科衛生士の収入アップのコツは?

①:認定資格を取得する

歯科衛生士が給料をアップさせる方法の一つとして、認定資格があります。

認定資格を取得すると、スキルアップに繋がるだけでなく、資格手当による収入アップも期待できます。

歯科衛生士の認定資格には下記のようなものがあります。

小児歯科認定歯科衛生士

子供の歯科治療について、高いレベルの知識・能力・技術を持つ歯科衛生士です。

インプラント専門歯科衛生士

インプラントとは、いわゆる「入れ歯治療」です。
3年以上インプラント治療に関わることで、知識や経験を備えた歯科衛生士です。

認定矯正歯科衛生士(1級・2級)

矯正治療のスペシャリストです。
日本成人矯正歯科学会に所属し、常勤で3年以上矯正治療に関わることが必要です。

日本歯周病学会認定歯科衛生士

歯周病治療や歯周病予防を主に行い、国民の健康管理に貢献する歯科衛生士です。

ホワイトニングコーディネーター

ホワイトニングに関する専門的な知識やスキルを持つ歯科衛生士です。
講習会に参加し、試験に合格する必要があります。

日本歯科審美学会認定歯科衛生士

歯科審美のスペシャリストです。
歯科審美とは、歯を美しくすることを目的とした治療のことです。(歯を白くする、歯並びを良くするなど)

日本歯科衛生士会認定歯科衛生士

この認定制度は、生活習慣病予防や糖尿病予防など、いくつかの分野に分かれています。
それぞれの分野について高いレベルの知識・経験を持つ歯科衛生士が認定を受けられます。

より詳しい内容は、上記の認定資格名をタップするとご覧いただけます。

②:企業規模の大きい勤務先に就職・転職する

企業規模別の歯科衛生士の平均年収は以下のようになっています。

10~99人100~999人1000人~
376.3万円395.5万円442.8万円

※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査
※上記数値は、「きまって支給する現金給与額(≒月収)×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

歯科衛生士の平均年収は、企業規模が大きくなるほど高くなっています

そのため、大学病院や総合病院など、できるだけ規模の大きい病院に就職・転職するのも一つの手です。

ただし、上記の数値は平均値です。小規模の歯科医院であっても利益を出している勤務先であれば高い収入が得られる可能性もあるのです。

そのため、あくまで就職・転職時の一つの判断材料にしていただけると嬉しいです。

歯科衛生士になるための2ステップ

歯科衛生士になるには

歯科衛生士になるには、以下の2つのステップを踏む必要があります。

  1. 厚生労働省の指定する大学・短大・専門学校を卒業する
  2. 歯科衛生士国家試験に合格する

それでは、1つずつ見ていきましょう。

STEP①:3年制以上の歯科衛生士養成機関を卒業する

まず高校卒業後、厚生労働省の指定する3年制以上の歯科衛生士養成機関(大学・短大・専門学校)に入学する必要があります。

養成機関で歯科衛生士に必要な知識や技術を習得して卒業すると、国家試験の受験資格を得ることができます

STEP②:歯科衛生士国家試験に合格する

養成機関を卒業して受験資格を得ると、毎年3月に実施される歯科衛生士国家試験を受けることができます。

この国家試験に合格すると、厚生労働大臣によって歯科衛生士名簿に登録され、歯科衛生士免許を取得することができます。

ここからは、歯科衛生士国家試験の概要について見ていきます。

→参考:厚生労働省「歯科衛生士国家試験の施行

試験日程・合格発表

毎年3月に、午前と午後に分けて行われます。試験日程は例年9月に発表されます。

第32回国家試験(2023年)は、3月5日(日)に実施され、同月24日(金)14:00に合格発表が行われる予定です。

受験資格

受験資格は、大きく分けて2つあります。

  • 指定された歯科衛生士養成機関で3年~4年のカリキュラムを修了した人
  • 外国の歯科衛生士学校を卒業した人か、外国で歯科衛生士免許を取得した人で、厚生労働大臣が日本で修了した人と同等以上の知識・技能を有すると認めた人

受験料

14,300円

所定の払込用紙を使い、一般財団法人歯科医療振興財団が指定した郵便局や銀行口座に振り込む必要があります。

試験会場

全国10会場

(北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県)

試験科目

  • 臨床歯科医学
  • 歯科衛生士概論
  • 歯科予防処置論
  • 歯・口腔の構造と機能
  • 疾病の成り立ち及び回復過程の促進
  • 歯科保健指導論及び歯科診療補助論
  • 人体(歯・口腔を除く)の構造と機能
  • 歯・口腔の健康と予防に関わる人間と社会の仕組み

過去の合格率

歯科衛生士国家試験の合格率は、毎年90%を超えています

開催回(年)合格率受験者数合格者数
第31回(令和4年)95.6%7,416名7,087名
第30回(令和3年)93.3%7,099名6,624名
第29回(令和2年)94.3%7,216名6,808名
第28回(平成31年)96.2%7,207名6,934名
第27回(平成30年)96.1%7,374名7,087名

※出典:一般財団法人 歯科医療振興財団「歯科衛生士国家試験」,公益社団法人「日本歯科衛生士会

まとめ

いかがだったでしょうか?

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